モーリー・ロバートソン 第2回米朝首脳会談直前のトランプ大統領を語る

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モーリー・ロバートソンさんがBSスカパー!『水曜日のニュース・ロバートソン』の中で第2回米朝首脳会談直前の状況について話していました。

Newsweek (ニューズウィーク日本版)2018年 6/5 号[米朝新局面 今後のシナリオ]

(プチ鹿島)さあ、モーリーさん、気になるニュースを……。

(モーリー)そうですね。じゃあ米軍の方に行ってみましょうか。これ、ちょっと含みのあるヘッドラインなんですけども。「北の核放棄の可能性」が低いというのはこれ、今月金正恩に会う予定のトランプ大統領の前のめりな姿勢に対する牽制ではないかっていう。

(プチ鹿島)ほう。

(モーリー)つまり、「そこまでバラ色じゃないよ」って釘を刺している。

(プチ鹿島)予防線を張っているっていうことですか?

(モーリー)そうですね。ですから、アメリカの大統領は4年で変わってしまいますので、2020年でトランプさんは再選されなければその後、米軍から見るともっとまともな大統領になる可能性があって。その時のための予防線を張っているとも言えるかもしれないです。なので、「北朝鮮をナメてはいけない。決して油断はできない」というようなことを普通に米軍は言っているわけですね。

じゃあ一方、トランプさんは何を言っているのか? これをおさらいすると非常に面白い側面がありまして。金正恩さんにディールを持ちかけているわけ。そして「バラ色の未来が待っているぞ!」っていうことをそそのかしている節があるんですよ。そのバラ色の内容とはなにか?っていうと、あえてベトナムのハノイで今回、会合をするわけですよね。で、ベトナムがどういう場所なのか?っていうことなんですけど、かつてアメリカと戦争をやっていて、形式的にはアメリカが撤退をしたのでアメリカに勝ち、南に下りていって統一をした。これは金王朝にとってはバラ色のシナリオですよ。

(プチ鹿島)うん。

(モーリー)そして独裁を全く捨てないまま経済発展を成し遂げ、挙句の果てには親米になっちゃったんですね。

(プチ鹿島)いま、アメリカと仲がいいんですよね。かつては戦争をして敵対しているんだけど、いまはアメリカと距離が近くて経済発展もしている。

(モーリー)そして、「なぜだ?」なんですけども。ベトナム戦争中は社会主義、共産主義の中国、そしてソ連と両方から援助を受けてアメリカと戦っていたわけですよ。ところが、ニクソン大統領はベトナム戦争を終わらせたかった。そこで中国が北側から北ベトナムを支援するのを途切れさせれば、仲違いをさせればいいと考えて、ニクソン大統領が電撃で毛沢東と会っているんですよ。それで中国を抱き込むことによって……もともと歴史的に中越(中国・ベトナム)は仲が悪いので、そこでカットオフをすることでなんとか封じ込めることに成功。ということで、まずこのデカップリングが起きたんですね。引き離しが。

(プチ鹿島)うん。

(モーリー)ところがその後、20世紀に入ってくると中国は大躍進をして、大きくなっていまやヤンチャ坊主になって。アメリカもみんな困っている。そしてベトナムも中国の一帯一路とかは受け入れつつも、上から経済的に侵略をされるのは嫌だということで、中国のいわゆる影の下から抜け出したい。つまり、ベトナムは親米であり非中なんです。

(プチ鹿島)だから面白かったのが見出しを見ると、ベトナムの思惑としては中国の牽制という意味もあるんだっていう。

(モーリー)そうですね。ですから中国以外のいろんな周りの国々がアメリカなどと結びついて、自分たちの独自の経済協力をしたり、外交の協力をして膨張する中国を封じ込めたいというそういう考えも……もともとはTPPがそのアイデアだったんだけど、アメリカはそこから抜けちゃった。で、金正恩に対してトランプさんが誘惑していると思われるのは、つまりは北朝鮮もいつまでも中国の子分のような国で、生きるも死ぬも全部中国次第じゃないですか。いまは。そこを抜け出して、独自のベトナム式のドイモイを北朝鮮でやれば……。

(プチ鹿島)だから生きた教科書であるベトナムでやることで。

(モーリー)しかも民主主義にならなくてもいいし。

(プチ鹿島)「ほら、このベトナムみたいになれるよ、お前!」っていうことですね。

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生きた教科書・ベトナム

(モーリー)そうなんですよ。そうすると、いまの北朝鮮はあまり表には出てこないんですけど、やはり微妙に中国の歴代の政権とは胡錦濤政権時代から緊張感はあるわけですよね。金正日の時代から。で、やっぱり言いなりになるのは悔しいというのはあると思います。ですから、プライドは満たしつつ権力も安泰。しかも経済制裁が解かれ、挙句の果てにはアメリカから核を放棄すれば安全が保障される。「こんないい話はないぞ」ってトランプさんが言っている。

もし仮に北がそれに乗った場合、10年後、20年後に我々がいまは想像もできない親米・非中の北朝鮮。日本とどうなるかはわからないけど、少なくとも軍事的な驚異でなくなるというシナリオは考えられます。

(プチ鹿島)はー! なんかいろんなパズルが組み合わさっての新パターンがどんどん誕生しているっていう感じですね。

(モーリー)ただし、やはり北朝鮮の体制の中にも強硬派がいますから。そうやって経済発展で親米を選んだふりをしておいて、いきなり乱心ですね。「俺だってホーチミンなんだ!」ってなって結局自分で戦争を起こす可能性もあるから。これは火薬のままではある。ただ、ひとつ面白いのはトランプさんが多少、自分の内政がうまくいっていないから、夢見る物語を支持基盤に向けて描くわけですよ。「俺様が歴史を変えるんだ!」と。ところがそのバラ色の誘惑にもし、若き指導者である金正恩さんが乗っかっちゃった場合、誰も想像できなかった展開もありうるということですね。

(プチ鹿島)はー! じゃあやっぱり、とりあえずベトナムで第2回、なにが変わるのかはわからないけど、そこの見どころはあるという?

(モーリー)そうですね。トランプさんが前につんのめる形で朝鮮戦争の終結宣言を勝手に口走って、それこそ米軍の人たちが「おいおいおい!」って言っている可能性も想像できます。

(プチ鹿島)なるほど。ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

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