東野幸治 Netflix『レスラーという生き方』を語る

東野幸治 Netflix『レスラーという生き方』を語る 東野幸治のホンモノラジオ

東野幸治さんが2023年9月15日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中でNetflixで配信中の『レスラーという生き方』について、話していました。

(東野幸治)人って、ほんまにおもろいでっせ。東野幸治のホンモノラジオ(笑)。どうも、こんばんは。東野幸治でございます。今夜も1時間、よろしくお願いします。私の話を聞いてくれるのはこの方!

(渡辺あつむ)渡辺あつむです。

(東野幸治)よろしくお願いします。いやー、いろんな人が面白いなっていうところで。今日も本当は飛行機で来るはずが、ワイドナショーの収録が終わって。で、飛行機で行こうと思ったらたぶん雷雨、雷などがあったんで、飛行機が飛ばない。「じゃあ、新幹線だ」って品川駅に向かった途中で「新幹線、止まっています」って。どうしたもんかなと思って、人生で初めて、食べたくないけどもメキシコ料理を食べまして(笑)。普通にハンバーグとか食べたいけど、ごった返してるから。こんなにテンション低いのに、ナチョスを食べなあかん気持ち(笑)。だからチーズがトローッとして。別に食べたくないけども、食べながら時間を潰して。1時間半ぐらい、出発が遅れまして。

で、新幹線でやってきて、新大阪に着いたら、案の定新大阪のタクシー乗り場も混んでいて。日本人やから別にね、横入りもないし。なんか、ワーッて言うわけでもないけど、全員が機嫌悪いというか。それを感じる。後ろから前から。で、タクシードライバーも機嫌悪いんでしょうね。あれ、入ってきて右に曲がるじゃないですか。みんな、すごくハンドル切る。ギューッ!って(笑)。ちょうどタクシーが止まった瞬間にちょっとぶれるっていうぐらいの中、今、やっと……だから本番の2時間前に来たんですけれども。いや、何とか無事着いてよかったんですけれども。

今週もいろんな人に出会ったなという感想なんですけど。まず一番に言いたいのは、『レスラーという生き方』。今、Netflixでめちゃめちゃハマっていて。新幹線で行く途中も見てたんですけれども。これ、ぜひおすすめ。アメリカのドキュメンタリーで、8話ぐらいまであるのかな? だいたい1話50分ぐらいなんですけど。俺もあんまりプロレスのこと、よくわからない。特にアメリカのことはWWEみたいな、すごい大きいやつ。ド派手なやつ。4万人、5万人が「うわーっ!」っていうのは知ってるじゃないですか。

それじゃなくて、そこにスカウトされたらいいだろうなっていう、3番目か4番目ぐらいのちっちゃな団体の話で。いろんな、言うたらその会社を作ってる人とか、レスラーとか、様々なところにスポットを当てて、いろいろ話を聞いたりとか、その人の日常を追っていくっていう話なんですけど。それの何が面白いって「プロレスのこと、ここまで言うの?」っていう。ストーリー作りの会議にもカメラが入ってるし(笑)。

(渡辺あつむ)おおう……。

ストーリー会議にカメラが入る

(東野幸治)いや、ほんまに。そんな大きくない会議室なんですけど。全員が大学ノートを持ちながら、「ストーリーが大事なんだよ。大きい技を連発するだけじゃ面白くないんだ。そのバックボーンとかストーリーが大事なんだ」みたいなんで、ストーリーをいろいろと全員が練り上げる会議にカメラが入ってたりとか(笑)。

(渡辺あつむ)えっ? 「こいつとこいつがいがみ合う」とか?

(東野幸治)もちろん。そんなことのアドバイスとか。あと、言うたら「俺もリングに上げろ!」っていうレスラーの卵がストーリーを持ってやってくるっていう(笑)。だから「俺はこういうヒーローになってリングに上がるけど、敵はこんなやつが……」っていうので、その話を聞いて採用するとか採用をしないとか。

(渡辺あつむ)面白いな!(笑)。

(東野幸治)面白いのよ(笑)。あと、プロレス中継をたまにすんねん。ペイ・パー・ビューで。それが言うたら100人とか500人、1000人とかいって、儲けになる。でも経営がギリギリの状態で。その全米のサーキットのあれをずっと追っかけてる話なんですけど。サブも中、入ってるんです。まあ、ちっちゃいサブなんですけども。中継があるんですけども。インカムをつけて「そこは危ないから、ちょっと離れて」とか。だからレフリーに言ってるのか、誰に……「こんなところも見せてくれんの?」みたいな。コーナーポスト、四つあるじゃないですか。角、角、角に。その1個のところの、ロープが3段になっていて、その一番上にマットみたいなのが、あるじゃないですか。あれを試合中の何かでちょっと外しちゃうんですよ。ほんなら、サブのところで中継を見てる女性の人が「危ないからそっちいっちゃじゃダメ。怪我するから、そっち行っちゃダメ」みたいな。「えっ、こんなんも見せてくれんの?」って。全部、見せてくれるんですよ。

