トミヤマユキコ 安野モヨコ『後ハッピーマニア』を語る

トミヤマユキコ 安野モヨコ『後ハッピーマニア』を語る アフター6ジャンクション

トミヤマユキコさんが2023年7月18日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で自身が選ぶ2023年上半期のおすすめ漫画作品を3作品、チョイス。安野モヨコさんの『後ハッピーマニア』を紹介していました。

(宇垣美里)ということで、トミヤマユキコさん。2023年上半期、このマンガがすごい面白い! 続いての作品の発表をお願いしたいと思います。

(トミヤマユキコ)了解です。おまかせください。安野モヨコ『後ハッピーマニア』。はるな檸檬『ファッション!!』。田沼朝『いやはや熱海くん』。以上の3冊です。

(宇垣美里)出た! 最高の3冊ですよ、またこれ。

『ハッピー・マニア』の続編

(トミヤマユキコ)ありがとうございます。早速、行きますが。まあ『後ハッピーマニア』はね、元々『ハッピー・マニア』という作品がございまして。皆さん、ご存知でしょうか? 安野モヨコ先生を代表する作品のひとつと言ってもいいと思うんですけど。それの後日譚というか、後編というか。『ハッピー・マニア』の登場人物たちがアラフィフになって、人生どうなってますか? というようなことを描いた話なんですね。

だから元々の『ハッピー・マニア』が好きな人だともちろん楽しめるんだけど、でもやっぱりなんか女子マンガの主人公の年齢、ヒロイン年齢上がってる問題みたいなのがあって。やっぱりその、やや年を重ねた女性の人生のリアルみたいなものも読めるので。『ハッピー・マニア』読んでないから読んじゃダメかっていうと全然、全然そんなことはないのでぜひお読みいただきたいと思います。

で、シゲタカヨコ、通称「シゲカヨ」と呼ばれていた人が結婚して、シゲタじゃなくなったんで。『後ハッピーマニア』の中では「カヨコ」とだけ呼ばれてるんですけど。ついついシゲカヨって言いたくなっちゃうんですけど。元々のやつが大好きだと。それでまあ、タカハシという男性と一応結婚したんだが……。

(宇垣美里)タカハシさー! ちょっと許せてない……(笑)。

(トミヤマユキコ)そう。タカハシがね、カヨコ以外の女性をちょっと好きになっちゃったりとかして……。

(つづ井)許せない……。

(吉川きっちょむ)許せない(笑)。

(宇垣美里)よくないよ。あいつ、本当に!

(トミヤマユキコ)そう。『ハッピー・マニア』時代はね、もう何をされてもカヨコのことが好きだっていうことで、タカハシは結構頑張っていて。

(宇垣美里)そこがいいところだったじゃん! なんなら、そこだけじゃん! あ、私ちょっと厳しいかもしれないけど。タカハシに対して(笑)。

(トミヤマユキコ)でもわかる。一途だったタカハシだって、15年ぐらい経つとまあ気持ちにね、変化が起こると。

(宇垣美里)結婚ってさ……。

「結婚ってさ……」話

(トミヤマユキコ)そうですよ。「結婚ってさ……」話ですよ。「結婚したから幸せになれるのか? 結婚したから安定するのか? そんなことないだろう? アラフィフの女の人生、まだまだ山あり谷ありでございます」みたいな感じで、まあいろいろなことが起こると。で、『ハッピー・マニア』の中で親友だったフクちゃんという女性がいるんですけれども。彼女も一応、結婚をして、子供をもうけて、なんか幸せかと思いきや……みたいな。表向きはすごい成功している実業家の女性っていう感じですけれども。まあ、なんていうんですか? 成功したとか、お金持ちとか言われる人にも、人には人の地獄があると。

(宇垣美里)ねえ。

(トミヤマユキコ)そういう話になっていて。そういう、なんていうんでしょうかね? フィクションなんですけど、人生のすごくシビアでリアルな部分をでも、エンタメとして読ませてくれる話になっていて。あとおもしろ成分としては『後ハッピーマニア』の中ではカヨコはなぜか探偵をやっているっていうね(笑)。『ハッピー・マニア』の中ではフリーターをやっていて、いろんな職を転々としてたカヨコ。「落ち着けよ」みたいな人生を送っていたんですけど、なぜか探偵という天職を見つけていまして。

(吉川きっちょむ)すごい向いてるんですね(笑)。

探偵となったカヨコ

(トミヤマユキコ)めっちゃ向いているの。で、まあ自分の人生もちょっと立て直しが必要なんだけど、探偵の仕事を通して人様の家のいろいろなトラブルであったりとか、問題であったりとかも今、覗き見ている最中という感じでございますね。

(宇垣美里)本当にカヨコはずっとバタバタしてるなと思いながら、でもなんか……一緒に育ってきたわけではないのだけれども、なんかもう人生をずっと見てきた感じがするので。『後』も相変わらず読ませてくるな!っていう感じがしますね。

(トミヤマユキコ)はい。やっぱ安野モヨコ先生の、まあ毎回言いますけど。この漫画がうまい方が描く漫画っていうのはヒロインが年を取ろうが、探偵になろうが、ハチャメチャだろうが、「なんだこりゃ?」ってことが起こっても、やっぱり面白いっていうところがあって。安野先生の底力も存分に体感できると思います。あ、若い世代の皆さんはもしかしたら『シュガシュガルーン』世代の人とか、多いと思うんですね。魔法少女物。

(宇垣美里)懐かしい!

(トミヤマユキコ)だから私の授業で教えてる学生とかはそうなんですけど。いや、シュガルンももちろんいい。もちろんいいけど……この『ハッピー・マニア』『ハッピー・マニア』をぜひ読んで女の生き様を体感してくれということを言いたい! 1冊目はこれでございます。

(宇垣美里)はい。『後ハッピーマニア』。

(トミヤマユキコ)じゃあ、次に行きますね。はるな檸檬先生の『ファッション!!』でございますね。

(宇垣美里)これも、ホラー! 怖いの!

(トミヤマユキコ)そう。タイトルは『ファッション!!』なんだけども、これは怖い話だと思ってください。

<書き起こしおわり>

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