吉田豪・高野政所・久田将義 ピエール瀧・逮捕と日本のドラッグ問題を語る

吉田豪・高野政所・久田将義 ピエール瀧・逮捕と日本のドラッグ問題を語る ニコニコ動画

(高野政所)ですよね。「シノギになっているから、反社会的勢力に資金を渡していることになる」って言うんだけど、本当にそうなのかな?って。

(吉田豪)大麻ってそんなに反社会的勢力が仕切りますかね?

(高野政所)なんか儲からないらしいですね。

(吉田豪)そして自分で栽培をしている人もいるし、自分で輸入する人もいるし(笑)。

(高野政所)そういうのを考えると、そこの説得力っていうのもあんまりわからないし。あと、「ドラッグ」って言うと酒も精神にエフェクトがかかるものなんで。で、脱法ドラッグってめちゃくちゃ流行ったじゃないですか。それこそ結構カジュアルにサラリーマンとかがガンガンにやっていた時、あれってめちゃくちゃ安かったんですよ。それこそ道玄坂とかに町のハーブ屋さんっていうかわいいところで買ったりとかしていたんですけど。みんな、実は合法的であればキマりたいんじゃないの?っていう。で、その脱法ドラッグが危険ドラッグになって、いまは完璧にダメになったじゃないですか。その後、酒の度数が強くなるんですよ。だからストロングゼロが出てくるタイミングっていうのが。だから、根本的に人間はちょっと酩酊したいとかキマりたいんだなっていうのを結構思っていて。

(久田将義)渋谷はそうですよ。当時、マジックマッシュルームがOKだった時は売っていましたもんね。

(吉田豪)ラッシュとかね。そこらへんで買えるものだった。

脱法ドラッグの後でストロングゼロが流行る

(久田将義)買えた。でもね、僕は思うんですけど、自分はクラブとか好きだったんですけど。なんか、「コカインぐらいやらないと音楽できないぜ」みたいなツイートを、誰とは言わないけどしている人がいたんで。それはダセえなと思って。

(高野政所)それはないと思いますけどね。

(久田将義)それはまあ、音楽ライターさんだと思うんですけども。

(吉田豪)久保憲司さんですか? 久保憲司さんはまた特殊なんですよ。あの人は海外で主たるドラッグを全部やった結果……みたいなので。

(高野政所)上級者だ(笑)。

(吉田豪)テクノっていうのはMDMAとかをキメないとわからない音楽だし、いろんな音楽ジャンルによって酒で理解できる音楽、大麻で理解できる音楽など、いろんなものがあって……っていう話なんですよ。やっぱりね、レゲエの人に「大麻をやるな!」って言ってもしょうがないっていうか。「おい、ボブ・マーリー、なんでお前、大麻なんかやっているんだよ!」って(笑)。

(高野政所)フハハハハハハッ! なるほど(笑)。

(吉田豪)しょうがないでしょう、これはって。

(高野政所)「そういうものだから」っていう。

(久田将義)だけど、それを「やらないとダメだ」みたいなのはダサいよ。僕は刺青と同じだと思っていたんで。まあ、ドンブリのヤクザとかに会っても、「それは僕らの自己満足だから。見せるものじゃない」っていうことですよ。それと同じで、「やっぱりコカインとかやっていないとダメだぜ」っていうのは同じぐらいダサいなって。

(高野政所)そうですね。ひけらかすことではないですよね。

(吉田豪)「やっていないとダメ」っていうか、だからたとえばMDMAが密接なジャンルがあるっていうようなことなんですよ。

(高野政所)そうですね。

(久田将義)事実はそうかもしれないけどね。

(高野政所)でも、だからって「そうじゃないと作れない」っていうのは違う。人それぞれだから。

(久田将義)そうでしょう? 僕は音楽はわかりませんけども。同じような感じでそれは声高に言うものじゃないとは思いますよ。嗜みみたいなもんで。やっていい音楽を作ったとしても、それを声高に「やってるんだぜ」とかって言うのはダサいなって思いますよ。だからそれはつくづく思いますけどね。刺青、タトゥーと同じだなって思いましたけどね。そのへんはもう。

(吉田豪)久保憲司さんはまた特殊なんですよ。本当に名だたるミュージシャンとドラッグをやってきた人なんで(笑)。

(高野政所)なるほど。ドラッグエリートみたいな(笑)。

(吉田豪)僕も複雑なんですよ。僕の大好きなミュージシャンと一緒にドラッグをやっている感じなんで(笑)。「ええーっ? あの人も?」みたいな(笑)。

(久田将義)まあでも、それは隠すべきでしょう? そんなのはいちいち言うことじゃないじゃないですか。「俺、ここまでタトゥー入ってるんだぜ」なんて言いませんからね。ヤクザって。同じように「やってるんだぜ」とか言わない方がいいですよ。

(高野政所)あ、でも(コメントを見て)「ビートルズはダサいのか?」っていうのが来てますけども。

(久田将義)ビートルズは別に。

(高野政所)でもひけらかしてはいないですね。結果、そうだったっていうだけで。

(久田将義)でしょう? だから結果はもうしょうがないですもん。僕らも「やっているんだな」って思いますもん。

(高野政所)なるほど。じゃあ、あれはどうですか? 「ドーピング作品」って松本人志さんが言われていたじゃないですか。その問題も結構今回、あるじゃないですか。

(久田将義)演技ですよね?

