佐久間宣行 日向坂46齊藤京子との福島県ふたば未来学園サマースクールラジオを語る

佐久間宣行 日向坂46齊藤京子との福島県ふたば未来学園サマースクールラジオを語る 佐久間宣行のオールナイトニッポン0

佐久間宣行さんが2023年8月9日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』の中で福島県のふたば未来園のサマースクールで日向坂46の齊藤京子さんとラジオ形式のワークショップを生徒100人の前で行った際の模様を話していました。

(佐久間宣行)先週のラジオ終わりで……これ、話していたと思うけども。ふたば未来学園っていう「福島の中高一貫の学校のサマースクール。被災地域にできた学校なんですけども。そこにのボランティアに行ってきたんですよ。で、4年前、コロナの前だったんですけど。その時は平手友梨奈さんとかと行ったんですけども。その時は俺1人で3、40人の中高生の皆さんを相手に「笑いの力」みたいなワークショップをしたのね。

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(佐久間宣行)で、今回オファーをもらった時って、元々はスケジュール的に行けるかどうか、わかんなくてね。それが、その日に予定していたロケがバレて、行けるようになったタイミングでもう1回、再オファーをいただいたのね。それが3週間ぐらい前のことで。「急だな」と思ったんだけども。その時にお願いされたのが「4年前と違って今回は100人規模のホールで、日向坂46の齊藤京子さんとやっていただきたい」っていう。で、秋元さんと学校からいただいたテーマが「人気者になる方法」みたいなことだったんだよ。で、齊藤京子さんといえばね、もう当代きっての人気アイドルだから、そういうテーマなのはわかる。「でも人気者になる方法っていうテーマは、難しいな」って思っていたの。

で、本番まで3週間を切っていたから。それはいろんな組み合わせそうなったと思うんだけど。で、意外に……3、40人のワークショップだったら1人ずつにいろんなことやらせられるけど。100人を超えちゃって、大ホールになるとなかなか、細かくはできないから。「これ、今までと考え方が変わってくるな」と思ったのと、あとはもう、どう考えても今回は俺がメインでもないと思うんだよ。やっぱり。中学生、高校生にとっては齊藤京子に会えるなんてね、夢のような出来事だから。それをちゃんと生かしてあげた方がいいなと思って。「齊藤さんのことから調べよう」と思って。

で、齊藤京子さんの調べると、中学ぐらいの頃にオーディションをもう本当に100ぐらいかな? 受けて、落ちいてるみたいな。結構、落ちていて、「アイドルを諦めようかな」と思ったけどもう1回、受けて。で、あのキャラクター……アイドルなのに声が低いとか、ラーメンが好きとかっていうキャラクターを土田さんとか澤部が見つけてくれて。それで人気になって。その後、日向坂に移って。

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(佐久間宣行)そしたら今度、ラジオにたまたま出た時に、そのラジオのなんか不躾なキャラクターみたいなのが受けて。それをたまたま聞いてたテレビ朝日の演出が『キョコロヒー』にした、みたいな。だからキャラを見つけてくれた、みたいのがあるから……「意外に齊藤京子さん、紆余曲折しているんだな。これをちゃんと立てて中高生に話してあげたいな」と思ったから、齊藤さんの話をちゃんと聞くのと、あとはテーマを「人気者になる」とかじゃなくて「自分のキャラクターとか、ニンとかを見つける方法」みたいなのにしようっていうところまでは、決めたの。決めたんだけど、その時点でもうあと2週間ぐらいで本番なのよ。で、2時間半から3時間、組み立てなきゃいけないのね。午前中1時間。後半2時間で。で、後半2時間は生徒の皆さんとのワークショップみたいな。

