吉田豪さんがSBSラジオ『IPPO』に電話出演。矢沢永吉さんの人間的魅力について話していました。
(桑原秀和)今日はSBSラジオは矢沢1 Day Specialとして矢沢永吉さんを特集しているんですけども。吉田さんは矢沢さんを過去に何度かインタビュー、取材をされていると思うんですけども。
(吉田豪)そうですね。3回ぐらい。はい。
(桑原秀和)実際にお会いになった矢沢さんってどんな印象ですか?
(吉田豪)「最高!」の一言ですよ。
(桑原秀和)最高(笑)。
「最高!」の一言
(吉田豪)僕の持論で「世の中には永ちゃんを大好きな人と永ちゃんをよく知らない人しかいない」っていうのがあって。そして、会えば確実に好きになりますね(笑)。
(桑原秀和)どうですか? その大好きになる魅力って。やっぱり直接会って深まりました?
(吉田豪)すごい単純な話だと、表情とか動きだけで最高なんですよ。最近、田中邦衛化が著しいと思っているんですけど(笑)。
(桑原秀和)(笑)
(吉田豪)もう顔の動きと手の動きとかだけでもう……それが目の前で動いているだけでも、「最高!」って言いたくなるんですけど。発言も本当にいちいちいいし。うん。あれは好きになりますよ。
(桑原秀和)なんか20代の頃の永ちゃんのインタビューといま、67才ですけども。インタビュー内容とか話している内容、変わらないですもんね。
(吉田豪)一貫している部分もすごいあるし、そしてすごい昔のことをすごいフレッシュにも話すし。あれだけ、死ぬほど取材を受けている人のはずなのに、ものすごい新鮮そうなんですよね。
(桑原秀和)そうですか。それはどこから来ているんですかね?
(吉田豪)こっちなんてパブリシティーで取材しているわけじゃないですか。で、僕が最初に取材した時は、それこそライブのDVDが出た直後で。だから、話の途中で「そういえば、DVD見てくれました?」って聞かれて。見ているに決まっているじゃないですか。「もちろんです」って言うと、「おおっ、見てくれましたか!」みたいな。リアクションが異常にデカいんですよ(笑)。なんでそんなにうれしそうなんだろう?っていう(笑)。
(桑原秀和)本心からリアクションしてくださっているんですよね。きっと。
(吉田豪)本心なんですよ。それが驚くんですよ。なんでそれができるのか。
(桑原秀和)それがまた、魅力なんでしょうね。
(吉田豪)惚れますよ、そりゃあ。あれをやってくれたら。僕、よくネタにしているんですけど、本当に初対面の挨拶一発でやられちゃって。
(桑原秀和)そうですか(笑)。初対面の挨拶一発。
初対面の挨拶一発でやられる
(吉田豪)最初、宝島社の『Smart』っていうファッション誌での取材で。編集者が名刺を出すじゃないですか。その名刺を見て「おおっ、宝島! 懐かしいねえ!」って始まって。「俺、宝島がものすごいでっかい雑誌だった頃さ、キャロル時代にインタビューを受けたことがあるんだよ! そん時さ、『なに言ってもいい』っていうから、芸能界がいかに汚い社会で、裏で金を掴ませて女を抱かせてひどいことをやっている』とか言ったらさ、全部そのまま載っちゃったから、『ヤザワ知~らない~!』って言ったんだよね。ヨロシクぅ!」っていう(笑)。掴みから完璧じゃないですか(笑)。
(桑原秀和)すごいですね(笑)。それを全部載せるのもすごいですけどもね。
(吉田豪)気持ちいいんですよ。フレーズのキレがいい。で、その日は写真撮影でも感動して。なかなか出てこないんですよね。スタジオで撮っていて、発売したばっかりの永ちゃんの新譜がずーっと流れている中で、永ちゃんがコンセントレーションを高めていくんですよね。で、高めて高めて高まった瞬間に控室の扉がバーン!って開いて、もう出来上がった永ちゃんが出てきて。あとはポーズの指定とかも一切させないで、ひたすら曲に合わせて踊りまくるっていう(笑)。
(桑原秀和)すごいですね!(笑)。
(吉田豪)飛び上がったりだとか。それにカメラマンが食らいついていくっていう。「これ、いつもこうなんですか?」って聞いたら、「その直前の取材が対談だったんであまり動けなかったので、いつもの倍、動いています」って言われて(笑)。「すげえ!」って。
(桑原秀和)でも、その心を作るとか、気持ち、集中力を高めるっていうのはすごいんですね。
(吉田豪)ですね。
(桑原秀和)そして、僕が気になったのが、オーストラリアで部下に騙されて30億円を超える詐欺被害にあった事件、あったじゃないですか。ああいった失敗にも立ち向かっていく。あの姿っていうのはすごいなと思って。
(吉田豪)だから、実は僕の周りってプロレスとか格闘技の興行に手を出して10億円ぐらいの借金を背負ったような人っていうのがゴロゴロいるんですよ。それを見るたびに、本当に矢沢永吉すげえと思いますからね。
(桑原秀和)普通、その億単位での借金を背負ったら、もう自分の人生どうしよう? なんて真っ暗闇になりますよね。なんなんですかね?
