黒沢薫 新宿中村屋Manna・チキンビリヤニ 幻の米 白目米使用を語る

黒沢薫 新宿中村屋Manna・チキンビリヤニ 幻の米 白目米使用を語る アフター6ジャンクション

ゴスペラーズ黒沢薫さんが2022年12月19日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』で自身の2022年のカレーベスト3を紹介。新宿中村屋Mannaのチキンビリヤニ 幻の米 白目米使用を選出していました。

(宇多丸)さて、続いていきましょうかね。黒沢さんの2020年ベストカレー候補、三つ目をお願いします。どんなカレーでしょうか?

(黒沢薫)これね、正確に言うとカレーとはまたちょっと違うかもしれない。カレーに付随した、いわゆるインド料理、スパイス料理となりますけれども。新宿中村屋Mannaのチキンビリヤニ 幻の米 白目米使用でございます。

(宇多丸)新宿中村屋と来ましたか! ちょっと、ど真ん中というか、すごいところ、来たじゃないですか。

(黒沢薫)これがね、今年の6月12日に……これ、「恋と革命のインドカリーの日」っていう風に中村屋さんが言っているんですが。で、これは中村屋さんが制定をした記念日なんですけども。これの話をすると、それだけでもう20分ぐらいかかっちゃうんですが。そこでついに中村屋さんビリヤニという、いわゆるインド炊き込みご飯。こういう言い方でいいですかね? ちょっと雑になっちゃいますけども。それを出すという。

で、「ビリヤニを出すので、黒沢さんも来ませんか?」って実は僕、誘われたんですよ。で、「せっかくだから食べてみたい!」って食べたら、「これは中村屋の歴史が一皿に詰まっている。これを食べたら中村屋の全要素と、いわゆる歴史とさらには未来まで感じることができる!」っていうことで、震えまして。「これは勧めなければならない!」っていうことで。いや、みんな、笑ってますけども、本当なんですよ?

(宇多丸)いや、なんで笑ってるかっていうと、今、スタジオ内が異常事態というか。

(熊崎風斗)とんでもない状況に我々のテーブルがなっていて……。

(黒沢薫)あの、今日はシェフがわざわざ来てくれて。皿まで含めて、本店のままで来るっていうね(笑)。

(宇多丸)シェフ、すいません! ありがとうございます。もう完全に帽子もかぶって。本式の感じで。二八スタジオでスタンバイされていて。すいません……って思っていたんですが。

(黒沢薫)という、この感じでございます。でもね、たしかにこの感じがないと、あまり伝わらないです。で、これは一皿なんですけども、この一皿を全部、食べたところで「ああ、これって中村屋だな!」っていう風になるんですよ。

(宇多丸)中村屋といえばもう印度カリーの定番中の定番。いつ食べても美味しいですよ。

(黒沢薫)それでこのManna っていうのはいろんな洋食のメニューとかもあったり、中華もあったりするし。それが全部、実は一皿で食べられるっていう。

(宇多丸)ああ、中村屋がいろんなものを出しているっていう。そこも踏まえた上で。

(黒沢薫)そうなんです。このマリネ類とかっていうのも。

(宇多丸)ちょっと説明をすると、ビリヤニが置かれたその大皿があって。その上にチキンと玉子が乗っていて。で、それとは別に薬味類が3種類、あるんですね。それと、こっちには1個、スープというか。

(黒沢薫)これも途中で味変でかけていただくものになっています。

(宇多丸)ではですね、特別に……普段はテイクアウトとか、してないということなんで。この番組のためにシェフにお越しいただいて(笑)。

(熊崎風斗)すいません。ありがとうございます!

(宇多丸)黒ぽんパワー、どこまで?(笑)。カレー権力者ですよ!

(黒沢薫)僕もここまでしていただけるとは思ってないですよ。もちろん。

(宇多丸)でも僕もちゃんとわかってなかったので、これをいただけるのは嬉しいです。では、どんな感じの曲にたとえましょうか?

(黒沢薫)これは、そうですね。ソウルレジェンド。重鎮であり、かなりお年を召しているのにまだこの人は愛の歌を歌うか!っていう、アイズレー・ブラザーズ。

(宇多丸)この番組でも特集したばかり。タイムリー!

(黒沢薫)で、このアイズレー・ブラザーズ feat. ビヨンセの『Make Me Say It Again, Girl』を聞きながら食べていただきましょう。

(宇多丸)はい。では曲を、どうぞ!

