オードリー若林 閉店する渋谷・東急本店に最後の挨拶に行った話

オードリー若林 閉店する渋谷・東急本店に最後の挨拶に行った話 オードリーのオールナイトニッポン

オードリー若林さんが2023年2月4日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で1月31日で閉店した渋谷・東急本店に最後の挨拶をしに行った際の模様を話していました。

(若林正恭)この間もしゃべったんだけどさ。やっぱりもう1回、しゃべらざるをえない。1月31日で渋谷の東急本店が閉店になりました。お疲れ様でした。

(春日俊彰)ああ、はいはい。お疲れ様でした。なんか、ニュースでも……。

(若林正恭)たしか、55年なんですよね。だから俺の中でその「55周年」っていうのはもう本当、東急本店のことであって。ニッポン放送のオールナイトニッポンに対してではなかったりするんでね。

(春日俊彰)思いは両方に持ってほしいんだけどね(笑)。いや、でもニュースでやるぐらい、結構ね。

(若林正恭)で、1月29日ぐらいから、もうずっと頭の中にはあって。「渋谷の東急本店、閉まるな」ってずっと考えていて。で、「やっぱり最後の挨拶に行きたいな」と思って。

(春日俊彰)挨拶?

(若林正恭)ご挨拶。

(春日俊彰)誰に? なにに?

(若林正恭)いや、だから東急本店ですよ。建物に。なんか、なんだろうな? なんか、考えたのよ。なんで、こんなに思いがあるのかって。そしたらね、独身時代だよね。その頃、「キャバクラとかももう、やめよう」ってなったら何年間があって。独身の最後の方で。で、なんか日曜日とかさ、結局さ、遊ぶ人がいないのよね。休みの日になっても。日曜が。もう、みんな結婚してるし。で、結構日曜とかって営業とかが入ってるから。ゴンちゃんとかも。

(春日俊彰)なるへそ。芸人もつかまらんし。

(若林正恭)だから誰とも……ラジオの後だから、昼過ぎぐらいに起きて。で、「どうしようかな?」って、何もしないままさ、あそこの東急本店に近いから行ってさ。で、本屋で本を見てさ。本を買ってさ。それで、鰻とかレストランで1人で食べるのね。

(春日俊彰)ああ、いいねえ。ちょっと贅沢だね。

(若林正恭)で、なんか、バイト時代……Bunkamuraで映画館でバイトをしていた時に「一生、こういうところで飯を食えるようにならないまま、死ぬんだろうな」とか思いながら歩いてたりしたから。そこで食べてると、もう1人のバイト時代の俺がどっかから「いいご身分だな」みたいに言ってるんだよ。鰻を食べていると。その後ろめたさに負けないように1人で鰻を食べるっていう、39歳とか。

(春日俊彰)この間の話だね(笑)。

(若林正恭)それ、もうそのままコントにしたからね。サトミツと2人でやるコントに。その状況を。で、あそこで本を買って、蕎麦とか鰻とかを食べて。ちょっと後ろめたい気分。天ざるとか、食べちゃって。で、そのまま本持ってベローチェに行って……みたいな。そういう過ごし方をしていたんだよな。で、なんか前もしゃべったけど、38、9の独身男性を渋谷という街は弾くんだよ。「はい。ここはお前が入るところじゃない。はい、お前はダメ!」って。なんか。でも、東急本店だけは受け入れてくれたんだよね。

(春日俊彰)なるへそ。

(若林正恭)その屋上も、レストランフロアも、本屋さんも。そういう思いがあるから、なんか「挨拶に行かなきゃ」って思ったんだね。

(春日俊彰)まあ「お世話になりました」みたいな。最後の挨拶に。

(若林正恭)でさ、仕事が終わってさ、渋谷に行ったのよ。そしたらなんか、東急本店の向かいの……横断歩道を渡って、向かいまで行ってさ。で、のぼりっていうか垂れ幕みたいなのに「1月31日をもって閉店します」みたいなのがあって。あそこに30何階建てのビルが建つんだってね。何が入るんだろうな? もう、おじさんを弾くだろうな。どうせ。

