宇多丸 Creepy Nuts『日本語ラップ紹介LIVE in 日比谷野音』を語る

宇多丸 Creepy Nuts『日本語ラップ紹介LIVE in 日比谷野音』を語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2021年4月26日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でRHYMESTERとして出演した『Creepy Nutsのオールナイトニッポン0 presents 日本語ラップ紹介LIVE in 日比谷野音』を振り返っていました。

(熊崎風斗)宇多丸さん、一昨日、宇多丸さんも参加されましたCreepy Nutsの主催ライブについての感想がものすごく来ているので、この時間に紹介させてください。「Creepy Nuts主催ライブ、参加しました。今まで、なかなか都合が合わなかったRHYMESTERのライブをようやく生で見ることが出来ました。短い時間でしたがセットリストも最高でR-指定さんとのコラボは彼の文脈ありありラップに打ちのめされて、とにかく最高のライブでした。Blu-rayなどで見ていましたが生で見ると本当のキング・オブ・ステージとはこのことなのかと圧倒されました。もちろん、LibeRty Doggsも般若さんもかっこよかった。これでまたこの2週間、いや、いつか声の出せるライブが行われるまで頑張って生きられる気がします。そして今週は『MTV Unplugged』が発売なんて、そんな幸せなことがありますでしょうか。手元に届くのが楽しみです」といただいております。

(宇多丸)そうなんですよ。これはCreepy Nutsがね、『オールナイトニッポン0』をずっとやっていて。まさにCreepy Nutsはその『オールナイトニッポン』、本当にラジオきっかけでブレイクしたというすごくいい流れがあって。で、ちょいちょいそのラジオのイベントをやっていく中で、今年は『日本語ラップ紹介ライブ』というね。もうちょっとネーミングないのかよ?っていう感じだけども。

でも趣旨としてはそういうことで、彼らがいろんな世代とかジャンルとか方向性を超えて、彼らが紹介したいヒップホップアクトをショーケース形式でやり、Creepy Nutsもライブをやるという。しかも、日比谷の野音というね、日本のヒップホップの歴史的には僕らの世代の『さんぴんCAMP』っていう日本の最初の巨大なヒップホップイベントが行われたことで、非常に意味合いが強い場所なんですよ。

そこでやって。で、LibeRty Doggsっていう、あれは大船だよね? 大船のクルーでね、「柄悪いけどいいやつら♪」っていうね、すごい超耳に残る曲をやっていて。ライブもすごいかっこよかったし。本当にいいやつらで。LibeRty Doggsとか。

(宇多丸)あとは般若くんだよね。『フリースタイルダンジョン』のラスボスとしてもおなじみ。そういう意味でもRとの絆も非常に深い般若くんと、それと我々RHYMESTER。そこからCreepy Nutsという流れで。すごいこれがね、後輩の……まあ、会えばやいのやいのやるんだけども、残念ながら非常に良いイベントでして。やっぱり彼らがすごく今、お茶の間とかでも本当にテレビで見ない日がないような人気者になっているけど、そういう中でちゃんとヒップホップの啓蒙というか、裾野を広げるという方向にも努力をしていて。

なおかつ、彼らはすごく愛されグループっていうか、実力もあるし、人柄もいいから。全方位的に付き合えるわけですよ。割と怖めなグループも、我々とかもさ。俺らが怖いかどうかは置いていて。別の怖さがありますけども。なので、そういう意味ですごくイベント全体の雰囲気もよかったし。それこそ、LibeRty Doggsとか僕らも初対面で。というか、Creepy Nutsも初対面だったっていう。

(熊崎風斗)ああ、そうなんですか。へー!

(宇多丸)なんだけど、すごくいい雰囲気で。バックステージも含めて雰囲気が作られていたし。あと、お客さんもね、当然お客さんを入れているんだけども、声は出せない。で、手を上げて示すしかないようなあれだったんだけども。まあ全然、バイブス問題なしっていうか。そんな中で我々も本当に有観客ライブはあれですよ。ラジフェス以来ですよ。その時もCreepy Nutsと一緒だったからさ。で、その時に久しぶりで。我々としては頑張って。私も2ヶ所ほどミスはしましたけど、でも非常に喜んでいただいて。やっぱりはじめて僕らのライブを見る人が多かったから。そうすると、なんていうの? おじさんたちの技術? いろいろの技術みたいなところに喜んでいただいたとか、びっくりしたとか。で、Twitterで東京のトレンドに入ったとか。

