藤本美貴さんが2022年9月13日放送の『猫舌SHOWROOM 豪の部屋』の中でモーニング娘。加入についてトーク。ソロ活動後の不本意な加入と、そこで訪れた反抗期について話していました。
(藤本美貴)「取材です」って言われて。「紅白に初めて出て、それの感想の取材です」って言われて。「まあ、あるかな?」って思いながら行ったら、つんくさんに言われるっていう感じですね。うんうん。
(吉田豪)「モーニング娘。に入ります」って。
(藤本美貴)そう。「ええーっ!」みたいな。びっくりですよ。衝撃ですよね。
(吉田豪)最近になって、オープンに言っているじゃないすか。当時は「嬉しかった」って言ってましたけど……。
(藤本美貴)はい。「嬉しくなかったです」って最近は言ってます。
(吉田豪)「嫌でした」っていう。
(藤本美貴)やっと言えました。そうですね。なんかやっぱり最初、「この方向(ソロ)で頑張りましょう」って言われて、その方向に気持ちを固めてるから。「えっ、急に?」っていうのはありますよね。うん。
(吉田豪)それでそれなりに手応えを感じて、紅白まで行ったのに。「えっ?」っていう。
(藤本美貴)うん。そうなんですよ。でもなんか、噂だと「もし紅白に出られなかったら、モーニング娘。加入はなかった」って言われてましたね。
(吉田豪)ええーっ?
(藤本美貴)なんか、やっぱりモーニング娘。に入るのに「紅白に出られなくて落ちこぼれたから入れる」じゃなくて、「ちゃんと一人前だから入れるんだ」っていうことで。それで紅白に出たから入るっていう(笑)。複雑!
(吉田豪)そんなオーディション、ないですよね?(笑)。
(藤本美貴)本当、複雑ですよ。
(吉田豪)たぶん入る側。藤本さん側も複雑だったと思うし、受け入れるメンバー側も複雑だったはずで。
(藤本美貴)複雑だったと思いますよ。
(吉田豪)「えっ? ソロでやってた子がなぜ急に?」って。
(藤本美貴)そんなこと、ないじゃないですか。だから複雑だったと思うし。「やりづらいな」と思ってたと思いますよ。
(吉田豪)さらにややこしいのが、そういうようなことでちょっと人間不信になったのか、藤本さんが反抗期に入るわけじゃないですか。
(藤本美貴)そう。私、反抗期に入ります。モーニング娘。に入って、反抗期に入ります(笑)。そうです。でも、あの反抗期は今思えばあってよかったなとも思うし。必要な反抗期だったなって思います(笑)。
(吉田豪)でも、だから僕らが聞いているような藤本さんの狂犬っぷりというか、怖いエピソードはだいたい反抗期ゆえに生まれたものって感じなんですね。
反抗期ゆえに生まれた狂犬エピソード
(藤本美貴)そうですね。やっぱり反抗期に入らないと、あのグループの中でやっていけなかったんですよ。
(吉田豪)なるほど。立ち向かうにはちょっとそういうモードになってしまうっていう。
(藤本美貴)そうです。やっぱり埋もれてしまってもいけないなっていうのがあったので。頑張ってグッとこらえるには反抗期に入らないと、こらえられないなっていう。
(吉田豪)それこそね、さっき言ってた中学生で先輩に呼び出されても普通に「はあ?」って言い返すみたいなノリがモーニングでも続いてたわけですよね?
(藤本美貴)そうです! 「負けちゃいけない」っていう。絶対に負けちゃいけないっていう気持ちでしたよ。うんうん。
(吉田豪)でも、なかなかそのモードでやってる人って他にいなかったですよね?
(藤本美貴)いないですよね(笑)。みんな……でもやっぱりソロからじゃなくって「はじめまして」で何もできない中から入るから。なんかちゃんと末っ子として一番下の期はいられるんだろうなと思いますよね。いや、どうなんだろう? 私、普通に「はじめまして」で入っても反抗期だったんですかね?
