安住紳一郎 奄美大島出張で驚いたことを語る

安住紳一郎 奄美大島出張で驚いたことを語る 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2023年11月26日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で『THE TIME,』の出張で奄美大島に5、6年ぶりに行った際の模様を紹介。久しぶりの奄美大島で驚いたことを話していました。

(安住紳一郎)さて、私は先週水曜日と木曜日、鹿児島の奄美大島に行ってきました。ラジオの番組では奄美の話は何度もしているので、皆さんも少し詳しくなっているんじゃないかなと思いますけれども。久しぶりに……6年ぶり、7年ぶりくらいになるのかな? 行ってきました。朝の番組の中継の企画で行ってきたんですけれども、弾丸ツアーなんですけれども。でも、やっぱり好きなところ、地方に足をのばせるってのはすごくいいなと思って。楽しい経験になりました。

(中澤有美子)よかったですね。

(安住紳一郎)「ラジオ、聞いてます」っていう方がやっぱり何人か、中継先などに行きますと声をかけてくださるんですけれども。前も話したと思いますけれども。ラジオっていうのはやっぱりマイナー、少数派という自覚があるんですよね。なので、決して大きな声で声をかけはせずですね、ものすごく近くで、他のスタッフが気づかないタイミングとかでね、「ラジオ、聞いてます」みたいな。それは、どうしてなんでしょうね? 本当に私も働き始めて不思議に思ってることのひとつなんですけど。ものすごく小さな声ですよね。(小声で)「日曜天国、聞いてます」とか(笑)。「正規リスナーではないんですけど」って。必ずね、そういうね。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ! ええ、ええ(笑)。

(安住紳一郎)「安住さんがお嫌いな非正規なんですけども。非公式で聞いてます」なんて(笑)。嬉しいですよね。本当にもう、いじらしくもあり、気高くもありって感じですよね。隠れキリシタンのようにね、小さな声でつぶやいて。本当にね、信じられないような時もあって。自分が車とかに乗って移動しようとしてると、車窓の左手とかにちょっと小高い丘があったりして。そして、その小高い丘の民家の物干し台みたいなところから、番組オリジナルノートを掲げてる人がいたりして(笑)。

(中澤有美子)ええーっ? アハハハハハハハハッ!

日天オリジナルノートを掲げる人

(安住紳一郎)どこで手に入れたのかはしらないけれども。メッセージが読まれた経験があるのかどうか、わからないけど。すごいよね。幸せの黄色いハンカチみたいな感じで。スタッフの人とかドライバーさんから「なんか安住さん、左側の人がこっちにプラカードみたいなのを掲げてますけど、何のメッセージでしょうか?」っていうので、よく見たら……「なんかピンク色の表紙ですね?」みたいな。「なんかグリーンの表紙のとかが……」「ああ、あれはラジオ番組のオリジナルノートですね」なんて言って。「何のためにしてるんですか?」「いや、『ラジオ、聞いてます』っていうことをたぶん伝えようとしているんだと思います」なんて言ってね。「嬉しいな」と思ってね。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)本当、車の窓を開けて大きく手を振りたいところなんだけど。最近ハイエースって後部座席がほら、窓が開かないから。はめ殺しになってるからね。で、スモークがかかってたりするから。でも、こっちはこっちで手を振ってるんだけどね。でもなんか、相通じないじゃん? ただね、スモークのかかったハイエースがずっと行っているだけで。向こうの人は向こうの人でメッセージを伝えていて。こっちはこっちで嬉しい気持ちなって手を振ってんだけど伝えられない。なんてかもう、いじらしいよね。なんかね。

お互いに信仰を伝えられない同士っていうのがやっぱもう、隠れキリシタン的じゃないのか、みたいな。隠れキリシタンの歴史を揶揄してるわけじゃありませんし、ふざけてるわけじゃないんですけども。表現として使わせていただいておりますが。本当になんか、すごい変な感じと思いながらね。お互い心の中でね、ずっと「伝えたい」「伝わってるよ!」なんていうことをやっていたりして。ねえ。少数派ながらも活動を続けるレジスタンスの皆さんの活動・存在を知ってとても嬉しい気持ちになりました。嬉しかったです。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)またちょっとね、奄美大島にお邪魔したんですけども。離島ということもありましてなかなかね、普段伝えられないっていう気持ちもあったんだと思うんですけれども。本当に、気持ちが伝わってきました。ありがとうございます。

(中澤有美子)ありがとうございます。へー!

