トミヤマユキコ さくらももこ おすすめ作品を語る

トミヤマユキコ さくらももこ おすすめ作品を語る アフター6ジャンクション

トミヤマユキコさんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でさくらももこさんを追悼。おすすめのさくらももこ作品を宇多丸さん、宇垣美里さんに紹介していました。

(宇多丸)さあ、ということで本日はトミヤマ先生、さくらももこさんのお話をしていただけるということで。

(トミヤマユキコ)せっかくですので、いつもだと最新のおすすめ漫画ということで呼んでいただいているんですけども。このタイミングでアトロクでこれをやらないのはちょっとおかしいだろうということで。みなさんでさくらももこ先生を偲びつつ、面白い話もしたいと思います。

(宇多丸)8月15日に亡くなられましたね。ということで、アニメも『ちびまる子ちゃん』の原作25周年記念で放送された第一回目のリメイクが先日放送されたということで。

(宇垣美里)アニメ第一話のものをリメイクしてお送りしたということなんですね。

(宇多丸)まあ世の中的にはそんな感じで、これからもたぶんさくらももこ先生の追悼番組があるかもしれませんけども。

(トミヤマユキコ)アニメは一応続けるということで、公式には話が出ているので。まだ私たちはアニメではまるちゃんには会えるということですよね。で、お二人はちなみにですが、見ていました? 見てますよね?

(宇多丸)うん。やっていれば見ている。日曜の夜、その時間に家にいれば『ちびまる子ちゃん』、当然見るし。

(宇垣美里)ゴールデンな……『ちびまる子ちゃん』からの『サザエさん』っていうお決まりのライン。

(宇多丸)ただ、そこまで正直、さくらももこ先生の漫画家としての本領みたいなところがわかっている自信はない。

(トミヤマユキコ)フフフ(笑)。

(宇垣美里)なんかもう当たり前のようにありすぎて、ちゃんと読んだのか?って言われると、病院とか接骨院とかに置いてあって、そこで読むみたいなイメージが。

(トミヤマユキコ)接骨院(笑)。はい、わかります。

(宇多丸)結構このタイミングでコメントを求められることがあるんだけど、すごく薄ぼんやりとしたことばかりで。僕的には、個人的にはモーニング娘。の『ハコイリ娘。』っていう、当時『LOVEマシーン』の大ヒット中かな? その頃に出された本があって。さくらももこさんがメンバーのいままでやりたかったのにやれなかったことを一緒にやるっていう、すごい他のモーニング娘。本とは全く違った、メンバー個人の本当に気持ちに寄り添った、本当にファンから見ても涙が出るようないい本で。いまでも大事に取ってありますけども。俺、モーオタとしてはそういう視点がありますよっていうくらいのことしか言えなくて。

(トミヤマユキコ)なるほど。

(宇垣美里)私もどっちかというとエッセイのイメージが結構強くて。

(トミヤマユキコ)そうですよね。漫画家でデビューしているんですけどエッセイ。『もものかんづめ』『さるのこしかけ』『たいのおかしら』と出しておりまして。全てミリオンセラーを達成しているということで。

(宇多丸)うんうん。

(トミヤマユキコ)で、漫画も当然すごくて、1986年に『ちびまる子ちゃん』を連載開始して、89年にはもう講談社の漫画賞を少女漫画部門で取っている。で、90年代には『ちびまる子ちゃん』がテレビになって、人気爆発ということで。もうすごいんですよ。

(宇垣美里)『コジコジ』もすごい好きでした。

(トミヤマユキコ)ああ、世代的には宇垣先生は『コジコジ』じゃないですか?

(宇垣美里)フフフ、すごいかわいくて、ほんわりして。「コジコジはコジコジだよ」っていうのがすごい好きでしたね。

(トミヤマユキコ)フフフ、「美里は美里だよ」っていう(笑)。

(宇垣美里)「私は私」っていう(笑)。そのメンタルはそこから来ているのかしら?(笑)。

(宇多丸)アハハハハッ! わかんないですよ。そうかもしれない。叩き込まれている可能性、ありますからね。

(トミヤマユキコ)で、こういう話をすると、やっぱりみんなの暮らしの中にいたかわいいコジコジ、かわいいまる子ということになってしまいがちで、それはそれで嘘ではないんですが……やっぱりさっき宇多丸さんが「本領」とおっしゃっていましたが、私が思う本領ということで今日、プレゼンをしに来ているんですけども。

(宇多丸)はい。

(トミヤマユキコ)まあ遺作という風に言ってもいいと思うんですけども。『ちびしかくちゃん』という作品をさくら先生は亡くなる直前までお描きになっていまして。

(宇多丸)はい。

(トミヤマユキコ)これをね、読んでほしいわけですよ。まあ、『ちびまる子ちゃん』を全巻買い直すとかでもいいんですけど、やっぱり晩年の、亡くなる寸前まで不条理でキレキレだったさくらももこ先生を私たちは覚えておこう! マジでヤバいよ!っていうことで『ちびしかくちゃん』を。

『ちびしかくちゃん』

(宇多丸)うんうん。『ちびしかくちゃん』っていうまずタイトルからして、要は『ちびまる子ちゃん』、ご自分の代表作をちょっとセルフパロディーというか、そういうことですよね?

(トミヤマユキコ)そうです。「まる子」は「しか子」で顔が四角くなるんですよ。で、「たまちゃん」は「だまちゃん」っていう名前になっていて、ハチャメチャに正確が悪いんですよ。

(宇垣美里)本当にね、なんて理不尽な世界っていう(笑)。

(トミヤマユキコ)他にも「永沢くん」が「永ざわくん」になったり、卑怯でお馴染みの「藤木くん」が「藤水くん」になったりと、少し名前が変えてあって。だいたいみんな暗いっていう。なかなか厳しいところなんですけど、そこがいいっていうね。で、『ちびしかくちゃん』は単行本になっているんですが、目次のいちばん下のところをぜひ、お読みいただきたいんですが。

(宇垣美里)これですね、しっかりと書いてあるのが……「この作品はフィクションです。作者の全力の創作によるもので、実在の人物、事件、団体などには一切関係がありません。なお、本作品にはブラックユーモアが含まれています」という。

(トミヤマユキコ)わざわざこれを書くっていう。で、『ちびしかくちゃん』の前にですね、『まんが倶楽部』っていう作品も実は単行本で出ていまして。それもね、すごいんですよ。この……これ、『ONE PIECE』のパロディーだと思うんですけど。

(宇垣美里)そんな感じがしますけど……「ウフィ」って(笑)。

(宇多丸)あと、半端じゃなく投げやりな(笑)。

(宇垣美里)ゾロのことなのかな? 「ボロ」って(笑)。

(トミヤマユキコ)「ボロ」とかね、「チョロパー」とかね、「ウフィ」とかね(笑)。まあ、そういう人たちで構成されている『ツーピース』とか。あとは『コジコジ』なんでしょうけど『ゴシゴシ』っていうのがあったりとか。この『まんが倶楽部』っていう作品の中で結構有名な漫画作品をかなりパロディーにして突っ走りまくっているんですよ。

(宇多丸)へー。『根性なしガエル』とか。『本気バカ一代!!』とか。

(トミヤマユキコ)そう。で、これを受ける形で『ちびしかくちゃん』っていうのは誕生していまして。だから『まんが倶楽部』とかをご存知の方はさらに気合いが入ったなっていう感じなんですけども。

(宇垣美里)あの世界観そのままにっていう感じなんですね。

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