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モーリー・ロバートソン 大坂なおみホワイトウォッシュ問題徹底解説

モーリー・ロバートソン 大坂なおみホワイトウォッシュ問題徹底解説 水曜日のニュース・ロバートソン
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モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で日清食品が制作したアニメーションCMの中で大坂なおみさんがホワイトウォッシュ的に描かれた問題について、その背景などを徹底的に解説していました。

(モーリー)ザ・ガーディアンの1月24日のツイート、どうぞ! はい。ここからはもうネタ満載だからね。ホワイトウォッシュね。先週もちょっとこの番組で言及しましたけど、今日はがっつり行きます。

(モーリー)「tan」っていうのはタンニングサロンの「タン」で「日焼け」っていう意味ね。で、「私は褐色だ」っていう風に日本語ではなるんですけど。で、これは彼女が言った実際の言葉なんだけど、それを引用する面白さもある。日本語訳を見てみると、「私は褐色です。それは明白です」って……あのね、日本語になると「褐色」っていう言葉と、「白」っていう文字があるのよ。「明白」って。どう?

(プチ鹿島)意味がついちゃうよね。

(モーリー)この「明白」っていうのはたぶん中国語の「白」だったりとかして、別に白人・非白人っていうことじゃないよね。ところが、なぜかダジャレですか?っていうぐらいに「白」っていう文字が入るわけ。「大坂なおみ選手が広告動画のホワイトウォッシュについて答えた」っていうことなんですけども。その「tan(褐色)」という言葉がまあ非常に大坂さんの上手な世渡りがそこに入っているわけ。

あのね、たとえば「Black」って言ってしまうのがいちばん楽なの。「I’m black.」って。「My father is black.」って。「Obama is black. I’m black.」って言い切ってしまうこともできるけど、でもそれをやるとちょっと角が立つわけですよ。で、もう一つはね、「Brown」っていう言い方があるのね。で、アメリカの黒人の人たちは厳密にはいわゆる漆黒の黒ではないだろう?っていうね。しかも、忌まわしいというか悲しい歴史があって、白人がミンストレル・ショーっていって、顔を黒く塗るというショーが昔、ありました。最近でも黒塗りでダウンタウンの浜ちゃんが言われたじゃないですか。

(プチ鹿島)ありましたね。

荻上チキ『笑ってはいけない』ブラックフェイス問題を語る
荻上チキさんがTBSラジオ『Session-22』の中で、2017年末に放送されたTV番組『笑ってはいけない』の中で、浜田雅功さんが顔を黒く塗るメイクで黒人の扮装をし、「差別的表現だ」と物議を醸している問題について話していました。

(モーリー)ああいうのでね、ミンストレル・ショーっていうのはチャコール(炭)を塗っていたんですよ。だから本当に真っ黒だったの。で、そういう連想なんかもあったりした中で「Black peeple(黒人)」っていう言い方がその前の「ニグロ」って言った時もその「ニグロ」っていうのは「黒い」っていう意味なんですよ。ところがその「Black」っていうのはちょっとミンストレルじゃないんだから。よく見ると、まあインド系の人だって近いじゃないかっていうことで、褐色っていうことで「Brown」っていう言い方をする人もいるのね。「I’m brown.」っていう。そういう言い方をする人もいる。でもそれを「Brown」と言わずに「Tan」って言ったところに大坂さんの配慮が感じられるわけよ。

(プチ鹿島)ほう。

(モーリー)では、このホワイトウォッシュの騒動、どういうことだったのか?っていうのをちょっと解説しましょう。日清が1月11日に第一弾、14日に第二弾を公開したアニメ広告動画がありました。彼女を美談として描く宣伝動画ですよね。で、CM内に登場するこの大坂選手がアニメ化された時のこの肌の色が「えっ、ちょっと白すぎない?」って。白く描かれている。で、これを「漂白した。ホワイトウォッシュだ」という批判の声が上がり、騒動が広がるにつれてあまりにもネガキャンなので。これはもともとはプロモーション動画ですからね。で、スポンサーの日清は23日にこの動画を削除しました。

で、興味深いことに、まあスポンサーへの忖度も入っているとは思うんですけども。この情報以外、大手メディアはこの背景っていうものを報じていないんですよ。ホワイトウォッシュっていうのはどういうことか? どうしてこれがそもそも問題なのか?っていう背景を。それがみんな沈黙を守ってしまった。ところが、そんな中でイギリスのガーディアンが動画付きの記事をネットにアップして、ホワイトウォッシュとはなにか?っていうことを解説していて、まあこれが……これはいま欧米で本当に熱すぎる問題なの。それを日清の下請けをしたアニメーターが全く意識せずに済んでいた。そのガラパゴスにいま、ブラックバスがブワッと入ってきた状態なんですけども。

