東京ポッド許可局『キャスティング』論 書き起こし

東京ポッド許可局 『有吉横綱』論 書き起こし 東京ポッド許可局

TBSラジオで放送中の東京ポッド許可局。マキタスポーツさん、プチ鹿島さん、サンキュータツオさんがドラマやバラエティーなどの『キャスティング』についてあれこれと語っていました。

(ナレーション)ここは東京のはずれにある事務所、東京ポッド許可局。例によって暇を持て余した局員たち。今日もおしゃべりが止まらないようです。3人が語らっているのは『キャスティング』論。一体どんな話が飛び出すのやら。ちょっとのぞいてみましょう。

(マキタスポーツ)役者の仕事をね、し始めたりとかしてるわけですけど、ちょっとキャスティングのことを考えたいなと。

(サンキュータツオ)キャスティングね。

(マキタスポーツ)僕、ちょっと思っていて。キャスティングって僕はされる側ですけど、する方の側ってちょっとたまんないんじゃないかなと思って。

(サンキュータツオ)絶対面白いよ!

(プチ鹿島)面白いよねー。

(サンキュータツオ)キャスティングが面白いからプロデューサーになってるんでしょ。

(マキタスポーツ)言葉悪いですけど、『人買い』じゃないですか。

(プチ鹿島)うんうんうん。

(サンキュータツオ)言葉は悪いですけどね。

(マキタスポーツ)すっごい乱暴な言い方するとそうなんですけど。

(サンキュータツオ)だから、何ポジション空いていて、たとえば5つの役を決めなきゃいけなくて、予算がいくら。で、それに合う人をはめ込んでいって、視聴率のあるようないい作品にしていく作業ですもんね。

(マキタスポーツ)そうそうそう。でね、俺前も話したかもしれないですけど、要するに『中の人』たち、か、キャスティングされる側の人たち。

(サンキュータツオ)箱庭の中ね。

(マキタスポーツ)で、外の人たちっていうのは、一番その入り口に立っている人がカメラマンとかね、あるいは監督なんですけど。これ、世界の創造主なんですよね。で、キャスティングをする人たちっていうのがいるわけですから。外側に。これもう完全に神の、創造主の側なんですよね。

(サンキュータツオ)箱庭を作る人たちですからね。

(マキタスポーツ)これはとにかくたまらないんですよ。

(サンキュータツオ)っていうか、だってプロデューサーってほぼ、キャスティング権持っている面白さじゃん。

(マキタスポーツ)だからもう、じわじわと、僕なんかはいろいろそういうところにちょっと出る機会が増えましたが、これだけの人を集めて、いまこんな感じでやっているっていうのを本当に腕組みしながらプロデューサーとかした人がですね、なんとも言えない顔とかで見てるっていう状況をね・・・

(サンキュータツオ)『思った感じになってるな!』とか。

(マキタスポーツ)『なってるな!なってるな!』っていうあの時の、あの人の勃起感が忘れられないんですよ。

(プチ鹿島)たぶん俺、よく分かんないけど、戦国武将も同じこと考えてたと思うよ。そうでしょ?

(サンキュータツオ)どういうこと?

(プチ鹿島)あとはもうお前ら、好きにやれと。で、その陣地配置ですよ。

(サンキュータツオ)あ、陣形ね。ああ、なるほどね。

(マキタスポーツ)あるいはラグビーの監督って、スタンドにいるじゃないですか?

(プチ鹿島)あ、そうだ。

(マキタスポーツ)ラグビーの監督は、あれキャスティングなんですよ。キャスティングをしてるんですよ。あとはプレイヤーがやるんです。見守るだけなんですよ。

(サンキュータツオ)そう。だからスポーツで言うとGMっていうポジションだよね。監督も自分で任命していく。

(マキタスポーツ)そうそうそう。だからたまらないと思うんですよ。

(サンキュータツオ)だから料理にも似てるじゃないですか。たとえば、今日は朝ごはん、お昼ごはん、晩ごはんも自分で選んで。お昼ごはんはじゃあ、誰々に作らせようと。で、あの食材とあの食材、あの食材で誰かに作らせるとこんな味になるんじゃないかな?これ、美味そうだぞ!みたいなことですよね。

(マキタスポーツ)分かります。分かります。でも、ちょっと俺、違うんですけど。子供ね、自分の子供。これ、キャスティング感が薄いですよね。

(プチ鹿島)薄い?どういうこと?

