渡辺志保とDJ YANATAKE Migos Takeoffを追悼する

渡辺志保とDJ YANATAKE Migos Takeoffを追悼する INSIDE OUT

渡辺志保さんとDJ YANATAKEさんが2022年11月7日放送のblock.fm『INSIDE OUT』の中で亡くなったMigos Takeoffを追悼していました。

(渡辺志保)というわけで、今日の最後に1曲、お届けしたいわけなんですけれども。皆様もご存知だと思いますけれども。そして私もいち早く、先週オンエアーされたbayfmの『MUSIC GARAGE:ROOM 101』のでも非常に湿っぽく、動揺を隠せぬまましゃべってしまったんですけれども。日本時間の11月1日の7時とか6時とか、それぐらいですかね。ミーゴスのメンバーのテイクオフが銃弾に倒れてしまったというニュースが舞い込んでまいりまして。

で、これはちょっと他の番組でも話したんだけど。私はそのニュースをヤナタケさんから「こういうことがあったっぽいよ」っていう知らせを受けて「マジか……」と思いつつ。そこからちょっとニュースがコンファームされるのをね、嫌な気持ちで待っていた。「フェイクニュースであってほしいな」と思いつつ、報道を持っていたわけなんですけれども、どうやら本当だったと。

(渡辺志保)で、11月の1日未明というか、深夜2時半ぐらいですかね? テキサス州ヒューストンのボウリング場でテイクオフが、報道によると、本当にもう流れ弾に当たって亡くなってしまったみたいな風に言われておりますし。まだ、諸々捜査中のことも多いかと思うんですけれども、一部報道によるとその現場には同じミーゴスのクエイヴォもいて。その他の取り巻きというか、マネージャーたちもいて。で、なんか本当に無念だなと思うけど、全部で3名が撃たれてしまったそうなんですよね。

そのうち2名は病院に運ばれて、テイクオフだけがもうほぼ即死状態だったと。かつ、この事件は口論がきっかけで、それから銃弾が発砲されたということらしいんですけれども、テイクオフは本当に静かにしていて、その口論、喧嘩に参加してたわけではないという風にも報じている記事なんかもねありまして。本当に本当に無念で。まだ28歳ということです。

まあミーゴスというと私は本当にこの番組がスタートして2年後ぐらいに『Versace』のヒットがあったのかな? ちゃんと調べてから来いよって感じなんですけれども。やっぱりそれまでジージーとかT.I.とかグッチ・メインとかが作ってきたアトランタのトラップっていうカルチャーをですね、よりインターナショナルに、世界中に広めて伝えたのが、紛れもなくこのミーゴスの3名だと思うんですよね。で、私もすごい覚えてるけど、最初に『Versace』を聞いた時の驚きっていうか。フロウも斬新すぎるし。

(DJ YANATAKE)ねえ。この番組でもAKLOさんが「この10年とかで一番すごいラップ」みたいな感じで紹介してたよ。

時代を変えた3連符フロウ

AKLO Migos『Versace』のその後のラップに与えた影響を語る
AKLOさんが2021年12月6日放送のblock.fm『INSIDE OUT』10周年記念放送の中でMigos『Versace』をこの10年間の個人的ベスト楽曲として紹介。その後のラップに与えた影響について話していました。

(渡辺志保)ねえ。やっぱりあの3連譜。今は本当にみんなやってるけど。「タタタ、タタタ、タタタ……」っていう。「ベサチ、ベサチ、ベサチ♪」って。もうみんなやっているけども。当時はもうビートも含めてさ、フロウも含めてさ、「なんじゃ、こりゃ!?」って思って。しかもそれに続いて『Hannah Montana』とかさ、『Chinatown』とか、「これ、ジョークなのか、シリアスなのかわかんないぞ?」みたいな。でも、やっぱりすごく新しくて楽しくて面白いし、ドープみたいな感じで一躍、名を広めていったミーゴスですけれども。