だから午前中は俺のYouTubeに齊藤さんがゲストに来たみたいな感じで、あの人のキャラクターを掘るトークをちゃんとしよう。で、午後にワークショップ……でも、90分から2時間やるワークショップで100人単位なのってなんなのか、思いつかなくて。それで今回他に小室哲哉さんもいるんだけど。小室哲哉さんはみんなから歌詞をもらって歌を作る。これ、いいじゃん。で、4、50人でやるトシ・ヨロイヅカさんという日本でもトップのパティシエは福島の食材、桃のケーキを作るっていう。もうばっちりじゃん? で、みんなでできるじゃん。でも、俺と齊藤京子さんで2時間、100人相手の……ってなんだろう? 歌とか歌うんじゃないし。何をすりゃいいのかな?って思って、全く思いつかなくて。

あと同時に考えたのは、俺は知ってるのよ。東北の中高生のシャイさ。シャイなのね。で、東北の中学生とか高校生ってシャイなんだけど、それは人数が増えれば増えるほどシャイになるのよ。わかる? 俺の感覚ね。いろんなイベントとかで回った感じだと、関西とかそっちに行くと、人数増えた分、賑やかになるんだけど。東北とか……東京もちょっとそれ、あるかもしれない。集まると、ちょっと周りの目を気にしてシャイになる。だから人数が少ない方が元気みたいなイメージがあって。だから「これ、100人ぐらいの中学生、どうしようかな?」と思って。

それでまとまらないまま、学校の先生たちとリモートでの話し合いがあって。そこでテーマは話して。「自分のキャラクターとか、そういうものを見つけるっていう方向にしようと思うんですけど。肝心の生徒さんとやることがまだ、ふわふわしてるんです」って話したの。それで先生たちも「そうですね。我々もちょっと急にお願いしちゃったんで。どうしましょうか? 2週間、切ってますし。生徒、夏休み入っちゃいますし」「そうですよね」って結構深刻な会議してて。

その時に……リモート会議って、このラジオでも話したことあるけど。自分の画面も映るじゃない? 対面の時は映らないけども。で、俺は自分の画像、バーチャル背景がニッポン放送のブースなのね(笑)。それ、たまに話してるけど。「そんなにラジオ、好きなんかい!」って話なんだけど。まあ、それがネタになるからラジオのブースにしてるのよ。で、その自分が映った時にパン!って思いついて。「ああ、これ、生徒の話をラジオ形式にして、中学生をゲストっていうことにして聞くと、どうなるのかな?」と思ったの。

ホールにブースを作って、齊藤京子さんと俺でラジオを始めて。そこにメールっていう形で生徒100人からアンケートとかをもらって。で、それを読んで面白かった生徒をゲストに呼ぶっていう形式を一気に思いついたのね。で、ラジオってさ、たくさん人がいるけど1対1で聞いてる感覚になるじゃん? だから100人いて、100人を前にしてトークショーをやると1対100になるけど。俺と齊藤京子さんでラジオをやっていれば、それが1対1になって届くものになるんじゃないかなと思ったのと、あとは面白いメールを先にもらえれば、その生徒だけ呼ぶことができるから。その形式が一番いいなと思って、それを思いついたんだけど。

ラジオ形式ならできるかも?

(佐久間宣行)で、その瞬間に「だったらこれ、『出張オールナイトニッポン』って言った方が絶対にいいな。その方が喜ばれる。でも何の許可も取ってない。何の許可も取ってないけど、ここで先生たちに言ったら、先生たちは『オールナイトニッポン、いいじゃないですか!』って言うに決まってるな……」と思った時にはもう、それをしゃべっちゃってたの。「出張オールナイトニッポンという形式で、佐久間宣行と齊藤京子のオールナイトニッポン・出張ふたば未来学園っていうのは、どうですか?」みたいなことを話した時に先生たちが「ああ、ちょっとわかんないけど。それ、よさそうですね」ってなったから。「そうですよね。それだと1対1に……100対1でやる感じにならないですから。双方向になると思うんですよ。メールももらえるし」みたいな。

