(CM明け)
(佐久間宣行)それで、だからアンケートが届いて。「ダメかもしれない。これ、成立しないかもしれない」って思っていたところに、駆け込みで来たアンケートが書いては消してを繰り返したようなやつで。それで「小さい頃、常に木の棒を加えていて。『タバコ、吸ってから行くわ』って言っていた」とか、「告白されたのに『ポッチャマより好きな人じゃないと付き合えない』って言ってしまった」とか。あと、面白かったのは「他人に言われてダメージを受けたセリフ」っていうので、中1女子が「先週ですが親に『お前は悪い男に騙されて死ぬ』って言われました」っていう(笑)。「これ、エピソード聞きたい! 強いな!」って思って。
で、つけてもらったラジオネームも「オイルがぶ飲みマン」とか「腹がずっと鳴り続けるミリコ」とか。「最近の話についていけない13歳」とか。あと「ジェントルタケダ」ってやつがいるんだけど、本名を見たらタケダじゃないんだよ(笑)。「あれ? センスあんな!」みたいな(笑)。あと、ちょっと1人、痛いラジオネームがいて。「変革者フューチャーマン」っていうやつがいて(笑)。
(スタッフ)いい!(笑)。
(佐久間宣行)「いいじゃん! なんだよ、変革者って? こいつ、ラジオネームだけ、絶対にいじろう!」って思って。で、めちゃくちゃ面白いじゃん!って思って。よく考えたら、真剣に書く人ほど遅くなるじゃん? で、マジ30分から40分でここまでぎっしり書いては消してを繰り返しているの、すごいなと思って。そしたらウエダが「ちょっとグッと来ますね」みたいな(笑)。で、俺も「グッと来るよね?」って。で、ウエダが「◎」をバーッとつけたから。「佐久間さん、頭のコーナーだけは揃ってるんで。あとは俺、やっておきますから。本番、行きましょう!」っつって。で、本番が始まりました。生徒たちがいます。そこに俺と齊藤京子さんがテーブルをそれぞれに置いて。自分たちの方にラジオブースっぽく作って。
それで「齊藤京子と佐久間宣行の出張オールナイトニッポン in ふたば未来学園!」って言った瞬間、その先生がサンプラーをパコーン!って叩いて。『ビタースイートサンバ』がかかって。ちょっとかかったら……俺、『ビタースイートサンバ』でオープニングを始めるの、はじめてだから。で、始まって齊藤京子さんと2人で「さあ、始まりました。ふたば未来学園……」ってしゃべり始めた瞬間だよ? 俺、先生が目の前にいたからわかるんだよ。ちゃんとボリューム、少し下げてくれたの(笑)。トークにかかるところでキュッて下げてくれて。音楽を下げてくれてしゃべりやすく、聞こやすいようになって。「教えてないのに!」って思って(笑)。
で、齊藤京子さんと、まず「ちょっと暑いですね」ぐらいのトークして。本当はいろんなニュースが立て込んでたんだけど、メールが面白いからもうすぐにトークに行きたいってなって。「齊藤さん。ちょっと生徒の皆さんからメールいただいてるんでね。まず、最初のタイトルはこちら! 『私に起きた史上最大の悲劇』!」って言ったら、バンッ!ってその、日向坂の曲からのアタックが短くかかって。そしたら先生がまたキュッと決めて。「タイミングもばっちりじゃねえか」と思いながら、そのアタックが終わって、メールを読んだの。
で、メールを読んだら、そのメールは面白かったから、受けたんだよ。その時に、ちょっと怖かったのが「この子、NGって書いてないけど、壇上に呼んで大丈夫かな? もういいや! 呼ぼう!」って思って。で、そのゲロで滑った子を「じゃあ、ラジオネーム◯◯さん、来てください!」って言って座ったんだけど。その時に、その生徒さん、齊藤京子さんを初めて見た時の表情とはもう全然違ってて。しゃべりを聞いても、しゃべれるんだよ。要は、たまたま偶然ね、俺の立てた構成がめちゃくちゃ……これは狙いでよかったわけじゃなくて。偶然よくて。先にメール読むから、受けてるじゃん? 受けてるから、受けて高揚した段階でステージに来るから、ホカホカなのよ。
ホカホカな状態の生徒が壇上に上がる
(佐久間宣行)あと、なんかない? 友達が受けたら、みんな喜んじゃうみたいな。だから、さっきと違う笑い声がボンボン起きるのよ。「うわっ、これいい空気じゃん!」と思ったら、生徒が友達が笑ってくれるからどんどん高揚していって、余計なことまで、いろんなことまでしゃべってくれる。で、ウエダが俺の後ろの方にいて、メールを選別してくれていて。そっちをバッと見たら、ウエダがメールを抱えながら、ガッツポーズをしながら「このラジオ、行けますよ!」みたいな顔をして(笑)。で、そこから次の生徒が来ても、トークをしたらもう全然いろんな話をしてくれて。さっき話した木の棒をくわえてタバコを吸ってるみたいにしていた子も面白かったし。あと、ポッチャマの子も面白かったし。
