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吉田豪 矢沢永吉を語る

吉田豪 矢沢永吉を語る 小島慶子キラ☆キラ
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吉田豪さんがTBSラジオ『小島慶子キラ☆キラ』で2009年10月に話したトークの書き起こし。矢沢永吉さんにインタビューした際の模様を話しています。

ROCK'N'ROLL

(小島慶子)で、今日はなんですか?

(吉田豪)今日は永ちゃんというか、矢沢永吉さんの特集をいってみようかと。

(小島慶子)もうあの何週間か前に矢沢永吉さんグッズを3万買ったっていうのを聞いてみますよ。

(吉田豪)正確には3万7千円ですね(笑)。

(ピエール瀧)おそよ4万(笑)。

(小島慶子)すごいなー、それ。

(吉田豪)一瞬でポイントカードが埋まりましたよ(笑)。最っ高ですよ。あの、すぐそこにあるんですよね。TBSの近くに。矢沢さんがまた数億円の借金をしてビルを作ったんですよね。

(小島慶子)へー!

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スタジオ併設のグッズショップが最高

(吉田豪)借金を完済した後に、また借金して自社ビルみたいなのを作ったんですよ。そこが自分のところのレコード会社と、あとレコーディングスタジオみたいなのが全部入っていて。で、併設しているグッズショップがあるわけですよ。

(ピエール瀧)なるほど。

(小島慶子)そこで買ってらしたんだ。

(吉田豪)入るづらいなんてもんじゃないんですよ(笑)。ものすごい威圧感があるんです。1人じゃまず入れない。細道があって、重い扉があって。で、開けると、1階がもうバーなんですよ。その2階がグッズ売り場なんですけど、2階行けないんですね(笑)。怖くて。

(ピエール瀧)バーから奥に行けない。

(吉田豪)そうです。そうです。真ん中に螺旋階段みたいなのがあって、そこまで辿り着くまでがまず怖い。

(ピエール瀧)でも奥に、2階に行けば、例のタオルとかも売ってるわけでしょ?

(吉田豪)タオルどころじゃないんですよ。品揃えが尋常じゃないんですよ。普通のミュージシャンのグッズと違うんですよね。だから赤ちゃんのロンパースとか、メガネケース&メガネふきのセットとか。犬の首輪とか犬の餌入れとか車のエンブレムとか。

(小島慶子)一家全部が。

(ピエール瀧)なにからなにまで永ちゃんだ。

(吉田豪)普通、グッズ作らないじゃないですか。そんなに。ミュージシャン。あり得ない品揃えで。で、置いている本もヤバいんですよ。そこでしか買えないのとかあって、僕、買ってきたんですけど。矢沢永吉ポスターブックとか。

(小島慶子)へー。ポスターが。

(ピエール瀧)これ、いいね。でっかいし。

(吉田豪)でっかいし。これ見ると本当、永ちゃんが当時、完全にグラムロックだったのがわかるんですよ(笑)。

(ピエール瀧)あっ、本当だ。

(小島慶子)なんか銀ピカの・・・

(吉田豪)銀ラメですね。

(小島慶子)銀ラメのピッタリした立て襟のシャツ着てる。

(吉田豪)すんごいかっこいいし。で、『矢沢バイブル』っていう本がありまして。1万円する箱入りの本なんですけど。これ、すごいんですよ。永ちゃんの飛び出す絵本なんですよ。こういう。

(小島慶子)あっ、本当だ!

(吉田豪)で、僕の大好きなページがありまして。これはいいですよ。ええとですね・・・

(ピエール瀧)これ、全ページ飛び出すの?

(吉田豪)全ページです。ええと、永ちゃんがパクパクするんですよ(笑)。

(ピエール瀧)(笑)

(小島慶子)あー、本当だー!顔が。

(ピエール瀧)これはどうなの?(笑)。

(小島慶子)矢沢さんのオフィシャルグッズなんですよね?

(ピエール瀧)ほぼ、オペラ座の怪人じゃないの!

(吉田豪)アイアン・ジャイアントみたいな感じの(笑)。

(小島慶子)これはすごい。公認の。

(吉田豪)こういうようなものとかが売っていまして。で、そこでも売られてるんですけど、この『Rolling Stone』の9月号で僕が永ちゃん取材しまして。

(小島慶子)あ、インタビューを。

(吉田豪)そうなんですよ。一万字以上のインタビューをやって。平積みされてました。

(小島慶子)やっぱり伝説の方?

(吉田豪)すごいですよ。本当に。

(ピエール瀧)しゃべってくれるんですか?