そしたら先生の1人が「でも生徒、しゃべれますかね? 中学生ですよ」「いや、でも大丈夫だと思うんですけどね」って。というか、もう「大丈夫だ」って信じるしかない。2週間しかないから。そう思って、会議が終わって。とりあえずそれでやろうってことになってから気づいたの。「俺しかスタッフがいない」っていうことに(笑)。前の時は2ヶ月前とかに決まってたから、番組のADさんとかがちょっと手伝ってくれたの。ボランティアで。だから、行けたんだけど。今回は、そんな余裕は全くなかったのね。『ゴッドタン』の収録とかもかぶってたし。で、1人だけ『ゴッドタン』の中の一番若い作家でラフ×ラフラのYouTubeとかもやってくれてるウエダっていう作家がいるんだけど。

あ、これ、余談だけどそいつは5年前かな? 京都大学の学生だったのかな? 毎月100通の企画書を俺に送り続けてきたっていうやばいやつなのよ。で、怖すぎて俺は1年、無視してたの。毎月企画書100通を1年、続けていて。「怖い! 本当にクレイジーな人間か、まともな人間かのどっちかだ」と思って。で、ウエダを「交通費、払うから」って東京に呼んで。まず、俺が会わないで番組のAPが会ったら「佐久間さん、まともなやつでした」っつって。で、そこから番組をやってもらってるっていう本当に鬼みたいなやつなんだけど。そいつだけ、スケジュールが空いてたから手伝ってくれるっていう風になって。で、それからいろんなスタッフに「ボランティアやるんですけど、福島に行ける?」っていう風なLINEを送ったていたの。でも全然、見つからなかったの。捕まらなかったのよ。

で、これもちょっと余談なんだけど。その「ボランティアで行ける? 福島、行ける?」っていうのをLINEで送ってたんだけど。俺、あまりにも焦りすぎてたんだろうね。「福島県、行ける?」っていうLINEが全部、俺が送っていた20通ぐらいのLINEが「福祉マイケル?」ってなっていて。俺は「福島行ける?」って送っていたつもりが「福祉マイケル?」ってLINEを打っちゃっていて。「ドン・マイケル」に言い方で全部、LINEを送っていたから。そりゃ捕まるわけがないんだよ。全部「福祉マイケル?」って送っていて。いろんな人たちから「はあ? えっ? いや、マイケルじゃないです」とか(笑)。でも結局「福祉マイケル?」を「福島行ける?」って送りなおしても、誰にも予定が合わなくて。で、結局だからそのウエダっていう作家と俺だけで本当にラジオをやるってことになって。

でもさ、音効さんが必要じゃん? それも見つからないから、結局『ゴッドタン』のスタッフからサンプラーっていうのを借りて。それは、音を入れ込んでいって、ボタンを押せばその音が出るっていう状態にしたものなのね。で、それを持っていくんだけども、音効をやる人はいないから。そのふたば未来学園に連絡して。で、中学校の担当の先生って、それぞれが立会いで立つんだけど。「僕の回だけ、立ち合いじゃなくて音効とスライドを全部叩くディレクターをやってほしいんですけど」っつって。で、「一番できそうな先生にしてください」って言って。「わかりました」ってなって。その学校の先生を押さえて。それで100人規模のイベントやることになったの。

で、そこから10日しかないの。まず、企画書を作ってオールナイトニッポンに許可を取る。冨山さんに送る。それと、まずこれも勝手に企画を決めたから。日向坂に企画書を送るっていうのもやるの。これ、構成表を自分で作って送って。それと同時に、3時間の台本を作らなきゃいけないから。で、生徒が夏休みに入る前に、そのメール用のアンケートの草稿だけ作って、学校に送って。「考えられる生徒には、考えてきてほしい。当日、書くっていうのでいいから……」っていうのを送らなきゃいけないから。それは夏休みまでに送らなきゃいけないの。

で、だからアンケートの文面を決めるのと、あと台本を作らなきゃいけないなって。もう1週間を切ってるって状態で、まずその作家のウエダと会議をやって、アンケートを作る。で、ラジオネームを自分でつけてもらおうと思って。「ラジオネーム、人生最大の悲劇、かっこつけちゃった痛いセリフ、人に言われてダメージを受けたセリフ、齊藤京子をさらに人気者にする企画、悩み相談」っていうちょっと多めだけど6つ、アンケートを出す。それを当日書いてくださいっていう。