(熊崎風斗)入ってましたね。私、ちょっと仕事の途中で配信だけ……全部は見られていないんですけども。見たりしていて。Twitterとかもチェックしていたら「RHYMESTER」ってトレンドにガツンとありましたよ。

Creepy Nutsが素晴らしい場を用意してくれた

(宇多丸)まあ、ようやく気づいていただけましたでしょうかっていうね。我々としてはね、ちゃんとよくやったし。あと、途中でやっぱりそれはでも、Creepy Nutsがああいう場を用意してくれたからなんですよ。で、『Once Again』でRがオリジナルのバースをカマし、そして松永がスクラッチをするんだけども。これまた、見事に文脈を踏まえた、まさに「切り裂き魔、霧吹き魔、文脈魔」といったあたり。それも踏まえて本当に素晴らしい場を用意していただいて、ありがとうございます。1000円ください(笑)。

(中略)

(宇多丸)ちなみに私が先ほど、最初の方で言いましたね。とあるイキり、土曜日にやったんですけども。これは要するに日比谷のCreepy Nutsのライブ、RHYMESTERとして出演しまして。まあ、短いライブだったんでね、ライブそのものは25分とかだったので。で、全てのイベントが終わりまして。そんな、このご時世に打ち上げなんかもないですから。割とサクッと解散をして、その足で丸の内ピカデリー、ドルビーシネマに行き、『ガメラ3』を見たと。

(熊崎風斗)なるほど。

(宇多丸)で、私の場合、こうやってライブが……それこそ、結構大きめのライブがあった後とかもその足で、今でこそ遅い回とかはやっていないけども。都内で遅い回とか全然やっている時は、その足で映画に行く。これが俺なりの、なんていうの? ライブとかは全然もう、ライブ後に映画とか行きますし……みたいな。「朝飯前イキり」。

(熊崎風斗)そうか。本来は疲れているはずなんだけども、そこであえて行くみたいなことですか?

(宇多丸)そうだね。一番すごい、我ながらちょっとやりすぎているなと思ったのは『アマルフィ』ってあったでしょう? 織田裕二さんの。『アマルフィ』のシネマハスラーの週とかに俺、ロックインジャパンだったの。夏だったかな? 結構大舞台だし。まあ、ライブそのものは30分とか40分なんだけども、まあ1日がかりじゃない? で、その足でバルト9に行って、『アマルフィ』を見ました。で、やっぱりその『アマルフィ』をキメている時に「まあ、全然もう、それはやりますし。見ますし」って。

(熊崎風斗)他の人と差をつけているぜ、俺は……みたいな。そういうところもあるんですか?

(宇多丸)あるある。「俺は余裕ある感」っていうか(笑)。1日に複数の……その2足のわらじを履くことなどなんとも思っていないみたいな。そしてそれを誰にも見られていないのに、俺イキりですよね。

(熊崎風斗)それを誰かに言うわけでもないわけですよね?

ライブ後の『ガメラ3』イキり

(宇多丸)まあ、今言いましたけどね。だから『ガメラ3』イキりはまあ、マネージャーの小山内さんぐらいですよ。「俺、ちょっとこのまま『ガメラ』に行っちゃおうと思うんで」って。

(熊崎風斗)小山内さんはどういう反応をするんですか?

(宇多丸)「ああ、ありっすね」って。小山内さん、映画好きだから。「ありっすね」って。そういう感じですよ(笑)。

(熊崎風斗)いいですねー(笑)。

(宇多丸)でもなんかちょっとさ、わからない? 大きな仕事があった時ほど、ちょっと余裕こきを入れたい感じ?

(熊崎風斗)なんか人生において俺は頑張っている、差をつけたいみたいな……たとえば僕はド早朝からスポーツジムとかに行って。他がまだ始動をしていない中、「俺は日本で一番頑張っている」みたいなことを。まあ、他に頑張っている人なんて無限にいるんですけども。そう思い込んで、それで気合を入れていくというか。まあ、イキってるんですけども。

(宇多丸)プラスアルファ、俺はやっているんだっていうことだもんね。

(熊崎風斗)その他、みんなが頑張っている時に余裕で寝ているんですけども(笑)。そういうのは度外視して、そういうことを言っちゃうみたいな。

(宇多丸)まあ、でもわかりますよ。いやいや、そういう感じでそれぞれにイキりを肯定していこうというコーナー、イキり・ゲンドウですよ。

<書き起こしおわり>

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