Ronald Isley & Beyonce『Make Me Say It Again, Girl』

(宇多丸)さあ、曲を聞きながら……食べる順番としてはまずはフラットに、ですか?

(黒沢薫)そうですね。食べていっていただければ。

(宇多丸)いただきます!

(イナダシュンスケ)これ、ワクワクが止まらない!

(黒沢薫)これ、白目米っていうのはわざわざこれに合う米を作って。品種改良をして。で、それが一度、なくなって。それをもう1回、復活させたという。もうそれだけでもすごいんですけども。なのでこれはバスマティライスではないんですけども、ちゃんとパラッとした感はある。

(宇多丸)パラッとした感もあるし。でも、日本米ならではのモチッと感もあるという。そしてやっぱり味が染み渡っていて。イナダさん、どうですか?

(イナダシュンスケ)いや、ちょっと今、感激で。もう語彙力をなくしそうなんですけども。この米が、日本米なんですけども。ここまでビリヤニに合う日本米があるのか!っていうのと、それ以上に日本米をここまでビリヤニに仕上げる技術力にも……。ベースの味とか風味はめちゃくちゃ正統派のビリヤニで。なんという高貴な一皿でしょう、これは。

(黒沢薫)これね、肉を食べると、「ああ、これ、インドカレーの中に入っている肉じゃん」っていう風になるんですよ。でも、この上にまた最近、中村屋が押している、もうひとつのソースがかかっているんですよ。それが、ビヨンセです。

(宇多丸)「それがビヨンセです」っていうと……そこだけ、たとえね(笑)。

(黒沢薫)これ、実は麻辣。去年、我々言っていたじゃないですか。「麻婆豆腐はカレーですよね」って。

(宇多丸)うんうん。

黒沢薫 錦糸町・台湾料理生駒・麻婆カレー排骨乗せを語る
ゴスペラーズの黒沢薫さんが2021年12月7日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で2021年のベストカレーを3つ、紹介。そのうちのひとつとして錦糸町の台湾料理生駒、麻婆カレー排骨乗せについて話していました。

(黒沢薫)実は、中村屋さんは麻婆豆腐とカレーのペアリングセットを出してて。中村屋さん自体が要は「麻婆豆腐はカレーですよ」って言っているようなもんなんですよ。

(宇多丸)元々提示していた。

(黒沢薫)この麻辣ソースが実はこのビリヤニにかかっていて。

(熊崎風斗)うまい! ちょうどいいしびれ感。

(宇多丸)それそれ! ちょうどいいしびれ感。

(黒沢薫)で、もうちょっと食べると実はじゃがいももたしか上に乗っています。このじゃがいも自体もいわゆるインドカレーの中に入っている……「ああ、このじゃがいも、インドカレーにかならず入っているんだ!」っていう。これも上に乗っている。あんまりじゃがいもってね、普通はビリヤニに入ってませんけども。

(宇多丸)あと、細かく入ってるいろんな薬味的な要素が時々、すごい気持ちを音をそこだけピンッ!って出していて。

(黒沢薫)割とだからボトムとか、効いているんですよ。ちゃんと今のトラックになってるんですよ。

(宇多丸)あとはこれ、揚げ玉ねぎかな? これが入ることで食感が時々、キュッとさ、ちょっとしたピューン!っていうビートが入る。

(黒沢薫)で、これは薬味も食べるとより「ああ、これは中村屋さんの歴史なんだ」ってのがよくわかるっていうね。だからこれ、いわゆるインドカレーに乗っているやつと、それとは別に洋食の方の、いわゆるおつまみとかの付け合わせになっているものとが両方、入っていて。

(宇多丸)ああ、ネギのアチャールとか、ピクルスとかはカレーの方にはあるけども。そうじゃなくて、にんじんとか……。

(黒沢薫)そうなんです。で、あえてそこはそんなにインドに寄せてないんですね。そうするとまた、リズムが出て。また食べられるという感じで。

(宇多丸)なんか今、ラペを乗せているんですけども。ラペのちょっとした酸味みたいなのもアクセントになるし。

(黒沢薫)あえて、ヨーグルトじゃなくてこちらの酸味の方で変化を出すということを中村屋さんは選択したと思っていて。

(宇多丸)なんか、すごい。この状態だけで要素が豊かすぎる! なんか、もう曼荼羅!

(黒沢薫)そうでしょう?

薬味をプラスして曼荼羅のような味わいに

(イナダシュンスケ)黒沢さん、このスープはスープじゃなくて、かける感じ?