(マキタスポーツ)あの、だってそこにある1つの出来上がったサンプルを持ってきて、それでキュレーションしてつくり上げる世界じゃないから。全くまっさらなものが出てきて、それをどんどんどんどん肉付けしながらキャラクターライズしていくというか、そういうことの手つきになるわけですよ。

(プチ鹿島)だから、変な言い方したらあれだけど、ハマるというか・・・

(マキタスポーツ)それでね、俺、思うんだけど、親が兄弟を語っている時の、あのすごくなんとも言えない、たまらない表情って分かりますか?

(サンキュータツオ)兄弟って自分の兄弟?

(マキタスポーツ)いや、違う。自分の娘や息子たちの兄弟を語っている時の顔つき、分かりますか?

(鹿島・タツオ)あー!

(マキタスポーツ)お姉ちゃんはこうなのよ・・・

(サンキュータツオ)あるあるある!

(マキタスポーツ)一方ね、弟って、すっごいしっかりしてる・・・みたいなこととか言いたがる、あれ。あれ、キャスティング顔です!

(鹿島・タツオ)そっかー!

(サンキュータツオ)あれ、キャスティング顔か!

(マキタスポーツ)そうなんですよ。で、自分の思った、1つの型というか属性というか、そっちの方に収斂して語りたがるんですよ。こういう経験、ないですか?俺ね、子供の頃ね、『お兄ちゃんは出来がいい。息子はヤンチャ。もう、わんぱくでしょうがないの。でも、意外とこの子、気がつくんですよ』みたいな紹介されるの。

(サンキュータツオ)型があるね。

(マキタスポーツ)そう!

(プチ鹿島)で、最後に、『誰に似たんだろう?』って(笑)。

(マキタスポーツ)誰に似たんだろう?(笑) その手柄感みたいなところもワンセット!あれ、キャスティング心ですよ。子供の方の側に立って見てるとね、その型に押し込められる苦痛っていうのもあるんですよ。俺なんか、わんぱくに急にして、その後にちょっと気使っておじさんにお茶入れてあげたりとかみたいなことをしなくちゃいけないみたいな。

(サンキュータツオ)わんぱくを演じてたんだ。

(マキタスポーツ)ちょっと演じなくちゃいけない。

(プチ鹿島)演じてたんだって、まあまあみんな多かれ少なかれそういうことだったってことだね。なるほど。

(サンキュータツオ)お兄ちゃんしっかり者とかお姉ちゃんしっかり者ってそういう、大人が作り上げた幻想かもしれないもんね。

(マキタスポーツ)そうなんですよ。だからあいつらはそういうところをね、全部握ってるわけですよ。そういうのがね、いま俺が親の立場になり、あるいは役者として使われる側になり、あるいはバラエティーのタレントとして使われたりする時になった時に、俺は使う・使われるっていう言葉とかで言うと、なんか嫌らしく聞こえるかもしれないけど、使う側にまわりたいなっていう欲望とかがね、出てきてしまうわけですよ。

(サンキュータツオ)分かる。

(マキタスポーツ)たとえば、笑点。笑点ってちょっと組閣されなおしましたよね?ある時期から。まあ、それはあの、俺らがリアルタイムで見てきた人たちもだんだん年を取ってきたりして、いろんなこともあったりとかしたとも思いますが。

(サンキュータツオ)最近で言うと、(春風亭)昇太師匠が入ったりとか、(林家)たい平さんが入ったりっていうのがありましたね。

(マキタスポーツ)それをさ、あそこのさ、狭き門のところをさ、昇太さんを入れよう、あるいはたい平さんだろってやる時の、プロデューサーの顔見てみたいわ!やりたいわ!

(サンキュータツオ)(笑)

(プチ鹿島)すごかったろうねー。

(サンキュータツオ)いや、俺ね、知らない人の方が多いと思いますけど、(三遊亭)小圓遊さんから(桂)歌丸さんにシフトしていく時とか、やっぱりたまんないものがあったと思うんですよ。あるいは、(立川)談志師匠抜けてから、先代の(三遊亭)圓楽師匠になった時とか。ですけど、昨今いちばん笑点でアツかったのは、やっぱり昇太師匠ですよ。

(マキタスポーツ)うん。で、昇太師匠がどんどんハマってくるわけじゃない。

(サンキュータツオ)昇太師匠が笑点オファーを受けた!っていう。

(マキタスポーツ)受けた!って感じな。

(プチ鹿島)いわゆる、ひろーい大きな世間ね。

(サンキュータツオ)大メジャーに飛び込んだっていうね。だから、俺らからしてみたら、昇太師匠なんていったらそれこそ、90年代の落語ファンからするとね、志らく師匠とか談春師匠のお兄さん的存在で、志の輔師匠と同い年でありながら、ずっと後輩感もあって、かわいい感じだったけど、実は尖ってて、新作しかやらないみたいな時期もあり、一転振り切って古典もやってて、ちょっと落語通も唸らせてたところがあって。あ、すげー本格派になっていく!みたいな、その矢先ですよ。

(プチ鹿島)その時に・・・

(サンキュータツオ)その矢先。笑点オファー受けるの!?みたいな。俺、分かんないけど、志の輔師匠だったら受けてないと思うんですよね。

(マキタスポーツ)なるほどなるほど。それ、分かるわー。

(サンキュータツオ)笑点の◯◯さんっていう見え方をされるのを割と嫌がって。純度の高い落語家として。

(プチ鹿島)それも結局、引き受け論じゃないですか?