で、その時に思ったんだよね。結局、東北の生徒って集団だとシャイだし、歓声は薄いけれども。でも、それを出すか出さないかだけで、だいたいどこの中学生だって高校生だって、中身は一緒じゃん? それが、たまたま出す文化か、そうじゃないかっていうだけで。だからみんな、燃えたぎるものは一緒だから、一旦火がつくとこうなるんだよなって思って。で、結構なゾーンの空気でコーナーが進んで。その中でやっぱり嬉しかったのは、ちょっと出てくるだけで「いじられキャラですよ」みたいな子とかが、いるわけよ。まあ、身長とかもひっくるめてね。で、その自分のエピソードもそういう子だったから、そうなんだけど。でも、その子がしゃべりがセンスがあるから、ガンガン笑いを取るのよ。
で、その子が……「僕、たぶんいじられキャラなんです」とかって言ってる子が、センスで笑い取ってるのを見ると、「これ、たぶんもしかすると明日から、人生が変わるかもよ?」って。この瞬間に、齊藤京子を腹を抱えて笑わせられてる中学生なんか、いないじゃん? だから、そこで人生が変わるかもっていうのを見ていて。「お前、それ一生、覚えていろよ?」っていう風に思っていたの。
そしたら、その後にそういう生徒の中の1人が「人生でダメージを受けた言葉」っていうので。これ、女の子なんだけど。「同じ学年の痩せてる子にデブって言われた」みたいな話をしてて。で、「そう言われて傷ついた」みたいなことを言ってる時に瞬間、さっきまで笑い転げていた齊藤京子さんが、「あの、ちょっと待って。まず、そんなことないし。それを気にする必要はないです。私も中学の頃、オーディションにたくさん落ちて、ちょっと気にしすぎて、過度なダイエットをして体調を崩したりしたから。今、あなたはそれを気にしてダイエットをしようとしたけど、絶対にしないでください。中学時代は無理な体型管理はしない方がいいです。大人になってから、体が出来上がってからそういうことを考えて。今は自分の良さを伸ばすことを考えてください」っつって。それで俺、思わず「めちゃくちゃいいこと言うじゃん!」っつって(笑)。
で、その後、もう1人の別の子が「役者になりたい。役者になりたいけど、世の中にすごい人がたくさんいすぎて、知れば知るほど自分に自信がなくなって、夢を目指す勇気がない」って言っの。で、それも俺が話そうかなと思った瞬間に、齊藤さんが「私より歌がうまいアイドルも、かわいいアイドルも、たくさんいます。でも、私はやりたいからやっているんです。だから夢はそんな風に誰かと比べることじゃなくて、『やりたい』っていう気持ちの方が大事だと思います」って言った瞬間に、まず俺が泣きそうになって。で、それを受けて、俺も全く同じことを言ったんだよ(笑)。
「俺もテレビディレクターとしては、天才じゃないかもしれない」って言って。途中から気づいたの。「俺、齊藤京子さんと全く同じことをパクッて言ってるな」っていう(笑)。でも結果、いい話になって。で、それが全部終わったの。終わって、バッて見たら生徒も高揚しているんだけど、学校の先生がとにかく喜んでいて。で、終わって直後に目を合わせて。齊藤さんと「面白かったね」「面白かったですね」なんつって。高揚して終わって。
で、そうだ。そのラジオネーム「変革者フューチャーマン」も壇上に上がってきたら、やっぱりそいつ、センスがあったんだよ。「お前、変革者とか言ってんじゃねえぞ?」っていう(笑)。「変革者フューチャーマン」と「人間失格」、両方とも来たんだけど(笑)。「おい! 変革者と人間失格じゃねえよ!」みたいな感じでめちゃくちゃいじって。それも盛り上がって。「いやー、すげえいいラジオ、やったな!」と思って俺、廊下を歩いてたら、学校のポスターがあるじゃん? 学校のポスターを俺、2度見しちゃったんだけども。ふたば未来学園の学校のテーマが「変革者たれ」なんだよね(笑)。
ふたば未来学園のテーマが「変革者たれ」
変革者たれ! ふたば未来学園高校 https://t.co/mFeeOGX0V6 pic.twitter.com/dH29uY25Zz
— 自治体 YouTube 動画一覧 (@jichitubecom) March 31, 2016
(佐久間宣行)だから……「クソダセえな、変革者! なんなんだよ、お前! 変革者とか、言ってんじゃねえよ! ダサいっすよね?」とかって言って、みんな「ゲラゲラゲラッ!」って笑っていたんだけど……俺、めちゃくちゃ先生の前で学校のテーマをバカにしていて。俺、そのまま戻って校長先生たちにちゃんと謝罪して終わるっていう(笑)。だから隅田川花火大会と同じで、2回連続で偉い人に謝罪エンドっていう(笑)。「あんなにいい会だったのに……」っていう(笑)。学校のテーマだったっていう(笑)。言っておいてほしいんだよな……っていうことがあったっていうことなんですけどね(笑)。
<書き起こしおわり>