松尾潔 2015年 ベスト・メロウソング トップ20

松尾潔 1976年アメリカR&Bチャートを振り返る 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の2016年第1回目の放送で、2015年のR&Bシーンを振り返り。松尾さんの個人的な2015年のメロウソングチャート トップ20を紹介していました。

(松尾潔)さて、2010年にスタートしましたこの『松尾潔のメロウな夜』。いま、シーズン6ももう大団円と呼ばれる最後のクウォーターに入っているんですが。シーズン6にして初めての新春企画と呼べるような、そんなテーマを設定いたしました。今夜は題しまして『メロウ・オブ・2015』。松尾潔が選ぶ2015年メロウトップ20をお届けしたいと思います。まあ、そもそも『メロウ』という言葉にランキングという概念っていうのはね、組み合わせとしてはあんまりお呼びでないという気もしないでもないんですけどもね。

それでも、僕、2015年1年を振り返ってみまして、特によく聞いたな!あの曲は後々、2015年を振り返る時にきっとかならず思い出すというような曲が20や30はございますので。そういった曲をあえて。ごくごく僕のプライベートなチャートです。20位まで、無理やり順位付けてみましたので、それをみなさんと一緒に。僕も楽しんでいければなと思っております。

ではまず、10位と9位をご紹介しましょう。第10位はアフター7(After 7)で『I Want You』。アフター7。この番組でも贔屓にしているグループですが。メンバーの弟、ベイビーフェイス(Babyface)の復活ということもございました2015年。その復活ということを本人も強く意識しておりまして。『Return of the Tender Lover』っていうね、かつての『Tender Lover』っていう自身の代表アルバムのタイトルを意識した、そんな本格的カムバック作をリリースしたベイビーフェイスですが。

まあ、ベイビーフェイス自身の作品もよかったんですが、彼がお兄ちゃんたちに提供したこのアフター7の『I Want You』。ここにこそベイビーフェイスの良さっていうのが凝縮されているような気がしましたので。彼も自分のアルバムでも取り上げてましたけどね。あえて今日はベイビーフェイス抜きのアフター7のバージョン。こちらを第10位としてお届けしたいと思います。昨年の12月7日にオンエアーしたばかりのきょくでございます。

松尾潔 BabyfaceとAfter 7を語る
松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』でベイビーフェイスとそのお兄さんたちのユニット、アフター7について話していました。 まずは2曲続けて新譜のご紹介をしました。今年のソウル・トレイン・ミュージック・アワード(Soul Train

そして、9位にチャートインしましたのは、昨年、もうR&Bファンといいますか、R&B、ヒップホップ、全てのアフリカンアメリカンカルチャーのファンの間で大変話題になりました『Empire』というテレビドラマがございます。日本でもその放映が始まって、熱狂的な支持者がいることを僕は知っているんですけども。サントラの方も大変賑わっておりまして。その中で、昨年の4月に1回かけましたね。これね。Empireキャスト feat.チャールズ・ハミルトン&リタ・オラ(Charles Hamilton & Rita Ora)という名義でリリースされました『New York Raining』。この曲が第9位です。

松尾潔 ドラマ『Empire 成功の代償』サウンドトラックを語る
松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で、アメリカの大ヒットドラマ『Empire 成功の代償』のサウンドトラックを紹介。お気に入り楽曲などについて話していました。 (松尾潔)さて、今夜はレギュラープログラム、メロウな風まかせ。ま

では、2曲続けてお聞きいただきましょう。アフター7で『I Want You』。そして、Empireキャスト feat.チャールズ・ハミルトン&リタ・オラで『New York Raining』。

第10位:After 7『I Want You』

第9位:Empire Cast Feat.Charles Hamilton & Rita Ora『New York Raining』

2016年1回目の『松尾潔のメロウな夜』。今夜は『メロウ・オブ・2015』と題しまして、僕、松尾潔が選ぶ2015年メロウトップ20をお届けいたします。まずは2曲。第10位のアフター7で『I Want You』。そして第9位、Empireキャスト feat.チャールズ・ハミルトン&リタ・オラで『New York Raining』をお楽しみいただきました。

