町山智浩さん、赤江珠緒さん、山里亮太さんが2023年3月28日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中で11年間の「アメリカ流れ者」コーナーを振り返っていました。
(町山智浩)ねえ。最終回?
(赤江珠緒)最終回でございますね。町山さん。もう2012年の放送開始当初から、町山さんにはお世話になっておりますから。もう最古参のコーナーでございますけれども。丸11年間。
(町山智浩)すごいね!
(赤江珠緒)すごいですね。
(山里亮太)そうか。町山さんとここで出会わなかったら、この映画は絶対に見てなかったなっていうのが何十本もありますよ。
(赤江珠緒)ねえ。だって町山さんにたくさんの映画や配信番組などをご紹介していただいて。その数がなんと500本以上。
(町山智浩)500本?
(赤江珠緒)すごいですよ。さらにアカデミー賞、ゴールデングローブ賞、スーパーボウルと……。
(町山智浩)俺、暇ですね(笑)。
(山里亮太)いやいや、そういうお仕事だから!(笑)。
(赤江珠緒)グラミー賞などのレポート。さらにアメリカ大統領選挙の様子なんかもね、実際に現地の話が聞けたのは、面白かったね。
(町山智浩)ねえ。トランプを追っかけて、アメリカ中を駆けずり回りましたよ。
(赤江珠緒)変な集会を取材したりとかね(笑)。
(町山智浩)ねえ。もう本当にみんな、僕がトランプ派だと思って、ものすごく温かく迎えてくれるんでね。申し訳なかったですね。本当にね(笑)。
(山里亮太)ねえ。グッズもその時、見せてもらったもんね。
(町山智浩)そう。いっぱい買ってるから。俺、トランプグッズをやたらと。で、いっぱい買ってきて、家に帰ったら娘が「こんな汚らわしいもの、家に入れるんじゃない!」って怒って大変でした(笑)。
(赤江珠緒)そうかー(笑)。本当にいろいろとあるんですけども。町山さんも思い出に残ってらっしゃるのって、ありますか?
(町山智浩)やっぱりすっぽかした件ですね(笑)。
(赤江珠緒)そうね! 寝落ち欠席事件ね(笑)。
(山里亮太)あれは我々も覚えてますよ!
(町山智浩)普通はクビですからね(笑)。
(山里亮太)いやいや、うちらも心配しましたよ。
(赤江珠緒)町山さん、だって現地時間が今、何時なんでしたっけ?
(町山智浩)夜11時ですね。思いっきり寝ちゃいました。
(赤江珠緒)あれは2019年の8月6日のことだったんだけれども。しかも、ご自宅じゃなくて出張中で。ホテルで出演をずっと待機して、待ってらっしゃった時に、椅子に座ったまま寝落ちしてしまって。うちのスタッフ、ディレクターが「連絡が取れない! 町山さんと連絡が取れなくなった!」って言って。みんな、ものすごい心配して。慌てたっていう。
(町山智浩)夜逃げしたんじゃないか?っていうね(笑)。
(赤江珠緒)ありましたね。実はちょっと、あの時の放送が残っていますので。
(町山智浩)ああ、僕聞いてないんですよ。どんな風になっているんでしょう?(笑)。
(赤江珠緒)お聞きください。
町山智浩 寝落ち欠席事件
<音源スタート>
(赤江珠緒)時刻は3時になりました。TBSラジオ、FM905、AM954でお送りしている赤江珠緒 たまむすび。改めまして、こんにちは。赤江珠緒です。そして火曜日のパートナーは……。
(山里亮太)南海キャンディーズ、山里亮太でございます。
(赤江珠緒)ここからですね、日替わりのラジオコラム。火曜日は週刊文春などの連載でおなじみ、町山智浩さん。海外の最新映画やカルチャーを語ってくれるアメリカ流れ者のコーナーで。冒頭でも、今日はちょっとホラー映画をご紹介いただくというお話だったのですが……実は、今日はカリフォルニア州バークレーのご自宅の町山さんとまだ、連絡が繋がらないという。
(山里亮太)一番怖いことが起きてません?
(赤江珠緒)一番ホラーなんじゃないですか? 大丈夫ですか?
(山里亮太)まさか、これも演出では? 町山さーん!
(赤江珠緒)ちょっと繋がるまでね、メッセージや、いろいろと、いろんなことを紹介したいと思います。では、一旦コマーシャルです。
(山里亮太)町山さーん!
(CM明け)
(赤江珠緒)この時間は映画評論家、町山智浩さんのアメリカ流れ者。いつもご自宅のあるバークレーからのご出演をお願いしているんですが……。
(山里亮太)まだ町山さんと繋がらないから、とりあえず俺が語る『ぼくらの七日間戦争2』の話、する?