(サンキュータツオ)いや、そうなんです。だから昇太師匠はそこで、『結婚できない独身キャラ』みたいなのを付けられるわけですよ。それを受ける感じね。すごいいいプロレスラー見てる感じ。

(プチ鹿島)でも、結果的にそれで大メジャー・・・メジャーになるためだけにやってるわけじゃないと思うけど、でも大メジャーになる。

(サンキュータツオ)そうそう。落語界を背負って。

(プチ鹿島)エンタ(の神様)とかだってそうじゃないですか。WWEだってそうだし。だから地方とかの猛者たちが、お笑い界の猛者たちが集まって、そこにハマるキャラとか付けられて。それでもあなた、やりますか?飲んだ人がさらにメジャーになるじゃないですか。山里(亮太)くんだってそうでしょ?

(サンキュータツオ)そうですよね。

(プチ鹿島)あんな素晴らしいツッコミとか、いなかったでしょ?それがまた、マウント取られ芸とかね。

(サンキュータツオ)その、下に出てね。下手下手に出て。

(プチ鹿島)あ、そういう売り出しされ方なんだ、とは思うけど。でも、まんまと。素晴らしいじゃない。

(サンキュータツオ)いや、だから『たりないふたり』とかのキャスティングとかって、すごい『やったった』感あるよね。

(マキタスポーツ)やったった感、あったんじゃないでしょうかね。

(サンキュータツオ)で、やっぱりあれ、気持よくハマったもんね。その若林(正恭)さんと山里さんの感じとかね。ああいうの、やっぱり野心を感じますよね。ドヤ感あってもうれしいよ。

(プチ鹿島)たしかにそうだね。ダウンタウンの2人はよく出会ったなって、それはもう天然ものじゃないですか。天然であって。でも、キャスティングってやっぱり人工、加工ですもんね。それでハマったら、たまんないもんがありますよね。出会うべくして出会ったコンビとは別の、世の出し方の『してやったり!』っていうのはあるだろうね。

(サンキュータツオ)だから前ちょっとしゃべった『クルーザー』論とか誰キャスティングするか?とか、やっぱりプロデューサー目線で面白い・・・

(マキタスポーツ)そうなんですよ。

(プチ鹿島)物語が変わってきますもんね。

(サンキュータツオ)いや、これね、アニメオタクとかの中には結構昔からあった文化なんですよ。

(マキタスポーツ)あ、そうなんですか。

(サンキュータツオ)たとえば、みんなが好きな漫画原作がアニメ化されますって言った時、ネットでは制作会社どこ、監督が誰、で、主演声優が誰さんと誰さん・・・

(マキタスポーツ)それ、ネットの人たちがキャスティングしてるわけだ。

(サンキュータツオ)キャスティングしてるの。

(プチ鹿島)ちょっと前にヤッターマンが実写化される時、ドロンジョ様、あれをどの女優がいいかで俺、すげー俺も同年代の友達と・・・

(マキタスポーツ)あれ、深キョンがやったんだっけ?

(サンキュータツオ)深キョンがやったんです。

(プチ鹿島)いろんなパターン、出ましたよ。

(サンキュータツオ)あった。たしかに言われてみれば深キョン、良かった。まあでも、あの時点だったら真木よう子とかあってもよかったですね。

(プチ鹿島)ありました。で、一番ベタに振れたのだと藤原紀香とか。僕はね、蒼井優を推してたんです。

(サンキュータツオ)はいはいはい。

(プチ鹿島)見て下さい。俺ね・・・あ、この際だから言っておくわ。蒼井優を悪役・ヒールで早く使って下さい。

(マキタ・タツオ)(笑)

(プチ鹿島)もう私生活が追いついて来たでしょ?もういろんな恋愛をしては別れ・・・あの人ね、絶対ね、魔性なんですよ。絶対ヒールに転向した方が、もっと面白いから!蒼井優は!

(マキタスポーツ)キャスティングしてる!

