萩本欽一『仮装大賞』の司会の仕事がつらかった話

萩本欽一とオードリー若林 会議をすべきでない理由を語る キンワカ60分

萩本欽一さんとオードリー若林さんが2023年1月1日放送のニッポン放送『欽ちゃんとオードリー若林のあけましてキンワカ60分!』の中で『仮装大賞』の司会の仕事についてトーク。「つらかった」と話していました。

(若林正恭)MCはどうでしょう? 楽しかったですか?

(萩本欽一)「楽しい」じゃなくて、わかんなかった。

(若林正恭)いや、これ聞いている人、びっくりすると思いましたよ。欽ちゃんって言ったら、司会っていうイメージですもん。

(萩本欽一)いや、できてると思ってませんから。

(若林正恭)ああ、そう?(笑)。だって『仮装大賞』の司会ですよ? もう、日本のテレビ史の大MCですよ?

(萩本欽一)つらかったよ。

(若林正恭)「つらかったよ」(笑)。

(萩本欽一)だって、わかんないんだもん。

(若林正恭)それ、欽ちゃん、言わない方がいいよ?

(萩本欽一)なにを?

(若林正恭)みんな、夢を持って……『仮装大賞』の欽ちゃんで、夢だから。ドリームだから。「つらかったよ」って言わない方がいいよ、絶対に(笑)。

(萩本欽一)いや、ですから。番組を……よくスポーツ選手で「楽しくやります」って言うけど。自分が楽しんで、それで感動なんか与えられないよ? 感動っていうのは、そのつらいところを乗り越えるから感動するんじゃないの?

つらいところを乗り越えるから、感動する

(若林正恭)まあ、でもそうか。漫才のコンテストとかも、その手前ではね。そんなこと言ったら、井口に怒られるかもしれないけど(笑)。「『アナザーストーリー』、いらねえんだ」っていうね。でも、欽ちゃんがね、『仮装大賞』で演目が終わった後、相手は一般の方じゃないですか。その人たち、子供とか、お父さんとかに振って。その人の面白い部分を引き出して、笑いを起こす。これはもう、「ザ・欽ちゃんの仕事」っていう感じで。俺が言うのも生意気だけど。本当にすごいな!って思うんですよ。一般の人はあんなに面白くするって。

(萩本欽一)「面白くする」って、面白くならないですよ。

(若林正恭)いや、面白くなってましたよ?

(萩本欽一)でも、その時代がね、運をくれたんですよ。時代が運をくれたっていうのは、その前はピンマイクじゃなくて、棒マイクだったの。ですから、歌手の名前で言うと「はい。八代亜紀さんの『大阪しぐれ』!」とかって言って。「はい、坊や。言って」っていう時。それでマイクを外して耳元で「大阪ビビンバ」とか、小さい声でブツブツ言ってるわけよ。腹話術をやっているわけ。それが耳に入っちゃって。「はい!」っつってマイクを向けると「大阪ビビンバ」とかって……「なんでビビンバ? どこを聞いてるんだよ?」っていう。だからあれ、1人コントをやっているようなもんだね。

(若林正恭)へー! そうですか。1人コントだ。

(萩本欽一)腹話術で……だから、しりとりをやってるだけだよ。「山……まな板」とか、そういうことを。

(若林正恭)いや、すごくない? 一般の人との絡みは、腹話術なんだって。

(萩本欽一)テレビっていうのは、おかしくなるように教えちゃうわけね。それは、わざとらしくてダメでしょう?

(若林正恭)それは、やってますよ。MCに。「一般の人には、こうやって振って」って。今、カンペが出るから。

(萩本欽一)ですから、カンペを見ていて番組の数字って、行かないでしょう? 私はカンペは……。

(若林正恭)いや、本当にそうなんだよな……。

(萩本欽一)NHKのね、夏の紅白みたいな番組の司会をやった時。「大丈夫です」って。タイトルが終わって、前に全部出るの。画面みたいなのがあって。俺、カンペを見てやるなんて、もう素人だと思うから、絶対に見なかったの。そうしたら、「森昌子さんの……」って言った後でフッとタイトルを忘れちゃったの。で、カンペを見ればいいんだけども、「プロは見ない」と思って。さあ! 歌います!」って言って(笑)。

(若林正恭)ああ、カンペを見ないで?(笑)。

(萩本欽一)そしたら、帰ってきてさ。「ごめん。覚えられなかった」っつってたら、ディレクターとかADの方が「ええっ? いや、上では言ってますよ。『ああ、大将にはめられた。最初から狙ってたのをやられた』って……」って。

(若林正恭)だって、「デビュー○年」とか、たぶんあって。曲のタイトルがあって。「これが今、ヒットしています。どうぞ!」っていうのを全部、「さあ、どうぞ!」だけを言ったんですか?(笑)。

(萩本欽一)そうそう。「歌は……どうぞ」って(笑)。

(若林正恭)フハハハハハハハハッ! ああ、俺もそうやろうかな?

(萩本欽一)そうしたら、その「どうぞ」を不安げに言ったもんだから、ドカン!ってウケたわけよ。そしたらその「○○です、どうぞ」っていうのを「歌は……どうぞ?」って(笑)。

(若林正恭)いや、そりゃウケるよなー!

(萩本欽一)いや、ウケようと思ったわけじゃないのに、戻ってきて「ごめんね。間違えて。ドジっちゃったよ」って言ったらさ、「いや、ディレクターが上で叫んでます。『あれ、大将にやられた!』って」って。

(若林正恭)確信犯だと思ってね。

(萩本欽一)そうそう。これ、本当に企業秘密だったからさ。放送、これはカットして? ねえ(笑)。

(若林正恭)でも、俺もこれ、真似するから。カットして(笑)。

企業秘密だから、カットしてほしい

(萩本欽一)フハハハハハハハハッ! でも、いいね。この番組。正直言ってね、こんなにね……これ、1時間番組かなんかでしょう?

(若林正恭)そうです。

(萩本欽一)これ、今3時間ぐらいしゃべってるんじゃないか? だからね、大丈夫だよ。ほとんど放送に出ないから。

(若林正恭)でも、過去2回、全部流れてましたよ? 聞いてたけど。

(萩本欽一)えっ?

(若林正恭)フハハハハハハハハッ! 「それは欽ちゃん、マズいでしょう?」っていうところ、全部流れてた(笑)。欽ちゃんの意外なところ、全部流れてた(笑)。

(萩本欽一)俺ね、「若林を大事にしよう」と思ったのは、それを見た若林のファンは、何人かがこっちに来てるわけ。

(若林正恭)ああ、本当ですか?

(萩本欽一)そう。それで「その番組で知ったんだけど」っていうんで。だけど、俺はその時に思ったの。「ああ、若林。ちょっと、お友達にしとこう。ちょっとツバ、つけとこう」と思ったの。だって、大量に流れてきてるんだもん。

(若林正恭)でも俺も欽ちゃんのファンの方から……70代の方かな? ラジオに手紙をもらいましたよ。欽ちゃんのファンも来てるから、俺も「欽ちゃんにツバつけておこう」と思ったの。それで(笑)。

(萩本欽一)いいねえ(笑)。だから幅の広い番組になっているね。

(若林正恭)そうそう。世代を越えて。

(萩本欽一)そうだね。

<書き起こしおわり>

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