(春日俊彰)うーん。まあ、新しいところだしね。

(若林正恭)あの東急本店が55年ってことで。ああいう大理石っぽい、ああいう階段とかがある百貨店って今、どんどんなくなるじゃん? それで本屋さんもマジで渋谷って、あともう1個ぐらいしかないんじゃないか? まあ、細かいのを入れればあるけど。TSUTAYAとか、ヴィレッジヴァンガードとか入れるならあれだけどさ、どんどんなくなっちゃてさ。もう、写真を撮ったよ。東急本店の向かいで。本当、一礼をしちゃってさ。これね、変な行動に見えるだろう? でも、こんな人が4、5人いたからな。

(春日俊彰)ああ、そう? じゃあ、同じように。

(若林正恭)写真を撮ってる人が結構いた。

(春日俊彰)ああ、お世話になった人が。

(若林正恭)なんか、あるんだろうな。そういう建物に。

(春日俊彰)やっぱりいろいろ、救ってもらったりというかね。

(若林正恭)そうそう。やっぱり独身時代の思い出が、すごいあるのよ。本屋さんと、レストランフロアに。1人で行くあてもない日に、俺を受け入れてくれたっていう。それで、本屋さんところに行って、最後に本を買おうと思って。

(春日俊彰)なるへそ。

思い出の本屋に最後の本を買いに行く

(若林正恭)それで行ったらさ、文房具のお店と本屋さんが一体化してるんだけどさ。寂しかったね。本棚に、本がもうなくなっているのよ。棚だけになっていて。

(春日俊彰)ああ、もう売れちゃったり、片付けたりして。

(若林正恭)で、文房具も何割引みたいな。半額みたいになっていてさ。それで、もうほとんどなくて。で、あそこの文房具のところで、俺は本を買いに行ったついでにこのA3のネタ帳……このちょっとデカいやつ。このA3の無地のノートしか、俺は使わないの。線が入ってないノート。これがね、あんまり売ってないのよ。

(春日俊彰)ああ、そう? まあ珍しいっちゃ珍しいね。

(若林正恭)珍しいでしょう? で、これがあそこの東急本店に売ってるんだよ。あそこで毎回、1冊買って。ノートと本を買って……みたいな感じなのよ。そういう思いが詰まってるわな。で、なんか本もなくなっていて。それで結構みんな、そういう人がいっぱいいたわ。最終日。で、その本屋さんへのメッセージとかを書いているの。それで貼り出されていて。メッセージが。

(春日俊彰)ああ、そういうの、あるね。

(若林正恭)書いちゃったね。

(春日俊彰)ああ、若林さんが?

(若林正恭)なんか、他の人たちのを読んじゃって。それもみんな……人が結構いたんだけども。ファンなんだろうな。「寂しい時、何かしなきゃいけないと燃えている時、この本屋さんに来て、本と出会って人生を前に進めることができました」とか書いてる人がいて。で、それが貼り出されていて。で、最終日だからもう誰にも読まれることはないんだろうけどさ、書いちゃったよね。紙とペンが置いてあったから。まあ、なんだろうな? うるさいジジイになっちゃうかもしんないんだけど。「インターネットで自分が興味のあることとか、AIに選ばれた情報を見るだけでよろしいんでしょうか?」っていう1行から始めて。

(春日俊彰)えっ? 「ありがとう」とかじゃなくて? びっくりしちゃったよ、今。えっ、ええっ? 「バイトして……」とか「独身の頃に……」みたいなことを書いてあるんじゃなくて? 「救われた」みたいなのとか……。

(若林正恭)文句あんのか? ワレ、コラッ! 「ワレ」なんて今日以外、言ったことないわ。なんか文句あんのか、ワレ、コラッ!

(春日俊彰)いや、文句はないんだよ。なんかその、苦言を呈するみたいな感じで来たから。もっとなんか感謝の……今ね、若林さんが話した東急本店の本屋さん。独身の頃、本屋さんに行って……みたいな。その今のやつを、今までの話のことを書いているのかなと思ったら、なんか苦言から……(笑)。

(若林正恭)何を笑ってんだよ、ワレ? 「ワレ」なんて人生で言ったことがないよ(笑)。

(春日俊彰)急に来たから、びっくりしちゃって。別には悪いとかじゃなくて。それは個人の伝えたいこと……若林さんが伝えたいことなんでしょう? 東急本店に。

(若林正恭)お前、何を笑ってんだよ? 気持ち悪いな。

(春日俊彰)笑っちゃいないよ。別に。

(若林正恭)今、笑っていただろ?(笑)。まあ、始めたわけよ。もうみんな、書いたりしていて。最終日だから、どこに行くかもわかんない紙を書いて。そうじゃないと、終わらなかったんだよ。俺の東急本店の本屋さんへの思いが。

