吉田豪さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で俳優 窪塚洋介さんについてトーク。あまりにも信頼できる男、窪塚さんの素顔について話していました。
(安東弘樹)さあ、その豪さんに紹介してもらうのが俳優の窪塚洋介さんなんですが。これがね、本当にすごいです。では、窪塚洋介さんのあらすじとその筋をご紹介します。1979年、神奈川県生まれの窪塚洋介さん。1995年に『金田一少年の事件簿』でデビュー。2001年には映画『GO』で主演を務め、最年少で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得。その後も数多くの作品に出演します。2004年に自宅マンションの9階から落下し、一時重体になったこともあります。2006年からはレゲエDJ 卍LINEとして音楽活動をスタート。今月、日本公開されるマーティン・スコセッシ監督の最新作『沈黙 -サイレンス-』に出演することが話題になっている窪塚洋介さんです。
(玉袋筋太郎)うん。
(安東弘樹)で、吉田豪さんの取材による俳優 窪塚洋介さんのその筋なんですが、その1、ハリウッド進出。でも、オーディションに1回落ちていたの筋。その2、座右の銘は「俺に過去はない」の筋。その3、浮かれないタイプ。前に落っこちたからの筋。その4、Twitterで救われたの筋。その5、映画で勝負。テレビドラマは出ない。奇跡的にCMの筋。以上5本の筋でございます。
(玉袋筋太郎)やっぱ窪塚さんっつーとね、ちょっとこっちがオファーを出してもなかなかオファーを受けてくれないようなイメージがあるんだけど。豪ちゃん、どうだったの?
(吉田豪)まあ、映画の宣伝なんで今回は取材日にガーッと受けていたんですけど。僕も本当にずーっと会いたくて、ようやく夢が叶った感じで。前からK DUB SHINEさんとかは映画の絡みで仲がいいから、「洋介、紹介しようか?」って言われていたんですけど、「紹介っていうか、ちゃんと取材をしたいんですよ」っていう。
(玉袋筋太郎)じゃあ今回、本当にファーストコンタクトぐらいなの?
(吉田豪)そうですね。
(安東弘樹)念願が叶っての。
(吉田豪)『SPUR』っていう女性ファッション誌の初の依頼で、念を押されたんですよ。「くれぐれも映画の話から始めてください」って(笑)。完全に僕のやり口がバレているっていう(笑)。
(安東・玉袋)(笑)
(玉袋筋太郎)そうだよね!
(吉田豪)でも、僕史上としては奇跡的なぐらい映画の話をしているインタビューなんですよ。それで面白くしているっていう。
(玉袋筋太郎)そこでもちゃんとね、攻撃を入れてるからね。
(吉田豪)入れながらも、ちゃんと向こうの言うことも聞いて面白くしています。
(安東弘樹)そこが吉田豪の吉田豪たる所以という。
(玉袋筋太郎)『聞き出す力』ですよ、それが!
ハリウッド進出 でも1回オーディションに落ちていた
(安東弘樹)じゃあ、一応今回も映画の話から行きましょうか。ハリウッド進出。でも、オーディションに1回落ちていた。
(玉袋筋太郎)これ、すごいよね。でもね。
(吉田豪)マーティン・スコセッシ監督の新作『沈黙 -サイレンス-』に出ているんですけど。今回、そうなんですよ。オーディションに1回落ちていたっていう話で、その理由を聞いたら、最初はガムを噛んでオーディションに行って、「控室です」って通されたら、それがオーディション会場だったらしいんですよ(笑)。
(安東弘樹)本番だったんですか? オーディションの。
(玉袋筋太郎)面白えよな(笑)。
(吉田豪)ガチャッと開けた瞬間にみんなこっちを見て、「次は誰だ?」みたいな感じになっていて。「えっ?」って思ったまま、ドアのところで「クチャクチャ」って無意識に3回ぐらいガムを噛んで、「……これ、絶対に控室じゃないよな?」って。そしたらキャスティングプロデューサーで金髪の女性が結構な勢いで近づいてきて、「なにかな?」と思ったら、すごい至近距離で「マーティンはお前みたいな失礼なやつが大嫌いだっ!」って言われて(笑)。「ええっ!?」と思って周りを見渡したら、日本のスタッフもいたのにみんな一斉に顔を伏せていて。「マジかよ!? みんな逃げた!」っていう(笑)。
(安東弘樹)だってでも、「控室です」って言われたらねえ。
(玉袋筋太郎)そうだよね。
(吉田豪)完全なトラップっていうね。
(玉袋筋太郎)ガム、ダメなのかね? 向こうでもね。クチャクチャ。
(吉田豪)噛みタバコとかね、ありそうな気もしますけど。
(玉袋筋太郎)ありそうだけど。じゃあ、真樹(日佐夫)先生もここはダメだね。
(吉田豪)落ちてますね(笑)。
(玉袋筋太郎)松方(弘樹)さんも落ちてるね。ガム、クチャクチャやってっから。そうなんだ。それが何年ぐらい前だったんだろうね?
