宇多丸さんが2022年10月31日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で横浜アリーナで開催された『佐久間宣行ANN0 presents ドリームエンターテインメントライブin横浜アリーナ』に出演した際にチャレンジしたチュロ上げゲームの模様を紹介していました。
(宇多丸)さて、チュロスなんですけどもね。番組が始まって、もう1時間半経ちましたんで。また1から話を始めるっていう……(笑)。
(熊崎風斗)「チュロスの話に行く」ってなって、「時間がない」ってなって……。
(宇多丸)それで毎回、話の初めから始めて。時間がなくなり……みたいな。タイムループ物みたいな、地獄みたいになっていますけども。ニッポン放送の看板番組オールナイトニッポン0で現在水曜日の3時から4時半を担当されております佐久間宣行さん。元テレビ東京、いろんな番組作ってこられました。『ゴッドタン』とか。それで佐久間さん、今はフリーになられていろいろ活躍される中で、オールナイトニッポンが大成功されておりまして。それのイベント。
で、今まではいろんなトーク系というか、イベントをやられていたんですけども、音楽イベントとして初めて、横浜アリーナでやられたという。その土曜日の横浜アリーナに私どもRHYMESTERが音楽アーティストとしてまずは出演してきたというお話でございまして。で、ライブ終わった後、下の花道を人力トロッコで抜けて、真ん中のそのブース上のトークコーナーところに行ったっていう。こんな話をしました。あと、タイムテーブルがいわゆるバカの作ったタイムテーブルで。23分とか24分とか、分刻み。5分刻み、5分単位になってないっていう。
それを舞台上でも言ってしまいまして。後ほど、その石井玄さんにですね、「すいません。私が作ったタイムテーブルで。申し訳ございませんでした」って。私も「いや、すいません。本当にすいません」っていう。そういうくだりがあったことは言うまでもないんですが。まあ、それはいいんだよ。ちなみに、最初はちょっと押していて。しかも、やっぱりライブの素人っていうのはこうなるんですかね。「押してます」「なんで押してるんですか?」「わかりません」なんて。「そりゃあ、押すでしょう。その感じなら……」って思っていたんですけども。でもちゃんと最後はきっちり、時間がオンタイムに戻ってきていて。
だからちゃんと帳尻は合っていて。そこはさすが、プロのね、一級の放送マンたちというか。さすがでございました。まあ、そんなことはいいんだ。で、ライブが終わってね、トロッコに乗せられて真ん中へ……もう間髪入れずですよ。汗、びっしょりよ。そのままでアリーナの真ん中のラジオブース的なところに行って、そこでトークをしましたよ。で、もちろん佐久間さんのうまい転がしと、あとはやっぱりお客の皆さんもすごい温かくて。アトロクリスナーの方も結構いたんだと思うんですよ。
宇内さんの話とか、すごい反応してたし。月見バーガー、3年連続で同じ話をしていた件とか、またしてしまいました。あと、困った時にはCreepy Nutsの話を出して何とか乗り切る。すいません。共通の問題がCreepy Nutsだったもので。すいません。他意はありません。みたいな感じで。「松永の話をするのは便利だな。松永、座持ちするな」なんてことを思いながら、トークコーナーが終わりまして。「RHYMESTERの皆さんでした。パチパチパチ!」なんて。壇上を下りました。さあ、勝負はここからです。
私、そのチュロ上げゲームという、その佐久間さんのイベントの恒例儀式となったらしい……で、それゆえにチュロス型ペンライトをみんな振っているという。すいませんね。この話、説明がいるんだよ。
(熊崎風斗)チュロス型ペンライト。
(宇多丸)「チュロ上げて、チュロ下げて、チュロ上げないで、チュロ食べて」みたいな。で、実際に本当にチュロスを食べる。で、最後の方は「チュロ食べて、チュロ食べ食べて……」みたいな感じになって。もうどんどん、「食べるだけじゃねえか!」みたいな。そういう感じのゲームがあるわけ。で、前は佐久間さんが真剣にね。しかも何の説明もないんです。「こういうゲームです」とか「なんだよ。こんなことやるのかよ!」とか、そういうのもなくて。ダーン!って。スポットが当たって佐久間さんが立っている。もう真剣な顔ですよ。
で、「チュロ上げて……」って始まって。それでバーン!って終わるみたいな。だから『ゴッドタン』でもあるじゃない? たまに。ダーン!って。まさにそれっていう感じ。で、私、「チュロ上げゲームに出てください」って言われていて、出演したんです。最初は佐久間さんがやって。チャレンジャーの第一弾が花澤香菜さん。花澤香菜さんですよ? で、花澤さんは佐久間さんの横に立ってやって、これも大盛り上がりでした。「チャレンジャー!」なんて。ちょっとスマブラ風のが流れて、出たわけです。