(春日俊彰)それを若林さん的にも区切りというか。

(若林正恭)何冊、本を買ったかわかんない。だからその、本当に独身の時にね、本をいっぱい買って。それで、子供が生まれてからは絵本を買ったりとか。もう正直、何冊買ったかわかんない。漫画もね、いっぱい買って。

(春日俊彰)若林さんの人生の近くにあったみたいなね。

(若林正恭)そうそう。で、紙とペンが置いてあったから。「インターネットで自分が興味のあることとか、AIに選ばれた情報を見るだけで、我々はいいんでしょうか?」って。

(春日俊彰)プッ……問いかけから入ったの?

(若林正恭)「でも、書店の棚には自分が触れたことのないようなジャンルの本がふと目に飛び込んで。それが人生のヒントになったりする。そういう出会いがこの本屋さんにはありました」。

(春日俊彰)ああ、なるへそ。そこからそういう風に入ってくるのね。

(若林正恭)そうそう。「これから休みの日、私はどこに行けばいいのでしょうか?」って、俺は書いたよ(笑)。

(春日俊彰)ああ、「迷ってます。なくなって、困ってます」と。

(若林正恭)そうそう。「人々は本ではなく、今何を読んでいるんでしょうか?」って。

(春日俊彰)なんだよ、問いかけばっかりだな!

(若林正恭)フフフ(笑)。「こういう本屋がどんどんなくなっていくから、寂しいです。今までありがとうございました。お疲れ様です」って書いてね、箱みたいなのに入れたわ。俺も。なんか他にも書いてる人とか、読んでいる人もいましたよ。で、なんか本当に「うるせえジジイだな」って言われちゃうかもしんないけどね。倍速で動画、見てんじゃねえのか? 本を読まずに。本を読め、本を!

(春日俊彰)うるせえジジイだな!

(若林正恭)フハハハハハハハハッ!

(春日俊彰)ジジイだよ、その流れが!(笑)。なんか説教に入っていくのが、もうジジイだな!(笑)。説教に流れていくの、ジジイの話の流れだな(笑)。

(若林正恭)本を読め、本を!(笑)。

(春日俊彰)うるせえな! 東急本店の話だけしてりゃいいんだよ!(笑)。「こんなことがあった。あんなこともあった。ありがとう」でいいんだよ!(笑)。

様々な人のメッセージ

(若林正恭)で、なんかいろんなメッセージが書いてあるんだよね。「仕事でミスがあって落ち込んでる時、ここにきて○○の本に出会って」って。読み終わってね、俺はマスクの中で「ありがとうございます」って言いましたよ(笑)。

(春日俊彰)他の人のメッセージを見て?(笑)。

(若林正恭)うん。「ありがとうございます」って。

(春日俊彰)別に関係ないじゃん(笑)。

(若林正恭)関係なくはねえだろ? 本を買ってるんだから!

(春日俊彰)うんうん。まあまあ……(笑)。

(若林正恭)「ここで学生時代から本を買ってました。今、社会人になって。大学受験では赤本を買って。今は資格の本を買っています。自分の成長とともにありました」みたいな。俺もマスクの中で「ありがとうございます」って……。

(春日俊彰)関係ないんじゃん、別に。

(若林正恭)関係なくはねえだろ? 本を買ってるんだから。本を読め、本を!

(春日俊彰)うるせえな、ジジイ! 説教すんなよ!

(若林正恭)倍速で動画、見てんじゃねえのか? 本を読め、本を!

(春日俊彰)うるせえな! 話を聞いてやってんだからよ、説教に持っていくなよ!