その中で、レスラーの苦悩みたいなのもあって。だから注意されるんですよ。女の子。言うたら、お母さんもプロレスラー。娘もプロレスラー。ほんで、子供もたしか、いてるんですよ。ちょっと肩にタトゥーがある人。それで、注意されるんですよ。「試合前、大麻吸うな」とか(笑)。「嘘……?」って(笑)。ねえ。僕らは見ているだけですから。注意されるんですけども。その、相手の人がクレームを言うんですよ。言うたら、ホームルームみたいなんで。「すいません。私、この人と対戦したくないです。試合前とか、大麻吸ってて、テンションがよくわからないんで、こういう人とは試合、したくないです」とか。まあ、それももっともやし(笑)。だから「お前、もう吸うなよ?」って言って「わかりました」みたいに言うねんけども、その後の車の中でのインタビューでも吸ってるし(笑)。もう全然反省してなかったりとか、そういうのが随所にある中で、あるレスラーの苦悩みたいなんで。ちょっともう、おもしろ悲しいんですけれども。

だから、要はプロレスデビューする時に会社側からキャラクターを……「このキャラクターでやりなさい」って言われるんですよ。そのキャラクターがすごい真面目に登場するんです。真面目に登場するけど、リングの上でマスクをかぶるんですよ。かぶった瞬間にヒーローになるっていうキャラを、言うたらもう命じられて一生懸命やるけど、どうも自分としっくり来へん。もちろん、しっくり来ないから人気がない。「どうしよう?」と迷った挙句、たまたまちょっと試合前というか、家で、プロレスに行く前に医学書みたいなんを読んでたら、心を病んだ方みたいなののエピソードの中で「人形を持ち歩く」みたいなのがあったから「これだ!」と思って。

ある日、リングに上がる時に人形の首だけをずっと持って。設定としては「人形が俺に話しかける。お客さんたちの方がおかしいんだ。俺は人形に話しかけて、人形の言う通り、指示された通りにする」っていうキャラクターを編み出して、ヒールとしてやっていくってなって、始まめたんですよ。それがめちゃくちゃはまって。その次のシーンになったら、数ヶ月後なんでしょうね。リングに登場したお客さん全員が人形の頭を持って「うわーっ!」ってめちゃくちゃ盛り上がってるんですよ。ほんで、そういう人気者になったけど、すごい苦労があった。「キャラクターを定着させるために、俺は持って行きたくないけど、人形の頭だけ持ってファミリーレストランに行って。向かいの席に座らせて、2人前……俺の注文と、人形の注文をして」って。キャラクターを浸透させるために。

で、「俺はハンバーグを注文する。お前は何にするんだ? スパゲッティか。わかった。じゃあ、ハンバーグとスパゲッティください」って言って。ウェイトレスが厨房に行って「変なやつ、来たよ」みたいな感じになって。ハンバーグとスパゲッティを持ってきて、食べる。「おい、お前、スパゲッティを注文したのに、なんで食べないんだよ?」っていう喧嘩をする(笑)。「キャラを浸透させるために、そんな苦労もしたよ」っていう(笑)。

(渡辺あつむ)フハハハハハハハハッ!

(東野幸治)『レスラーという生き方』(笑)。いや、なんか面白いなと思って。こんな赤裸々に見せてくれる。なおかつ、めちゃくちゃちっちゃいのよ。だからローカルの方に行ったら20人、30人の前でやったりとか。かあと、プロレスラーの奥さんの話であったりとか。あと、言うたらオーナーの話であったりとか、そういうのが随所に出てくるっていうプロレスラーの生き方のそれぞれみたいなんが、なんか面白いけど、ちょっとほろ苦くなるし。笑っていいもんやら、どうやらみたいな感じがあるんで。ぜひ皆さん、『レスラーという生き方』、気になる方がいたら見てほしいなとは思いますけれども。

Netflix『レスラーという生き方』予告

<書き起こしおわり>

東野幸治 Netflix『レスラーという生き方』で泣いたポイントを語る
東野幸治さんが2023年9月22日放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』の中でNetflix『レスラーという生き方』についてトーク。東野式エンタメ採点で「96点」という高評価となったこの作品で東野さんが泣いてしまったというポイント2箇所を話していました。
タイトルとURLをコピーしました