(赤江珠緒)今?(笑)。いいですけど……ちょっと聞きたい気もしてきましたけど。
(山里亮太)具志堅ティナさんの演技に注目してます。
(赤江珠緒)ああ、そうなんですか? いや、いい。だってあと山ちゃんが語れるホラーって、キョンシーになっちゃうでしょう?
(山里亮太)キョンシー! 怖いんだよ。あれね、息を止めてなきゃね、襲ってくるの。だから俺、あの時にずっと息止める練習してたの。
(赤江珠緒)ああ、そっか。で、私が語るホラーって、『アナコンダ』になっちゃうからね(笑)。
(山里亮太)あれはホラーじゃないよ。
(赤江珠緒)あれ、パニック映画か。ホラーじゃないか。あれさ、飲み込まれた……。
(山里亮太)誰が聞きてえんだよ! 『アナコンダ』とキョンシーと『ぼくらの七日間戦争2』の話!
<音源おわり>
(赤江珠緒)ああ、本当だね(笑)。
(山里亮太)町山さんの偉大さを改めて知るっていう(笑)。
(赤江珠緒)スカスカだね! で、何を話すか、決まらないままもう時間が来て。進み出しちゃったみたいな。
(山里亮太)全然僕ら、埋めれてなかったです(笑)。
(町山智浩)これ、自分ですっぽかしていて、本当に申し訳ないですけど。トーク力が試されるね(笑)。
(山里亮太)一応、映画がお好きな方がこの時間、聞いてるかと思って、出した映画があの3本っていう(笑)。
(赤江珠緒)我々の埋めくさって言ったらね、スカスカの(笑)。
(町山智浩)すいませんでした(笑)。本当にもう、普通はクビだけどね。クビにされなくて、本当にありがたかったです。
(山里亮太)町山さんが唯一無二すぎて。クビにするなんて、とんでもない。
(赤江珠緒)そうだ。しかもホラーの回だったんですね。だからみんな、ザワザワしたんだね(笑)。
(町山智浩)本当にホラーですよね。
(山里亮太)一番怖いことが起きてるっていうね。
(町山智浩)いや、それを狙ったんですけどねって、嘘ですけど(笑)。
(赤江珠緒)そろばんずくみたいな(笑)。あとね、他に私が忘れられないのがウェイトレスさん乱入事件ね。
(町山智浩)ああ、ありましたね!
(赤江珠緒)あれはね、2016年の10月11日の放送だったんですけれども。町山さんがその時も移動中のため、外出先でご出演で。ホテルじゃなくてね、なんかレストランで時間を潰しながら……。
(町山智浩)デニーズでした。夜11時だから、アメリカはデニーズしか開いてなかったんです。
(赤江珠緒)そうか。デニーズに入って、生放送に挑もうとしてくださったという回でございました。これもね、音声が見つかりましたので。ちょっと聞いてみましょうか。2016年10月11日の放送です。
放送中にウェイトレスさん登場事件
<音源スタート>
(赤江珠緒)この時間は映画評論家、町山智浩さんのアメリカ流れ者。アメリカ、カリフォルニア州バークレーからお電話でございます。町山さん?
(町山智浩)はい、町山です。大丈夫ですか?
(赤江珠緒)大丈夫です。
(町山智浩)ああ、本当に? 今、ちょっと外からなんですよ。すいません(笑)。
(赤江珠緒)あらら。ご自宅じゃなくて?
(町山智浩)あのね、移動中だったんですけど、時間が来たんで車を降りて、近くのレストランに飛び込んだんですけど。すいません。
(赤江珠緒)そちらの時間だと、もう深夜ですもんね。
ーーー
(町山智浩)今、結構日本で定着してる言葉で「リベンジポルノ」とか、「トロフィーワイフ」っていうような言葉。これら、結構定着したんですけど。結構、それを最初の頃に日本で紹介したのがこのコラムなんで。そんなこと、威張ってもしょうがないんですが。ああ、Thank you…(ウェイトレスと話し始める) Yeah, Oh…
(赤江珠緒)不審者がられてませんか? 大丈夫かな?
(町山智浩)Italian, yeah. すいません。ちょっとドレッシングを何にするか、聞かれちゃって……。
(赤江珠緒)アハハハハハハハハッ!