いや、本当ね、この『Empire』というドラマはね、ヒップホップレーベルの興亡を描いておりまして。まあそこに、創業者夫婦の愛憎でありますとか、そこの息子たちの覇権争いっていう、まあちょっとギリシャ悲劇を思わせるような人間群像劇という側面もあって。音楽ファンを中心に、一部で大変熱い支持を集めております。昨年の暮れには主要キャストが来日もしましてね。そこに足を運んだという方ももしかしたら、いらっしゃるかもしれませんね。『Empire』旋風。これも2015年の出来事でした。

『メロウ・オブ・2015』。続いては第8位。ジョバニー(Jovanie)で『Hypnotized』。このジョバニーっていう人、実は番組で初めてオンエアーいたします。去年の10月にアルバム『What’s the Move, Pt.2』という作品が出ているんですけどね。まあ、レーベルメイトというかレーベルの先輩でありますトレイ・ソングス(Trey Songz)の後継ですね。で、まだまだジョバニーは少年の感じが残っておりまして。歌声にもあどけなさというものが感じられますけども。なかなかの大器ではないのか?っていうのと、このアルバムの作りは多少散漫な印象もあるんですけが、この『Hypnotized』っていう曲が僕は大変に気に入っておりまして。ここでご紹介したいと思います。

そして第7位。ジデンナ(Jidenna) feat.ローマン・ジャンアーサー(Roman GianArthur)で『Classic Man』。これは去年の9月に一度オンエアーいたしました。これ、歌詞が面白いですね。僕はその9月のオンエアーの時に、『さながらR&B版の「関白宣言」だ』ということを言ったような気がします。ジデンナ、これがまあ、デビュー曲となるんですが。現在30才で。この曲のタイトルになっているように、彼自身も非常にこのクラシックなファッションとクラシックな生活信条っていうのを心がけているようで。もう、普段から19世紀っぽいスーツの着こなしなんかをしてるってことでね。これ、動画サイトなんかで彼の伊達男ぶりを確認していただけると、楽しみが倍増するんですけども。曲の方も大変面白いです。いろんな賞レースにも絡んでいる曲です。

では、2曲続けてお聞きいただきましょう。ジョバニーで『Hypnotized』。そしてジデンナ feat.ローマン・ジャンアーサーで『Classic Man』。

第8位:Jovanie『Hypnotized』

第7位:Jidenna『Classic Man ft. Roman GianArthur』

『メロウ・オブ・2015』。第8位、ジョバニーで『Hypnotized』。そして第7位、ジデンナ feat.ローマン・ジャンアーサーで『Classic Man』でした。それぞれまあ、新人ですね。ジョバニーはね、本当に情報もまだ少ないんですけども。『Hypnotized』という曲のタイトル、念の為に申しますと、『催眠術にかけられる』っていうことで。まあ、転じて男女の関係ですとね、『魅了される』とか、そういう意味合いになるんですね。

これ、いろんな人たちが曲のタイトルで使っております。ノトーリアスB.I.G.(The Notorious B.I.G.)、ビギー・スモールズの代表曲のひとつですね。ハーブ・アルパート(Herb Alpert)のサンプリングで有名な曲ですけども。まあ、この『Hypnotized』。名曲の歴史の中にジョバニーの2015年の作品っていうのも新たに加わりました。はい。僕のレコードラックの中でのお話です(笑)。

さて、続いてご紹介したのはジデンナの『Classic Man』。これはもうちょっと、面白い曲ですね。さっき、『関白宣言』っていう風に言いましたけども。要は、男の虚勢っていうのを面白おかしく歌ったものでございます。これはまあ、1年に何回かある、歌詞の内容がすごく時代に刺さったっていう好例じゃないかな?っていう風に思うんですよね。で、こういう曲単位で売れたものっていうもの。その代表が『Classic Man』だとして、人物としてずーっと注目を浴びていた、そんな存在がクリス・ブラウン(Chris Brown)でございます。