(吉田豪)すんごいしゃべりますよ。びっくりするぐらいに。そこまでしゃべらないでも・・・ぐらいにしゃべりますよ。

(小島慶子)へー!

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実際に永ちゃんに会って驚いたこと

(吉田豪)僕がまず、永ちゃん最初に会って驚いたっていうのが、だって何十年も取材を受けてきて、同じ話を聞かれているわけですよ。ピュアなんですよね。僕、最初行った時はあのDVDの発売のパブで行ったんですよ。で、それで行ってるのに、『見てくれましたか?』って聞いて『見た』って言うと、『あー!見てくれたんですか!?どうでしたか?』みたいな。なんでそこまで驚けるんだろう?見るの、当たり前なんですよ。パブなんだから。取材で行ってるんだから。

(小島慶子)(笑)。でも、素直にうれしい!っていう感じが出ちゃうんですね。

(吉田豪)そうなんですよ。『ダメですよー!サラウンドで見ないと!』って(笑)。すごいリアクションだなと思って。

(小島慶子)じゃあ、あれは本当だったんだね。『Blu-rayじゃないともったいない』って。

(吉田豪)そうです。で、まず取材の部屋に入ってきた時点で永ちゃんなんですよ。空気が一瞬で変わるんですよ。永ちゃんモードで入ってきて、歩き方からなにから永ちゃんのまま入ってきて。挨拶でそん時、やられたんですよ。その時は『smart』っていう宝島社の雑誌で取材して。生涯ベストテンに入るぐらいの衝撃を受けて。宝島の人が名刺を渡した瞬間に『おおーっ、宝島!懐かしいねー!』って始まって。『俺ね、キャロルの時に出たことありますよ』って、創刊号で出てるんですよ。

(小島慶子)ふーん。

(吉田豪)まだすっごいデカかったころの宝島に。で、『なんでも好きなことを書いていいっていうから、いまの芸能界はみんなクソで、事務所が裏で金握らせて女抱かせて汚いことやっているよとか書いたら、それがそのまま載っちゃって。矢沢、知ーらないって言ったんだよねー!』って、右手出して『ヨロシク!』っていう(笑)。

(小島・瀧)(笑)

(ピエール瀧)本当、かっこいいねー!

(吉田豪)完璧な掴みじゃないですか。

(小島慶子)すごい。なんかもっと無口な人かと思った。

(吉田豪)すんごいしゃべりますよ。

(小島慶子)ええー、意外。しかも、サービス精神あふれる。

(吉田豪)あふれまくってますよ。で、さらにそん時、写真撮影でもやられたんですよ。写真撮影で、本当に自分のCDをずっと流しっぱなしにして。テンションが高まると出てくるんですよ。

(小島慶子)ふーん。

(吉田豪)ずーっと控室にいて。突然、なんの前触れもなくボーン!と扉が開いたら・・・

(小島慶子)カメラマン、スタンバイしておかないと。

(ピエール瀧)いまだ!っていう時に。

(吉田豪)その瞬間、もう永ちゃんなんですよ。だから。人前に出る時は完全に矢沢永吉で。永ちゃんとして出てきて、あとはもうなんの指示も聞かずに5分間くらいひたすら踊り続けるっていうか。シャウトして、飛び上がって、しゃがんでをずーっとやって。カメラマンはずっとそれに食らいつくだけなんですよ。引いたり、離れたり。

(ピエール瀧)俺がやるから、お前は勝手にそれを撮れというか。

(吉田豪)そうです。なんの指示も出せない感じで。それでひたすら汗だくになって暴れまわった後、『お疲れ!』って去っていくっていう(笑)。

(小島慶子)うわー、美学だ(笑)。

(ピエール瀧)マジで?うわっ、スーパーヒーローじゃない(笑)。

(吉田豪)見た人みんな感動して好きになるっていう。で、今回の取材はその永ちゃんのビルだったんですよ。永ちゃんのビルの地下で。それがまたすごいビルなんですよ。本当に巨大な。スタジオなんですけど、オーケストラ使えるぐらいのサイズなんですよ。コンサートのリハーサルもセット組んでできるぐらいの巨大なスタジオ。なんですけども、TBSの裏道。毎週ストリーム時代から通っていた裏道から、さらに細道に入っていったところなんですね。

(小島慶子)ふーん。

(吉田豪)だから、リハーサルできるんですけど、セット組むにはトラックが入らないんですよ(笑)。

(小島慶子)(笑)

(ピエール瀧)トレーラー、入ってこれない(笑)。

(吉田豪)そうなんですよ。ちょっと離れたところから台車に乗せなきゃいけない。

(ピエール瀧)なるほど(笑)。

(吉田豪)間違えちゃったんですよ。いちいち永ちゃんなんですよね。

(ピエール瀧)かわいい。

(吉田豪)かわいいでしょ?なおかつ、またネーミングセンスがすごいじゃないですか。永ちゃん、最近自主レーベルを作ったんですね。レーベルの名前が『GARURU RECORDS(ガルル・レコード)』っていうんですよ。

(小島慶子)ガルル・レコード?

