吉田豪 窪塚洋介を語る

吉田豪 窪塚洋介を語る たまむすび

(吉田豪)なにかと思ったら、ものすごい忘れっぽいらしいんですよ。本人いわく、家に友達が来て飲んだりしていても、トイレに行っている間に誰が来ていたかわからなくなるらしいというですね。

(安東弘樹)トイレから出たら、「お前、いたっけ?」っていうことですよね。

(吉田豪)「誰かはいるけど、持ち物で誰かわからなかったりすると、『ヤベえ、誰がいるんだ? 先輩か? 後輩か? タメか?』みたいな。で、戻って、『ああ、そうだそうだ』みたいな。1日に2回会えるみたいなことはあります」ってすごいポジティブにとらえていて。で、こういうことを言った後に、「別にね、クスリやっているとかじゃないですよ」っていうね(笑)。

(安東・玉袋)(笑)

(吉田豪)そういうギャグを入れてくれるのが本当にいいんですよ。

(玉袋筋太郎)おおっ、いいねえ! そりゃあ、うれしいよ!

ちょいちょい入れるクスリギャグ

(吉田豪)結構ね、こまめにクスリギャグを入れてくれるんで、僕はそれを拾って。「わかりました! ちゃんと書いておきます!」みたいな(笑)。

(安東弘樹)「幻覚じゃないよ」っていうことですね。

(吉田豪)そうです(笑)。

(玉袋筋太郎)俺はここで好感を持っちゃったんだよな。海外に逃亡するわけじゃなく……ってやってないからだよね! やってないから、逃亡するわけないんだけど。こういう洒落っ気があるんだな。

(吉田豪)洒落っ気、すごいありますね。

(玉袋筋太郎)で、「俺に過去はない」って。

(吉田豪)だから、「なんか記憶のどこかがおかしくなっちゃっているかな?っていうのはあるんだけど、でもいまをちゃんと生きれたらいいというか。岡本太郎さんが『俺には過去はない』って言っていたのを聞いて安心した。岡本太郎先生がそう言ったというので、もっとひどい人もいるなっていうことで、安心してます!」っていう感じだったんですよ。

(安東弘樹)過去なんか覚えてなくていいと。

(玉袋筋太郎)いいんだよな。面白えよ。

(吉田豪)本当、しかもとにかく超かっこいいですよ。本当に(笑)。

(玉袋筋太郎)めちゃめちゃかっこいいよ。

(吉田豪)終わった後に「かっけー!」って言いたくなるぐらい。しかも、取材前に控室でメイクしているじゃないですか。なにを話しているかが聞こえてくるんですよね。ちょっと聞こえてくるのが、「バビロンシステムが……」みたいな(笑)。「おおっ、期待を裏切らない!」みたいな(笑)。「控室でもこういう話が!」っていう(笑)。

(安東弘樹)メイクさん相手でもバビロンシステムっていう。でも、雰囲気ってどんな感じなんですか? 窪塚さんって話とかをしている時には?

(吉田豪)超フランクですよ。だからそんなにちゃんとした自己紹介もしていないのに、「吉田さん」って呼んでくれるし。

(安東弘樹)ああ、ちゃんと名前でね。

(吉田豪)「ちゃんとしてらっしゃる!」っていう。

(安東弘樹)名前で呼ばれると、インタビュアーってうれしいですよね。

(吉田豪)ですよ。

(玉袋筋太郎)その時はガム、噛んでなかった?

(吉田豪)全然、全然(笑)。

(玉袋筋太郎)(笑)。豪ちゃんに会うのにクチャクチャ……って。「おおう!」なんて(笑)。

(吉田豪)全然、噛んでても大丈夫です。しかも、僕なんかは(笑)。

(玉袋筋太郎)でもイメージと全然なんか違う感じで。そういうフランクな感じなんだな。

(安東弘樹)その3が、浮かれないタイプ。前に落っこちたから。いいじゃないですか。

(吉田豪)そうなんですよ。インタビューの中でハリウッド進出みたいなことになって、ニューヨークとかに移住とか、そういうことも全然考えないみたいな。ちゃんとしているんですよ。地に足がついている感じで。で、「基本はあまり浮かれきらないタイプですか?」って聞いたら、「そうですね。前に浮かれてて、高いところから落っこちたから」っていう感じで。落っこちギャグも連呼するんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)これは素晴らしいよ! 何しろ、大人になったというのかな? 「地に足の着いている」っていうこの振りの時点で、こっちはもうオチを待っている。で、「来たー!」って。

(安東弘樹)それでちゃんと落としてくれるっていう。

(吉田豪)「その時はあまり自覚はなかったけども、世の中的に上がってきているというか。いま街に出て、いい意味で指さされるようなことは増えたけど、それよりも世の中を良くしたいとか、大麻を開放すれば世の中が良くなるんじゃないか? とか、そういうことの方にエネルギーと意識が行っていたんで、どんどんアンバランスになった。その結果、起こしたんだと思う。自分のバランスを崩して」って。

