(吉田豪)でもまあ、Twitterで叩かれたことはいま、3秒で忘れるっていうね。昔は2ちゃんとかで叩かれると、1ワードで3ヶ月ぐらい食らっていたらしいんですけど。
(安東弘樹)ダメージを食らっていたんですか。
(吉田豪)でも、いまは完全に忘れる力がどんどん強くなってきて。
(玉袋筋太郎)そうだよ。オーディションも忘れちゃうぐらいだからな。
(安東弘樹)いやー、面白い。本当に。
(玉袋筋太郎)それでこのでっかい仕事が来ているわけだからね。これね。
(吉田豪)そうなんですよ。オーディション、今回映画が1本決まって。2本目も決まって、3本目が主演なんですよね。それ、Twitterで3本目の主演の話が入ったって普通につぶやいていて。「あれって、情報解禁前ですよね?」「そうなんですよ」って(笑)。「つい、うれしくて……」みたいな(笑)。
3本目のハリウッドオファーは、
前2作と比べたらローバジェットながら、主演。— AMATO OFFICIAL (@AMATORECORDZ) 2016年9月13日
(玉袋筋太郎)ダメだよ、それ!
(安東弘樹)かわいいですね(笑)。
(玉袋筋太郎)俺もうちの師匠の『攻殻機動隊』、ずーっと我慢してたからね。「言うなよ、お前」って言われてたから。
(吉田豪)つぶやきそうで。酔っ払って(笑)。
(玉袋筋太郎)危ないよ! 本当に。よせ、よせ、だよね。そうなんだね。でもまあ、映画で勝負。テレビドラマは出ない。奇跡的にCMっていう。この「奇跡的に」っていうところがいいよね。また。
(吉田豪)そうなんですね。まあ、基準っていうのが今回の映画が決まった時に、キャスティングに政治的な要素がなにもなかったっていうようなことを言っていて。日本はそういうのがあるから……みたいなことだと思うんですけども。「どういう基準があるんですか?」って聞いたら、「単純に台本を読んで、誰が撮るとか全部ひっくるめて自分がワクワクしたらやる。萎えたらやらない」みたいな感じで。なんでテレビに出なくなったか?っていうと、テレビドラマは名前忘れちゃったんですけど、フジテレビの有名なディレクターが競馬新聞を読みながらモニターチェックしているのを見て、「あ、やめよう」と思った。助監督が「監督、OKですか?」って聞いて、「ああ、OK」って言っても見ていないっていうね。
(玉袋筋太郎)おおーっ!
(安東弘樹)これ、誰だ? こんな人、いるの?
(吉田豪)それを後ろから見ちゃって、「うわっ……」と思って。「俺はこんな……」って。もちろん、テレビドラマにもすごい人がいるのは知っているけども、あまりの温度差に。もともとテレビ大好きだった人なんですよね。テレビの中で活躍したいと思った人が、テレビ好きだったからこそ、そういうものを見ちゃって、本とかでテレビ批判をするようになっていくっていう。好きがゆえの……っていう。
(安東弘樹)なるほど。裏切られた感もあるっていうことですね。TBSにはいないと思うけどな。
(吉田豪)(笑)。あまりの温度差にちょっと食らってしまって、「ここにいたら、ダメになりそうな気がする」って思って、そこからもうやめて。映画で勝負しながら、舞台という表現方法もまたひとつ、蜷川さんの手引きによって道をひらいていって。で、「いま役者としては舞台と映画と、CMとかは奇跡的にあったりすることもありますけど……」「奇跡なんですか?」って聞いたら、「俺だったら振らない」っていう(笑)。
(安東・玉袋)(笑)
(吉田豪)「でも、そう言ったら本当に呼ばれなくなっちゃうから……」っていう。フォローも入れつつ。
(玉袋筋太郎)わかってんなー! こういうセリフ、言ってみてえな、俺もね。「玉袋筋太郎、奇跡的にCMが」って。
(吉田豪)「この名前で」って(笑)。
(安東弘樹)そこまで落としてね。いやいや、すごいわ、窪塚さん。でも、このいましょうかいしましたけど。豪さん、もっとたくさんあるんですよね?
(吉田豪)そうですね。もちろんいっぱい出ています。載っていない話もいくつか拾うと、本当に主演の話も距離が異常に近い人だから、助監督のさらに助監督。セカンド・セカンドっていう人とすごい仲良くなったんで、小笠原の家族旅行にその人を連れて行って(笑)。
(安東弘樹)その人を連れて行ったんですか?
(吉田豪)そうです(笑)。で、1週間すごして。そしたら、「今度、映画に出てくれないか?」って言われて、「ぜひ!」って決まったっていう。
(安東弘樹)ああー。でも彼、計算じゃないんですもんね?
(吉田豪)全然。本当に。
(安東弘樹)仲良くなって、一緒にいたいから、「一緒に小笠原に行きましょう」って行ったら……そうか。そういうことがあるんだな。
マーティン・スコセッシに超気に入られる
(吉田豪)だからマーティン・スコセッシにも異常に気に入られていて。すごいですよ。終わったクランクアップの日もシャンパンを持ってきてくれて、注いでくれて、「乾杯!」って言った時にやっぱりクラブに慣れすぎていて、ついそれを一気飲みしちゃって(笑)。
『SILENCE ~沈黙~』
LAプレミア完了??
今は、
なんだか言葉にならないけど、
また素晴らしい経験と
素晴らしい転機になった。まじがんばる。
まじたのしむ。生きててよかったあ。 pic.twitter.com/FRBcEohnRg
— AMATO OFFICIAL (@AMATORECORDZ) 2017年1月6日
(安東弘樹)スコセッシ監督のシャンパンを一気飲み?