(吉田豪)たぶん犬がガルルって言ってる感じだと思うんですけど。スタジの名前が『ODEN STUDIO(オデンスタジオ)』なんですよ。

(小島慶子)えっ!?

(ピエール瀧)そうそうそう。オデンスタジオね。

(吉田豪)瀧さんの店かと思うじゃないですか(笑)。それぐらいのセンスで。

(小島慶子)オデンスタジオ!?

(吉田豪)なんでかって言ったら、『やっぱ和風の方がいいじゃない?』っていう。

(小島慶子)(笑)

(ピエール瀧)結局ね。

(吉田豪)結局(笑)。すっごい、この人!っていう。

(ピエール瀧)あのね、フェスで1回見たことありますけど。フェスの裏っ側の楽屋で見てたら、なかなかフェスって押さないじゃないですか。各バンドの持ち時間って決まってて。押さないんだけど、永ちゃんの時間になっても、10分たっても15分たっても出てこないんですよ。楽屋から。

(吉田豪)テンション高まるまで(笑)。

(ピエール瀧)でも、いろんなミュージシャンが永ちゃんを見れる!って待っていて。時間が来ても、出てこねー出てこねーってたら、しばらくして15分ぐらい。もうそろそろギリだってなったら楽屋のプレハブのドアがガーン!って開いて、そっから真っ白いスーツの永ちゃんがこう、両手を広げて。十字架のようなポーズで出てきて。それを見た瞬間に周りが自然と拍手で迎えて。(拍手)

(小島・吉田)(笑)

(ピエール瀧)すげー!っていう。

(吉田豪)人前に出た瞬間からそれなんですよね。

(ピエール瀧)そうなの。

(小島慶子)あー、かっこいいですね!プロですね。まあ、当たり前ですけど。

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プロっぷりが尋常じゃない

(吉田豪)いや、まあプロぶりが尋常じゃないっていう。しかも、今回のインタビューって永ちゃんにビートルズを語ってもらうっていう企画だったんですよ。永ちゃんとビートルズのダブル特集みたいな感じで。なんですけど、ビートルズはロクに語らないんですよ。永ちゃん。まあ、ビートルズの影響をすごい受けた人なんですけど、特殊な影響じゃないですか。だってポール・マッカートニー仕様のバイオリンベースとか持っているけど、ポール・マッカートニーの音楽的影響とかまず受けていない。

(ピエール瀧)うん。

(吉田豪)ですよね。ぜんぜんだからそういう話じゃないんですよ。影響のポイントっていうのは。

(小島慶子)なにに影響を受けたんだろう?

(吉田豪)お金ですね。要するに。みんなだから、音楽性とかファッションとかに影響を受けていたけど、永ちゃんの場合は歌手になろうと思ったのはビートルズによって『俺たちだって億万長者になれるかもしれない』って教えてくれたっていうね。『当たったらミリオネアになれるかもしれないぜ、この世界は』っていうことを教えてくれたっていう。

(小島慶子)あ、そうなのか。でもかなり明確な目標を・・・

(ピエール瀧)成りあがりのゴールが見えたってことですね。

(吉田豪)そうです。成りあがれるって。それまでは板金屋になろうとしたんだけど、板金屋よりこれからはロックだなと思ってロックを始めるんですけど。だから本当にみんなでこの曲をやろうとか話し合うわけじゃないですか。バンド内で。ぜんぜんそういう話のらないで、常に印税の計算をしてたっていう有名な話があって。

(小島・瀧)(笑)

(吉田豪)最初にまず書類入れを買うとか、まずそっから始めるんですよ。ビジネスから。50万枚売れたらいくら入るっていう。まず、印税を学び始めるんですよ。印税の本を買ってきて、『レコード印税っていうのはまず物品税があって、それに原盤印税がある。魅力的な言葉だ』って(笑)。

(小島・瀧)(笑)

(吉田豪)『出版印税とは出版社が1/3、作詞家が1/3、作曲家1/3の構成で成り立つ。それを管理するのが日本著作権協会だ。ワクワクするよなー!』って。そこでワクワクしないですよね?