(吉田豪)当然、大変な思いはしたはずなんですけど、いま見るとダメージが一切見えないんですよ(笑)。そのすごさですよね。
(桑原秀和)それも力に変えてしまっているような感じですもんね。
(吉田豪)だから、普通そういう失敗をしたら、もっといろいろと手堅くなると思うんですよ。その後で、いま赤坂にODENスタジオっていうスタジオを作って。ものすごい、日本一デカいぐらいのスタジオを。そういうのをやるのにも、普通もっと慎重になるはずじゃないですか。
(桑原秀和)はい。
(吉田豪)聞いて爆笑したんですよね。本当にものすごいデカいスタジオだから、いろんなアーティストがそこでコンサートのリハとかをやっているんですよ。で、コンサートのリハ用に、トレーラーとかそういうのでセットを運び込んでのリハとかをやるらしいんですけど、スタジオの前の道が狭すぎてトレーラーが入れないんですよ(笑)。
(桑原秀和)(笑)
(吉田豪)そういう詰めの甘さとかも含めて、最高!っていう(笑)。
(桑原秀和)なるほどね。音楽には繊細できっちりしているのに、そういうところは(笑)。
(吉田豪)1回しくじったらもうちょっとね、慎重になりますよ!っていう(笑)。
(桑原秀和)すごいですねー。改めてですけど、吉田豪さんから見た矢沢さんの最大の魅力ってどうですか?
(吉田豪)なんだろうな? エピソードが本当に誰から聞いてもいい話が出てくる感じっていうか。僕、Twitterで娘さんとの交流があるんですよ。娘さんの話す話も大好きなんですよね。お父さんが突然、青山通りを歩いていたら、「最高の親子丼、見つけたんだけど。ほしいか?」って聞かれて。「食べたい」って言ったら、なか卯の親子丼を買ってきてくれたとか(笑)。
(桑原秀和)(笑)
(吉田豪)最高じゃないですか。エピソードが全部(笑)。
(桑原秀和)すごいですね(笑)。
(吉田豪)で、娘さんが最近、結婚されたんですよね。ギターウルフっていうバンドの元メンバーと結婚して。で、実は旦那さんの最初の取材をしたのが僕なんですよ。その時に、僕が「矢沢永吉さん、知ってますか?」って聞いたら、「よく知らない」って答えて僕が怒ったっていう話があって、娘さんが最近書いていて(笑)。「ああ、そんなこと、あったわ」みたいな(笑)。伏線がちゃんと張られて(笑)。
(桑原秀和)いやいや、吉田さんのその取材の人数とか内容もすごいですね。
(吉田豪)なんかつながっていくんですよね。そうやって、どんどん。
(桑原秀和)面白いですね。そうなると。なるほど。ありがとうございました。今日は朝から。
(吉田豪)はいはい。
(桑原秀和)吉田さん、私も『情熱大陸』、吉田さんが出ていたのを見ていまして。ずっと保管させていただいておりますので。また吉田さんに近づけるようにがんばります(笑)。
(吉田豪)いえいえ。
(桑原秀和)今日は吉田さんに矢沢永吉さんについて語っていただきました。ありがとうございました。
(吉田豪)はい。どうもー。
<書き起こしおわり>
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