(サンキュータツオ)たけしさんがさ、映画監督になるとかさ、そういうキャスティングの面白さもあるからだと思うの。

(マキタスポーツ)絶対そうですよ。あの人なんか。

(プチ鹿島)新しい魅力を引き出しちゃう。

(サンキュータツオ)ヤクザ役とか親分役、優しい感じの人にやらせるじゃん?ああいうのって今、蒼井優にヒールやらしてくださいと一緒で、世に求められてるものと逆の、まだこの人のこの面ひっぱってないでしょ?っていうプロデューサーとしての野心があるよね。

(プチ鹿島)分かる!いま俺、役者うかんだわー。誰だっけ?まあいいや。

(マキタスポーツ)俺ね、『苦役列車』という映画に出た時にね、本当に喜んだ人たちっているんですよ。僕の心理言いましょうか?僕、ブルーリボン賞という賞をいただいたけど、そん時にあんまり喜べなかったんです。素直に。

(サンキュータツオ)まあね。よく分からないですもんね。

(マキタスポーツ)よく分からないじゃないですか。喜んだ人たちっていうのは、やっぱりキャスティングした人たちですよ。しかも、マネージャーとかも喜んだんですよ。

(プチ鹿島)つまりあれでしょ?自分の予想の馬券を買ったら、見事にマキタさんが来たってことっていう、そういうことですよ。

(マキタスポーツ)そういうこと。

(サンキュータツオ)馬券だわ。そうだ!

(マキタスポーツ)もうね、俺なんかたとえばセレモニー加わってなんかやるわけじゃないですか。そんな時とかにも、なんか全然違うところに心理があるわけですよ。それをね、俺が、まあちょっとセレモニーの時にスピーチ、10分ぐらいオーバーしてしゃべってたんですけど(笑)。

(プチ鹿島)あの、よく聞きましたよ。

(サンキュータツオ)大問題になってた。

(マキタスポーツ)そう。大問題になったんですよ。ただね、終わった後に『役柄、よかったよなー』みたいな感じでしみじみと言っていた人たち、映画会社の人たちとか、監督とか。だって監督の山下敦弘さんなんか、『じゃあマキタさんをここで、他に山下組で使いたいと思いますか?』っつったら、『いや、おれ高橋しか考えられない』って言うんですよ。だから高橋っていう役を、僕の役ですけどね、それを自分が開発したんで。もうそれで、一番たぶんあの人は興奮というかピークを味わっていると。だから他に考えられないみたいなことを言うんですよ。すごいことじゃないですか?これって。

(プチ鹿島)たしかにお笑いでもさ、90年代前半とか、僕らまだ全然観客だったころね。あのころって絶対数も少なかったから、よく聞くのは先輩たちに聞くのは、お笑いライブにウケたら、もうすぐにテレビにひっぱり出されたみたいな、神話があるじゃないですか。やっぱり足を運んで。お互いですよ、言葉悪く言うと。で、自分でツバつけたのをすぐ深夜番組とかで。結果、まだそういう時期あったじゃないですか。あのころ。なんかそれはやっぱりたまんねーだろうなっていうのは。自分がツバつけたぞ!って。一番最初、俺が見つけた!っていう。それはたまんないでしょうね。

(マキタスポーツ)あと、めちゃイケとかの、だって当時さ・・・

(サンキュータツオ)新メンバーオーディション?

(マキタスポーツ)いや、新メンバーオーディション以前の、『とぶくすり』とか、あの時代のあの時間帯で、しかもあのぐらいのキャリアの人たち、年齢層もバラバラ、事務所も違う、女子も混ざっている、男だけじゃなくて。それが、知名度も低い中、こう何か後々じわじわとみんながポジションとかを発見していきながら、それをキャスティングした人たちが、『いや、そうじゃないんだ。リーダーはもっとこうしろ!こうするべきだ!』とか言って、まとまっていった感じのものを見てた時の、我々もそうだしキャスティングの人たちって、すごかったじゃないですか。だから、未完成のものとかが、だんだん完成していく過程っていうことで言うと、AKBとかナントカ、いろいろあると思うんですけど、そういうものの方がたぶん興奮するんじゃないですか?

(プチ鹿島)それこそ自分の予想を越える、育つ感じね。

(サンキュータツオ)でも、そう考えたらマキタさんさ、人類滅亡と13のコント集っていう昔の深夜番組、主役に抜擢されましたもんね。

(マキタスポーツ)抜擢されてましたよ。

(サンキュータツオ)あれもやっぱりプロデューサー感覚というかね、刺激されたんでしょうね。そういうだからプロデューサーを刺激する何かを持ってらっしゃるんじゃないですか?