(ピエール瀧)『ワクワクする』なんて言ってるんですか?そこで『ワクワクするよね』って。

(吉田豪)通常面倒くさいとかじゃないですか。ややこしいなとか。

(ピエール瀧)できれば人にやってもらいたいみたいなね。ワクワクするよねって。

(吉田豪)楽しいね!って。そうなんですよ。ミュージシャンって本当、お金のことを言っちゃいけないみたいな雰囲気ってあるじゃないですか。言うと野暮みたいな。それによってまあ、バンドブームの時とかみなさんね、搾取されてきたっていう部分があるんですけど。永ちゃんはこう言うんですよ。ちょっとこれ、読んでいただきたいんですけど。

(小島慶子)はい。『僕の勝手、言っていいですか?これ言ったらたぶん相当ひんしゅく買うと思うけど、この際言っちゃうね。入り口から出口まで音楽だって言ってる人間ほど、いいメロディー書いてないよ。いままでの傾向から言ってね、入り口から出口まで音楽って言ってるやつほど、音楽やってないと僕は思う。金は魅力的だと言ってるやつの方が名曲残してますよ。これは俺の主観ね。主観だから、矢沢の独り言だと思って聞いて』(笑)。

(吉田豪)独り言がどんどん続くんですよ(笑)。

(小島慶子)そうなんだ(笑)。

(吉田豪)まあ、エネルギーの問題だって話で。ちょっとこの先も読んでほしいんですけど。

(小島慶子)『ワーオ!すごい世界だ。こんなに何もない俺たちだって、この世界で当たれば億万長者になれるかもわかんない。走ります!っていった時のエネルギーなら、綺麗事でBマイナーだのCマイナーだの言ってるやつよりもいい曲かもしれない。ごめんね、でもしょうがないじゃない。世の中、それで動いてるから』。おおー。割り切ってらっしゃる。

(吉田豪)どうですか?同じミュージシャンとして。

(ピエール瀧)うーん、そうですね。でも、そうなんじゃないですか?やっぱり。

(吉田豪)ですか?

(ピエール瀧)うん。でも、なんか、なんだろうな?売れる曲を書くっていうのがミッションじゃないですか。やっぱり。こういう人たちって。そういう人はそうなんじゃないですかね?やっぱりね。

(吉田豪)電気グルーヴとはちょっと違う?

(ピエール瀧)電気グルーヴとはちょっと違いますね。

(吉田豪)(笑)

(ピエール瀧)ちなみに、売れたらいいなとは思いますけど(笑)。

(吉田豪)はい。手違いで(笑)。

(ピエール瀧)手違いで。なにかの間違いで(笑)。

(吉田豪)で、僕が前回インタビューした時に、永ちゃんに聞いたんですよ。『こうやって宣伝で取材とか受けるの、きつくないですか?』って。『正直、何十年も同じ質問聞かれて。本まで出して。で、本に書いてあるようなことまで聞かれるわけじゃないですか。本を読めって言いたくなったりしないですか?』って聞いたら。『正直、しんどいですよ。でもなんでやるか?っていうとね、矢沢、売れてーんだ。金がほしいんだよ』って(笑)。

(小島慶子)(笑)。あ、かっこいい!かっこいいなー!

(吉田豪)そう言われたら、もう謝るしかないっていう(笑)。さすがです!っていう。

(小島慶子)あ、なんか正直な方ですね。素敵。

(ピエール瀧)『矢沢』っていうカンパニーなんだろうね。もうね。完全にね。考え方がね。

(吉田豪)ですね。1人会社っていう。

(小島慶子)社長さんなんだな。

(吉田豪)そうです。そうです。だからブレがないんですよ。デビュー前からずっとその考えで。で、こんだけいろいろ苦労とか大成功とかあっても、いまだにその発想のまま続いていて。普通、変わるじゃないですか。多少。

(小島慶子)まあ途中からね、文化的なこととかにね。

(吉田豪)まあ、有名な週刊平凡のデビュー直後のインタビューでも、『なんでロック歌手になろうと思ったの?』って聞かれても、『金が儲かると思ったからだ』って言って、驚かれちゃうんですよね。で、なんでこの人、驚いてるんだろう?と思って。俺、変なこと言ったかな?と思って。あ、そうか!なんか音楽に関することを言わなきゃいけないんだって反省するんですよ。

(小島慶子)ええ。

(吉田豪)『あっ、でも僕、音楽も好きですよ』って(笑)。

(小島・瀧)(笑)

(吉田豪)フォローにならないっていう話をして。で、『夢としてはどのぐらい有名になりたいの?』って聞かれた時に、あの有名な、変なこと言ったみたいだからフンドシ締めなおしてちゃんと答えようと思って、『10メートル先の角のタバコ屋にキャデラックでハイライトを買いに行けるようになります』って言って。それが伝説になっちゃうっていうね。

(小島慶子)あ、そうなんだ。10メートル先の角のタバコ屋にキャデラックでハイライトを買いに行けるようになります。ふーん!