で、それと同時に、台本を作って、必要な音源を書き出す。だからコーナータイトルがあったらアタックとか。それを全部曲を……だからニッポン放送のものはニッポン放送から貸していただく。そうじゃない曲は、俺がリストアップして。「日向坂のこの曲をアレンジしてほしい」っていうのは『ゴッドタン』の音効にちょっとだけアレンジしてもらって、アタックにしてもらって。その音源を全部もらってサンプラーに入れていくっていう作業を俺がやったんだけど(笑)。

で、何となくラジオの構成ができたけど、今度は齊藤京子さんと60分のトークショーを最初にやらなきゃいけないんだけども。芸人じゃないから、いきなりトークショーをやるってなっても、あっちも困るから。っていうか、俺はまず、初対面だから。だからまず、構成をもうちょっと決めた方がいいなと思って、齊藤京子さんのことを調べて。最初に、俺がYouTubeとかでやってるようにまず質問を10個か15個、考えて。それを送って、それについて考えてきてもらう。「齊藤京子に対する10の質問」みたいな。

で、それだけだと30分しかもたないから、後半は過去の……『あちこちオードリー』で昔やったコーナーなんだけども。「昔、あなたこれ言ってましたよね」みたいなことを調べてきて、それを聞くっていうコーナー。それだと保険が効いてるなと。で、最後に齊藤さんが芸能界で出会ったすごいと思う人ベスト5みたいなのを組み立てたら、だいたい体感で60分のイベントは成立するなと思ったの。で、それを組み立てて台本にした。「やっとこれで形が見えてきたかな? いや、待てよ。そうすると、午後からやる生徒とのラジオのエピソードトークには繋がらないから、ちょっとだけ削って、俺からエピソードトークの作り方というか、思い出し方とか。俺なりに思うメールの書き方みたいなのを言った方がいいな」と思って。

「笑いの効能と、あとエピソードトークはこういう自分の恥ずかしいと思ったことを書けばいいんですよ、とかっていうのを説明するのがいる。ということは、やっぱりそれにはスライドがいるな。スライド、誰が作るんだ? 俺しかいねえな……」と思って。俺、スライド、パワポを自分で作って。そのパワポを自分で作った時に、これね、先週とか先々週のオールナイトニッポンを聞いてくれた人はわかると思うんだけど。この3週間で、それやってたんだけど。『ポップハライチ』も福田とそのぐらいのスケジュールを作っているのよ。4週前にやることが決まって。で、それもギリギリで何も決まらない状態で進んでいて。あと先週のフリートークを聞いた人はわかると思うんだけど。隅田川花火大会がノープランで始まるっていう(笑)。先週ね。で、それもあったのよ。

で、かつ先週の金曜日にTIFがあって、ラフ×ラフが出るということでセットリストを作るっていう作業が同時にあって。それで今日発表された『LIGHTHOUSE』とか、その先にある『トークサバイバー!2』とかを作ってたの。俺、この1月、やっと言えるんだけど……全部綱渡りで仕事やっていたのよ(笑)。そこで、先週話した車問題が発生したの。ラジオ明けで行くからっていうので。「そもそもオールナイト明けじゃん」ってのが勃発して。で、テンパってたのは当日、スライドとサンプラーの最終調整をしないといけなくて。それをやってるともう電車に間に合わないっていうのもあって。で、その準備をしてたの。

綱渡りで仕事をこなしながら準備

(佐久間宣行)そしたら、ありがたいことにそれを見て見かねたというか。オールナイトニッポンの冨山さんはジングルを全部、貸していただけたし。あとはゴッドタンの音効が「アタックぐらいだったらこっちで作りますよ」っつって。日向坂のやつを。「佐久間さん、ProToolsで作ろうとするの、やめてください」って言ってアタックを作ってくれて。で、その間に『ポップハライチ』で齊藤京子にドッキリをかけて。ドッキリのネタばらしで初めて会って。「来週、ボランティアよろしく。台本、明後日送ります」って。「はあ? はあ?」って言われながら。それがあって当日。