もうこの番組ではね、何度も何度もオンエアーしてきたんですけども。2015年を振り返ってみると、クリス・ブラウン。年末にね、大作アルバムもリリースしましたけども。クリス・ブラウンの名義のものよりも、この客演曲の方が印象に残ったなというこちらを6位にエントリーしてみました。ティー・フライ(TeeFlii) feat.クリス・ブラウンで『Blue Lipstick』。このティー・フライという人は新人ですね。新人なんですが、もともとはダンサーとしてのキャリアもあったという、非常にマルチな才能の主なんですが。

アルバム『Starr』。こちらをドロップいたしまして。その中でも、このクリス・ブラウンをフィーチャーした『Blue Lipstick』っていうのがメロウ好きの心をくすぐりました。3月2日にこの番組ではじめてオンエアーしたんですけどもね。これ、いいね!ということでリクエストも複数いただきました。ありがたいことです。

そして第5位にエントリーしましたのは、単独名義としてはこの曲が初めて、今日ご紹介する女性のナンバーですよね。ヴィヴィアン・グリーンです。フィラデルフィアの中堅と言って差し支えない、非常に見目麗しい、今風に言うと美熟女シンガーでございます。ヴィヴィアン・グリーンの『Get Right Back To My Baby』。こちらが第5位にエントリーいたしました。

じゃあ、6位と5位を続けて聞いてみましょうか。クリス・ブラウン大活躍イヤーを象徴する1曲。ティー・フライ feat.クリス・ブラウンで『Blue Ripstick』。そしてヴィヴィアン・グリーンで『Get Right Back To My Baby』。

第6位:TeeFlii Feat. Chris Brown『Blue Lipstick』

第5位:Vivian Green『Get Right Back To My Baby』

松尾潔が選ぶ『メロウ・オブ・2015』。第6位、ティー・フライ feat.クリス・ブラウンで『Blue Ripstick』。去年の3月2日オンエアー。そして4月20日にオンエアーしたヴィヴィアン・グリーンで『Get Right Back To My Baby』が第5位にエントリーいたしました。。この『Get Right Back To My Baby』という曲、僕、去年上半期暫定1位だったんですけどもね。年間でも第5位と。『そんなにいつも順位を意識して聞いてるのか?』って言われると答えに詰まりますけども。

ヴィヴィアン・グリーン、4月にこの番組でオンエアーした時、もう僕は今年の上半期はすごいなと。『春から演技がいいな!』って言葉がありますけども、なんかそういうイメージだったんですね。っていうのは、R&Bシーンというのは重要作というのはどうしても年末に出る傾向がある。で、特にこの10年ぐらいでしょうかね?その傾向は顕著でありまして。大物アーティストっていう人はだいたいやっぱり、みなさんの懐がちょっと緩くなる歳末シーズンを見込んで、どうしてもやっぱり1年の後半にリリースしてくるわけなんですけども。

僕、ヴィヴィアン・グリーンの『Get Right Back To My Baby』っていうのはね、これ、元ネタがもうメイズ feat.フランキー・ビヴァリー(Maze Feat. Frankie Beverly)の『Before I Let Go』っていう曲を下敷きにしております。ちょっと反則寸前なんですけどね。まあ、アイデアの勝利ですね。こういう、いわゆる大ネタ物なんて呼び方をしますけども。そういった曲っていうのはヒップホップ時代以降、R&Bの作り方としてもう普遍化してますけども。続いて、第4位にご紹介するこちらもそんな1曲です。

90年代の女性ボーカルグループの中でも特に歌える存在でありましたブラウンストーン(Brownstone)。ブラウンストーンの『If You Love Me』っていう曲がありましたけども。その曲を大胆にフィーチャーしたというか、引用しました。トリー・レインズ(Tory Lanez )の『Say It』という曲が第4位にエントリーいたしました。昨年の9月21日に番組でオンエアーしたのですが、これも結構な反響をいただいたことを記憶しております。

