オードリー若林 堺雅人と中谷美紀に「裏切られた」と感じた瞬間を語る

オードリー若林 堺雅人と中谷美紀に「裏切られた」と感じた瞬間を語る オードリーのオールナイトニッポン

オードリー若林さんが2023年3月4日放送のニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』の中で演技についてトーク。かつて出演した映画で共演した堺雅人さん、中谷美紀さんに「裏切られた」と思った瞬間を話していました。

(若林正恭)いやー、やっぱりCreepy Nutsってすごいよな。そう考えたら。どうしてくんだろう? どうなっていくんだろう? なんか、それで言うとさ、なんかやっぱり芝居ってさ、自意識うんが強いと下手なのかな? 俺、下手じゃん? で、芝居うまい人って、あれはなんだろうね?

(春日俊彰)うん、たしか。どうやってやっているんだろうね、あれ?

(若林正恭)映画とか見ていても「どうやってんの?」って思う。立て続けに見ると。

(春日俊彰)ああ、そう? いや、本当だよな。

(若林正恭)まあ、下手なやつ同士でしゃべっても、わかんねえよな。

(春日俊彰)わかんない。

(若林正恭)お前もなんか「結構できる」みたいな感じで言われてるけど、お前もうまくはないからな?

(春日俊彰)いや、うまくないよ。

(若林正恭)キャラを入れるから乗り切るだけであって。うまくはないよ。

(春日俊彰)もちろんわかってるよ。それは。どうやってやってんのかな?って思って。本当、私がやってるのは台本を代わりに言ってるぐらいの感じだからね。別に誰かになってないじゃない?

(若林正恭)だから、あれなんだって。コントをやる人が漫才を恥ずかしくてできないのは、決まってるのに普段みたいに出ていくからなんだって。だから、俺たちとは逆なんだよね。

(春日俊彰)なるへそ! そういうことか。

(若林正恭)俺たち、別に普段で出ていくじゃん? でも「普段を演じなきゃ」って思うから、恥ずかしいんだって。「何やってんの?」ってなっちゃうんだって。

(春日俊彰)なるへそ。だからなにかネタをやる時は違う人になっているっていうことなんだ。自分以外の。

(若林正恭)コントはそうじゃん? で、俺らは下手だから、そっちの方がわからないじゃん?

(春日俊彰)ああ、わからないね。へー! なるへそ!

(若林正恭)言っていたよ。普段をやるのが照れくさいから。しかも相方と打ち合わせをしていることをしゃべるみたいな。「お前さー」みたいな。コントの人ってそれ、絶対にできないんだって。

(春日俊彰)ああ、そうなんだね。でもたしかに、言われてみればそうだね。うん。

(若林正恭)すごい話だよな。

(春日俊彰)そうか。だから「誰かになる」っていうのは難しいよね。「こういう人で」って。

(若林正恭)いや、だから映画を見ていてそれが本当すごいと思って。だって、全部違うんだよ? 松坂桃李さんの役が。監督も違うし。全部、違うのよ。

(春日俊彰)でも、見た目は松坂桃李なわけでしょう?

(若林正恭)2、3作品、見た目も松坂桃李さんじゃないけどね。

(春日俊彰)じゃあそれ、松坂桃李じゃないんじゃないの?(笑)。

(若林正恭)じゃないぐらい、なんか元犯人というか、やってたりする。松坂桃李さんじゃないんじゃないの?っていうぐらい。でも、エンドロールを見たら松坂桃李なのよ。

(春日俊彰)そんな違うこと、ある? エンドロールを見るまでわかんないぐらい違うの?

(若林正恭)ぐらい、違う人として見ちゃってるよね。

(春日俊彰)そんなに? そのレベルで?

俳優への褒め言葉

(若林正恭)だから水卜ちゃんと話してるの。インタビューするんだけ。取った人に。「演技、うまいっすね!」って言っていいのかな?って。

(春日俊彰)いや……ダメでしょう?

(若林正恭)それさ、歌手にさ、「歌うまいっすね」って言ったら失礼っぽいのはなんか、わかる。

(春日俊彰)うん。まあ「当たり前だろ」っていうね。

(若林正恭)で、R-指定に「ラップうまいっすね」とか、DJ松永に「DJうまいっすね」って言ったら、たぶん失礼なのはわかる。

(春日俊彰)なんか引っかかるよね。おかしいよね。

(若林正恭)でも芸人はさ、「面白かったです」って言われたらみんな喜ぶよな?(笑)。

(春日俊彰)まあ、そうだね。

(若林正恭)でも「漫才をお上手ですね」は腹立つね(笑)。

(春日俊彰)たしかに、なんかね。上から……なんて言うのが一番いいのかね? 喜ぶというか。

(若林正恭)「演技うまいっすね」っつったらむっとする人、いそうじゃない?