(高野政所)演技もそうだし……。

(吉田豪)演技する直前にはキメてないだろう?っていうね(笑)。「さーて、ちょっとトイレ行ってキメてくるか!」なんて、ないですよね(笑)。

(高野政所)さすがにないと思いますけども(笑)。あと、音楽作品に関して言うと配信停止とかの処分。あれ、どう思います?

(久田将義)あれは僕は良くないと思いますよ。

作品の出荷・配信停止処分

(吉田豪)違約金が取りたいんだったら、その人に金が入るシステムを作れよっていう話なんですよね。なんで金を取ろうとしているのに、その人に金が入らないなんて……おかしいですよね?

(久田将義)そんなことを言ったら、ハリウッド映画は全部ダメですよ。みんな……ドラッグだけじゃなくて、たとえばDVをやっているやつ。マーク・ウォルバーグなんかもそうだし。そんな、犯罪を犯した人の映画がダメになるんだったら、もう全部ダメじゃないですか。

(高野政所)だいぶダメですよね。

(吉田豪)久田さんも大麻やっているからダメになるし(笑)。

(高野政所)フハハハハハハッ!

(久田将義)僕は全然もう、隣のやつがやっていたのを「へえ。よくねえな」って思っていただけなんで(笑)。

(吉田豪)副流煙(笑)。

(久田将義)こうやって消しましたよ。だから僕もそう思いますよ。あと、Huluだと『凶悪』とか『日本で一番悪い奴ら』とかもまだ見れましたからね。だからそんな、映画なんか止めるべきではないですよ。

(吉田豪)それこそ、昔手塚治虫の作品に黒人差別的な表現があるみたいな感じで一時期ダメになった時、そこに一文をつけることでOKになったじゃないですか。「この作品には差別的な表現がありますが、当時の時代背景が……」みたいな。

(高野政所)じゃあ「この作品は薬物を……」みたいな?(笑)。

(吉田豪)だから「あくまでもこれは危険なもので……」みたいな。なんか入れるだけで何の問題もないはずなんですよ。お金を払って見たりするようなものだったら、特に。なんでわざわざ?

(高野政所)映画とかもそうですけど、音楽作品も。だからたしかにドラッグをやらなきゃヤバいものが作れないなんてのはダサいと思うんですけど。なんですかね? 別にドラッグをキメていい音楽が作れるんだったら世話ねえよっていうか。その理屈だと、みんなが電気グルーヴになれるっていうことになるはずなんで。でも、絶対にそんなことはないと思うんですよ。

(久田将義)本当、そうですよ。

(吉田豪)だってね、「瀧さんの奇行」みたいな感じでワイドショーが流しているの、日常のピエール瀧ですよね?(笑)。

奇行ではなく、日常の行動

(高野政所)日常の(笑)。「ああ、よく見たことあるな」って(笑)。これ、別にドラッグのせいとかじゃなくて、こういう人だぞっていう(笑)。

(吉田豪)「ドラッグをキメてるからサングラスをしているのです」みたいな(笑)。「そうかな?」みたいな(笑)。「ケンタウロスの格好をして、おかしい!」みたいな(笑)。

(久田将義)ケンタウロスの格好をしてるなんて、AKBもしていたしね。

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(高野政所)別にシラフの人でもやる人、いるでしょう?っていう。

(吉田豪)いまにして思えば「清水ケンタウロス」っていうのもいいネタでしたよね(笑)。

(高野政所)フハハハハハハッ! ヤバいっすね。そう。僕も作品を止められちゃったクチなんで。ユニバーサルミュージックっていうところから出していたんですけど。そこの担当の人に逮捕された後に挨拶して。「すいませんでした! どうしたらいいですかね、僕?」「じゃあ、まあ1年は自粛かな? 執行猶予中はそんな仕事は来ないんでおとなしくしていてください」って言われて。「ああ、わかりました」って。で、それが終わって「じゃあ、いつごろPVとか復活されてくれるんですかね?」って言ったら「ASKAさんの配信再開のどさくさでやろうとは思っています」みたいなことは言っていただけたんですけど……まだですよね?

