東野幸治さんが2021年7月30日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中でLauryn Hill『To Zion』について話していました。
（東野幸治）さあ、そして行きましょう。今週の曲なんですけども。ちょっとこれ、メールを読みます。これ、ミュージック・ライフのコーナーに届いたんですけども。「東野さん、こんばんは。毎週、楽しく聞いています。以前の放送でオアシスの『 (What’s the Story) Morning Glory?』が好きなアルバム10枚に入るとおっしゃっていましたね。そこで東野さんが好きなアルバムを5枚、選ぶなら何が入るか聞きたいです。リクエスト曲は僕の好きなアルバム5枚の中から1曲。ストーン・ローゼズ解散後、ギタリストのジョン・スクワイアが結成したバンド、ザ・シーホーセズの『Love Is The Law』です」。もう全然知らんわ（笑）。
東野幸治の好きなアルバム10枚
（東野幸治）いや、この方、こういう風に言うてたんですけども。たまたま、僕が今日選んだ1曲は好きなアルバム10枚に入るアルバムで。あのね、ローリン・ヒルっていう黒人シンガーの20年前ぐらいのアルバムなんですけども。98年か。『The Miseducation of Lauryn Hill』っていうアルバムがあるんですよ。
（東野幸治）で、ローリン・ヒルって知らない方もたくさんいると思いますけども。フージーズっていうバンドがあったんです。フージーズってローリン・ヒルとか高校時代のクラスメート3人組で結成して。ヒップホップとかR&Bとか、そういう2000年代最初の頃に流行ったような音楽ですよ。
で、そのローリン・ヒル。ウーピー・ゴールドバーグの『天使にラブソングを2』にも出ていて。女優さんなんかもしたりして。おしゃれな、なんとなくその代表格だったんです。で、そのフージーズ、96年に『The Score』っていうアルバムを出して。それがすごいヒットして。そこからガン！って行くのかなと思ったら、なぜか98年にソロで『The Miseducation of Lauryn Hill』っていうアルバムを出すんですよ。
で、それがめちゃめちゃよくて。ウッド調に、彫刻刀かなんかで自分の顔を黒く書いたような、掘ったようなジャケットなんですよ。その中の『To Zion』っていう曲を今日は流そうと思っていて。なんでその曲かっていうと、その前の年にローリン・ヒル、恋人ができて、妊娠して……っていう時だったんですよ。で、先週も言いましたけども。そろそろ夏だから、夏っぽい曲がいいなって言うてて。
で、今週はだからボブ・マーリーやなって思って。ボブ・マーリー、どうしよう？ 『No Woman, No Cry』みたいな有名な曲、夏っぽくてええなって思ったんですけども。だけどこの『To Zion』にしたっていう理由はそのローリン・ヒルが子供ができるんです。で、その旦那がボブ・マーリーの息子なんですよ。調べたらその時、フットボール選手だったっていう。「なんでそんなやつと付き合うねん？」って思ったけども（笑）。まあ、それは知らんけど、妊娠してて。
で、言うたらそのベイビーソングなわけじゃないですか。で、だいたい世の中にあるベイビーソングって言うたら、「生まれてきてくれてありがとう。感謝するわ」とか「人生が変わった」とか「この子のために……」っていう歌が多いじゃないですか。でも、この『To Zion』っていうのはザイオンって子供の名前なんですね。で、歌詞を読んでいるとようよう言うているのは「マネージャーから堕ろした方がええんちゃうか？って言われたけど産みます」っていう。
俺がマネージャーやったら「あの、ローリンちゃん。ちょっとここのくだり、変えてもらってええかな？ ちょっとローリンちゃん、これ、ちょっと表現キツない？」とか（笑）。だから「みんな私に賢くなれと諭した。自分の経歴を考えなさいと彼らは言った。『ローリン、頭を使わなきゃ』。でも私が選んだのは私の心を使うこと。今、私の世界の喜びはザイオンの中にある。どんなに美しいことでしょう」っていう。周りから「堕ろした方がいいんちゃう？」って言われて。「でも、産むよ！」っていう曲なんて、まあ、ない。まあ、天晴。で、これが世界的に大ヒットしたアルバムの1曲目なんですけども。
東京に出てきて、車を買って。家から仕事場に行く時にそのオアシスの『 (What’s the Story) Morning Glory?』も聞くし、このローリン・ヒルのアルバムも常に聞いていたという。そんな曲です。聞いてください。ローリン・ヒル『To Zion』。ちなみにローリン・ヒルは今、おばあちゃんです。どうぞ！
Lauryn Hill『To Zion』
＜書き起こしおわり＞