(春日俊彰)それはいるんじゃない? 「それは当たり前だろ」って。なんて言うのが一番ベストなんだろうね? 俳優さんに。「感動しました」とか? なんだろう?

(若林正恭)でも「引き込まれました」ってなんか1回、考えたっぽいもんな。

(春日俊彰)でも今のなのかな? 「松坂さんに見えなかったです。エンドロールで気づきました」ぐらいの。

(若林正恭)いやー、どうなんだろう? それは頭おかしいと思われるよ。テレビだから。

(春日俊彰)「エンドロールで気づいたんですけど、出てたんですね! それぐらい、わかんなかったっす。役がすごすぎて」って。

(若林正恭)でも、そういうのを聞かれるの、面倒くさいっぽいじゃん? なんか役者さんがたまにテレビのトークとかで「役作りとかしますとか言うけど、ないっすよ。そんなの」とか言うけど。でも、絶対にしているよね?

(春日俊彰)いや、まあそれはしてるでしょう(笑)。

(若林正恭)俺は『ひまわりと子犬の7日間』で裏切られたと思って。堺雅人さんと中谷美紀さんに。

(春日俊彰)なにをよ?

(若林正恭)なんか、それまでずっと何か世間話とかしていて。「じゃあ、撮ります」ってなったら役にパーン!って入って、すごい演技してたの。でも最後のクライマックスをみんなで泣くシーンがあって。その時は、なんか2人ともCDとか音楽をイヤホンで聞いて、気持ちを作ってたの。その時は。だから、レベルがあるんじゃない? 気持ち作るっていう撮りと、作らない撮りがわかるんじゃないの? 役者さんは。

(春日俊彰)ああ、でもそれはそうか。

(若林正恭)でも、その時もしゃべりかけようとして行ったらなんかCDを聞いてるからさ。「あっ、裏切られた!」と思って。で、2人ともめっちゃ泣いているし(笑)。

(春日俊彰)それはプロだから、やるでしょうよ?

(若林正恭)俺だけなんか、泣いてないし(笑)。

自分だけ泣けなかった

(春日俊彰)泣いてないじゃん! ダメじゃん(笑)。ダメだろ、泣かないと(笑)。聞きなさいよ、なんか音楽とか。同じように(笑)。

(若林正恭)だから、あるんだろうね(笑)。「これは気持ち作る」とか。で、急にみんなでしゃべらなくなって。それまでは、「すげえ!」と思ったの。「すぐできるもんなんだ」って。で、意外とホラーの現場の方が明るいとか言うんだよね。みんな、なんか血だらけとかになりながら、ワーッと明るくしゃべって。撮る時は……みたいな感じらしくてさ。それで俺さ、「映画の世界ってこういうもんなんだ」って思って。世間話とかしてたら最後のシーンだけ、みんなそんな風に用意してさ。「はめられたわー!」って(笑)。

(春日俊彰)いや、はめてないのよ。同じように気持ちを作らなきゃダメなんだよ。

(若林正恭)でも、何回も話すけど、思い出すな。『ひまわり』を。調布の映画の撮影所でさ、停電があったんだよね。停電があって、ブレーカーが全部落ちたの。その撮影所の。で、「撮れません」ってなって。でも、「今日中にここまで撮らないとヤバい」みたいになって。「発電機、ねえのか!」みたいな怒号が飛び交っていて。そしたら中谷美紀さんがワーッと前に出てきて。「発電機、ねえのか!」ってやっている時に「私が自転車を漕ぎましょうか?」って……。「おい、発電機ねえのか! おいっ!」って(笑)。

(春日俊彰)いや、誰かリアクションしなさいよ(笑)。無視はダメよ、無視は(笑)。

(若林正恭)いや、中谷さんってボケの決め打ちをしてくる人だったのよ。スッとボケてスッと下がる人だったのよ。

(春日俊彰)なるへそ。そんなに取りに行かないんだね?

(若林正恭)「どうすんだ? 電気、どうにかなるのか?」って。「バッテリー、あるみたいです。○○です! 発電機が……」とか、飛び交っている時にだよ? わざわざ前に出てきて言ったんだよ。「私が自転車、漕ぎましょうか? 失礼します……」って(笑)。

(春日俊彰)ああ、ちゃんと引くんだね(笑)。

(若林正恭)それで、髪型をキープしなきゃいけないじゃん? だから「ちょっと伸びましたね」ってメイクさんに言われて。メイクさんに髪を切ってもらった時になんか「ひまわり美容院を楽しんでください」っつってサーッといなくなっていったりして(笑)。

(春日俊彰)なんかを残していくんだね。一言ね。

(若林正恭)すごい面白い人なの(笑)。そう。それを思い出して、その後にとんでもない滑り方をしていて。あと、あれね。M-1の漫才をやった後のコメントね。俺のもう1個、日本アカデミー賞に匹敵するぐらいの滑りは。

<書き起こしおわり>

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