(マキタスポーツ)だから俺はこれはね、思うんですが、僕は天然なんだと思うんです。だから僕は天然じゃない、ダイオウイカの部分、トワイライトゾーンに長くいましたけど、実際にそれが海面にすごく出てきた時とかに、大したものか大したものじゃないかということは置いといたとして、僕は存在感として自分は、基本的にはですよ、天然である自分は消していこうとしてるんです。ところが、僕でもまだ気づいていない天然の側面があるんじゃないですか?そういうゴロッ!とした部分とかが大好きなんですよ。あの人たちは。

(タツオ・鹿島)うんうんうん。

(マキタスポーツ)で、必ずそれは料理みたいなもので、これだけだとクセが強すぎるけど、そのクセがあるものをこのぐらいの配分で調節して入れたりすると、すごく味の深みがでるんだということを計算して、そのとおりになった時のやつらの顔!何度も言うようですけど。

(タツオ・鹿島)(笑)

(マキタスポーツ)うっとり!俺はそれは天然素材であることって、すごく重要だと思う。

(サンキュータツオ)最近ね、だからそのキャスティングの面白さみたいなのって、やっぱり大人になってから気づくんですよ。俺、ぶっちゃけだから大学の在学中とか、なんでそんなみんなテレビ局とかの局員になりたがるのか、正直全然わかんなかったですよ。

(マキタスポーツ)ああ、なるほど!

(サンキュータツオ)でも、なにが違うかって年収ももちろんですけど、そういう決定権を持てるっていう面白さですよね。

(マキタスポーツ)決定権ね。そう、だから権力なんですよ。つまり権力を持ちたいってことなんですよ。生臭い話すると。だから権力の面白さって、そこにすごくあるんじゃないかなって思って。俺、思いの外、いま世の中って、俺すごく陰謀的ですけど、ほとんどやっぱ電通が決めてるんじゃないかって。

(サンキュータツオ)(爆笑)まあ、陰謀史観ですね。

(マキタスポーツ)陰謀史観(笑)。よく言われてるやつですけど。だけど、物事には決める決裁権のある人がいて、人を動かす人事権を持っている権力があるんですよ!その人たちはものすごく興奮してるんです。で、その人たちの思う通りになっているっていう感じとか、絶対あるじゃないですか。

(プチ鹿島)でさマキタさんね、ピークを、全盛時を迎えたとしましょうよ。でも面白いもんで、それだと既得権益でゴリゴリで固まっちゃって、そっからつまんなくなってく感じってあるじゃないですか。

(マキタスポーツ)あるあるある!

(サンキュータツオ)要するにどのバラエティー番組見ても出てる人一緒とかね。

(プチ鹿島)硬直化しちゃって。で、利益の・・・想像ですよ。憶測ですけど。

(サンキュータツオ)だから実際アニメもそうなんですよ。もう人気ある、数字読める声優が持ち回りですから。みんな。だいたいあの人だな、もう新人が入る余地なんかほぼないんです。っていうのは、やっぱりじゃあもうちょっとアニメの方が具体的で。DVDとかブルーレイの売上っていうのが実際出るわけ。じゃあ、どうやって売るかっていうと、買ったらイベントに参加できますよって。イベントっていうのは、声優さんが出ますよみたいな。で、そうなるとイベントに来るお客さん持っている声優さんが選ばれるわけですよね。そうなるとやっぱり人気順ってことになっていくわけですよね。

(マキタスポーツ)ふーん。

(サンキュータツオ)ってなると、どのアニメ見てもだいたい人気ある人上位何位みたいなのが出てるんですよ。で、今回は・・・そうなるとキャスティングの妙になってきて、いつもイケメン役やっている人が今回ちょっとコメディーやってるとか。

(プチ鹿島)その中でのキャスティングの妙か。

(サンキュータツオ)そうそうそう。結局そうなっていくんですよ。

(マキタスポーツ)でも、小さくなっていくよね。それね。あんまり大きなうねりではないよね。

(プチ鹿島)だから、結局さっきの話でなにを言いたいかっていうと、たとえばラジオ番組とか伝説のね、僕ら子供の頃とか深夜で。えっ、なんでこの人か?いきなり・・・っていうのは、もしかしたらそれなりの実績は残してきたかもしれないけど、それをポーンとやるサプライズって、それキャスティングの醍醐味ですよね。

(マキタスポーツ)ツービートのちっちゃい、よくしゃべる方。

(プチ鹿島)1人だけ入れちゃうとかさ。そういうことじゃないですか。まったく未知の強豪ですよ。リスナーからすれば。いまは情報がもう行き渡ってますから、ある程度この人は『ああ、こういう人だな』と。

(サンキュータツオ)(ダイノジ)大谷さんのオールナイト(ニッポン)とか、そうですよね。たぶんね。

(プチ鹿島)まあ、そうだね。

(サンキュータツオ)そういう、何かこうキャスティングの妙、ありますよね。よく言ったもんだよね。『キャスティングの妙』って。

(マキタスポーツ)そうだね。言えると思うね。で、その時間帯とかさ。その番組が持っていた文脈とか歴史とかね。その中で、ちょっとこっちに、ちょっとクセのあるものを置いてみようか?

