宇垣美里さんと宇多丸さんが2022年1月4日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で映画『ドント・ルック・アップ』について話していました。
If this cast looks up, I look up. ?#DontLookUp, the new film from Adam McKay in select theaters December 10 and on @netflix December 24 pic.twitter.com/VL8b7zyecj
— dontlookupfilm (@dontlookupfilm) November 18, 2021
(宇多丸)年末年始、多少はゆっくりされたりしたんですか?
(宇垣美里)ああ、もう。それはもう。
(宇多丸)それはもう……土日の2日だけどね(笑)。
(宇垣美里)なんか引きこもって、いっぱい映画を見て。たまに犬を撫でて、散歩して帰ってきてっていう感じでした。
(宇多丸)穏やかな日々ということで。結構ね、WOWOWでもやるアカデミー賞の授賞式のね、司会というか。やるじゃないですか。
(宇垣美里)そうなんですよ。このへんから準備していかないと。
(宇多丸)そうそう。でも、それがお家で見られるものが結構あるということで。
(宇垣美里)そうなんですよ。宇多丸さんにお勧めしていただいたものもいくつか見まして。
(宇多丸)『ドント・ルック・アップ』だの……。
(宇垣美里)最高! あれ、私は元日に見たんですけどね。
(宇多丸)正月にぴったりのめでたい映画! もう、景気よくね!
お正月にぴったりの景気のいい映画
(宇垣美里)もうぴったり! 「ドッカーン! はい、人類は本当に愚か!」みたいな感じでね。
(宇多丸)「バカは死ななきゃ治らない!」っていう感じでね。
(宇垣美里)しかもこれが全く嘘とも言い切れない感じがよくて。
(宇多丸)やっぱりそうなんだよね。僕も見ましたけど、やっぱり科学というものに対する政治の距離の感じとか。
(宇垣美里)なんか「楽しく伝えるの!」みたいな感じだから。「はい、はい」って思いながら見ていました。
(宇多丸)巨大彗星が地球に迫ってきて。危機が迫って、さあどうする?っていう、本来なら『アルマゲドン』みたいな話なんだけども、実際にはこういうことになってしまうのではないかというダークコメディなんですけどね。あのね、「もうほぼ100パーセント、当たるんで」「えっ? 100パーなの?」「いや、99.7……」「ああ、じゃあ100じゃないんですね。よかった、よかった」って。
(宇垣美里)「じゃあ、70にしましょう」。
(宇多丸)「えっ? 『70』ってどこから出てきた数字なんですか?」「いや、だって100なんて言ったら話を聞いてもらえないですからね」みたいな。これがやっぱり政治と科学の距離というかね。まあ、どっかでも聞いたような話かなという感じがしますしね。
(宇垣美里)で、本当にケラケラ笑いながら、「こりゃ、本当にやったら地球、終わるぞ……」っていう気持ちになりましたね。
(宇多丸)あれ、だからねコロナもそうだし。まあ環境破壊とかね、そういうこと全部に言えることかもしれないけども。
(宇垣美里)だから本当に、たとえばゴジラが来たら『シン・ゴジラ』みたいにはならんのだな、みたいな気持ちにもなりました。
(宇多丸)一致団結してね。
(宇垣美里)どんなに優秀な人がいてもね。
(宇多丸)「知恵をうまく使って……」なんてことを言うけども。
(宇垣美里)そんなことにはならんでよっていう。
(宇多丸)そうなんだよな。残念ながら……という学びを爆笑しながら得る『ドント・ルック・アップ』。爆笑映画ですけどね。本当にね。
(宇垣美里)爆笑ですよ、本当に。もうしょうもない!
(宇多丸)あれ、でも腹立って……怒りと笑いで……みたいなさ。もう「しょうもな!」って笑うしかないみたいな。
(宇垣美里)どうしても、その一番最初に発見した女の子に感情移入しちゃって。
(宇多丸)ジェニファー・ローレンス演じるね。
(宇垣美里)「もう、こいつら!」みたいな。
(宇多丸)ジェニファー・ローレンス、ちょっとパンキッシュな着こなしがかっこよくない?
(宇垣美里)かっこいい! あの髪型、ちょっとやりたくなっちゃった。
(宇多丸)ちょっとパッツンで、赤で……。
(宇垣美里)眉毛より上のところで切って。しかも耳の上ぐらいまで刈り込みして。で、ストンと。
(宇多丸)で、MA-1とか着てさ。すげえかっこいいの。ちょっとパンクな感じ。いいよね。それに対して、どうですか? あのディカプリオのテンパり中年。
(宇垣美里)オロオロ、アワアワ……みたいな。
(宇多丸)ディカプリオと言えばテンパり中年演技がもう今、すごく板についてきて。
(宇垣美里)かわいいんだけども、そこに引っかかって……バカよねえ(笑)。
(宇多丸)そしてケイト・ブランシェット!