(玉袋筋太郎)「バランス」。いちいち引っかかっているところが面白いよな。

(吉田豪)で、落ちても死ななかったことに対して、結構ノリノリの仲間たちから「やったじゃん! 無敵じゃん! お前、死なないんだな、最強じゃん!」とか言われたらしくて。「そういうんじゃないんですよ」っていう(笑)。「そっちのモードで行っていたら、もう死んでいただろう」って言っていて。本当に地味に復活してきて、勝ち得たんで。結果、いま思うと本当にその道を歩めてよかったっていう。だから、これもひどい話なんですけど、よく道で「全盛期、最高でした!」とか言われるらしいんですよ(笑)。

(玉袋筋太郎)「あの人はいま?」的な(笑)。

(吉田豪)そう(笑)。失礼な!っていう。「むしろ、いまの方が調子がいいっていう。あぐらをかかなきゃ、ふんぞり返らなきゃ、どこまでも成長できる仕事をしていると思っているから。『昔取った窪塚』みたいになりたくない」っていう。

(玉袋筋太郎)上手い!

(吉田豪)これね、持ちネタが多すぎるんですよ。

(玉袋筋太郎)「昔取った窪塚」。上手いねえ、これ!

(安東弘樹)「昔取った篠塚」とはよく言っていたけど。

(玉袋筋太郎)ああ、昔取った車庫証明。篠塚みたいなね。ああー、上手いなあ! 他にもこの落下ネタがあるわけ?

(吉田豪)ずーっと言うんですよ。だから「ハリウッドから日本映画に戻る時、ハリウッドが本当にとにかくすごい規模がでかいし、すごいよくしてくれるからギャップを感じて大変だと思うんですよ」って言ったら、「1回舞台の仕事を挟んだのがよかった」っていう話で。「その流れで、だからいまは日本映画にフッと戻れると思うし、いいクッションになっている。高地から行くのに。だから、僕も柵に引っかかって助かったっていうのはありますけど、もっと柔らかいクッションがあって着地できるというか……だから、あんまり衝撃がない感じで、舞台がいいクッションになった」とかね。もうズルいぐらいの鉄板ネタで。「ズルいですよ!」って言ったんですよ。「卑怯ですよ、これ!」って(笑)。

(玉袋筋太郎)おおーっ!

(吉田豪)でも、本人いわくみんなが言ってくれるのを待っているらしいんですよね。「でも、突っ込みづらいみたいです」っていう(笑)。だから、すぐに突っ込むとちょっと嬉しいみたいなんですよ。

(安東弘樹)むしろね。

(吉田豪)品川庄司の品川祐さんにも「『ズルい』って言われた」って言ってましたよ(笑)。

(玉袋筋太郎)いちばんいいネタ持っているんだもん。まさに。”オチ”が最強だからね。オチだから。まさにね。

(吉田豪)他の人がまず経験していないっていうね。

(安東弘樹)だって9階でしたっけ?

(玉袋筋太郎)フジテレビの菊間ぐらいだろ? それを体験しているの。放送中に。あれ、俺、見ていたんだ。たまたま。そんな窪塚くんがTwitterで救われたの筋。

Twitterで救われた

(吉田豪)そうですね。Twitterが出てきて本当に救われたって言っていて。Twitterがなかった頃っていうのが、メディアで叩かれるストレスフルな生活を送っていたと。まあね、大麻がらみの発言だなんだっていろいろあったんで。政治的な発言もあったんで、いろいろ揶揄されて、イライラして。それがレゲエの活動を始めたことによって払拭というか浄化された思いがあると。まあ、思っていることを歌ったりとかもできるんで。それまでは憤死しそうな夜を過ごすようなことが結構あって。

(玉袋筋太郎)へー!

(吉田豪)だから、たまに話す機会があると映画の宣伝とかでもひたすら自分の話をして、最後の5%ぐらいを映画の話をするような失礼なことをやっていたのが、Twitterっていうのを手に入れて、すごい武器を手にしたと。ただ、手に入れた結果本当にね、面白いんですよ。最近僕がすごい好きな窪塚さんのツイートが、ファンからの質問で「政治やシステムのことをしっかり学びたいのですが、どんな本を読んでますか?」っていう質問に「遊人の『ANGEL』は小学生にも衝撃的だった」というね。

(玉袋筋太郎)(笑)

(吉田豪)ナイス!っていうね。成人指定マンガです、それ!っていう(笑)。「性(政)」が違うっていう(笑)。

(玉袋筋太郎)わかっているなあ!

(吉田豪)わかっているんですよ。真面目一方向じゃなくて、ちゃんとそうやって落としたりもしていて。で、「最近もTwitterであれ、面白かったですよ」って言って。「自転車を盗まれた。拡散してくれ!」って言って、「僕も拡散したんですよ」って言ったら、「すいません……」ってすごい謝っていて。単にこっち側に停めていたのにあっち側を探していただけで。酔っ払っていたっていうね(笑)。

(玉袋筋太郎)盗まれてなかったんだね(笑)。

(吉田豪)盗まれてなかったんですよ(笑)。「大変申し上げにくいのですが、ごめんなさい」ってツイートするっていう(笑)。

(安東弘樹)違う側に停めちゃっていたんですね。

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