(サンキュータツオ)いや俺ね、いまマキタさんのアボカド感、半端ないっす。

(マキタスポーツ)俺、アボカドですか?

(サンキュータツオ)食材でいったらアボカドだと思います。いままでアボカド、どうやって使えばいいか分かんないみたいな。

(プチ鹿島)見てたんだよね。周りが。

(サンキュータツオ)そう。みんなアボカドを見てたの。何となく。

(マキタスポーツ)誰か一番最初にアボカドなのか、俺という・・・

(サンキュータツオ)クセあるしな・・・みたいな。

(マキタスポーツ)ホヤをどうやって使うか。

(サンキュータツオ)ホヤみたいな。そういうこと。だけど、アボカド意外とハンバーガー入れると美味いよ!とか、アボカド意外とサラダいけるよ!みたいな感じで今・・・ドラマっていう料理の中にいきなり放りこまれてる食材だと思うんですね。

(プチ鹿島)そうなるとやっぱり一番最初に食ったやつが偉いってことになるんだね。

(サンキュータツオ)だから『苦役列車』でしょ?そこが評価されてるってことだよね。でも、鹿島さんも意外といい役者ですよ。

(プチ鹿島)あのね、そのことについて話そうか。

(マキタ・タツオ)(笑)

(マキタスポーツ)いまそれ、JUNONみたいな感じになってるんだよ?昔の。

(プチ鹿島)そろそろトワイライトゾーンから。でも、出る気まんまんっていうのもどうなのかな?っていう。

(マキタスポーツ)まあね、俺の場合はよく分からないうちに。自分が別に望んでいたわけじゃなかったから。

(プチ鹿島)それがいわゆる天然ボケの・・・

(マキタスポーツ)天然ボケの部分だったりすると思うんですけど。うん。で、どんなのキャスティングしたいか?って話をしたいんですよ。みんな。

(サンキュータツオ)まあ、バラエティー番組とかだと生々しいかな?

(マキタスポーツ)でもさ、たとえば朝まで生テレビ!・・・

(サンキュータツオ)あ、朝生ね。面白いかも!

(マキタスポーツ)朝まで生テレビ!って、田原総一朗さんなのか、番組にずーっと関わっているプロデューサーさんなのか、いろんな人脈とかで何かある程度決まってたじゃないですか。で、まあいろいろあって人とか変わっていきます。テーマにもよるし、でもいまいちスターとかも、そんなに出てきてないんじゃないですか?

(プチ鹿島)ってなったら、田原総一朗の次の司会を誰の・・・っていうキャスティングだけで盛り上がりますよ。妄想だけでね。

(マキタスポーツ)あー!田原総一朗のそれは難しいけどねー!

(プチ鹿島)そういうキャスティングの妙で、そこで全然知らない人ポーン!ってハマったら、そのプロデューサー、最高じゃないですか。

(マキタスポーツ)俺なんか、タツオ放りこんじゃうね!

(サンキュータツオ)いやー・・・

(マキタスポーツ)で、俺タツオを使うね!

(一同)(爆笑)

(サンキュータツオ)そうだね。使われる人間になりたいけどもね。

(プチ鹿島)でもそれぐらいの博打というか、それはやっぱりキャスティングの面白さじゃないですか?

(サンキュータツオ)でも、俺それも縁だと思うのよね。もう俺らはさ、何にも決めれないじゃん。与えられたことを100やるしかないじゃん、もう。

(マキタスポーツ)そうだね。今んところ、本当にそうなんですよ。みなさん!

(サンキュータツオ)で、なんか別に『使って下さい!』とか色気だしたところでさ、伝わっちゃいけないじゃん。そういうのもさ。だからまあ、与えられた仕事を全うするしかないから。だからこう、キャスティングしてみたいなって夢想するわけでさ。

(プチ鹿島)でも、どうなんだろうね?でもね。

(マキタスポーツ)つい最近、またそういうことで言ったらね、ゴッドタンっていう番組あるじゃない?ゴッドタンの番組で佐久間さんっていうプロデューサーが、いろいろ企画やってますけど、あの番組でマジ歌選手権っていうところに僕をキャスティングしてくれたんですね。

(サンキュータツオ)はい。あれ、最高でしたよ!

