吉田豪 D.O『悪党の詩』を語る

吉田豪と宇多丸 D.O『悪党の詩』を語る アフター6ジャンクション

吉田豪さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。2019年秋の推薦図書としてD.O『悪党の詩』を紹介していました。

(宇多丸)ということで吉田さん、今日は推薦図書ということで。でも先ほどね、「危険な本だ」なんておっしゃってましたけども。

(吉田豪)そうですね。タイムリーなのがちょうど僕が田代さんとの対談で会ったこともあるD.Oさん

(宇多丸)はい。ラッパーの。

(吉田豪)そのD.Oさんが自伝を出したんですね。『悪党の詩』という。彩図社から出ているんですけども。これ、ちょっと画期的だと思いましたね。

悪党の詩
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(宇多丸)うん。

(吉田豪)ヒップホップの人のアウトロー部分を出した本だと、漢 a.k.a GAMIさんがかなり踏み込みながらもかなり文学的表現というか、比喩を上手く使って。危険なことをちゃんと表現していたじゃないですか。「6枚葉の観葉植物の輸入業をやっていた」みたいな。

ヒップホップ・ドリーム (河出文庫)
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(宇多丸)フフフ、そうか。そういうトンチの効いた言い方をしていた。

(吉田豪)そういう言い方をしていたんですけども。こんなにストレートに書いていいんだ!っていう。

(宇多丸)まあ実際にね、それでもう罪状がついちゃっているから。

このタイミングだからこそ書けた本

(吉田豪)そう。収監前っていうそのタイミングだからこそ書けた本っていうか。何かをもう隠してもしょうがないというか、全てを洗いざらい出している……まあ「ヤクザをやるかラップで音楽をやるのか、どっちかを選べ」って言われてラップを選んだ人なので。ただね、この人も大変だったわけじゃないですか。かなり豪華なメンバーを集めたアルバムを作ったのに、その発売直前の逮捕で。

(宇多丸)あれはエイベックスだったかな? 満を持して……。

(吉田豪)それで致命的な打撃を与えて。そのへんの話の怖さがすごいんですよ。そういう大人の会社にダメージを与えたっていうのもそうですけど、薬物の逮捕だから薬物周辺の人たちにもダメージを与えているわけですよ。ちょっと怖い描写なんですけども。「留置所を出た直後にアウトローたちから次々と恐喝をかけられた。『お前のせいで俺たちのシノギは迷惑をこうむったからその責任を取れ。金を払え!』って。誤解をされている場合が多かったんだけど、そういう恐喝がエスカレートして殺されそうになったこともあるし、半グレからも的にかけられた。実際にクラブでライブしていたら襲撃されて何回か袋叩きにされた」とかっていう恐ろしい面もそのまま出ているという。

(宇多丸)すごいですね。いや、そういう領域に生きているっていうのは僕もわかってはいたけども。やっぱりでもね、それをそんな本という形でバンとね。

(吉田豪)で、この発売のタイミングで僕もここまで書いてるんだったらちょっとインタビューしたいと思ったらね、インタビューはできなくなりましたね。そういう事情で。

(宇多丸)ああ、そうか。あれがあったから。でも、僕はちょっとまだこれは読めてないんですけど。絶対に読みます。

(吉田豪)すごい本です。絶対に読むべき。

(宇多丸)それはそうでしょうね。極め付きでしょうね。D.Oくんは。いろんなタイプのラッパーはいるんですけど、こういうストリートサイドというかダークサイド方向、ハードコアサイド方向の極北というか。D.Oくんは本当にそういうアーティストだと思いますね。ただ本当、言っておきますけども。ラッパーとしてD.Oくんは最高ですから。あの甲高い声でメロディックにラップをするから怖いという。そういうね。

(吉田豪)本人のキャラクターもね、非常に親しみやすい……(笑)。

(宇多丸)ああ、もちろん。すごい全然ラッパーとしてやりやすい方でもあるし。あとはなんだろうな。すごくラッパーとしてエンターテインすることをよくわかっていて。だから「◯◯メーン!」っていうね。あれの口調もあえてそういうところをガンガン打ち出していたりして。非常にクレバーな人でもあると思うし。

(吉田豪)田代さんの対談で印象的なのが「対談場所になかなか来ないな」って思ったら職質で遅れていたっていうね(笑)。やっぱり歌舞伎町に来るとそうなるなっていう(笑)。

(宇多丸)でもやっぱりそれ、田代さんもD.Oだってわかっていたっていうよりは?

(吉田豪)まあ、怪しい人が歌舞伎町を歩いていたっていうことでしょうね。

(宇多丸)なるほどね。『悪党の詩』。D.O。彩図社から1650円(税込み)で出ています。

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(吉田豪)いまこそ読むべきだと思います!

<書き起こしおわり>

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