(安住紳一郎)なんか、このちょっとプラカード的に掲げるみたいなの、最近は多いですね。なんかね。前、大分に行った時はオリジナルノートを胸に抱えて、私たちのハイエースに乗り込んでこようとした人がいて。

(中澤有美子)えっ、ええーっ?

(安住紳一郎)なんか爆弾を抱え込んで乗り込んできたんじゃないかと思って。スタッフのみんなが「えっ、どうしたんですか?」「オリジナルノートです……」っていう(笑)。「知ってます」みたいな感じで。びっくりしました。ありがたいですよね。

(中澤有美子)ああ、そんなパターンも?

(安住紳一郎)そんなパターンもあって。すみません。ちょっとね、私がうぬぼれてる的な感じに聞こえるかもしれませんけども。ちょっと、町々である面白い光景を皆さんにお伝えできたらなと思っています。

(中澤有美子)すごーい!

(安住紳一郎)奄美大島。ちょうど大阪からの直通便が運休になる時期ということで、観光客が一番少ない時期ということだったんですけども。やっぱりね、トップシーズンなりますと大変賑わうところなんですが。11月、12月はやっぱりお客さんが少ないっていう風に言っていましたけども。大島紬のひとつの工程である泥染めの工房、金井工芸さんと黒糖を作る水間製糖所というところにお邪魔しましたけども。本当にね、手作業で昔ながらの手順を丁寧にやってらっしゃっていて。本当に働いてる皆さん方の姿に心打たれましたけれども。とってもね、いいものや島の伝統とか誇りを守ってらっしゃるなという風なことが伝わってきました。

全国各地、いろいろお邪魔するんですけれども。皆さんもご想像の通り、再開発とかね、やっぱり利益を追求していく中で、どうしても町が画一化されていく。全国どこに行っても特色がなくなってるなってな感じはここ20年、30年、するんですけれども。奄美大島は本当に個性の塊。もう見るもの聞くもの、全てが新鮮で。やっぱりすごいなっていう風に思います。なので、大好きなんですけど。業態もね、なので変わっているところが多くて。

たとえば、何だろう? 商店街とかを見ていまして、普通に商店がありますよね。で、靴屋さんとか、果物屋さん、薬屋さんがあって。そして刺身屋さんっていうのがあるんですね。あんまりないですよね。魚屋さんはありますけどもね、刺身屋さんってのがカテゴリーなんだと思って。それだけでもなんか、魚が美味しいんだろうなと思いますよね。「刺身屋か。へー! 刺身しか売ってないんだろうな」ってことだよね。

奄美大島の「さしみや」

(安住紳一郎)精肉店なんかも牛のコーナーがあって、豚のコーナーがあって、鳥のコーナーがあって。まあ、ジンギスカン、羊のコーナーがあるまでぐらいはわかるんですよ。その次にね、ヤギのコーナーがあって。ヤギね。まあ、食べるんだろうけど。ヤギは見ないわって思ったりね。

あとは料理屋さん、いっぱい美味しいところがあるんですけれども。元々、小学校の校長先生をやった女性がやってらっしゃるお店があって。すごく有名で人気なところなんですが。働いてる人が当然、いますよね。で、働いてる人たちは、従業員なのかなって言うと「いや、僕たちは従業員ではないんです」みたいな感じなんですよね。で、「ああ、お弟子さんなんだ」と思うじゃない? それで「お弟子さんですか」なんて言ったら「いや、弟子でもないんですよね」「じゃあ、なんだろう? 親戚か? 家族か?」みたいな感じですよね。形態としては。お店を手伝っている人。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)ですよね。で、「皆さんは何なんですか?」って聞くとみんな「教え子です」って言うんだよね。「教え子か……飲食店に教え子っていうカテゴリーがあるんだ」って思って。まあ、カテゴリー、カテゴリーってうるさいけど。でも、そういうことだよね。いいよね。俄然、興味がわくでしょう? ねえ。「そうなんです。僕たちは教え子で、手伝ってるんです」みたいなことなんだよね。「ふーん! お弟子さんではないんだ」「小学校の教え子です」っていう。そこはね。頑ななんだよね。なんなんだろうね?

(中澤有美子)ああ、そうですね。じゃあ、教え子さんたちは無償で?