(黒沢薫)スープとして飲むこともできます。両方、楽しめますね。

(宇多丸)これは、ラッサム的なものですか?

(黒沢薫)でもね、ラッサムほど酸味は強くないです。

(宇多丸)ああ、なんだろう? まろやか!

(黒沢薫)これ、たぶんね、元にしてるのはいわゆるそのインドカレーソースだと思うんですね。それをスープ割しているものだと思います。

(宇多丸)酸味も多少、あるけども。でも、まろやか。ちょっとかけてみていい?

(黒沢薫)かけてみると、それでもう第5ぐらいの味になっちゃってると思いますね。第3の味どころじゃなくて。

(宇多丸)ああ、美味しい!

(黒沢薫)で、これ、シルキーでしょう? このロナルド・アイズレーが聞こえてくるでしょう? ロンのファルセットが聞こえてくるんです。

(宇多丸)今、かけたから。ちょうどロンが、もうおじさんが嫌らしく出てきました。

(熊崎風斗)ああ、美味しい! なんだ、これ? はー!

(黒沢薫)このへんから、もうコーラス部分になるので。もう、よくわかんなくなって、いろいろ混ぜて食べる時間ですね。

(宇多丸)渾然一体となって。

(黒沢薫)「ああ、美味しい!」ってちょっとね、うっとりしながら食べる時間です。

(宇多丸)熊崎くん、どうですか? 今まで食べたビリヤニと、全然違うね!

(熊崎風斗)もちろん、食べやすい風にしてくださってるんだけど、本場の味ももちろんあり。ビリヤニだから一皿に当然、なってるんですけど。フルコースを食べてるかのような。食べ始めからフィニッシュでは、もう全く違う色合いになるし。すごい!

(黒沢薫)すごいですね。僕も食べ切ると、「ああ、中村屋を食べたな」っていう。

(宇多丸)中村屋さんという老舗中の老舗。日本のね本格インドカレーが始まりの地点みたいな。そこが最新にして、こんなすごい進化系を見せるっていうのは、すごいね、これね。集大成として。ちょっといろんな薬味を今、乗せて食べていますけども。うん。

(熊崎風斗)普通に食べちゃってます。もう沈黙の時間(笑)。

(黒沢薫)僕は今、「よかった、よかった」って思ってますけどね。

(宇多丸)でも、なにしろ強調しなくちゃいけないのは、普通はテイクアウトというか、スタジオで食べることはできないんですが……新宿中村屋のシェフ自らお越しいただいて、現場で調理していただいて、いただいてます。しかも、ちゃんとした食器でいただいてるいて。

(黒沢薫)これは僕もびっくりしてます! いや、正直、どういう風に分けようかなと思ったんですよ。

(宇多丸)いつもね、お世話なってますよ。本当に。この季節、牡蠣はかならず頼んだりしていますけども。

(黒沢薫)美味しいですよね。これは本当、平日でしかも食数限定なので、もう行ったら絶対食べた方がいいという。

(宇多丸)食数限定って、何食ぐらい出されているんですか?

(黒沢薫)これは、そんな出してないと思うんですよね。だから割と食べられない人が多い。あと、知らない人も多いっていう。

(宇多丸)うん。僕も知らなかった。

(黒沢薫)そうそう。休日、出さないから。

(宇多丸)知らなかったし、僕ってやっぱりなんか、お店に行った時に決まったものを食べる癖があって。

(黒沢薫)でもね、普通はやっぱり純印度式カリーを食べちゃいますよ。カレーが好きだったら。

(宇多丸)だし、冬だから牡蠣ときのこのやつ、あるじゃない? あれ、めちゃくちゃ美味しいから。「やりーっ!」って。「うん? ビリヤニ? そんなの出してるんだ。いろいろやってんだね」なんつってね。こんなすごいことになっていたとは……。イナダさん、スープをかけた上で、どうですか?

(イナダシュンスケ)これ、もうスープをかけたいような、かけるのはもったいないような……さっき、1分ぐらい迷いましたけどね。でもかけたら、なんだろう? この米のパラッと感がスープのしっとりで逆にバラけて。すごく軽快な感じになって。

(黒沢薫)でも鍋の〆の雑炊みたいな感じもしません?