(若林正恭)フハハハハハハハハッ! それでね、いろんなメッセージを見て、ちょっとグッと来て、まあそりゃ、涙ぐんだりしてますよ。

(春日俊彰)まあ、そりゃ感動するね。

(若林正恭)皆様の思いが届いてね。本当にこちらとしても嬉しかったですよ。

(春日俊彰)いやいや、同じだよ。同じ側なのよ。若林さんは東急側じゃないから。

(若林正恭)で、読んでいたら、びっくりするのもありましたよ。「今日、初めて来ましたが、閉店は寂しいです。12年間、お疲れ様でした」って。それも「ありがとうございます」って(笑)。でも、こっちは何回来たかじゃないから。

(春日俊彰)「こっちは」ってなんなのよ? 若林さん、客側なのよ(笑)。

(若林正恭)「今日、初めて来ましたが12年間、お疲れ様でした」って……そいつ、書くか? 俺、それだけ気になったわ。他のメッセージはグッと来たけど。そいつ、初めて来たやつが、書くか?

(春日俊彰)それはやっぱり、グッと来るもんがあったんだよ。

(若林正恭)俺、正直笑ったわ(笑)。思い出があって、こっちは来ているのよ。初めて来たやつが、書くか?(笑)。

(春日俊彰)初めて来て、衝撃だったんじゃない? 「今日の今日、終わっちゃうんだ!」みたいな(笑)。

(若林正恭)それでペンと紙、取るか?

(春日俊彰)「全然馴染みないけど、今日の今日で終わっちゃうんだ!」って。それでガーッと書いたんじゃない?

(若林正恭)それでお前、笑うけど。本当に俺みたいなお客さん、結構いたからな。みんな、そのメッセージを読んだりとか。まあ本を読むから、メッセージも読む人なんだろうな。読みそうなやつばっかりだったわ!

(春日俊彰)読み癖がついてるんだね。

(若林正恭)お前、なんだ? その言い方は。「読み癖が」って。

(春日俊彰)「読みそうなやつばっか」ってその前に言っていたぞ?

(若林正恭)いや、俺はそれでね、なんかもうこれ、一言「寂しいですね」って声をかけたら、みんなが輪になるみたいな。でもみんな、そうそういう空気じゃなくて。なんか終わるから、見に来たっていう感じだよね。寂しいから。で、最後に本を買って。買うっていう名目もなかったんだけど。どうしようかなと思って。まあ芥川賞が発表になったから、その2冊をね、買って。最後のレジに。「これが最後のレジになるんだな」って思って並んで。それを買って、エレベーターに……また、エレベーターがいいんだよね。で、サトミツがトイレ博士になるのも、あそこの東急本店が最初だからね。

(春日俊彰)えっ? そうなの?

佐藤満春がトイレ博士になったきっかけ

(若林正恭)いや、そうだよ。なんか2人でさ、シアターD、やったじゃん? ライブで楽屋にいるのも鬱陶しいからな。客のせいにする先輩ばっかりで。自分たちがつまらないのに。で、俺とサトミツは出番までずっと、渋谷を歩いてたのよ。で、サトミツがメモみたいなのを持っていて。きれいなトイレの地図みたいな。自分で作ったやつ。当時、25ぐらいで。それで「東急本店トイレって、きれいなんだよ」っつって。2人で行って。「このトイレはいいんだよ」みたいな。そういう思い出もあったりするのよ。

(春日俊彰)へー!

(若林正恭)で、東急本店を出て、またスマホでね、写真を撮らしてもらって。で、それで「ああ、閉店か」と思いながら歩いてたのよ。なんか、すぐに帰る気になんなくて。

(若林正恭)それで駅の方まで歩いていったんだけどさ。そしたらさ、なんかハチ公のスクランブル交差点のところに行ったらさ、お前の超デカい看板があって。お前の顔のドアップの看板があって。

(春日俊彰)ああ、あそこにね、出してもらっていて。ありがたいよね。

(若林正恭)それであれ、DMMの動画の広告だろう? 俺は思ったよ。「倍速で動画、見てんじゃねえのか? 本を読め、本を!」って(笑)。

(春日俊彰)うるせえ、ジジイ! 動画も見ろ、動画も!

(若林正恭)俺は出てねえから関係ねえよ、お前! 倍速で動画を見るな! 本を読め、本を!

(春日俊彰)動画も本も、どっちもいいじゃねえかよ!

<書き起こしおわり>

オードリー若林 渋谷・東急本店閉店の衝撃を語る
オードリー若林さんば2023年1月7日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で渋谷の東急本店の閉店についてトーク。Bunkamuraのル・シネマでアルバイトしていた若林さんが東急本店の閉店を知り、愕然としたという話をしていました。
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