で、第2の挑戦者が私だったわけです。で、ここが演出として、僕はたしかに優れているなって思ったのは、同じ舞台に上がるのではなくて、僕はそこから移動をして。もう1回、そのトロッコに乗って。要するに終わって、下に降りた途端、すぐにトロッコに乗って。猛スピードでガーッと裏に行って、そこから全力疾走です。全力疾走で皆さんがチュロスを実際に買っている甘い香りが漂うそのロビーの脇を実は抜けて。だから、その時にロビーにいた人は俺が走っていくのを見たと思うんです。抜けて、待たせていたエレベーターに乗って、3階に上がって。
3階の、いわゆるVIP席というか、スイートルーム。展覧席みたいなやつ。実は私、以前そこでアミューズの会長に誘われてサザンオールスターズのライブをRHYMESTERと一緒に見たことがありますけど。「ああ、あのボックスだ」みたいな。ボックスがあって。そこまで移動をして。しかもね、俺らのトークが終わったら、すぐにチュロ上げゲームが始まったのよ。だから全く時間がないんですよ。その数分間の間に全力疾走して、上がって。で、「ネクストレンジャー!」みたいな。もう、シルエットだけでみんなわかって、すごい盛り上がってくれて。「ああ、宇多丸だ!」って。
で、カメラが会場を探すと、そのボックスの席のところにいるっていう。だから、結構な早さで移動を……俺、もう導線を何度も確認したんで。結構、事前に着くぐらいにはなってました。でも全力疾走ですよ。皆さん、いいですか? 30分、ライブやって。で、トークやって。それで全力疾走をしてからのチュロスなのよ。っていうことです。でですね、チュロスに関して……あ、ちなみに私、こういう状況です。
(熊崎風斗)ああ、その日の写真ですか? おおっ! 黒い服の宇多丸さんがチュロスを持ってる!
(宇多丸)これ、ちょっとトリミングしているかもしれないけど、この写真はすごいいいと思っていて。俺が登場した瞬間。このね、横の階段が写っているのがいい。わかるでしょう? とんでもないところに出てきた感があるでしょう? これ、すごいいい写真だと思っている。
宇多丸、チュロ上げゲーム参戦
チュロ上げゲームで「チュロ見つめる」の時の宇多丸さんが愛おしすぎてハンパなかった
何より赤坂と有楽町が交わるなんて最高にエモい
まさに人間交差点#佐久間ドリエン #utamaru pic.twitter.com/qiyGAHo3ra— BISC✪ (@Cobisco) October 29, 2022
(宇多丸)でね、これをご覧になった皆さんから数々の証言をいただいてるんですが。皆さん、ちょっとこれ二つ、対照的な証言ありますんで。これによって私、ちょっと仮説が生まれたんで、お聞きください。「きらきらぼし」さん。「宇多丸さん、チュロ上げゲームにはチュロスを上げる、下げる、食べるの他に後半、見つめるもありましたよ」って。もうそのへんはちょっとよく聞こえなかったです。「宇多丸さんは佐久間さんよりもかなり正確にチュロ上げゲームをされていました」という。きらきらぼしさんはそう言っている。
あるいは「しっちゃかめっちゃか」さん。「宇多丸さん、先日はドリエン出演、お疲れ様でした。RHYMESTERのライブ、良かったですよ」って言っていただいて。ありがとうございます。「宇多丸さんのチェロ上げゲームのプレイぶりは、参戦した3人の中ではダントツで正確なものでした。それだけはお伝えしたく、メールさせていただきました」という。しっちゃかめっちゃかさんもこう言っている。ところが、「すけすけパンチライン」さんは「ドリエンで宇多丸さんだけやけに遠くから出演してチュロ上げゲームをやらされた挙げ句、佐久間さん同様にろくに成功せず、ラジオに寄ってくる虫こと花澤香菜さんの1人勝ちだったことを検証、お願いします」っていう。
(熊崎風斗)人によって全然、違いますね?
(宇多丸)これですね、私、エゴサは基本、今はしない主義ですが。「チュロス 宇多丸」のみはしました。あるいはチュロスを略している場合もあるので「チュロ 宇多丸」でもしました。そうしたところ、やっぱり両極端な意見なんですよ。めちゃくちゃ、超人的に正確だったって言ってる人と、全然できてなかったって言っている人がいるのね。さあ、これ皆さん、なぜだと思いますか? 私は仮説がありますけど。仮説というか、たぶんこれが正解なんですけども。
(熊崎風斗)見ている位置によって……?