どういうことか?っていうと、たとえば日本の人気アニメ『攻殻機動隊』。ハリウッドで実写リメイクされました。その時、主要キャラクターである草薙素子という人が、書き換えられてミラという主役になり、スカーレット・ヨハンソンがキャストされた。だけど、あちこちが香港風、日本風で桃井かおりさんとか北野武さんとかも出ていたりして。なぜか北野武さんだけは日本語でずっとしゃべっていて。他の人たちは英語でしゃべっている。そして意思が疎通していること自体がすごいんだけども。まあ、未来だからいいだろう、みたいな。

なんか一体なにをやっているんだ?っていうチグハグさがあった、ちょっと映画の仕上がり自体は残念っていう風にもファンには言われていたんだけども。その中で、やっぱりスカーレット・ヨハンソンがね、「なんかホワイトウォッシュしてるじゃん。だってこれは日本の物語なのに……」っていう風に言われた。そしたら、元の監督の押井守さんがインタビューを受けたんですよ。「あなたは自分の作品がハリウッドでホワイトウォッシュされていて、どう思いますか?」って。そしたら「ああ、いいじゃない? どうせアンドロイドなんだから」っていうことで、ちょっと上手いこと手打ちをしたという。

(プチ鹿島)なるほどね。

(モーリー)だから、こういう風にいろいろな問題が起きている。そして、さらにもうひとつ、欧米のステレオタイプっていうのがあって。特にアジア系の人に対してのステレオタイプが「フー・マンチュー」って聞いたことある? ないか。やっぱり。1920年代から60年代にかけて、ハリウッドのB級映画で目がつり上がってヒゲが伸びた清朝の帽子をかぶった怪人フー・マンチュー。この人はなんか義和団の乱で白人に自分の家族を殺された恨みから、白人種への復讐と世界征服を計画する秘密結社の王者なんですよ。怪しい、なにを考えているのかわからない、お互いにつるんでいる中国人というステレオタイプで、それを推理小説にしたところそれが当時、大ヒットしたの。

まあ、黄禍論(Yellow Peril)と重なっていたんですね。黄色人種は怖い。そういう中国人とかが増えていったアメリカで人種的なステレオタイプがあったのを、それがテンプレになり、B級映画で以来ずっとフー・マンチューっていうテンプレートがあるんですよ。で、最近は『マトリックス』なんか以降、白人がなぜかカンフーの名手になるんですよね。で、なぜかマーベルの『ドクター・ストレンジ』ではチベットから来た何百年も生きているお坊さんが白人の坊主頭にした女性だったりするんですよ。

「なんや、このホワイトウォッシュは!」みたいになるわけですよね。だからそういうことがすごく問題になって……あと、アカデミー賞でも「白すぎるアカデミー賞」って覚えてます? 白人ばっかりみんな受賞したという。で、それの翌年は『ムーンライト』。黒人ばっかりの映画が作品賞を受賞したとか、そういう騒ぎの真っ只中でこれをやらかしたわけだ。

でね、BBCはこれについて一定の理解を示していて。BBCの記事。「Japan is a country which is – even now – extremely homogenous. The issue of race and racism, therefore, is perhaps not as obvious to people on a daily basis. 」

日本語に簡単に訳すと「日本はいまもなお、エクストリームに均質的な国であるため、日常生活で人種的なトピックは見えにくいのかもしれない」という。でも、我々がいま突きつけられている課題として、やっぱりこういうことにも多少は鈍感さを抜けて敏感にならなくてはいけないっていう。だってさ、こっち側でそれをやらないとそのうち、トランプ支持の人たちがたぶんこう思っているんじゃないかって私は推理しているんですけども。

東アジア人がいて、「朝鮮系、中国系、日本系?……みんなフー・マンチューだ」みたいな感じになると、そのステレオタイプが残っていると結局、「在韓米軍も在日米軍もお金をくれないんだから別に撤退したっていいじゃん? 東アジア人同士、勝手に中国でまとまれよ」っていう妙な感性になっちゃうわけ。そうじゃなくて、「いやいや、東アジアことアメリカの安定の要でNATOと同じぐらい大事なんだよ」っていうことをアメリカ社会に染み込まされるためにも、まず我々から変わる。我々からこういう理解を深めるということで、日本からダイバーシティ(多様性)を発信すれば、実はアメリカにも影響を……ハリウッドに影響を与えられると思います。

<書き起こしおわり>

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