松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でスヌープ・ドッグがリリースしたゴスペルアルバム『Snoop Dogg Presents Bible of Love』について話していました。
(松尾潔)さて、続いてはゴスペルナンバーをご紹介したいと思いますね。ゴスペルナンバーと言っても、これからご紹介するアーティストは、いわゆるゴスペルアーティストとはちょっと違いまして。ゴスペル作品を出すヒップホップアーティストでございます。その人の名はスヌープ・ドッグです。「ええっ?」っていう感じですよね。まあ、スヌープは、もうね、西海岸のラップの革命児のような形で90年代のシーンを駆け抜けて、未だに新譜を出すたびに話題になるような人なんですが。
その活動は多岐に渡りましてね、タレントさんとしての活動っていうのが本国では大変有名でございまして。まあちょっと下ネタから時事ネタ、何でもイケて、そのすべてをスヌープ流に調理するっていう、キャラクターが愛されてるんですよね。そんなスヌープがいま、手出かけているプロジェクトがゴスペルでございまして。『Snoop Dogg Presents Bible of Love』という2枚組の大作ですね。ゲストアーティストの数もちょっと半端じゃないんですが、スヌープは時に歌い、時にラップし、時にそれを監修してるっていう、いろんな形で……ただ全体を通してみると、スヌープっていうのは敬虔なクリスチャンなんだなというのがよくわかりますが。
今日はねその中から2曲、ご紹介したいと思います。いま、バックにスティービー・ワンダーが作ってルーサー・ヴァンドロスのカバーでも大変有名な『Creepin’』という曲を流してますが。
この曲を下敷きにしたと思しき、『Sunshine Feel Good』という曲。これからスタートしたいんですが。この『Sunshine Feel Good』という曲はかのキム・バレル。超絶技巧で知られますゴスペル女性シンガー、キム・バレルが歌っております。そしてもう1曲、アーティスト名はこれ、聞き終わった後にご紹介しましょうか。まあ、『メロ夜』リスナーだったらすぐわかるかと思いますけれども。じゃあ、2曲続けてスヌープ・ドッグのゴスペルアルバム『Bible of Love』の中から聞いてください。まずはスヌープ・ドッグ feat. キム・バレルで『Sunshine Feel Good』。
Snoop Dogg『Sunshine Feel Good (feat. Kim Burrell) 』
Snoop Dogg『One More Day ft. Charlie Wilson』
ラッパー、スヌープ・ドッグの初めてのゴスペルアルバム『Snoop Dogg Presents Bible of Love』。2枚組の大作です。その中から2曲ピックアップしてご紹介いたしました。まずは女性ゴスペルシンガー、超絶技巧で知られます。ゴスペルシーンにおけるチャカ・カーン的な存在と言ってもいいでしょうね。チャカがそれを認めております。キム・バレルのボーカルをフィーチャーした『Sunshine Feel Good』。
それに続きましては、もうお分かりでしょう。チャーリー・ウィルソンをフィーチャーしておりました『One More Day』。「フィーチャー」っていうか、これはチャーリー・ウィルソンが全編に渡って歌いまくっているというか、歌い倒している曲でございまして。まあ、「ゴスペル、ゴスペル」っていう風なことを言うと身構える方も、もしかしたいらっしゃるかもしれませんが、気楽に聞けますし、気楽に聞いてほしくてスヌープもこのアルバムを作ってるはずなんで。「いい曲だね」って楽しむのがきっと正しい、このアルバムの楽しみ方じゃないかなという風に思います。
面白いですよ、このアルバム。僕もまだ全曲聞いてるわけじゃないんですが、こういう試みができるラッパーってどれぐらいいるか分かりませんけども、まあスヌープの知名度でありますとか、あと社交性。そういったものが音に結実しているという、そんな感想を抱きました。
<書き起こしおわり>