(宇多丸)答えは、音の届く速さの違い。つまり、横浜アリーナともなるとスピーカーとか、座ってる位置によって、光の方が音よりも当然、速いですから。音が遅れて聞こえる。要するに僕はかなり離れた位置にいたので、皆さんよりも遅く音を聞いてたんです。だから僕の近くで、僕の動きを見てた人。もしくはその僕の動きを直接撮っていたカメラとかは、僕がそのリアルタイムで反応してるの見ていたんだけど。離れた位置から。あるいは、その離れた位置から撮ったカメラをまた見ている観客。別の位置から見てる人からしたら、たぶんディレイが二重、三重に重なっていたりするので、遅れてやってるように見えるっていう。
(熊崎風斗)「宇多丸さん、だいぶ遅れてチュロ上げているな」みたいな。
(宇多丸)そうです、そうです。ということだと思われ。で、私はモニターがとにかく心配で。音がちゃんと聞こえるかどうかが心配だと思ってたんですが……音が聞こえました。ただ、この皆さんのいろんな意見を聞いて、時間差はあったんだっていうことをこれで知ったわけです。で、この時間差が終わるために、たとえば大きめの会場だとアーティストによってやっぱり、要するに自分の歌とかバックの演奏の音を聞くためにモニターイヤホン(イヤモニ)をするわけです。
たとえば、あの大きな会場だと、Mummy-Dさんはしていました。ただ私はやっぱり会場のバイブスを感じたい派なので、できるだけ転がしという、要するにオープンエアなモニタースピーカーを置いてそれでやって。で、花澤さんは「すごい。イヤモニなしでやるんですね」「ああ、僕はやっぱバイブス重視なんで」とか言ってたんですけど。かようにですね、そのモニター環境、音の聞こえる環境というのは大きい会場だと、非常に大きな差を生む。たとえば、そこの花道があるんですけど。僕はイヤモニがないので、あそこに出て行けないんです。なぜかというと音の、その外に出ていって出音を聞いてラップすると、実際の流れている音とズレが生じ始めるんです。ということがあるので。
大会場の音のディレイ問題
(宇多丸)それぐらい、ああいう大きい会場での音のディレイ問題というのは非常に重要なわけです。なので、私が言いたいのは、「お前の座ってた席で見て、下手だとか言ってんじゃねぞ?」って。
(熊崎風斗)そ、その結末!?
(宇多丸)はい。お前のその狭い知見が世界だと思うなよ?
(熊崎風斗)親切に感想メールを送ってくれてきた皆さんに対して?
(宇多丸)フハハハハハハハハッ! ここが佐久間さん。4年目にして横浜アリーナを満杯にできる人気者と、なんていうか、基本心を閉じてやっている男との差というのかな? そこだと思ってください。
(熊崎風斗)アハハハハハハハハッ!
(宇多丸)リスナーに対する心遣いより、「俺はチュロが正確だった」っていうことの主張。そっちを優先するっていう。
(熊崎風斗)チュロはだからめちゃくちゃ正確だったんですね?
(宇多丸)ええ。私はジャスティスを優先させます(笑)。
(熊崎風斗)チュロトークからこの展開になるっていうのは結構びっくりの結末です(笑)。
(宇多丸)ちなみに、でもとにかく私はその同じステージ上でやらせたってよかろうに、わざわざ移動させて、そこでスポットを当てるっていうこの演出がやっぱりさすがだっていうか。めちゃめちゃ面白いじゃん? やっぱりね、だから端的に言えばすごくやられました。やっぱりさすが佐久間さんだし、オールナイトのスタッフもすごい、そこはさすがだった。だから我々も負けてらんない。アフター6ジャンクションとか、TBSがイベントをやる時にはね。
(熊崎風斗)立っている宇多丸さんの写真、やっぱりいいですね。これ。
(宇多丸)そうですよ。俺は真剣にやっているんだよ。
(熊崎風斗)「チュロ上げゲームに参戦した宇多丸」って。
(宇多丸)でもその主観的な決めつけっていうのはやっぱり……(笑)。
(熊崎風斗)その結末(笑)。
(宇多丸)あともう1個。ライブのラストはサンボマスターだったんですよ。で、佐久間さんと一緒に歌ったりしてたんだけど。やっぱりRHYMESTERとサンボって、もちろんヒップホップとロックだけど、同じ3人組で。なんていうかな? 全然スタンスとか、やり方も違うけど。でもなんか、泥臭くちゃんと客に当たってくっていうか。そういう意味でそのキャリアとかもだいたい同じぐらいだし。元々、もちろん仲いいですけど。なので、そういう意味でもRHYMESTERとサンボっていうのもよかったかもしれないなという風に思ったりしました。
ということで、オールナイトニッポン0。毎週水曜日の夜中にやっていますんで。皆さん、佐久間さんめちゃくちゃ面白いんで聞いてみてください。あと「そっちの方にも呼んでください」なんて言ったんで。出た際にはね、タイムフリーとかでね、皆さん。両方、聞けますから。なんて最後にね、一応フォローめいたことを入れました。はい。ということで皆さんね、自分の知見の限界というのを意識しながら生きようというコーナーでした!
<書き起こしおわり>