(マキタスポーツ)で、それってものすごい幸せな体験っちゃ体験で。僕がやってきたことと、ちょっと角度は違うけどやってきたことと似てるわけで、すり合わせが出来るんですよ。終わってみて、評判よかったですよ。佐久間さんの興奮度、知りたいわー!俺よりもでかいはずですよ。佐久間さん、きっと。

(サンキュータツオ)いや、だから興奮してほしいよね。良かった!って。

(プチ鹿島)いまの話でね、やっぱり面白いのは、マキタさんが引き上げられつつ、そういう企画・・・だってマキタさんしか、ないじゃない!その企画。そのMBSのあれだってそうじゃないですか。もう、そういう時期ってそういうもんなのかな?って面白さ、あるじゃないですか。もうマキタさん以外ないでしょ、この企画!っていうのが、バチーン!とぶつかるっていうね。

(サンキュータツオ)あれもう、変なネタ番組とか出るよりよっぽど大っきいよね。ああいうのね。いやでもそれは、やっぱりこれも縁ですよ。やっぱりどのタイミングでマキタさんを知って、マキタさんがどういうことをやってるのかっていうのをどれくらいの深さで、その権限を持っている人が知って、で、どう使うか?っていう出し口までちゃんと用意してるっていうか。でも、いないじゃん?なかなか現場まで来て、何やってる人なのか調べるとかさ。だからエンタとか、そこはもうカメラ入れて頑張ってたから、プロデューサー魂もうずいたと思うしね。

(マキタスポーツ)あともうひとつ。ゴッドタンで言うと、あのゴッドタンのキャスティングで匂うところ、言いましょうか?基本的にあの番組出てる人たちって、劇団ひとりとかバナナマンとかおぎやはぎとかでしょ?そのへんが中心でしょ?吉本臭がしないじゃないですか。あれは、何なんですか?っていう話ですよね。

(プチ鹿島)うん。何なんですか?

(マキタスポーツ)でも、(ダイノジ)大地くんや(フットボールアワー)後藤くん、出てるんです。だから、単純にそうは言い切れないところがあって。

(サンキュータツオ)たしかにそうだわ。

(マキタスポーツ)でも、それでもすごくマッチした瞬間っていうのがものすごくあるわけです。ただ、非吉本っていうことをポリシーにしてるわけでもないんですけど、人を選んで、そこでハメこんだ時に、見事にあの企画って結構うまく行ってるんですよ。

(サンキュータツオ)あの企画、素晴らしいよね。

(マキタスポーツ)他にもいっぱいゴッドタンではそういうことをしてるんですよ。だからキャスティング・・・だからPKさんはテレ朝のあの人と話したじゃないですか。

(サンキュータツオ)加地(倫三)さんね。

(マキタスポーツ)加地さん。

(プチ鹿島)ああ、アメトーーク!のね。

(マキタスポーツ)加地さんも、キャスティングがすごいでしょ?たぶん。あの人って。

(プチ鹿島)だからやっぱり結局、じゃあ大駒だけ並べてそれでいいのか?っつったら、それは自分としては面白くない人だと思うんですよ。やっぱりその中にね、それこそ企画自体全勝優勝は狙ってないと。3勝2敗でいいって。その負けた企画の中で・・・

(マキタスポーツ)そう言ってたんですね。

(プチ鹿島)たとえば、『どうした!?品川』とか、あのあれって完全に求心力持った、かつ勝ちゲームじゃん。でもその次の週に、たとえば『ネギ芸人』とか。でもそこで、全編の中の1つ、『あ、こういうパターン次つかえる』っていうのがあれば、それは実は負けゲームなんだけど勝ちなんだって言ってたの。で、あと席順だって意味合いあるわけでしょ?大外に誰を置くか?とか。司会者の近くに誰を置くか?とか。

(サンキュータツオ)あれ、面白いよね。

(プチ鹿島)あれなんかまさにキャスティングですよ。

(サンキュータツオ)すげーうまくハマってるもんね。なんか。いや、俺がプロデューサーだったら鹿島さん、絶対コメンテーターで使うけどね!

(プチ鹿島)うん。まあ、そういうつもりです。僕も。

(マキタ・タツオ)(笑)

(プチ鹿島)途中で席、立たないですよ。

(サンキュータツオ)だから逆に言うと、このキャスティングがすごい!っていうのを俺らがしゃべるべきなんだよ。このキャスティングは思いつかなかった!とか、すげー興奮した!とか、すげーマッチしてた!みたいな。バチッ!って行ったよっていう。

(マキタスポーツ)それこそ美保純なんじゃないんですか?