(安住紳一郎)いや、有償だと思うけど。教え子なんじゃない?

(中澤有美子)そういうネットワークで?

(安住紳一郎)だから、元校長先生と教え子でやっているっていうお店なんじゃない? なんか、あれだよね?

(中澤有美子)いいですね。

(安住紳一郎)いいよね(笑)。初体験じゃない? 飲食店だしさ。美味しいんだよ。すごく美味しいし。サービス満点なんだけど。そこが唯一ね、あんまり明らかにされてないからさ。うん。どう見ても、なんか「息子さんなのかな?」とか思ったりするじゃん。すごく丁寧に働いていて、お店に詳しかったりするから。それで「あっ、息子さんだ」なんて言うと「教え子です」っていう(笑)。

(中澤有美子)絶対教え子(笑)。

(安住紳一郎)絶対に教え子なんだよ。で、すごい若い人がいたりとかするから。さすがに校長先生、ちょっと違うんじゃないかな?って思ったりして。「あなたは教え子じゃないでしょう?」って聞いたら「最後の教え子です」って。「出た、最後!」みたいな(笑)。

(中澤有美子)誇らしげ(笑)。

(安住紳一郎)誇らしげだよね。「校長先生の最後の教え子。当時、ギリギリ年齢的に小学校1年生だったのか。ああ、最後の教え子か。ラスト教え子だ」みたいな。面白いよね(笑)。へー!って思って。

(中澤有美子)映画のタイトル(笑)。

(安住紳一郎)『ラストサムライ』みたいなね。「あなたは教え子じゃない?」なんて言ったらね、「最後の教え子です」なんて。「教え子か!」って思って。うーん。奄美の伝統料理をね、校長先生が守ってらっしゃるんですけどもね。「へー!」と思って。ちょっと気になりますでしょう? だって頑ななんだもん。俺、飲食店で働く形態として「教え子」っていうのがあるんだと思って。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

働いているのが全員「教え子」

(安住紳一郎)だよね? 料理を教えているとか、弟子とかね、そういうものじゃないっていうんだよね。

(中澤有美子)親戚でもないっていう。

(安住紳一郎)しつこい? ごめんなさいね。

(中澤有美子)いや、私も言っていいかなって(笑)。

(安住紳一郎)ああ、そう? 何回聞いても、だって「教え子」って言うんだもん。「教え子です」ってことですね。奄美大島(笑)。あと、やっぱりあれですよね。全国的にも観光ブームってこともありまして。奄美大島も港の前に分譲マンションがね、何階建てだろう? 結構大きなマンションが建設中で驚きましたけど。ドライバーさんも「奄美大島で分譲マンションっていう形態を初めて見ました」っておっしゃってましたけど。4000万から5000万くらいで、島の人にとってみると本当に驚くような値段だっていうね。そうですよね。東京だって値段が上がったとはいえ、やっぱり「ええっ?」って私も驚きましたが。

あとは2年くらい前に奄美大島にも陸上自衛隊の駐屯地ができて。あと、私は奄美大島から帰り、直行便に乗れなかったので鹿児島に一度、戻ったんですが。奄美大島っていうとちょうど鹿児島と沖縄の地理的に真ん中ぐらいにあるんで。奄美大島から北に、鹿児島に向かうんですが。途中、種子島が見えるんですけども。種子島の横に馬毛島っていう、たぶん皆さんもニュースで聞いたことがあると思うんですが。元々、個人の所有だったんですがそれを政府が買い取って、そこを米軍や自衛隊の飛行機の離着陸訓練なんかに専用に使いたいっていうことで。島全体を基地にしようっていう、そういうニュースだったと思うんですが。その馬毛島がやっぱり飛行機から見えましてね。建設中で。本当に……「ああ、島ひとつを本当に飛行機の基地にするんだ」っていう感じが窓から見えましてね。

やっぱりここ5、6年、久しぶりに行ったということで。そこが一番大きな変わったところかなと思いまして。賛否どちらの声もある中ですが。やっぱり鹿児島・沖縄の防衛関連施設の現状を目で見ることができまして、私自身も考えることがありました。ぜひね、なかなか奄美大島、行くチャンスないと思いますけれども。ぜひ、興味のある方は旅行先のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか?

(中澤有美子)本当にそうですね。

<書き起こしおわり>

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