モーリー・ロバートソンとプチ鹿島 トランプ大統領訪日と「いい人オーラ」を語る

モーリー・ロバートソンとプチ鹿島 トランプ大統領訪日と「いい人オーラ」を語る 水曜日のニュース・ロバートソン

モーリー・ロバートソンさんとプチ鹿島さんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で訪日したドナルド・トランプ大統領についてトーク。大相撲観戦や炉端焼き、貿易交渉に関するツイートやトランプ大統領の「いい人オーラ」について話していました。

(プチ鹿島)モーリーさんね、僕はぜひ聞きたいことがあるんですけども。アメリカにはたとえば「阿吽の呼吸」とか「腹芸」なんて言葉はあるんですか?

(モーリー)「阿吽の呼吸」はなくて、契約書だけがある感じがするんですけどね。

(プチ鹿島)なんでこういうことを言ったかっていうとほら、トランプさんと安倍さんがずっと週末にやっていたじゃないですか。その時、トランプさんはTwitterで貿易交渉に関して「参院選が終わるまで待つ」みたいなことを全部言っちゃうじゃないですか。

(モーリー)普通は言わないんだよね。

(プチ鹿島)あれこそだから、なんていうか相撲とか炉端焼きを食わすそういう日本の文化もいいんですけど。腹芸という日本の伝統は通じなかったっていう。

(モーリー)そうですね。もしかしたら「参院選まで待ってほしい」って言ったのをまさかツイートするとは安倍総理も思っていなかったっていうか。

(プチ鹿島)だから、もしかしたらそれがある種のブラフか既成事実化させる作戦かもしれないけども。でも、やっぱりそういう相談があった可能性もありますよね。

(モーリー)そうですね。ただ、同時に注目をしているのはそのトランプさんのお人柄が私が数年前、選挙戦の前の日にノースカロライナで200メートルぐらいの距離から見たトランプさんはあまりにもいい人だったという。

(プチ鹿島)いい人?

(モーリー)いい人なんですよ。いい人オーラが後光のように出ている人なんですね。

(プチ鹿島)今回、改めて思いましたか?

(モーリー)今回は相撲の土俵、日本でいうと聖域ね。たとえば誰かが倒れたとしても女性の救助員は登れないぐらいのタブーに囲まれた場所じゃないですか。

(プチ鹿島)で、アナウンスで「お下がりください」みたいなことを言うわけじゃないですか。

(モーリー)で、そこにトランプさんが上がった時の「日本文化や日本の伝統へ僕は憧れているんだ。日本国民が大好き。こんな場所に立てて力士に贈呈ができるなんて!」っていう。「It’s an honor.(光栄の極みです)」っていうね、アメリカ大統領がへりくだって日本の国民、相撲ファンにお辞儀をしている。あの笑顔がキラーでしたね。

(プチ鹿島)あれが画になるっていうことですか?

(モーリー)なる。

(プチ鹿島)エンターテイナーっていうことですか?

(モーリー)そうですね。まあ、やはり長い間のテレビのキャリア、リアリティーテレビショーというところでずっと人の心を……あとは例のリングの上でこれですよ。

(プチ鹿島)WWEね。アメリカのプロレス団体に上がって。

(モーリー)こうやってバリカンを持って負けた人をハゲにしたんだよね?

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(プチ鹿島)ビンス・マクマホンをね。あと、それで言うなら僕が記事で興味深かったのはトランプが大統領杯を渡す時に実は支度部屋では親方衆に「あなたがやってくれ。持ってくれ。俺は支えるから」って言っていたらしいんですよ。直前までは。ところが、やっぱり土俵の上に上がったら率先して渡していたじゃないですか。それはやっぱり血が騒ぐみたいな。

(モーリー)だからその即興で状況をどんどん、その場の瞬間的な……まさにトランプ流というか。「これはウケる!」ってピクッとなったんじゃないですか? まさに土俵というのはもちろん相撲の土俵とリングは違いますけども、どこかやはり周りから見られているということにトランプさんは非常に強い。背中で見られていることに強い。

(プチ鹿島)じゃあ、あのTwitterというのも実は単なる天然とか暴走オヤジではなく、ある程度計算というか?

(モーリー)ええとですね、実はアメリカのメディアで報道された暴走オヤジっぷりっていうのは日本にいる間じゅう、元副大統領のバイデンさん。2020年の大統領選挙で対立候補になるとされている人なんですけども、そのバイデンさんを腐すツイートが多すぎてヤバいっていう話も出ていたんですよ。

訪日中もバイデン叩きツイート

(プチ鹿島)フフフ(笑)。炉端焼きを食いながらずっとやっていた?

(モーリー)だから炉端焼きよりもバイデンにここまで執拗に食い下がって日本にいるのにずーっとバイデンの悪口しかツイートしていないのよ。みたいなことが注目をされていたのね。

(プチ鹿島)それが相撲を見ている時間帯だったら、相撲を見ていないっていう証拠になりますよね?

(モーリー)相撲を見ている最中にも「バイデン、この野郎!」って言いつつも、日本人の心を鷲掴みにして。でも、それがプロじゃないの?

(プチ鹿島)まあね(笑)。

(モーリー)で、最後に思ったんだけど、その農業の交渉とか。でもその農業の交渉ってまさに米中の貿易戦争で中国側がアメリカを攻めにかかっているのがその大豆とかお肉の輸入規制。関税をかけている。だから、それが仮に上手くいかなくなった時、「いざとなったら大丈夫! 日本に付け替えるから!」ってトランプさんは支持層に言っているようなもんだよ?

(プチ鹿島)すごいなー!(笑)。

(モーリー)それを腹芸と呼ばずしてなんという?

(プチ鹿島)あの炉端焼きをこう移しかえすみたいな感じで?

(モーリー)そんな感じですよ。だから「いざとなったらこの私と日本のシンゾーの仲で『大丈夫ですよ、トランプさん。日本人をいくらでも生贄にしますから!』」っていう風にね、そんなことがあったようにも読めてしまうわけ。

(プチ鹿島)でも安倍さん、最終的には「ドナルド」って呼んでましたけどね。

(モーリー)うん。呼ばせてくれたんじゃない? 昔ね、聖徳太子が随の煬帝という皇帝に向かって「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」って言ったら煬帝が激怒したんだよね。でも今回は逆で煬帝を立てる聖徳太子っていう(笑)。

(プチ鹿島)ねえ。炉端焼きも美味しくいただきましたという。

(モーリー)そしてね、いちばん私がこれからどうなるのか?ってサイコロを転がしているのは、日本の国民がトランプさんのテレジェニック。テレビにおけるこの「日本が大好き!」ってなった時に無意識になにか譲り渡したくなる……「やっぱりレーガンがあって、トランプがあって。アメリカと日本は親密だな」っていう懐かしみを込めて、投影をしてしまうこと。そして現状、英語で出ている様々なニュースをすっ飛ばしてしまうこと。それこそがポピュリズムの強みなんです。

(プチ鹿島)いやー、トランプいい人説。この番組だけです。本当に。

(モーリー)私もいまだにいい人だと思っています。

(プチ鹿島)ということで水曜日のニュース・ロバートソン、スタートです。

<書き起こしおわり>

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