(吉田豪)そうそう(笑)。クラブのノリでクーッ!っと行っちゃって、みんなに爆笑されて(笑)。「ああ、違うんだ。こういうのじゃないんだ!」って(笑)。それがまたウケたりとかで、「君がいてくれて本当に助かった。ずっと頼りにしていた」って言われて、みたいな。
(玉袋筋太郎)その映画の制作の話もすごいよね。
(吉田豪)裏話。原稿で文字数が足りなかったんで削ったんですけど、いい話で。観光バスが3台停まっていて。何かと思ったら「マーティン・スコセッシ」「アンドリュー・ガーフィールド」とか書いてあって。要は主演級の人たち。「うわっ、すげえな!」って思っていたら、3台ぐらい停まっていたのがある日、1台増えていて。何かと思ったら、「Yousuke Kuboduka」って書いてあって。「これ、何ですか?」って聞いたら、「今日からこれ、使ってください」って言われて。「先輩がいるから、使いづらいです」って言っても、「いや、気にせず使ってくれ。マーティン・スコセッシが用意したバスなんだから」っていう。
(玉袋筋太郎)かっけーなあ!
専用のトレイラーを用意される
(吉田豪)さらに、撮影半分ぐらい行った時に、台湾の一流ホテルの19階でラウンジがあるらしいんですよ。そこがメインキャストが呼ばれて会合とかをしていたのが、ある日そこに連れて行かれて、「今日から終わりまで、お前、ここ好きに使え」って言われて。酒もバーッと置いてあるのを好きに飲んでいいっていう。
(玉袋筋太郎)すごいね、それ!
(吉田豪)で、「持っていくな」って書いてあるのを毎晩そこに行ってビール持ってきて、部屋で飲んでいて。「最高でした!」っていうね(笑)。
(安東弘樹)なんでビールを(笑)。
(吉田豪)「でも、ある人はホテルのグレードを下げられていたし、本当に実力主義の世界です」っていう。
(安東弘樹)ああーっ! ああ、そうか。それまで使っていた人が使えなくなったり。
(吉田豪)とかもあってっていう。
(玉袋筋太郎)ハリウッド、すげえな!
(安東弘樹)っていうことはやっぱり、監督が認めるか認めないかがほぼ全てっていうことですね?
(玉袋筋太郎)うん。そこを”沈黙”しないでね。そういうところがいいよ。本当に。
(吉田豪)(笑)。沈黙しない人ですよ。本当に。原稿では削ってますけど、実名を平気で出してくれる人だから、面白いんですよ。「『昔、ビルから落ちた後に近づいてきた人が一気に離れたことも会った』って言ってましたよね?」って言ったら、「ありました。○○さん」とかって普通に実名で言ってくれて(笑)。「すごい早かったです。近づいてくるスピードと、はけていくスピードが。新幹線のぞみでしたね!」みたいな(笑)。
(安東弘樹)上手いな、もう(笑)。
(吉田豪)でも、その離れた人が正直いまそんなに活動をしてないんで。いやいや、これは勝ちですよ。本当に(笑)。
(玉袋筋太郎)いやー、窪塚くんの印象が変わったわ!
(吉田豪)ナイスガイでした。本当に。
(安東弘樹)全部ズルい。かっこよくて、本当にすごい。
(玉袋筋太郎)去年、豪ちゃんがさ、「インタビューしたんですよ。最高に面白かった!」って言っていたんで。本当に俺も楽しみにしていたんだけど。面白かったな!
(安東弘樹)この窪塚洋介さんのインタビューの模様は集英社から出ている『SPUR』1月23日発売号に掲載されます。
(吉田豪)まだちょっと先なんですけどね。
(安東弘樹)で、今日話したこと以外にもたっぷりと内容満載です。
(吉田豪)写真もかっこいいんで、ぜひ。
(安東弘樹)日本発信のモード誌、女性ファッション誌『SPUR』。そして12月17日、吉田豪『続 聞き出す力』が発売中。週刊漫画ゴラクでの連載をまとめた書籍化の第二弾。帯はご存知ビートたけしさん!
(吉田豪)そうなんですよ。脅された甲斐があったっていう(笑)。無事、回収しましたっていう(笑)。
(玉袋筋太郎)見事に回収したね。これね。
(吉田豪)でも、最近ショックだったのが、ある人から聞いたんですけど。「ビートたけしファンの編集者が吉田くんに怒っていたよ」「なんでですか?」「あいつ、たけしさんにあんな風にちょっかい出しやがって! 許さない!」って言ってるらしくて。いや、むしろ出されたのは僕ですよ!っていう(笑)。
(玉袋筋太郎)(笑)
(吉田豪)なんで僕がそこで怒られなきゃいけないんですか?っていう(笑)。理不尽(笑)。
(安東弘樹)本の面積の半分以上がね、ビートたけしさんの写真という。
(吉田豪)ひどい便乗の仕方をしていますよね!
(玉袋筋太郎)まあ、まだまだドラマは続くということよ! 終わらねえぜ!
(安東弘樹)こちらが日本文芸社から税込み864円で発売されています。豪さん、他になにかありますか?
(吉田豪)うーん。そんなもんで大丈夫です。
(玉袋筋太郎)ありがとう。今年もよろしくだよ。
(吉田豪)お願いします!
(安東弘樹)本当に素晴らしい筋をありがとうございます。吉田豪さん、次回の登場は2月3日でございます。今日はありがとうございました!
(吉田豪)はい、どうもー!
<書き起こしおわり>