春風亭昇太 春風亭一之輔の『笑点』メンバー入りを語る

高田文夫 春風亭一之輔の『笑点』メンバー入りを語る ラジオビバリー昼ズ

春風亭昇太さんが2023年2月8日放送のニッポン放送『ラジオビバリー昼ズ』の中で春風亭一之輔さんの『笑点』新メンバー入りについて話していました。

(春風亭昇太)いやー、もう清々しい毎日がやってきましたよ。

(乾貴美子)ああ、おめでとうございます!

(春風亭昇太)もうようやく、なんかモヤモヤして、人からなんか聞かれて。「誰? 誰?」って言われなくて済むっていう日がようやく来ました!

(乾貴美子)長かったですね(笑)。

(春風亭昇太)もうね、たい平くんからもメールが来て。「よかったですね!」って。お互いに。これで清々しい毎日が……もうそれまで、ずっと誰に会っても「誰ですか?」って言われて。

(乾貴美子)みんな、もう吐くまで許してくれないですからね(笑)。エンドレスですよね。

(春風亭昇太)いや、本当に。だって、知り合いだけじゃないんだから。全然知らない人にも聞かれるんだから。

(乾貴美子)そうなんですか!

(春風亭昇太)道端で会ったお兄ちゃんに聞かれるんだよ? 「昇太さんですよね?」「そうです」「あの、次の『笑点』、誰が来るんですか?」って。「いや、知らないですよ」「またまたー! 大丈夫ですよ。僕は『昇太さんが言った』って言いませんから」って。そんなの、信用できるか!って(笑)。

(乾貴美子)みんな口を揃えて、そういう風に言うんですね(笑)。私も同じこと言った覚えがある(笑)。こちら、船橋の方からもメールが届いてます。「昇太師匠、『笑点』の一之輔師匠のお口チャックの件、お疲れ様でした。おつらかったでしょう。話したかったでしょう」と、ねぎらいのメールが届いてます。

(春風亭昇太)だってもう、言ったもん。「言わないでください。僕らに教えてください」って。

(乾貴美子)ああ、日テレさんに言ったんですね?

(春風亭昇太)「教えないでいいです」って。もう、黙っているのがつらいから。だから「もうなまじっかだったら、いいです」っつって。

(乾貴美子)でもそれ、いいですよね。本当に「この方です」の発表の収録の時に知るっていうスタイルでも別に困らないですよね?

(春風亭昇太)そうそう。だけどまあ一応、今回の場合は今年に入ってから、正式に言われたんですよ。

(乾貴美子)ああ、そうなんですか。1月の第2週ぐらいにビバリーのスタジオに一之輔師匠が来てくださって。ちょっとオープニングトークでもご挨拶してくださったじゃないですか。あの時には、もう知ってたんですか?

(春風亭昇太)あの時は知ってた。

(乾貴美子)じゃあ、お互いに何も……その周りにね、いっぱいビバリーの人、いるし。言わないけど。2人の中では……?

(春風亭昇太)目で「これからよろしくな」みたいな(笑)。

(乾貴美子)そんな感じでしゃべってたんですか。あの1月第2週のオープニングを(笑)。

(春風亭昇太)だから割と口数少なかったろ?(笑)。

(乾貴美子)少なかった! なんかすごいぎこちなく「お年玉くれ」だの「やらない」だの、そんな感じのやり取りを(笑)。ああ、そうだったんですか! そうだとはつゆ知らず。

1月のクロストーク時には知っていた

(春風亭昇太)で、またさ、高田先生がさ、やっぱり鋭いんだな。前の年の暮れにちょっと会ったのね。そしたら「いやー、一之輔をさ、持っていかれたくないんだよな」って(笑)。「持っていかれたくない」って。「ああ、そうですね」って。だけど、その時は一之輔くんの可能性もあるじゃないですか。それは。

(乾貴美子)そうですよね。その時点では昇太さんは知らなくて?

(春風亭昇太)そうそう。で、もし言われてもね、受けないんじゃないかと思ったんですよ。

(乾貴美子)既にもう、お忙しいスケジュールで。

(春風亭昇太)そうそう。で、もうスケジュールなんて合わないんじゃないかって。で、「それはちょっと、受けないんじゃないですか?」なんて言っていたんだよ。そしたら、一之輔さんだったから、僕も結構びっくりして。で、あのね、『笑点』って皆さんね、「落語家は全員、『笑点』に出たがっている」と思ってるんですよ。

(乾貴美子)まあ『笑点』に出たらね、知名度はぐんと上がりますし。

(春風亭昇太)そう。だけど、そういうもんでもないんですよ。『笑点』って、出ているうちにキャラがつくわけ。なんとなく。

(乾貴美子)ああ、『笑点』の番組内でのキャラクターが。

(春風亭昇太)そうそう。で、そのキャラが強くて落語がやりづらくなったっていう人も実際にいるわけですよ。先輩で。で、そのキャラで落語もやらなきゃいけなくなるわけじゃないですか。で、落語になった時に普通の落語をやっていると「ちょっと違うな」みたいな感じになるという場合もあったわけですよ。

(乾貴美子)たしかに、いつでもあの色の着物を着ていてほしいっていう気持ちはちょっとありますね。視聴者としては。

(春風亭昇太)よくあるよ。「あれ? 今日は『笑点』の着物を着ないんですか?」って言われて。

(乾貴美子)「あれ? なんで白くないんですか?」みたいな。

(春風亭昇太)そうそう。すごいイメージが強いからさ。なので結構ね、入る時に葛藤をするわけですよ。

(乾貴美子)ああ、そうか。『笑点』を取るか、自分の落語を……。

『笑点』のイメージで落語がやりづらくなる

(春風亭昇太)つまり、落語がやりづらくなる。『笑点』やることによって、落語がやりづらくなるんじゃないか?っていう。それは、実際に入ってみないとわかんないことでさ。