ちょっとね、ここのところ不仲説が流れたりとか。オフセットだけ違うことをしていたり、なんてことも報じられてたけど。だからこそ本当に本当に悔しいなって思うし。私は2019年にマイアミのローリングラウドで初めてミーゴスの3人揃ってのライブを見たんだけれども。本当にもう、伝統芸みたいなの。そのみんなが合いの手が……で、やっぱりミーゴスと言えばそのアドリブ芸も皆さん、すごい印象に残ってると思うんですけど。やっぱあの3人が揃ってのアドリブ芸というか。あれはやっぱり熟練のパフォーマンスだなという風に思ったし。

ちょっとあの3人でのパフォーマンスがもう二度と見ることができなくなってしまったっていうのは本当に本当にもう深い喪失感を感じますし。改めて、そのミーゴスの功績っていうものをここ数日間、ぐるぐるぐるぐると考えてしまいましたね。本当にこういう悲しい事件起きてほしくないなという切に切に思います。という感じです。もう本当にそれだけですね。本当に悲しすぎますね。今、話していて泣きそうです。

(DJ YANATAKE)今年、ちょっと多すぎるよな。

(渡辺志保)そうですね。で、『ROOM 101』でも話したんだけど。ちょっと前に私、LAで……やっぱりね、ニプシー・ハッスルからポップ・スモークからPnBロックから、その他諸々、ラッパーが銃で撃たれるという事件が多すぎて。これはいかがなものかっていうLAタイムズがすごく興味深い記事を書いていて。それをちょうどラジオで紹介したんですよ。で、その1、2週間後にこのテイクオフの事件もあって。もうそろそろ……まあ、別にラッパーじゃなくても、銃で人の命が失われてしまうということは本当に本当に悲しいことで。その命に重さに違いはないですけれども。

それにしても……っていうのは思います。私、あと今日、ニュースで知りましたけど。日本でも19歳のYOSHIくんがバイクの事故で亡くなったっていうことで。私もYOSHIくんは一度だけインタビューさせてもらったことがあるんですけど。あの自信に満ち満ちたYOSHIくんがこんなにも早くっていう気持ちもありますし。本当になんかもう、いろんなことが……っていう感じです。

(DJ YANATAKE)どうしても、こういうのを映し出すのがさっきのWatsonくんの話にも近いけど。ヒップホップが映す側面みたいなところもちょっとあるんですけど。やっぱり、だからこそね、いろんなことを知って、学んで。そういう道に進まないようにしていけるのもヒップホップだと思いますし。本当に。あと、先週末、ちょっと長野に行ったんですよ。DJ KENZIのパーティー『FREEDOM』っていうのの17周年で、すごいお客さんがパンパンに入っていて。

そこでもさ、若いお客さんが……結構DJもいっぱいミーゴスの曲をかけていて。若いお客さんがみんな盛り上がってたのよ。で、やっぱりみんな、ヒップヒップを聞いてる人たちがさ、盛り上がっているんだけども、やっぱり悲しい思いもそこにはあるからさ。なんて思いながらね。でもすごいいいパーティーだったんで、それは良かったんですけど。みたいなのがあってね。

(渡辺志保)そうそう。だから本当にもうトラップって、ただの流行のビートの種類ではなくて。やっぱり彼らのこういう本当に死と隣り合わせというか、こういうシリアスな状況をも背負ってみんな、トラップミュージックっていうのをアトランタとか、アメリカのサウスの人たちをやってるんだっていうのも一言、付け加えておきたいなという風に思います。というわけで、今日の最後はミーゴスな曲でと思ったし。絶対に絶対にその3人が仲良かった時の曲で締めたいなという風に思ったんですね。で、これからかける曲は2014年にリリースされた『Nawfside』っていう曲なんですけれども。3名がそれぞれ自分のアトランタの地元に敬意を表する、本当に愛に溢れた曲になっておりますので。今日はミーゴスの『Nawfside』でお別れしたいと思います。

Migos『Nawfside』

<書き起こしおわり>

渡辺志保 Migos Takeoffを追悼する
渡辺志保さんが2022年11月4日放送のbayfm『MUSIC GARAGE:ROOM 101』の中で亡くなったMigosのTakeoffを追悼していました。
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