トリー・レインズという人はね、見た目はちょっと、ジャケット写真なんかそうなんですけど。いかついというか、強面な印象があるんですね。ですが、大変にメロウな感覚。そしてちょっと今風のアンビエントな音の配置を好む人でもありますね。カナダのアーティストなんですよ。2015年というのはカナダのR&Bアーティスト、大変に活躍した1年でもありまして。ザ・ウィークエンド(The Weeknd)ですとか、ドレイク(Drake)。こういった人たちもみんな、去年の1年の顔って言える人たちですけども。カナダのアーティストですね。

で、まあこの番組でご紹介したところで言いますとね、暮れに来日していました。ジャスティン・ビーバー(Justin Beiber)もカナダのアーティストですよね。そんなカナダ勢の健闘ぶりと言いますか、シーンの充実ぶりを象徴する、そんな1曲でもありました。第4位はトリー・レインズで『Say It』。

第4位:Tory Lanez『Say It』

松尾潔が選ぶ2015年メロウトップ20。『メロウ・オブ・2015』。ここでお届けいたしましたのは第4位、トリー・レインズで『Say It』でした。何度でも聞きたい曲ですね。さて、この後いよいよトップ3の発表なんですが、その前に、第20位から11位までをフラッシュでご紹介いたします。まずは第20位。アッシャー(Usher)で『My Baby Just Cares For Me』

第20位:Usher『My Baby Just Cares For Me』

昨年7月13日のオンエアーでした。これはニーナ・シモン(Nina Simone)のトリビュートアルバム『A Tribute To Nina Simone』に収録されていたニーナのカバーなんですけども。アッシャーの歌の上手さ。オーセンティックな上手さというのが本当に味わえる。そんな1曲になっておりました。

続いて、第19位は、ケラーニ(Kehlani) feat.BJ・ザ・シカゴキッド(BJ The Chicago Kid)『Down For You』。

第19位:Kehlani『Down For You feat. BJ The Chicago Kid』

4月20日にオンエアーいたしました。これはね、ケラーニという女性シンガー。オークランド出身ですから、いわゆるベイエリアのR&Bシンガーになるんですけども。大変魅力的な歌声をBJとのデュエットで聞かせているということです。ケラーニという人はね、いまメジャー契約したんで、今年は一層の飛躍が期待できますし、予想もできるんですが。まあ、インディーアーティストという扱いだったので、まだまだそんなに多くはないんですけどね。この人、ちょっと化けるんじゃないかな?と思います。

第18位。オーガスト・アルシーナ(August Alsina)で『Song Cry』。

第18位:August Alsina『Song Cry』

11月16日にオンエアーいたしました。番組でご紹介した時に触れましたけども、アイズレー・ブラザーズ(The Isley Brothers)の『Tears』という。ベイビーフェイスが書き下ろした『Tears』という90年代の名曲がございましたけど。そちらの方を下敷きにしております。

第17位。ジ・インターネット feat. ジェームズ・フォントルロイ(The Internet feat. James Fauntleroy)で『For the World』。

第17位:The Internet feat. James Fauntleroy『For the World』

これは7月13日にオンエアーいたしました。メロウな音世界ですね。まあいま、バンドという形式でこれだけメロウな音を追求している人たちっていうのもそうそういないわけですけども。まあ、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)あたりの影響も垣間見えますけども。なんと言ってもね、彼ら、オッド・フューチャー(Odd Future)というヒップホップ集団から出てきたメロウなファンクバンドというところが面白いですね。第17位でした。

そして16位。これこそ、美熟女。美魔女(笑)。タミア(Tamia)で『Stuck With Me』

第16位:Tamia『Stuck With Me』

6月8日にオンエアーいたしました。タミア大復活。R&Bアルバム・チャート第1位を記録した『Love Life』の中のリードトラックになります。いや、もう素敵な歳の重ね方をしてますね。素敵な歳の重ね方。本当、タミア。見本のような、そんな人生を歩んでおります。