(吉田豪)フフフ(笑)。「ソロ時代から変わってない」みたいなコメントが今、流れてましたよ?(笑)。
(藤本美貴)いや、ソロ時代は私、もうちょっとかわいく頑張ってたと思うんですよ。
(吉田豪)だってでも『ロマモー』とかで当時、いわゆる今みたいに「ミックス」っていう言葉はないですけど。「美貴様、美貴様、お仕置きキボンヌ」みたいな。あの時点でそういうようなものが生まれるぐらいの狂犬な感じはあったんじゃないですか?
(藤本美貴)たしかに。私、結構アイドル頑張ってたんだけどな。どこでバレちゃったんですかね?(笑)。
(吉田豪)フハハハハハハハハッ!
(藤本美貴)『ロマンティック』なんか3曲目だから、まだバレてなくてもよさそうですよね?
(吉田豪)ですよね。反抗期以前のはずなのに。
(藤本美貴)どうしたんだろう?(笑)。どこでバレちゃったんだろう?(笑)。
(吉田豪)気の強さとかはたぶん見え隠れしてたのが……。
(藤本美貴)バレちゃったんだな。
(吉田豪)それをさらに本人の中でも隠さなくなったのがその時期っていう?
(藤本美貴)そうですね。だから芸人さんとかにも「初めて見たよ。笑わないアイドル」って言われて。
(吉田豪)「笑顔が消えた」って言ってましたね。その時に(笑)。
(藤本美貴)アハハハハハハハハッ!
(吉田豪)なんなんですか? それは。スタッフへのアピールなんですか?
(藤本美貴)でも、ちょっとその「感じてほしい」みたいなのがたぶんあったと思うんですよね。
(吉田豪)「私はこの処遇に対して納得いってないですよ」っていう?
(藤本美貴)はい。というのもたぶんあったし。なんかこう、メンバー内でも先輩・後輩みたいなのも「うーん……」みたいに納得いかないこともあったりとか(笑)。
(吉田豪)上下関係は絶対なグループですよ?
(藤本美貴)そうですね。でもなんか「えっ、上だからって、いいんですか?」みたいな。なんか、いろいろあるじゃないすか。もう、みんながみんな長いものに巻かれちゃうから。「えっ、巻かれるの? 巻かれていいんですね?」みたいな。
(吉田豪)そういう人、いないですよ(笑)。筋は通っているんだろうけど……っていうね。
(藤本美貴)そう! 今、思えば言わなくてもいいこともいっぱい言ってましたよ。私も。みんなが凍り付くような(笑)。
(吉田豪)だって、それ以前のモーニングとかの上下関係絶対エピソードって、すごいじゃないですか。中澤さんがバナナ嫌いだから、控え室にバナナがあるかどうかをチェックして。あれば隠すとか。
(藤本美貴)すごいですよね。私、たぶんそこでバナナ食べますもんね。
(吉田豪)「全然、うまいんだからいいじゃん」って?
(藤本美貴)「えっ、なんで? 私は食べたいんですけど?」みたいな。でも中澤さん、私が入った時にはもちろんいなかったので、そんな事件はなかったですけど。そうそう。
(吉田豪)なんですかね? 自分の中のルールとして「筋が通ってれば、言いたいことは言っていいんじゃない?」みたいな感じですか?
筋が通っていれば言いたいことを言ってもいい
(藤本美貴)ヤバいやつだ(笑)。でも、ちょっとそれはありますね。なんか、言ってることが完全に間違えてたらそれはよくないと思うんですよ。でも、ちゃんと筋が通ってれば、まずそれを言う権利は与えられますよね? で、そこからその人がそれを良しとするかは別として……だから、ダメだったらダメでいいんだけど、とりあえず言いたいんですよ。もしかしたら、OKになるかもしれないからっていう。その、「とりあえず言ってみよう」みたいなのはありますね。
(吉田豪)もう現代のルールでは本当に正しいことを言ってると思うんですけど。あの時代のああいう世界では、結構ありえないことだったと思うんですよ。
(藤本美貴)いや、本当にそうだと思います。本当にだって私、遅刻して。先輩に「謝りなさい」って言われて「すいませんでした」って謝るじゃないですか。で、次にその先輩が遅れてきた時に「えっ、遅刻したんだから謝った方がいいですよ?」とか言って(笑)。
(吉田豪)フハハハハハハハハッ! 筋は通ってます。
(藤本美貴)はい、そうですよね。「謝った方がいいと思いますよ?」って言って(笑)。
(吉田豪)謝ったんですか?
