東野幸治さんが2023年9月22日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中でNetflix『レスラーという生き方』についてトーク。東野式エンタメ採点で「96点」という高評価となったこの作品で東野さんが泣いてしまったというポイント2箇所を話していました。
(東野幸治)あと、あれ見ました? 『レスラーという生き方』。
(渡辺あつむ)あ、まだ見てないです。
(東野幸治)見てください! 96点。
(渡辺あつむ)おおーっ!
(東野幸治)あのね、ちょっとお酒を飲みながら見たんですけど、2回ほど泣くところがあった。
(渡辺あつむ)ええっ?
(東野幸治)なんなら最初は笑って……だからこれ、『レスラーという生き方』。小さい団体(OVW)の……元々言うたらWWEでなんか、ヘッドっていう人形の頭を持ってワーッてカルト的な人気になったレスラー(アル・スノー)。ちょっと俺もわかんないですけど。とにかく「キャラが必要だ」っていうことでその頭を持って登場したら、半年後、1年後には観客の気持ちをわしづかみにして。客全員がね、人形の頭を持ってウオーッ!って盛り上がっるほどの人気になったっていう人が引退されて。で、言うたらその団体の総合演出的な立場。会長か。スポンサー、お金を払うんじゃないけれども、団体を率いるような人になって。で、その下にWWEとか、大きなプロレスのステージにいつか上がることを夢見て、バイトしながらレスリングをしてる男性、女性、様々な方がいて。その人たちの物語なんですけど。
最初に言っていた、お母さんがと娘さんの物語があるんですけど。途中でそのお母さんと娘さんが……娘もなんかだんだんとキャラがついてきて、人気者になってくる。で、お母さんはお母さんで昔、バリバリレスリングしてたんですけども。その時のお母さんの得意なスタイルは、もうデスマッチ。要は蛍光灯とか、安全ピンとか、テーブル割ったりとか。それで傷だらけになりながら戦うっていうのが言うたら、18番で。で、「またそんなの、やりたいな」っていうところで。で、常にもう『レスラーという生き方』というドキュメンタリーは赤裸々に見せますから。
言うたら「プロレスは八百長じゃない。台本があるんだ」っていう撮影の仕方、ドキュメンタリーなんで、裏側を全部見せてくれるから。「とにかく物語を作らなあかん」ってことで日々、みんな会議して。「どういう物語が客に受けるか?」ということで考えて。それで「お母さんと娘の確執」みたいなのを中盤ぐらいの話でするのよ。それがもう、泣けるぐらい……母と娘が、デスマッチするのよ。血だらけでデスマッチしたりとか。ほんで、2人でキャッキャ言いながら「これ、いいんじゃない? あれはいいんじゃない?」とか言って。それで100個ぐらいの安全ピンとかをリングにまいて、そこでボディスラムしたりとか。お母さんが娘を、娘がお母さんをとかっていう血だらけの……俺、それを見ながら泣けてきて。「なんでこの人ら、こんなことをしてるの?」みたいな。
母と娘の血だらけのデスマッチ
(東野幸治)ほんで、それがいいのが、デスマッチをしてみんなが「ギャーッ!」っていうのよ。会場も。「もうやめて!」みたいな感じになって。それで終わって、お互いが引っ込んで。で、控室に行ったら2人でちょっと笑いながら抱き合ってるのよ。「これ、どんな世界なん?」みたいなところと、あとその娘さんがどんどんどん急成長して、WWEかな? なんか大きい団体にちょっと行って、手応えがあって、また呼ばれるみたいなのと、あと、そのメインの小さい団体が1年を通じて、言うたらいろんなところを転々とするんですよ。ちゃちいところから、公園とかでリング作ったりとか。いろんなことをしながら、グッズを売りながら細々とやってる。
でもなんか、スポンサーもおれへんとか、お金がないとか。「もうこのままじゃ団体が潰れるんじゃないか?」って言ってて。で、やっぱり総合演出はその母子の話をメインにしたいねんけど。でも、その娘はそれよりも大きい団体のリングの話があるから、出れない。「さあ、どうする?」ってなった時に「もう、しょうがない」って言ってその総合演出自らが復活する。ほんで、当時のライバルと戦うみたいな。そこに物語がブワーッて行って、めちゃめちゃいい話で。「なに、これ?めちゃくちゃおもろいやん!」と思って。ちょっとぜひ『レスラーという生き方』も見てほしい。東野調べで言うと「96点」でございます。
東野評価「96点」の作品
(東野幸治)96点は他にもあって。今年はいろいろありましたよ。あの『ベイビーわるきゅーれ』も96点でございましたから。ちょっとおすすめでございます。よかったら皆さん、『レスラーという生き方』を見てほしいんですけれども。
<書き起こしおわり>