第15位はジョーダン・スパークス(Jordin Sparks)で『They Don’t Give』。

第15位:Jordin Sparks『They Don’t Give』

これは10月5日にオンエアーいたしました。まあ、その時点でもちょっとリリースから時間がたっておりまして。遅ればせながら・・・っていう感じでご紹介したんですけども。これはやっぱりね、秋・冬にかけてどんどんどんどん僕の中に染みてくる感じですね。ベイビーフェイスとサラーム・レミ(Salaam Remi)っていう、まあこのシーンが好きな人ならたまんない2トップが共同で書いて。このジョーダン・スパークスに詞を書いてますけど。そして共同プロデュースもしたというね。メンツだけで語ってしまうにはもったいないぐらい、本当になかなかに滋味深い。そんな1曲でございました。

第14位。新人ブライソン・ティラ(Bryson Tiller)で『Don’t』

第14位:Bryson Tiller『Don’t』

これは時間をかけて僕、ハマった曲ですね。ブライソン・ティラっていうのはケンタッキーのルイビル出身でございまして。あんまりその、R&Bの盛んなっていう場所ではないかと思いますけど。やっぱり、どんなところにも才能っていうのはポン!と出てくるんだなってことを痛感いたしました。

第13位は、セヴン・ストリーター feat. B.o.B(Sevyn Streeter ft B.o.B)で『Shoulda Been There』

第13位:Sevyn Streeter ft B.o.B『Shoulda Been There』

10月5日のオンエアーでした。セヴン・ストリーターっていうのはね、クリス・ブラウンの庇護下にあるんですけども。まあ、ここでフィーチャーされておりますB.o.Bとはレコーディングの時点で恋人関係と言いますか。そういったことを知った上でこのデュエットを聞くとちょっとまた立体的に聞こえてくるんじゃないかな?っていう気がいたします。メロウなデュエットです。

第12位。テイマー・ブラクストン(Tamar Braxton)で『Never』。

第12位:Tamar Braxton『Never』

この番組、はじめてのオンエアーとなります。まあ、テイマーはね、番組で何度もご紹介しております。『Calling All Lovers』というアルバムの中の曲も数曲。『Catfish』ですとかご紹介しましたけども。この『Never』という曲はこれは僕は年末ぐらいにかけてじわじわ来ましたね。曲がいいんですよね。ええ。まあ、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)がプロデュースしたことでもよく知られておりますルーファス(Rufus)の『Masterjam』という79年のアルバムがありましたけども。その中に収められていた『I’m dancing for your love』というこの曲を取り入れています。

グラミーにも今回、ノミネートされてますね。『If I Don’t Have You』という曲でノミネートされてますし。この番組でもご紹介した曲ではあるのですが、僕は現時点ではこの『Never』という方が突き刺さるというか。年末の追い込みがすごかったんですね。僕の中でこの曲(笑)。第12位でした。

そして、第11位。年末のリリース作品ながら、やはり大きな存在感を示してくれました。『The Buffet』を発表したばかりのR.ケリー(R.Kelly)がエントリーいたしました。曲は『Keep Searchin’』。

第11位:R. Kelly『Keep Searchin’』

まあ、これはね、最後まで聞くと、特に曲の終盤部でよく分かるんですけども。マイケル・ジャクソンの『The Lady In My Life』へのオマージュと言って差し支えないかと。ただし、歌詞が奥行きに欠けますね。もうその・・・(笑)。一貫したこの、なんて言うんでしょう?セックスキングとしての姿勢がブレない感じも含めての。経緯を表しての第11位でございました。以上、20位から11位まで駆け足でご紹介いたしました。

はい。ここでまたトップ10の発表に戻ります。いよいよ、トップ3です。『メロウ・オブ・2015』、第3位は、カナダからこの人が入ってきました。ドレイクです。『Hotline Bling』。10月19日に番組でオンエアーいたしましたけども。その時はこの曲の元ネタのね、ティミー・トーマスの『Why Can’t We Live Together』。こちらを掘り下げるというちょっと拡大版のような形でこのドレイクの『Hotline Bling』現象をお届けしたんですけどもね。