(宇垣美里)あの服、なに?(笑)。
(宇多丸)驚きじゃない? あんな役、できるのね? 要するにケイト・ブランシェットといえばさ。
(宇垣美里)『オーシャンズ8』のさ。かっこいい!っていう。
(宇多丸)とにかく高貴みたいな。『オーシャンズ8』的なチンピラ役をやっていてもね。
(宇垣美里)それをしていても、かっこいいじゃないですか。めちゃくちゃ。
(宇多丸)『ブルージャスミン』はちょっとだんだん様子がおかしくなっちゃう人だけど。でも、自分の中での尊厳を保ってるっていうさ。自分の中での高貴があるっていうところがぴったりだったけど。今回はもうゲスの極みじゃない。あんなの、できるんだね。
(宇垣美里)あのチャラつきというか、俗っぽさ。
(宇多丸)最初、わかんなかったでしょう? 「誰? このテラテラしたタイラー・ペリーの横にいる人?」って。タイラー・ペリーもまた、あのおちょぼ口が腹立つ!(笑)。これは完全に言いがかり(笑)。
ゲスの極み、ケイト・ブランシェット
The absolute delight when you learn that Cate Blanchett and Tyler Perry met each other for the first time on the set of @dontlookupfilm and within 5 minutes had ✨this chemistry✨ pic.twitter.com/J74vDAk7l7
— NetflixFilm (@NetflixFilm) December 26, 2021
(宇垣美里)あと、あの息子!
(宇多丸)ああ、ジョナ・ヒルね! メリル・ストリープ演じる大統領の息子役のジョナ・ヒル。ジョナ・ヒルが久々に本当に腹立つ男を……。
(宇垣美里)「なんか全体的にこいつ、ずっとムカつく!」みたいな(笑)。
(宇多丸)でも、オチの部分でね。あんななっちゃって、ねえ(笑)。行くも地獄、引くも地獄よ。
(宇垣美里)「この子もこの子でかわいそうに……」って最後、ちょっと思わせられたりとか。
Jonah Hill is Jason Orlean ? #DontLookUp pic.twitter.com/9WLYjkUSiB
— dontlookupfilm (@dontlookupfilm) December 7, 2021
(宇多丸)そうだよね(笑)。皆さん、ごめんなさい。楽しそうに話をしていて何のことかわからないかも……『ドント・ルック・アップ』っていう今年のいろんな賞レースにも絡んでくると思いますし。Netflixでも見られますからね。
(宇垣美里)なんせ豪華。Netflix映画だけあっての。
(宇多丸)そう。オールスターキャストだから正月にふさわしい豪華な……。
(宇垣美里)みんな出てきたよ!っていう。
(宇多丸)最高級かくし芸大会みたいな(笑)。そのぐらいの豪華さがある。
(宇垣美里)日本の『マスカレード・ホテル』みたいな。みんな、バーン!って(笑)。
(宇多丸)ハリウッドの『マスカレード・ホテル』ですよ。本当にね。
(宇垣美里)シャラメも出てきますし。
(宇多丸)シャラメ、おいしかったね!
(宇垣美里)シャラメと、チューしたーい(笑)。みたいな気持ちになっちゃう(笑)。
(宇多丸)アホか!(笑)。こんな……日比さんだってそこまでアホな発言はしてないですよ?(笑)。
(宇垣美里)なんか、そういうやり取りがあるじゃないですか。ちょっと恋仲になったり、ならなかったりみたいな。
(宇多丸)あの出だしのところで「ああ、こんな役なんだ?」って思うじゃない? 最初にね。
(宇垣美里)そう。ちょいかなって思いきや……でも、あそこでちょっとなんだかんだと言っているところで「いや、即決やろ?」みたいな気持ちで見てしまったっていう(笑)。
(宇多丸)アホですよ、あなた(笑)。いやいや、でもね(笑)。
(宇垣美里)っていう風になるぐらい、救いとなるキャラクターだったかなっていう風に思いますね。
#BeforeTheCometStrikes I want his origin story pic.twitter.com/DIFBMZ4c40
— NetflixFilm (@NetflixFilm) December 29, 2021
(宇多丸)最後の食卓はね、ああいう感じでね。
(宇垣美里)ガタガタガタッてなりながらもね。
(宇多丸)ちょっと恐ろしいですけどもね。まあ、ぜひちょっと……(笑)。それ、WOWOWで言ってね? 「シャラメとチューしたーい」って(笑)。いや、でもそういうことよ(笑)。
<書き起こしおわり>