で、ラジオ前にスライドの原稿と台本を修正して、学校の先生。急に現場スタッフをやることになった学校の先生に送る。で、その時にもう1回、不安が出てきたんだよ。「中学生がゲストのラジオって、成立するのかな?」と思ったんだけど、もうでもそんなことを考えている暇がないから。ラジオが終わって一瞬、家に帰ってシャワーを浴びて、サンプラーを整理して、ロケ技術さんが出してくれた車両に6時に乗り込んで。サンプラーとか全部、機材を1人で持って。そうなんだよ(笑)。サンプラーとか機材とかアンケートとか、全部1人で持っているんだよ。俺、宅録のアーティストが全国ツアーに行くみたいな(笑)。

それで乗り込んで。「佐久間さん、寝ててくださいよ。福島まで3時間半ぐらいかかると思うんで」って言われて。それで6時から車で行ったら、ちょっと空いていてたのか、9時ぐらいに近辺に着いたらしくって。運転手さんも見るに見かねて「佐久間さん、この辺に停めておきますんで。学校に入っちゃうと寝れないだろうから、1時間ぐらい寝ていていいですよ。10時入りでいいんすよね?」「わかりました」っつって。で、そこからさらに1時間、寝かせてもらって。で、寝ていたら急に起こされて。「佐久間さん、佐久間さん、あの車ですか? あのバスですかね? 後ろにたぶん芸能人とか、小薮さんとか、乗ってたっぽいんで。あの車が入ってくるっていうことは、そろそろ時間じゃないですか?」「じゃあ、あの車をつけてください」っつって。張り込みみたいにして。探偵のやり方でたどり着いて。それで10時。ふたば未来学園に入りました。

ふたば未来学園。外に出たらしっかり暑くて。先生にご挨拶して。で、「控え室、こちらです」ってなって。前回は学校の教室だったんだけど、今回はミーティングルームみたいなところに机を並べて。先生方の会議するみたいな感じになっていて。そこにそれぞれの机があって。「ご自由なところに荷物、置いてください」って言われて。「どこに座ろうかな?」と思ったけど、やっぱり俺、小薮さん隣になるよね(笑)。その、小室さんの隣とか、なんか緊張して座れないから。で、小薮さん、パテシエのトシ・ヨロイヅカさん、小室哲哉さん。あと去年、ベストセラーを連発してる『80歳の壁』とかを書かれている和田秀樹さんとか。あと社会学者の古市さん。やっぱりみんな、ちょっとずつ緊張してる。それで、みんなで談してるんだけど。俺だけ、そんな暇ないから。

まず、何をやらなきゃいけないかっていうと、当日スタッフの先生とリハをやらなきゃいけないんだよ。だからサンプラーを持って、パソコンを持ってすぐにホールに行って。それで先生にサンプラーを渡して。「俺と目が合ってタイトルコール、キューで『ビタースイートサンバ』、かけてください。俺がこのタイトルコールを言ったら『A』っていうところを叩いて、アタックを出してください」って。それで、きっかけが20個あるのよ(笑)。で、先生が「えっ、こんなにですか?」って。「あと、スライドもあります」って(笑)。「スライドもここで叩いてください」っつって。全部合わせると40個ぐらいのきっかけがあるんだぜ?(笑)。「別日でリハ、くださいよ!」って(笑)。担当の先生が言っていて。

で、それを渡して、機材をつないで。それでミーティングルームに戻ったらメイクを終えて日向坂の衣装に着替えた齊藤京子さんにご挨拶して。で、齊藤さんが「佐久間さん、あの台本にあった芸能界で出会ったすごいと思う人、考えてきました」って渡されて。で、それを渡された時に思ったの。「これ、絶対スライドで1枚ずつ、出した方がいいよな。齊藤京子さんが声で『◯◯さん』とかって言うよりは、1枚ずつ出て『おおーっ!』ってなった方が絶対いいに決まってる。いいに決まってるけど、そんな時間はない」っつって。