(吉田豪)これが結構前なんですよ。実は。そもそもこれ、ビデオオーディションだったんですよね。マーティン・スコセッシもいないやつで。で、その時に行って、しかも立て込んでいる時期で台本も覚えていなかったらしいんですよ。窪塚さん。
(玉袋筋太郎)かっけーなー!
(吉田豪)で、天下のマーティン・スコセッシのオーディションでそうそうたるメンバーが呼ばれていて、そのそうそうたる人たちがみんな暗記している中、ガムを噛んで台本を覚えてない人が現れるっていう……(笑)。
(玉袋筋太郎)そりゃ、落ちるよ!(笑)。
(吉田豪)そう(笑)。現場はシーンとしていてやりづらいとか、そういうレベルじゃなくて若干殺意があるぐらいシーンとした中での芝居だったんで、自分の持っている力の30%ぐらいしか出せず、「これは無理だろうな」と思いながら帰ったら案の定、「もう結構です」って電話で言われて。「すごい出たかった。マーティン・スコセッシ監督大好きなんで残念だな」と思いながらも諦めたら、2年ぐらいたってからもう1回、「オーディションに来い」って言われて。「えっ?」と思ったら前と同じ役で。「まだやってんの?」っていう。それで本当に改めてハリウッドってすごいと思ったという。
(玉袋筋太郎)ああー、そうだよね。2年だもんね。
(吉田豪)キツネにつままれたような感じでもう1回行って、今度はセリフも入れてガムも噛まずに。そしたらその、以前の金髪のプロデューサーが「Nice to meet you.」っつって、忘れていてくれたっていうことで……
(安東・玉袋)(笑)
(玉袋筋太郎)覚えてなかったんだ(笑)。
(吉田豪)そしたらもうね、ちゃんとセリフが入っていたんですごい評判がよくて。トントン拍子で監督も気に入ってくれて、オーディション突破っていう。
(玉袋筋太郎)すごいね。ハリウッドの映画にそんな出られるなんてね。
(安東弘樹)しかもそんな長いタームでやっているんですね。向こうの映画って。
(吉田豪)しかも、向こうの事務所とかにも入っていないんで、結構……
(安東弘樹)飛び込みオーディションみたいな感じ?
(吉田豪)だからだいぶ扱いが違うみたいなんですよ。本人もTwitterでぼやいていたんですけど、ポスターにも、事務所に入っていないと載らないとか。
(安東弘樹)あ、名前が?
(吉田豪)そうです。そうです。向こう版だと。
(玉袋筋太郎)じゃあ、浅野(忠信)さんとかは載る可能性はあるわけ?
(吉田豪)そうです。そうです。
(安東弘樹)載るでしょうね。間違いなく。いままでもある程度ね、定評というかちゃんと作品も作っているから、余計載るでしょうね。浅野さんね。
(玉袋筋太郎)たしかに『ブラック・レイン』でガッツ石松って載っていなかったもん。
(吉田豪)そうですね。(内田)裕也さんもあれ、全部オーディションだって言ってましたもんね。『ブラック・レイン』。日本の大物たちが全員オーディションを受けたっていう。
(玉袋筋太郎)いやー、すごいね。1回落とされて。でもこれ、覚えてなかったのがよかったよ。金髪のプロデューサーが。
(吉田豪)しかもそれで気に入ってくれて。マーティン・スコセッシが気に入ったということで、その後はもう親戚ヴァイブスぐらいの感じですごい良くしてくれたっていう(笑)。
(安東弘樹)ブラザー的な感じですね。
(玉袋筋太郎)でも、そもそもの「大物が結構オーディションを受けた」って、どういう人だったんだろうね? それも気になるよね。
(安東弘樹)そのオーディション自体がね。
(吉田豪)大物が落ちてもいると思いますよ。だから。
(安東弘樹)でしょうね。当然ね。そんな窪塚さんね、座右の銘は「俺に過去はない」。これはどういうことなんでしょうか?
座右の銘は「俺に過去はない」
(吉田豪)そのハリウッドのオーディションとかを受けるのも、若い頃、普通に日本のオーディションとか受けているでしょうけど。「こういうのを受けるのって、初めてなんですか?」って聞いたら、まず覚えていないんですよ。スタッフに確認して、「あの、初めてじゃなかったかもしれないんですけど。他にもあったかな?」って言ったら、「あの時に1回だけ」「その前にないんだっけ?」「ない」「じゃあ、これ最初? そうか。らしいです!」みたいな(笑)。ハリウッド進出だっていうのに、すごいぼんやりしていて(笑)。
(玉袋筋太郎)なんでだろうね。オーディションなんてね。