(サンキュータツオ)美保純さんですよねー。

(マキタスポーツ)近頃我々、それ思わずしゃべっちゃってたじゃないですか。

(プチ鹿島)そういうことですよね。

(マキタスポーツ)美保純!ってことだったじゃないですか。

(プチ鹿島)キョンキョンの隣にいる美保純!

(サンキュータツオ)あれ、ハマってたよねー!

(プチ鹿島)あの後、どうですか?松田龍平ですか、来て、美保純が近寄って・・・もう俺たちが話してたことですよ!

(マキタ・タツオ)(笑)

(プチ鹿島)松田龍平は俺たちなんです、あれ。

(マキタスポーツ)脳内美保純がね。

(プチ鹿島)あれ、そうなんだよ!

(サンキュータツオ)いや、だから本当にあれ小泉今日子さんの良さも引き出して、松田龍平さんの良さも引き出して、結局美保純かっこいい!っていう結論に落ち着いたもんね。

(マキタスポーツ)キャスティング権もっている人の顔、見たいよ!あの番組の!

(プチ鹿島)誰なの!?

(サンキュータツオ)でも、そのうちやっぱりだって、そのゴッドタンしかり、アメトーーク!しかり、やっぱり作り手の人たちの名前が知られてきてるっていうのは、もうそういうことなんじゃない?

(マキタスポーツ)まさにそうだ!

(サンキュータツオ)一億総GM化じゃない?

(マキタスポーツ)GM化だね。そういうことだね。

(サンキュータツオ)GMになってるんだよ。監督じゃなくて。

(マキタスポーツ)そうだな。監督じゃなくて、さらに上!GMだ。

(プチ鹿島)そうなんだよ。本当にGMとかさ、野球とか結果残した人って引きぬかれて他の球団行ったら、強くするんだよね。何なんだろうね?

(マキタスポーツ)お前の好きなバスケとかのGMとかの興奮度って、世の中の巻き込み方とか全然違うじゃない。

(サンキュータツオ)全然違う!もうオーナー。バスケは。GM、GM任命権、監督、チーム。超面白いよ!

(プチ鹿島)やりてーなー!

(マキタスポーツ)面白いわ!

(サンキュータツオ)やっぱり俺ら普段から、バスケマニアそういう話してるもん。

(マキタスポーツ)あいつら、そんな楽しいことやってたのか!

(サンキュータツオ)だからね、今ね、ダラス・マーベリックスっていう、ITのネット長者がオーナーやってるチームがあるんですよ。

(プチ鹿島)ホリエモンでしょ?

(サンキュータツオ)でね、この(マーク・)キューバンオーナーっていうのが、90年代からアメリカの選手じゃない人ばっかり集めたの。で、国際化したのよ。

(マキタスポーツ)ヤオ・ミンとかそういうやつ?

(サンキュータツオ)あのね、ドイツから(ダーク・)ノヴィツキーっていう2メーター級の3ポイントシューターとか入れて。で、本当世界中にNBAファンでグッズ買う人がいるようなチーム編成したの。それでもう、優勝まで行ったの。で、今年、そのキューバンオーナーが何をしゃべってるかっていうと、『女子の選手を指名するかも』みたいな。

(マキタスポーツ)(笑)おもしれーな!

(プチ鹿島)あー!

(サンキュータツオ)2メーター3センチで、女子では群を抜いて強い人がいるのね。で、『俺だったら2位指名ぐらいする』みたいなことをキューバンは言ってるんです。

(プチ鹿島)いいねー!いいねー!

(マキタスポーツ)アメリカのバスケ界の水島新司みたいな人だね。

(サンキュータツオ)もうね。で、俺らからしたら、女子では相当だけど男子のNBAに2メーター3センチ来ても、そんな・・・まあ、シューターだったらまだしも。

(プチ鹿島)タツオ、それ興行論としては正解なんだよ。そういう議論が起きるだけでもう、勝ちなんです!

(サンキュータツオ)だけど、キューバンだったらやりかねねー!みたいなのが、やっぱりファンの中ではあるわけ。

(プチ鹿島)それで賛否両論生むわけでしょ?入れちゃいなさいよ。

(サンキュータツオ)入れちゃいな、だよね。

(マキタスポーツ)俺ね、そういうことで言ったら、いま俺サッカーっていうものが国際戦とかあるじゃないですか。ものすごく盛り上がるじゃないですか。あれ、全部知って、サッカーっていうおもちゃを国民に与えてるキャスティング権持っている人がいるんですよ。そういう人たちは俺、電通だと思ってるんですよ!

(サンキュータツオ)(笑)オーナーであり、GMね。そうだよね!

(プチ鹿島)そろそろ広島カープとドミニカのこと、話しても・・・

(サンキュータツオ)もう、いいですかね?

<書き起こしおわり>

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