それでさっき、40個のきっかけを渡された先生のところまで走って行って。「申し訳ないんですけど、このスライドにこの文字をひとつずつ入れていってください。で、『齊藤京子の出会ったすごかった人ベスト5』っていうタイトルも入れてください。ロゴは全然、その前のフォントを生かしてで構わないです」っていう。本当、最悪の先輩みたいなお願いを学校の先生にして。俺より10歳ぐらい若い学校の先生にお願いして(笑)。

それで、戻ってきたと思ったら、みんなぞろぞろ動き出して。「開幕セレモニーです」って言われたの。「開幕セレモニーは体育館でやります。全校生徒、中高の生徒。今回、参加する生徒がみんないます」って。で、いろんな地域のね、中学校の生徒なんだけど。で、体育館がめちゃくちゃ蒸し暑かったのよ。学校の体育館って冷房に限界があるじゃない? だから暑いわけ。

で、段取りとしては講師を1人ずつ紹介してくの。で、秋元康さんがプロデューサーで、秋元さんが紹介するんだけど、秋元さんはその日、ちょっと体調を崩されていて。風邪とかじゃなくて、なんか足首とか、そんなのが悪いらしくて。遠出ができないので、来れなかったの。で、それを秋元さんは悪いと思ったんだろうね。で、Zoomで生徒に講師を説明するってなって。それで、「悪い」と思った時は人って熱、入れちゃうじゃん? 過去最長ぐらいに「小薮くんっていうのはね、皆さん。この人はすごくて……」ってZoomで説明するんだよ。

でも秋元さん、Zoomだから。こっちの暑さをわかってないから(笑)。熱をどんどん高めて、最後の齊藤京子さんとか俺とかの説明は「でもね、齊藤京子っていうのは……」って。すごいめちゃくちゃいいことを言ってくれてるんだけど……こっちはもう、汗だくなんだよ(笑)。それがあって。まあ、ありがたい話ですけど……って思って。その後、「すぐに本番です」ってなって。もうギリギリになっちゃったら、すぐ本番だってなって、ホールに向かったの。

で、そのホールには90数人の生徒。女子が6割、男子が4割で、ほぼ中学生ですって言われて。まず、俺が出て軽くプロフィールを話して。それで齊藤京子さんを呼び込んだのね。齊藤京子さんを呼び込んだんだけど……その時に、歓声がわくかと思ったら、静かだったのよ。でも、そんなわけないのよ。だって「人気で抽選になった」っていうから。みんな、齊藤京子さんに会いたいはず。そう思ってぱっと見たら、固まってんのよ。中学校の生徒たちが。嬉しいんだけど……わかる? 本当の憧れの人に会っちゃった時の、一番出るパターンのその完全に硬直しちゃうやつ。「はっ!」ってやつ。

「ふ、ふ、ふ……福島に、齊藤……ひ、日向坂が……!」っていう。東北の中学生のシャイさが前面に出た状態になったの。「まずい!」って思ったんだよ(笑)。これは。で、そこから、ひとつひとつ話して。結構齊藤さんの思い出とか、いろいろと話したけど。会場の空気はいいんだけど、全然受けないんですよ。笑い声が聞こえない。で、齊藤さんが夢叶えるまでとか、自分のキャラクターを見つけるまでとか、始まるじゃん? その時も、クスクス笑いは出るけど、そんなには。それで、俺が鉄板だと思ってた「齊藤京子、なんでこんなことを話したんだ?」ってやつも、クスクス笑い。

「ちょっと重いぞ。これは重いぞ?」と思ったまま、その午前中が終わって。最後のギリでアンケートの話をして。「ここでアンケートを書いてください。その後、面白かったら壇上に上がってもらって僕らと一緒にラジオをやりましょう。昼休憩60分のうちに30分、アンケートを書いていただいて。ご飯食べる前に、先にアンケートを書いてください。僕ら、待ってます」って言って締めたの。