スープをかけて鍋の〆の雑炊感

(イナダシュンスケ)なるほど! これはやっぱり、後半に取っておくべきですかね。このスープは。でも、スープ自体が美味しいから、スープだけで飲んじゃうんですよね。

(黒沢薫)イナダさん、汁物好きですもんね。

(イナダシュンスケ)汁物、大好きです(笑)。

(宇多丸)そしてこれさ、結構ボリューミーだね。

(黒沢薫)そうですね。意外と食べきったらお腹いっぱいになります。

(宇多丸)栄養も……野菜もすごいいっぱい入ってるし。

(イナダシュンスケ)でもこのフライドオニオンとね、生の玉ねぎのダブル使い。さらに、この付け合せのアチャールもオニオンで。

(宇多丸)本当だ! ネギの3層っていうかさ。これ、コーラスだよ!

(黒沢薫)これだけでコーラスがあるのに、さらにいろんないろんな味が重層的に絡んでいく。それこそ先ほどの話じゃないですけど。これもう、本当に贅沢料理ですよね。

(宇多丸)今ね、もう口に入っちゃっていて。なんにもしゃべれない(笑)。

(黒沢薫)大丈夫ですよ。音楽もかかっているんで(笑)。

(宇多丸)あと、なんかね、味の密度がいろんなことがあるから。一口ごとにあるから。だから結構、食べる部位とか、食べ方のそのバランスによって全く違うドラマが……群像劇だね!

(黒沢薫)結構、いろんな切り取り方があったりするから。

(宇多丸)ロバート・アルトマンだね!

(黒沢薫)順番変えたりとかも……。

(宇多丸)「音楽だっつってんだろ」っていうね(笑)。

(熊崎風斗)別のものにたとえた(笑)。たしかに、食べる場所によって全然違うなー。すごい! じゃあ、私からお店のおさらいをさせていただきますね。黒沢薫さんが選ぶ2022年ベストカレー3店舗目。三つ目はJR新宿駅東口から徒歩でおよそ2分の場所にあります。または東京メトロ丸ノ内線新宿駅からも直結しています。新宿中村屋ビル地下2階にありますレストラン&カフェManna新宿中村屋のチキンビリヤニ 幻の米 白目米使用でした。こちらのメニュー、改めて紹介しますが、価格は税込1980円。ボリュームたっぷりです。そして今回の企画用に特別にスタジオにご用意いただきましたが、通常は店内飲食のみとなっております。また、1日食数限定のメニューとなっております。1月1日定休日、それ以外のタイミングでぜひ興味ある方は行ってみてください。

(宇多丸)最後にね、三つご紹介いただいたんで、おさらいをしておきましょう。

(熊崎風斗)3店舗、ご紹介いただきました。ひとつ目、新井薬師にありますマロロガバワンのキーマカレーとサンバル。2店舗目、西新宿にありますナワブダイニングカフェ新宿のラムニハリ&ロティ。そして3店舗目、新宿中村屋ビル地下2階にありますレストラン&カフェManna 新宿中村屋のチキンビリヤニ 幻の米 白目米使用。この3店舗を黒沢さんにご紹介していただきました。

(宇多丸)はい。黒沢さん、ありがとうございます。

(黒沢薫)今年は割と辛味はちょっと抑えめですけど。ちゃんといろんな、全音域が鳴ってるような3店舗で。

(宇多丸)逆に言えば、割と人を選ばないというか、誰が行っても美味しい感じだよね。

(黒沢薫)そうですね。でも、やっぱりスパイスの扉は開くと思います。「ああ、こういうの、面白いな!」っていう風になると思いますんで。

(宇多丸)各店舗の皆さん、ありがとうございます。特に新宿中村屋の皆さん、本当にありがとうございました。シェフもありがとうございます!

<書き起こしおわり>

黒沢薫 新井薬師マロロガバワン・キーマカレーとサンバルを語る
ゴスペラーズ黒沢薫さんが2022年12月19日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』で自身の2022年のカレーベスト3を紹介。中野区新井薬師マロロガバワンのキーマカレーとサンバルを選出していました。
黒沢薫 西新宿ナワブ ダイニングカフェ ラムニハリ&ロティを語る
ゴスペラーズ黒沢薫さんが2022年12月19日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』で自身の2022年のカレーベスト3を紹介。西新宿ナワブ ダイニングカフェのラムニハリ&ロティを選出していました。
ゴスペラーズ黒沢薫 2020年ベストカレートップ3を語る
「ハードコアカレーシンガー」ことゴスペラーズの黒沢薫さんが2020年12月8日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。宇多丸さん、宇垣美里さんに自身の選んだ2020年ベストカレートップ3を紹介していました。 (宇垣美里)という...
タイトルとURLをコピーしました