(吉田豪)ASKAさんもね、ライブやりますからね。

(高野政所)そろそろいいんじゃないかな?っていうのもあるんですけど。もう4年前のことなんで。そろそろユニバーサルさん、見ていたらちょっとPVぐらいは……。

(吉田豪)こっちは大麻ですからね。コカインじゃないですよ? 世界は解禁に動いてますよ!っていう(笑)。

(高野政所)僕のPVも解禁してくれませんかね?って思うですけどね。

(久田将義)大麻は解禁になりそうな気も、ねえ。

(高野政所)まあ、そこはなんともわからないですけども。

(久田将義)医療大麻がね。

(吉田豪)宇多丸さんですらね、「たかが大麻」っていう言い方をしていましたからね(笑)。

(高野政所)されど大麻ですよ。でも捕まっちゃうと大変なんですよ。みんな、知っていますか?

(久田将義)本当、そうだよね。

(高野政所)なにで捕まっても大変なんですよ。

(吉田豪)僕も高校の講演会で1回、呼ばれたことがあって。「芸能人のドラッグ事情について話してくれ」っていう。

(高野政所)なんで高校生にそんな話をしなきゃいけないんですか?(笑)。

(吉田豪)だから僕がいろんなドラッグで捕まった人のインタビューをしているから。それを話した上で、「日本ではリスクが高いからやめた方がいいよ」っていう話をするという。

(高野政所)「割に合わないよ」って。俺、本当にそう思いますよ。

日本でドラッグは割に合わない

(吉田豪)割に合わないんですよ。いいとか悪いとかじゃないんですよ。いまの日本でやるということが割に合わないから全くおすすめしませんっていう。

(高野政所)たしかに割に合わないですから。本当、捕まらない方がいいですよ。「捕まらない方がいいですよ」っていうのも反感を買いそうですけど、でも迷惑をかける時は捕まる時なんで。

(久田将義)自覚してやるっていうことですね。

(吉田豪)ちなみにそのさっき言ったK子っていう人の本を読んでいて、僕がすごい気になったのが、薬物。ケミカル的なというか、そういうのをやっている人の特徴みたいなことが書いてあって。DJはだいたいやっている。冬でもTシャツで、時間の感覚がなくなり、遅刻をよくするっていう……これ、掟ポルシェなんですよ(笑)。

(高野政所)フハハハハハハッ! 掟さーん!(笑)。

(吉田豪)どう考えても掟ポルシェなんですよ。僕の知っている限り(笑)。

(高野政所)DJもやっているし、すごいテンションだし(笑)。

(久田将義)フハハハハハハッ! ヤバいな(笑)。

(高野政所)そんなこと言い出したら、もうみんな容疑者ですよ。容疑がかかってもおかしくないですからね。

(久田将義)そりゃあスポーツやっている人なんか、冬でもTシャツですしね。全然。

(吉田豪)今日もですよ。掟さんが「いつものTシャツ1枚で汗だくで……」みたいなツイートをしていたけど。見るたびにハラハラするんですよ。「掟さん、疑われるよ!」っていう(笑)。

(久田将義)ヤバいね(笑)。いや、怖いね。

(高野政所)そうっすね。でも、誰がやっていてもおかしくないって僕は思います。うん。

(久田将義)でも、僕は一応さっき出た酒を飲んでいる人はやっていないような気はしているんですけど。

(吉田豪)でもね、瀧さんだって。自分で飲み屋までやっていた人ですよ。わかんないんですよ。

(久田将義)だから結局ね、わかんないなって思っちゃって。

(高野政所)いや、実際わかんないですよ。別腹っていう人もいますからね(笑)。

(吉田豪)そうそう。あともう1個、出てきたのが薬物を好きな人はそういうスパイスとかも好きで、カレー好きっていうのも書いてあって。それも掟ポルシェっていう(笑)。

(高野政所)でも、掟さんが言っていたのは「僕はお金がないからドラッグはしません」っていう(笑)。「リアルだな!」っていうか(笑)。まあ、でもそうですよ。ドラッグはお金がかかるんで。お金がないことでそこには手を出さないっていう。

(吉田豪)その結果、ストロングゼロで済んでいる人がたぶん日本に相当いるわけですよ。

(高野政所)いま、コメントで「宇多丸さんもカレー好き」って(笑)。

(吉田豪)まあ、宇多丸さんもカレーが異常に好きな人ですからね。

(久田将義)じゃあ大丈夫じゃない?

(高野政所)だから、キマりたいんですよね。みんなね。

(久田将義)そう。高野さんがおっしゃった通り、キマりたいんですよ。やっぱりなにかで……。

(吉田豪)合法でキメるかどうかっていうね。

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