ちょっと重い会場の雰囲気

(佐久間宣行)そしたら、作家のウエダが駆け寄ってきて。「ちょっと重いですね。大丈夫ですかね?」って。で、ウエダが心配してたのは、「壇上に上がりたい中学生、いますかね? この空気で」って。で、俺は「大丈夫、大丈夫。東北の中学生って、こんな感じだから」っていうぐらいで前半が終わって。で、そんなことをウエダに言いながら一番不安なのは、俺だから。飯が全然喉を通らなくて。「ちょっと構内、フラッとしてくるわ」っつって。そしたら、カフェがあったから。「アイスコーヒーでも頼もうかな」と思ったら、今時の中高一貫校ってすごいね。そこ、カフェ部が運営してるんだって。「カフェ部が作っているアイスコーヒーとスイーツです」って言われて。カフェ部が作ったアイスコーヒーを飲みながら、アンケートを待ってたんですよ。

で、アンケートなんだけど、最初来たアンケート、ドサッと渡されて。ウエダと「半分ずつチェックしよう」っつってチェックし始めたら……まあ壇上に上げたいのは「◎」。読んでもいいかなっていうのは「◯」。引っかかったのは「△」。それ意外は無印にしようっていうことで、それをつけながらバッと来たやつを2つに分けて読んでいったんだけども。まあ、失礼だけど。上から目線になるけど。中学生だしね。まあまあで。「◯」がたまにあるぐらい。結構、書いてないところもすげえある。「そうか……」って思って。

でも、俺も「ギリギリ成立するは成立するかな?」って思って。パッとウエダの目を見たらウエダも「まあまあ、佐久間さん」っていう。わかる? ダメな時に明るくする感じ(笑)。「まあまあ、佐久間さん。成立しますね。成立はします」「ああ、そうだよな。順番、入れ替えながらやれるかな?」って思って。で、「◯」だけつけて、なんとか構成したぐらいでまあ、やれるかなと思ってたら、先生が「すいません! 残りのアンケートです!」っつってドサッと持ってきたの。今度は3、40部ぐらいあったのかな?

さっきのが50部ぐらいあったんだよ。それでその30部ぐらいを見たら、今度はぎっしり書いてあるの。で、それを読んでみたら、「悲劇」。中1の女の子。「先日、自分の吐いたゲロで廊下を汚してしまい、友達たちが次々と転んでいきました」。中2の男子。「中1の弟に担任が『あんなお兄ちゃんになりたくないでしょう?』って言ってたのを聞いてしまいました」とか。あとは中1の女子。「この中学校に受かった時、嬉しくて飛び跳ねて3回目で転んで骨折して春休みを棒に振りました」とか。「あれ? ちょっと使えるアンケートだな? ちょっと待ってくれ……」ってなって。ウエダと「あれ? ちょっと面白くない? 『◎』が増えてきたな?」と思っていたら、先生がまた「すいません! これでラストなんですけど!」っつって。10分後ぐらいに残りの20部ぐらいを持ってきたのよ。

そしたら、書いては消した跡がある、全部埋まってるアンケートが来たの。それで読んでみたら「昔言った痛いセリフ」っていうので中1の子。「2歳から3歳ぐらいの時、常に私は木の棒を口にくわえていて、何かあると友達とか親に『あっ、私、タバコ吸ってから行くわ』って言ってました」とかさ(笑)。「あれ? 『◎』じゃね?」とか。中2の女子。「この間、告白された時、あまりに緊張しすぎて『私、ポケモンのポッチャマより好きな人じゃないと付き合えない』って言ったこと、今でも後悔してます」とか(笑)。「あれあれ? あれあれ? ウエダ、行けるぞ! これ、行けるぞ!」ってなって(笑)。そうなんだよ。これ、時間かけてアンケートを書いてるんだよ。その後ですよ。これが……ちょっとCM明け、少しだけ本番を話させてください(笑)。

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