モーリー・ロバートソン アメリカの投票抑圧と大麻合法化を語る

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モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で2018年アメリカ中間選挙についてトーク。いくつかの州で嗜好・医療大麻合法化の州民投票が行われた件と投票抑圧について話していました。

(モーリー)はい。では今日はトランプ大統領についてはやりませーん! CNNの7日、本日のツイートです。こちら、どうぞ。写真は地味なんですが、文言が面白いので。まず英語で読み上げましょう。「Several states across the country voted on major issues like abortion, marijuana, Medicaid and redistricting. Here’s a full breakdown of the results as they come in:」ということで速報ページにつながるリンクなんですけども。

ここでいくつもの州が、中間選挙に合わせて州民投票の選択肢もいっぱい入れられるんですね。だからたとえば私、今回メリーランド州で投票をしたんですけども。「知事は誰にしますか?」「州務長官を誰にしますか?」とか。もっと知らない、カウンティレベルの質問もあって。もうなんでもいいからって全部「Dem、Dem……」みたいに書いちゃったんですよ。「なんでもいいから青くしろ! いいから反トランプで行け!」みたいに。もう全部青にしちゃったんだけど。

まあ、そういう人もいたかもしれないけど、そういう風に一緒に決めるのが「中絶」。日本ではそもそもね、「abortion(人工中絶)」が国を割るディベートになったことがないわけですよね。ところがやっぱりアメリカでは福音派を含めたキリスト教およびカトリックの人たちも中絶反対なので。キリスト教の観点からは倫理的に大きな議論になってしまって。女性が自分で妊娠、産むか産まないかを決めるという自由と、それを「いや、妊娠したからには産む義務があるだろう」という宗教的な見解。そしてそれが政治化された、政治の道具と化した宗教との戦いになってくわけ。だから「abortion(中絶)」いうのはいつまでも終わらない議論です。

そして「marijuana(マリファナ・大麻)」でございます。大麻がですね、いやいやいや……今回、ミシガン州が嗜好大麻を州民投票で可決してしまいました。これで10州になります。そしてミズーリ州は医療大麻OK。つまり、医師の処方箋があれば大麻がOKになりました。ユタ州も……まあ、モルモン教が強い、保守的な州なんでお酒もダメな地区があるんですけども。ユタ州も、医療大麻の州民投票をいま数えている? ああ、さっき決まった? ユタ州ですよ? ミット・ロムニーのユタ州ですよ? びっくりですよ。えっ、ユタ州で!?

(鈴木一人)フフフ、これはビビりますね。

(モーリー)ですよね。っていう風に、結果アメリカの過半数の州が医療大麻がOKになっちゃった。そして嗜好大麻がOKになったのは10州。国境の北側、カナダは全部、嗜好OK。メキシコも近日中に嗜好も全部OKになっちゃう可能性がある。そうすると、いまアメリカの国境にグアテマラとかホンジュラスから数千人の人が、徒歩で赤ちゃんを担いで押し寄せているんだけども、それと似たようなイメージで日本の国境にですね、太平洋の国境にボートに乗った緑色の草がですね、こうやってみんなで赤ちゃんを抱えて押し寄せて。「入れてくれー!」みたいな。そこにじゃあ、1万5000人の日本の自衛隊を集結させて「大麻、NO!」って言えるのか?っていうことなわけですよ。

だから国境まで大麻が押し寄せるぞっていうことですね。ああ、日本語訳ですね。「いくつかの州が中間選挙に合わせて中絶、マリファナ、公的医療保険(オバマケア)、選挙区割りについても投票」って書いてあって。この選挙区割り。これがまた非常に興味深い。さっき、鈴木さんは「ゲリマンダリング」について語られました。

モーリー・ロバートソンと鈴木一人 2018年中間選挙・州知事選を語る
モーリー・ロバートソンさんと鈴木一人さんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で2018年アメリカ中間選挙についてトーク。州知事選の重要さについて話していました。 ...

あれは主に下院の選挙をやる時に、2年おきに聞いてくるその区分のいびつさなんですよね。ある種の1票の格差が出てしまうという。ところが、この選挙区割りに加えてもうひとつ、選挙をゆがめる要因があります。いま、ジョージアでも問題になっていて、数え直しの要因にもなってるんですけども。英語で言います。「Voter suppression(投票抑圧)」。で、「投票抑圧」と検索したら、日本では赤旗にしか記事が載っていませんでした。やるね、赤旗! がんばれ! ちゃんと金払うぞ! みたいな(笑)。まあ、これで昔自分を番組から降ろすとか……。

(プチ鹿島)またその話か!(笑)。

(モーリー)まあまあまあ……あれはDJ抑圧。そうじゃなくて、投票抑圧。これをね、鈴木さんにお聞きしたい。投票抑圧(Voter suppression)」っていうのは主に黒人やマイノリティーをターゲットにすると言われているんですが、これはどういうことですか?

