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モーリー・ロバートソン アラバマ州の人工中絶禁止法成立を語る

モーリー・ロバートソン アラバマ州の人工中絶禁止法成立を語る 水曜日のニュース・ロバートソン
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モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中でアラバマ州で一切の人工中絶を禁止する法律が制定された件について話していました。

(モーリー)これはロイターが出したツイート。これを見てみましょう。で、見出しを読み上げる前にこの写真をご紹介したい。これは抗議のプラカードなんですけども「Get out of my Uterus(私の子宮から出て行け)」。

(プチ鹿島)ええっ?

(モーリー)「私の子宮に触るな」っていうようなスローガンなんですよ。これがどんな意味を持つのかっていうのを見出しから解説していきましょう。

(モーリー)「アラバマの知事がいままでの中で最も厳しい中絶禁止法に署名をした。それはレイプや近親相姦であっても中絶を禁止するものだ」ということです。日本語訳。「アラバマ州知事は最も厳しい反中絶法を制定し、強姦や近親相姦の場合であっても全ての中絶を禁止する法案に署名することになっている」という。ちょっと前、5月15日に成立をしてしまいました。日本で淳さん、人工中絶の問題が社会を分断するような問題になったことってかつて、ありましたか?

(田村淳)僕が生きている間ではないですね。

(プチ鹿島)ないですよね。

(モーリー)そうですよね。ちょっと調べたら、保守系の宗教団体でどちらかというと改憲を勧めているような団体が一時期、優生保護法反対って言って中絶禁止を進めるキャンペーンをやっていたけど、全然日本では火がつかなかった。「いや、それは個人の問題でしょ?」っていうことで、それは法律が介入する問題ではないというのが日本社会の大体のコンセンサスなんですけども。実はこれ、いまアメリカの社会を二分しているんです。
それで性犯罪被害にあった女性の中絶すら認めないという非常に厳しいもので。その法律が通った後で、それでも産婦人科などの医師が人工中絶手術をした場合、最低でも禁錮10年。最大で禁錮99年。だから、要は終身刑です。

(プチ鹿島)ええっ?

(モーリー)で、要はレイプの犯罪よりもそのレイプされたことによってできた子供を堕ろした犯罪の方が刑罰が重いというねじれが起こっています。で、アメリカ国内ではこのアラバマ州だけではなく、ジョージア州やオハイオ、ミシシッピ、ケンタッキー、アイオワ、ノースダコタの各州が6週間目ぐらいなんですけども、胎児の心音が確認できるかどうかのすれすれの時期があるんですけども。「心音が確認できたらもう人格がある。人権がある。この人の命を守る法律です」という風に、非常に厳しく人工中絶を禁止している状態なんですね。

で、そんな中で現地時間の18日、トランプ大統領もこの件についてツイートしました。これは日本語から読んでいきましょう。トランプ大統領のTwitterによると、彼は「中絶には断固反対する。ただし3つの例外がある。レイプ、近親相姦、母体に危険がある場合だ」と。だから、アラバマ州よりは少し立場を真ん中に寄せているんですよ。

ところが、トランプ旋風、トランプブームがある中でアラバマ州の州知事はこれを……かなりご高齢の女性の知事なんですけども。かねてから彼女のイデオロギーでこれを通したかった。で、今回、そういう州のムードができたので、採決して通っちゃったわけですよね。そして、本当に長期的になにを目指しているのか? これは実は、アメリカの最高裁判事が9人いるという話はこの番組でも前に説明していたんですけども。

いま、トランプさんが指名した2人分が入れ替わって、5:4の比率で保守になっています。中絶反対の最高裁判事が5人。そして70年代に「中絶は合憲である」という憲法裁判所の判断があったわけですが、それをね、活動家たちが「これは人権違反だ」とアラバマ州を訴えたとします。それを最後、最高裁まで控訴して持っていきますよね。そうなった時、決断はその9人の判事にかかってくる。だから、負けちゃう。

しかも、最高裁の判事の多数派、5人以上を中絶反対派にしようということで、中絶反対の右派団体というのは40年間、活動を続けているんですね。つまり、中国政府にも似てロングゲームなんですよ。なんでかっていうと、最高裁判事は認知症などで任務の遂行が不可能になるか、死ぬか。どちらかになるまで任期は続く。つまり、ガチッと中絶反対派を5人、入れてしまえば3、40年間、憲法判断はずっと中絶禁止を擁護する方向に行ってしまう。

ということでそれをキリスト教団体は民主党政権になろうがなにをしようが、草の根でずーっとロビー活動してきたんですね。だから長期戦略を持っているので4年ごとにコロコロ変わる政治とは違うサイクルで狙っているということ。そしてさらには、これをなんでトランプさんが擁護したか?っていうと、彼の支持基盤がめっちゃ強い。ペンス副大統領もそうだし、北朝鮮なんかとやりあっているポンペオ国務長官もガチで福音派。中絶反対なんですよ。

トランプさんはそういう人たちで閣僚を固めた。そして、それをやっているからトランプさんがどんな性的スキャンダルがあろうがなにをしようが、「本当にこの人たちは我々の目的を遂行してくれる」っていうので次の選挙でもがっちりと掴める。そしてちょうど最高裁にこのアラバマ州の問題が行って、判断がくだされるのが……大統領選の真っ最中になるわけよ。パフォーマンスよ! そしてさらに、この極右ポピュリズムと私は呼んでいますけども。これはヨーロッパにも伝染をしていまして。

そしてC-Fam(The Center for Family and Human Rights・家庭と人権のためのセンター)と名乗るカソリック極右派のNPO団体がロビー活動をしています。国連のアメリカ代表部に食い込んでいるの。しょっちゅうヘイリー国連大使のスタッフに毎日のように電話がかかってきて。「特に女性の人権の委員会ではこういう風に発言をしてください」っていう。それでなにを言っているのかというと、たとえばいま、紛争地域でレイプが起こりますよね? 戦争のツールとしてレイプをしている。戦時性暴力。それでそういう時、民兵かなんかに少女が犯されたりする。

その時にその人たちの健康のケアを医師団や国連が派遣した人たちが、場合によっては中絶手術を施したりすることなどに対する予算を組ませないように、その団体が入ってしまったわけ。そして、急にトランプ政権になってから、女性の人権委員会において、中絶を認めることおよびLGBTをジェンダーとして認めるような文言はアメリカの国連代表部の文書から一切削除するようにこのC-Famという団体が働きかけた。

そうすると、非常にロビー力があるのでその一部の団体がアメリカ政府に強く食い込み、トランプさんはこの人たちを使えば、その向こうに控えているカソリック右派、福音右派。みんなまとめて組織票。2020年の選挙しか見ていない大統領は国連の場でも文言を変えさせ、女性人権委員会の声明が換骨奪胎されるという、そこまで強い政治力になっているんですよ。そこの要因を今日はお届けしました。

<書き起こしおわり>

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