松尾潔 R&B定番曲解説 Timmy Thomas『Why Can’t We Live Together』
松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でR&Bの定番曲、Timmy Thomas『Why Can't We Live Together』を紹介。様々なカバーバージョンを聞き比べながら解説していました。 (松尾潔

本当にこれは飽きない曲ですね。ネット上にはいろんなカバーヴァージョンが出ていまして。さっきのケラーニなんかもね、チャーリー・プース(Charlie Puth)と一緒にデュエットしている。これなんかも本当に聞かせる名曲っていう感じですけども。歌っている内容は世俗的なんですけども。曲自体に聖なる輝きがありますね。大げさに聞こえるかもしれませんけども、それぐらいの曲だと思います。

そして、第2位。上半期のリリースなんですけども、やはりこれ、肌寒い時期から僕の中でどんどんどんどん大きくなってきました。ジャズミン・サリヴァン(Jazmine Sullivan)で『Let It Burn』。2月2日のオンエアーでした。これは元ネタになっている『Ready Or Not』を歌っていたアフター7がまあ、去年の秋ごろから本格的に復活してきたという、そういう追い風のトピックもあったんですけどもね。それにしても、秋が似合う音ってあったんだなと思いますね。そして、季節は冬へ。

2曲続けてお聞きいただきましょう。ドレイクで『Hotline Bling』。そして、ジャズミン・サリヴァンで『Let It Burn』。

第3位:Drake『Hotline Bling』

第2位:Jazmine Sullivan『Let It Burn』

僕、松尾潔のプライベートチャート。『メロウ・オブ・2015』をお届けしております。お届けいたしましたのは第3位。ドレイクで『Hotline Bling』。そして第2位。ジャズミン・サリヴァンで『Let It Burn』でした。ジャズミン・サリヴァン、28才にして今春のグラミー、11個目のノミネート。進んでますね。まだ、けど無冠なんですよね。いままでね。初の栄冠なるか?グラミー賞にも注目です。さて、残すところあと1曲ですが、第1位の発表は重要なお知らせの後に。

(中略)

さて、楽しい時間ほど早く過ぎてしまうもの。今週もそろそろお別れの時が迫ってきました。と、いうことで、『メロウ・オブ・2015』。残すところあと1曲なんですけども。トップ10。駆け足で振り返ってみましょう。第10位、アフター7『I Want You』。第9位、Empireキャスト feat.チャールズ・ハミルトン&リタ・オラで『New York Raining』。第8位、ジョバニーで『Hypnotized』。7位、ジデンナ feat.ローマン・ジャンアーサーで『Classic Man』。6位はティー・フライ feat.クリス・ブラウンで『Blue Ripstick』。5位はヴィヴィアン・グリーン『Get Right Back To My Baby』。4位はトリー・レインズで『Say It』。3位はドレイク『Hotline Bling』。

そしてジャズミン・サリヴァンが第2位と来まして、第1位に輝きましたのはタイリース(Tyrese)『Shame』。5月11日にオンエアーいたしました。もう、これは文句なしの1位かと思います。ゼロ年代にはアリシア・キーズ(Alicia Keys)『If I Ain’t Got You』。90年代にはミキ・ハワード(Miki Howard)『Love Under New Management』。そして80年代にはアニタ・ベイカー(Anita Baker)『Angel』という、こういう普遍的な名曲がございましたけども。この曲もまた、いつ聞いても魅力の形が変わらないんじゃないかな?という。

タイムレスな、そんな輝きを持った曲です。タイリースの『Shame』。今日はタイリースの『Shame』を聞きながらのお別れです。これからお休みになる、あなた。どうかメロウな夢を見て下さいね。まだまだお仕事が続くという方。この番組が応援しているのは、あなたです。次回は来週1月18日、月曜夜11時にお会いしましょう。お相手は僕、松尾潔でした。それでは、おやすみなさい。

第1位:Tyrese『Shame』

<書き起こしおわり>

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