(吉田豪)そうです。そうです。まあね、本当にそういう人で。まあ、ちなみにだからこれ、また前取材した時の話なんですけど。やっぱり音楽がお金になると思ったから、こうやってミュージシャンやっているっていう話だったんですけど。『いまは本当に音楽がお金にならない時代になった。だからね、いま息子が「音楽やる」って言い出したら、「お前、いまは音楽じゃなくて青色発光ダイオードみたいなのを作れ」って言うよ』っていうね(笑)。

(小島・瀧)(笑)

(小島慶子)もう、ブレないですね。完全に。人生の目的がブレない。

(吉田豪)そんなに、本当に音楽がお金にならないって思っている人が、自主レーベル作ってまでいま音楽をやっているわけですよ。

(小島慶子)ああ、じゃあやっぱり音楽が好きなのよね。もちろんね。

(吉田豪)そう。音楽も好きなんですよ。一応(笑)。

(ピエール瀧)なるほど。経済新聞とか読んでいる人だもんね。絶対。

(吉田豪)で、この新譜がいいんですよ。新譜が、突然シンプルなキャロル時代みたいな感じの音に戻ったロックンロール路線で。タイトルもズバリ、『ROCK’N’ROLL』っていう。で、『なんでこんなシンプルな音になったんですか?』って聞いたら、その発想もまたシンプルで。永ちゃん、キャロルが解散してソロになってからすぐ、アメリカに行って。で、アメリカで衝撃を受けちゃうんですよ。向こうのレコーディングのレベルとかミュージシャンのレベルとかに。

(小島慶子)あー。

(吉田豪)これはヤバい。俺はもうこういう風にやらなきゃいけないと思って、海外レコーディングしたりとか、海外の有名なミュージシャン。ドゥービー・ブラザーズとか、いろんな人とやって。どんどんやってきたんだけど、気づいたらしいんですよ。去年1年やっていて。『あれっ?』っていう。作り手と聞き手の間にものすごい温度差があることに気づいて。『これ、みんな求めてないな』と思って。『ワーオ!俺はなにをしてたんだろう?』と思って、シンプルにやってみたっていう(笑)。ことなんですけど。30年やってきたことをいきなりリセットできないですよね。普通ね。

(ピエール瀧)ああ、そうっすねー。そうだけどね。だから、どうなんだろうね。本当に、もともとの音楽の、もともとに戻ったってこと。たぶんね。

(吉田豪)そうですね。キャロル時代に戻ったんです。

(小島慶子)ビジネスの基本ですよね。顧客の要望に応える。

(吉田豪)まあ30年、気づかなかったらしいんですけど(笑)。

(ピエール瀧)顧客の要望に応えるの、でも難しいですよね。なかなか。顧客もいろんな人がいますからね。

(小島慶子)どこに応えるか?っていうことなんでしょうね。

(吉田豪)電気とかだとあれじゃないですか?売れたら、ねえ。魂を売った的な叩かれ方とかを・・・

(ピエール瀧)そうでしょう。ぜんぜん魂売っても売れた方がいいけどね。

(小島・吉田)(笑)

(吉田豪)ですよねえ。貧乏よりはぜんぜんそっちの方が。

(ピエール瀧)ぜんぜん。本当にそうですよ。

(小島慶子)えー、私矢沢さんのイメージがちょっと変わったなー。

(吉田豪)いや、本当に惚れますよ。

(小島慶子)惚れました。かっこつけのおじさんっていうのかと・・・

(吉田豪)ぜんぜん、ぜんぜん。

(小島慶子)正直で素敵。ねえ。

(吉田豪)とりあえず、『成りあがり』読んでください。

(小島慶子)読んで、近所だったらビルに抱かれに行きます。

(吉田豪)(笑)。ものすごい近いから、まず店行ってあげてください。

(小島慶子)わかった。そうする。ありがとうございました。サウンドパティスリー、木曜日はプロ書評家の吉田豪さんでした。また来週、よろしくお願いします。

(吉田豪)どもー。

<書き起こしおわり>

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