<音源おわり>
(赤江珠緒)ありましたねー(笑)。そうそう。
(町山智浩)ねえ。いっつも結構、ギリギリでやっていますよ(笑)。家にいればいいんですけども。綱渡りでやっていますね。これね、東海岸の方に行くと深夜2時とかの出演になるんで。起きられるかどうか、もう本当に瀬戸際で頑張ってますよ。
(赤江珠緒)ああ、そうか。アメリカ国内でもさらに変わってくるから。なるほど!
(町山智浩)ギリギリでやっていますから。まあ、でもいろいろとあるよね。
(赤江珠緒)ドレッシングでしたか。いろいろありますわね。ということで、それ以外にももちろん、ちゃんと本編の映画をいろいろと教えていただいたことでね。印象に残ってることが……。
(山里亮太)ねえ。だって『カメラを止めるな!』なんて、町山さんがここでご紹介して。僕らが教えてもらったの、その社会現象になる前ですよね?
(赤江珠緒)上田慎一郎監督の『カメラを止めるな!』ね。
(町山智浩)あれ、僕が早かったのか。
(赤江珠緒)町山さん、完全に早かった。2018年5月8日の放送でしたね。
(町山智浩)今、彼はなんかインターネットでね、面白い映像を上げててね。相変わらず面白いですね。上田慎一郎監督。
(赤江珠緒)そうですか。
(山里亮太)いろいろ挑戦的なこと、やってるんすよね。
(赤江珠緒)あの時も本当にカメラをね、ずっと止めない状態で。ゾンビのね。あれ、面白かったもんな。
(町山智浩)今、ネットで流れてるのは説明ゼリフ病の話。それを映像化して、流してるんですよ。説明ゼリフばかりの映画とかアニメって、あるじゃないですか。すごくわかりやすく「我々は……」みたいな感じで。全部状況を説明するっていう。そういう風になってしまう病気の話をやってて、すごく面白いですね(笑)。
(赤江珠緒)へー!
登場人物が次々に説明台詞病に感染していくショートフィルム? pic.twitter.com/dtdtNQ63lL
— 上田慎一郎 (@shin0407) March 27, 2023
(山里亮太)『キン肉マン』だとテリーマンがよくやってくれるんですけどね。
(町山智浩)わかりやすく説明してくれる人ね(笑)。面白かったですね。『カメラを止めるな!』はフランスでも映画化されたりしていて。
(赤江珠緒)そうか。我々、どんぐりさん。竹原芳子さん。番組まで来てくださったんですよ。大阪のプロデューサー役をされて。すごい個性的で、めちゃくちゃはまってらっしゃった、面白い役の。
(町山智浩)すごいですよね。『カメラを止めるな!』はキャスティングもすごかったですね。
(山里亮太)超面白かった。あとは、町山さんの『マッドマックス』愛ね。
(赤江珠緒)『マッドマックス 怒りのデス・ロード』。
(山里亮太)怪我しましたよね? 町山さん、『マッドマックス』関係で。
(町山智浩)僕、アメリカの『マッドマックス』祭に行ったんですよ。本当に砂漠で、みんな戦ってるんですよ。すごい改造車で。そこにね、もう50いくつで……あれ、でも若かったか。あの時、54ぐらいか?
(山里亮太)2015年ですよ。
(赤江珠緒)なんで怪我したんでしたっけ?
(町山智浩)あのね、サンダードームというバトルがありましてですね。
(赤江珠緒)なんのバトル?(笑)。
(町山智浩)鉄のドームの中で、ぶら下げられながら殴り合うというバトルに参加してね。骨粗鬆症で手が折れちゃいましたね(笑)。ジジイだよ! カルシウムが足りないんですけどもね(笑)。バカなことをやっていますよ。
(赤江珠緒)アハハハハハハハハッ! そうかー。あれが2015年か。
『マッドマックス』祭り・骨折事件
(山里亮太)僕、人生で『マッドマックス』とか、通ってきてなかったんですけど。町山さんからご紹介いただいて、この『怒りのデス・ロード』を見て。そこからさかのぼって見たりとかして。で、この『マッドマックス』を見て僕、町山さんに助けてもらったのが、僕がSNSかなんかで『マッドマックス』を見た後に「こんなに何も考えないで、ただただ楽しくドッカンドッカンなる映画って、最高だ!」みたいなことをつぶやいたら、結構コアなファンの方から「今回の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はもっとメッセージを込められている。なのに『何も考えないで見る』なんて……それは作品を愚弄している!」みたいなことで、結構怒られたんですよ。そしたら町山さんが「いやいや、山里さんの見方も合っているんですよ」っていうのをその後につぶやいてくれて。それでピタッと止まったんですよ。
(赤江珠緒)へー! さすが、町山さんがね、おっしゃったらね。おおーっ!