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非白人をターゲットにする投票抑圧

(鈴木一人)ひとつは、過去に犯罪歴があった人なんかは、その公民権が停止されるということで投票ができないっていう風になってんですが。州によって違いがあって。何ヶ月とか何年経てば投票できるようにするっていうようなところもあるんですが、フロリダみたいにもう延々とダメだっていうようなところもあったりして。で、いまジョージアで問題になってるのは、たとえばミドルネームを書くとか書かないとか。「免許証にはミドルネームはフルスペルで書いてあるのに、お前はここでミドルネームはアブリビエーション(省略)で『J』しか書いてない。だから、お前はダメ!」みたいな。

(モーリー)それがね、なぜか黒人が貧しい人たちがそれに引っかかりやすいっていう妙な統計があるんですよね。

(鈴木一人)そうですね。割合で言うと、黒人の人たちは7割ぐらいそれに引っかかるんだけれども、白人の人がやると3割ぐらいしか引っかからないみたいな。そういう、かなり人種差別的に、意図的にそれを運用しているっていうようなことがある。

(モーリー)だからいわば既成のルールの中に白人がすり抜けて黒人が引っかかる網を、見えない形で入れる。つまり、ルールの中のゲリマンダリングをやってるんですよね。そして今回、ジョージアで問題になってるのは、候補の1人がそれを実は決めてきた人なんですよね。彼はかつてないぐらい黒人に厳しく、選挙制度をゆがめていた張本人が、しかも黒人の人と一騎打ちをして、しかも僅差になって。数え直しになった場合、その数え直しのルールを彼自身が決めるという権限を持ってしまう。

(プチ鹿島)はー!

(鈴木一人)そうですね。だから昔、2000年の大統領選のフロリダ州もそうだったんですけど。あの時の大統領選挙で……。

(モーリー)アル・ゴアが勝ったはずなのに負けたやつ。

(鈴木一人)あれも結局、州は共和党で。州知事がブッシュの弟っていうそういう世界なので。

(モーリー)自分で数え直しのルールを決めたんですよ。で、弟が兄を勝たせたんですよ。それで、最後にこの投票抑圧とマリファナが実は関係しているんですよ。アメリカのマリファナの法律、非常に厳しく設定されていていまどんどんゆるまっているんだけども、結局厳しく設定をしたことで誰がいちばん逮捕されたのか? 黒人なんです。黒人を逮捕するために恣意的に運用できる法律として、みんな悪ガキとか若者が持ってそうなものを……「おい、そこの黒人の青年。来なさい」って言ったら、ポケットの中には大麻が入っているわけですよ。でも、その横にいた白人は、調べたら大麻を持っているんですけど、でも黒人だけ逮捕したいから白人は呼んでチェックはしない。

黒人に対してはチェックをして「ほら、あっただろう? 大麻取締法です」って言ってそのまま収監する。ということで、黒人やヒスパニック系、非白人に対して非常に抑圧的に運用されてきた法律だった。これ、オバマさんも実は任期中に「大麻取締法は非白人に対して不公平な法律だ」と指摘はした。だけど、オバマさんは典型的に彼は全てを押し切る人じゃないんですよね。つまり、何でも合意を得ようとしていた。それをトランプが元に戻しちゃったっていうことなんですね。

ですから今回、州民投票でその大麻をどんどんと緩和しているっていうのは、言うなれば間接的に黒人に対して恣意的に運用されていた、人種差別的な側面を持った法律を変えていこうという側面もあるんですね。ですからまあアメリカの多様性とか、白人対黒人とか、「#MeToo」とか、いろんなキーボードが出てくるんですけども。実は差別が構造的に投票のルール、法律そのものに組み込まれてきた。これをアメリカの国民は是正したい。そしてなぜか情緒的にトランプさんが大好きな人は「昔のままでいい」と言っている。このせめぎ合いがいま、2つぶつかっていますね。

(鈴木一人)そうですね。もう基本的には情緒の世界なので。もうなんか理屈で解決できる問題じゃない。ディベートとか説得とか、そういう話じゃなくて。もう「俺はあいつが嫌い」とか「こういうのは嫌だ」とかっていうのが全部形になっちゃってるっていうのが現状だと思います。

(モーリー)だからそれがアメリカのいわばこれから入っていく危険水域ではないかと私は見ています。ありがとうございます。

<書き起こしおわり>

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