(藤本美貴)「私も謝りましたけど、謝った方がいいと思いますよ?」って言って(笑)。
(吉田豪)すごいですね。さすが(笑)。
(藤本美貴)はい。言いましたよ。
(吉田豪)そういう話が全部、僕らの中では「かっこいい!」に変わるんですよ。
(藤本美貴)かっこいいんですか?(笑)。
(吉田豪)「やっぱり藤本、すげえわ!」って(笑)。
(藤本美貴)でも、近くにいるとすげえヤバいやつですよ?(笑)。
(吉田豪)フハハハハハハハハッ! 厄介ですけど、信用はできるみたいな感じですね。
(藤本美貴)そう。なんかちゃんと自分の気持ちは固めているみたいな感じですよね。
(吉田豪)間違ったことに対しては私は「間違ってる」と言いたいっていう。
(藤本美貴)そうそう。で、それが違ったら「すいません」って言えるから。
(吉田豪)当然、でもその姿勢だと波風は立ちますよね。
(藤本美貴)立ちます、立ちます。立つし、私は本当に先輩とかでも全然普通に言うので。私とその先輩の間の期が「ザワザワザワ……」って。ザワザワしていました。「まあまあまあ……」みたいな。
(吉田豪)まあ、ザワザワしているのは気づきながらも?
(藤本美貴)気づきながらも、「でも私は間違ったことを言ってない」と思ってるから。「えっ、どっちですか?」みたいにずっと攻め続けるっていう(笑)。「どうします?」みたいな感じですね。
(吉田豪)今でこそ、皆さんとうまくやれてるイメージですけど。当時は絶対バチバチしてただろうし。
(藤本美貴)なんかね、バチバチでもないっていうか。そう。バチバチとは違うんだけども、扱いづらいと思われてるし、私も「そう思われればいい」と思ってましたもん。
(吉田豪)「なぜなら今、私はいろいろ不満に感じている」っていう。
(藤本美貴)そう! 曲がったことが大嫌い(笑)。「先輩とか関係ない」って。
(吉田豪)すげー!(笑)。
(藤本美貴)そうです、そうなんですよ。
(吉田豪)なんかね、さくら組で変わったみたいな話は……。
(藤本美貴)ああ、さくら・おとめ。そう。私がおとめ組だったんですけど。そこで、モーニング娘。でひとつだったじゃないですか。それが半分に分けられて。さくら組とおとめ組に分けられて。で、半分じゃないですけどメンバーとか見ても「ああ、これはちょっと私もちゃんと頑張らなきゃいけないな」って思ったのがそこですかね(笑)。
(吉田豪)初めてそういう意識に目覚めて。
(藤本美貴)そうですね。なんか一応、そのさくら・おとめで対決じゃないですけど。対決の構図みたいになってたので。私、負けるのは絶対に嫌なので。とりあえず、勝てるかはわかんないけど頑張らないと絶対に勝つっていうところにはたどり着けないので。「ちょっと頑張るか」って感じでしたね。
(吉田豪)その「負けるのは嫌」っていうのがいろいろプラスになった感じですよね?
(藤本美貴)ああ、そうですね。だから負けるのは今でも嫌です。子供に負けるのも嫌です。
(吉田豪)なんかサッカーでも子供相手に本気でムキになってやっているっていう?(笑)。
(藤本美貴)はい。オセロとかも本気でやります(笑)。そうそうそう。
とにかく負けるのが嫌
(吉田豪)アイドルの世界でなかなか勝ち負けって、そうないじゃないですか。あと、ランキングとかだと自分のせいじゃなくなるし。
(藤本美貴)そうですね。しかも私たち、ランキングとかはあんまり出てこないじゃないですか。AKBみたいな、総選挙みたいのがあるわけじゃないので。そうですね。
(吉田豪)オリコンチャートとかになっちゃいますもんね。それはもう、自分だけの責任じゃない話だし。
(藤本美貴)そうですね。うんうん。だからなんでも、とりあえず負けたくはない。フットサルの練習試合でも負けたくない。
(吉田豪)そうなんですよね。負けたくないハートがフットサルで完全に花開いたというか。
<書き起こしおわり>