(乾貴美子)ああ、うまくこなせるかもしれないし。

(春風亭昇太)だから僕なんかは、入ったら「独身キャラ」がついたわけよ。あれだって、別に決めてるわけじゃないからね。入る時に「あなたはこんなキャラで行こう」で決めてるわけじゃなくて。僕の場合は円楽師匠が「こいつ、いい歳してまだ結婚してないんですよ」とか言ったのよ。そしたらそれをドーンと受けて、みんながそれ言うようになって、いつの間にか独身キャラになったんですよ。で、まあ実際に独身だったし。別にそれはね、実際に本当にそうだしさ。だから独身の枕なんかもいっぱい作って。それでウケてそのまま落語に入って……みたいな。だから言ったら、僕の場合は別に何の支障もなく落語ができるようになったんですよ。

だから、一之輔さんも悩んだとは思うけど。もうあの人は出来上がってるから。で、落語界の評価はすごい高い人だから。もちろん元々、落語の仕事もたくさんある人でしょう? で、『笑点』に出たことによって、新しく「この人って、どんな人?」っていうんで興味を持って見に来てくれる人がいたら、元々実力ある人だから納得して帰っていただくことができるでしょう? だからたぶん、葛藤はあったと思うけど、そんなに困らないと思います。

(乾貴美子)なんか、よかったです。「新メンバーは、一之輔さんです」って出てきた瞬間のちょっと困ったような表情が何とも……素敵でした(笑)。

(春風亭昇太)いや、どういう表情をしていいのか、わかんないよね。実際にあの時。僕も「昇太さんです」って言われて出ていった時、あるけどさ。なんかさ、「やったー!」みたいなのもかっこ悪いじゃない?(笑)。

(乾貴美子)そうですよね。はい。

(春風亭昇太)だからね、結構微妙なんだよな。落語家にとって『笑点』っていう番組は。

(乾貴美子)難しいんですね。

(春風亭昇太)だから、みんながみんな「出たい」と思ってるんわけじゃないんだっていうことですよね。で、昔はもっとゆるかったらしいのよ。その「黙ってろ」とかっていうのもさ。だってそんな、「次は誰でしょう?」みたいなことも言わなかったもん。

(乾貴美子)そうですよね。

(春風亭昇太)そう。突然変わったりなんか、してたんだよ。前は。

(乾貴美子)そうか。なんだろうな? 「次の司会者は?」みたいな感じで昇太さんが選ばれる時からですかね? その前からでした?

(春風亭昇太)いや、だから『笑点』が……昔は、そんな番組じゃなかったんだけど。今、やっぱり言ったら日本テレビで一番視聴率がトップだったりする時があるわけですよ。昔はそんなじゃなかったから。で、他の番組はどんどん進化して。もう新しい人をどんどんどんどん出して、きらびやかになったのに『笑点』だけは一切の進化を止めてるので。だって、あんなおじさんが出てくる番組なんか、ないじゃん?

(乾貴美子)めちゃくちゃ貴重です。

(春風亭昇太)お正月でもないのに、着物を着てる人があんなにいっぱい出てくる場面なんか、ないじゃないですか。だから、たぶん取り残されちゃった人たちがいるわけですよ。新しい番組の形態に。ちょっと、言ったら年配の方とかさ、もうバラエティ番組とか、何が面白いんだかわかんないっていう人たちがいっぱいいるわけですよ。そういう人たちが、『笑点』は安心して見れるから。で、いつの間にか、他の番組が進化していく中で全然進化してこなかった、ソロモンの洞窟みたいな番組がいつの間にか注目されて、そういう風になっちゃったんで。そうすると、こんな厳しい視聴率戦争をやっているところは、「次の人は誰でしょう?」っていうのを言って、期待を持たせてやるから。それで「黙ってて」っていうのが強くなるわけですよ。

(乾貴美子)なるほど。

(春風亭昇太)だってゴチメンバーだって、別に事前に教えないじゃん? そんなの。

(乾貴美子)ゴチメンバー? ああ、そうですね。

(春風亭昇太)変わる時に、そんなに情報は出さないでしょう?

(乾貴美子)でも結構、引っ張ってましたよね。

(春風亭昇太)だから、それは今の視聴率を取るために、しょうがないんですよね。

(乾貴美子)そうか。番組の戦略というか。

番組が視聴率を取るための戦略

(春風亭昇太)そうですよ。だから事前に「ああ、次は○○さんです。じゃあ、2ヶ月後に出ますから」って言ったらさ、それは番組にならないから。

(乾貴美子)そうかー。演出というか、ちょっと盛り上げるための?

(春風亭昇太)そうです。だから、次にこういうことあったら、最後まで教えないでほしい!

(乾貴美子)なるほど。これ以上、我々の口をふさがせないでくれと(笑)。

(春風亭昇太)本当に教えないでほしい(笑)。いやいや、でもね、本当に一之輔さん。1回、撮りましたけどね。すごいやりやすかったです。

(乾貴美子)さらに面白くなりそうで、楽しみです。

(春風亭昇太)なんか、突っ込まれそうで怖いんだけどさ。楽しみですよ。はい。

<書き起こしおわり>

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