ジェーン・スー 男のためのコスメ入門1 『女にとっての化粧とは何か?』
ジェーン・スー 男のためのコスメ入門2 『スッピンの方がかわいいよ問題』
ジェーン・スー 男のためのコスメ入門3 『男とコスメの距離感問題』
の続きです。
特集でコスメについて1時間語りまくったジェーン・スーさんと宇多丸さん。その後のしまおまほさんのコーナーにも雪崩れ込み、しまおさんを交えてコスメ話を続けていました。こんな感じです。
(宇多丸)あの、初顔合わせかもしれませんけど、ジェーン・スーさん残っていただいて。
(しまおまほ)スーさん、よろしくお願いします。
(ジェーン・スー)スーさんです。
(宇多丸)あの、しまおさん、コスメ特集、いかがでしたか?
(しまおまほ)いや、すっごいためになったっていうか、『こんなことも分かってないんだ』って分かりました。男性は。
(宇多丸)あっ、やっぱそんな感じ?自意識の問題であるとか、そういう部分とか・・・
(しまおまほ)いや、何をしてるかっていうことさえも・・・
(宇多丸)なんかね、顔パタパタやったり、顔クニクニやったりしてるなとは思ってたけど・・・
(しまおまほ)コンシーラーとかの存在をちゃんと認識してないんだなってのが分かりました。
(宇多丸)はいはいはい。どうですか、このしまおさんのメイク感は?
(ジェーン・スー)すごいキレイにお化粧されてますね。
(しまおまほ)いやいやいや・・・私すごい質問したんですよねー。
(ジェーン・スー)そうですね。
(宇多丸)どういう質問したんですか?
(しまおまほ)いや、でもメークっていうよりは、スキンケアの方なんですけど。
(宇多丸)しまおさん、でも修繕費は結構かけてる方なんですか?
(しまおまほ)いや、引いて引いての・・・(笑)。いや、なんか恥ずかしいですね。
(宇多丸)でもやっぱ自意識に触れている話だからちょっと・・・
(ジェーン・スー)そうですね。
(宇多丸)まあ、ここはズケズケ行くコーナーなのでご勘弁いただきたいんですけど。
(しまおまほ)そんなでもね、(修繕費)かけてないですよ。し、練習してるっていうのは私も全然知らなかったです。
(宇多丸)あ、そうですか。前から別に普通に。いつごろからしてたんですか?お化粧は。
(しまおまほ)化粧・・・高校生の時に初めてマスカラだけ塗ったりとかしてましたけど。高3ぐらいの時。
(宇多丸)最初に(化粧)する瞬間って、結構『エイッ!』って瞬間なの?
(ジェーン・スー)そうですね。まあ何か、それこそ『ハレとケ』で言う所のハレの舞台・・・他校の文化祭に行くとか、あとちょっと先輩たちと週末お出かけに行くとか、女同士どっか出かけるとか、何かイベントがあった時にちょっとつけてみるとか。
(宇多丸)やっぱり最初にしてさ、出る時って恥ずかしいんじゃないですか?結構。そんなことないの?
(しまおまほ)あー、何かやっぱり自分と違うみたいな感じでしたけどね。
(宇多丸)しまおさんはその手前まではね・・・男の子か?っていうね。
(しまおまほ)うん、『男から女へ』っていう。
(宇多丸)『少女から女へ』じゃなくて『男から女へ』の脱皮っていうね(笑)。ちなみにジェーン・スーさんはいつから化粧はじめたの?
(ジェーン・スー)私は大学入ってからですね。
(宇多丸)えっ、嘘?
(ジェーン・スー)ずーっとぼんやりしてたんで、高校時代はやってなかったですね。
(宇多丸)あっ、そうなの?その時はどういう自意識だったの?逆に。
(ジェーン・スー)あの、ちょっとしまおさんと年齢、世代もちょっと違うんですけども、まだ高校生がそんなに化粧する時代じゃなかったんですよ。
(しまおまほ)してなかったですよね。
(宇多丸)あー、そうかそうか。
(ジェーン・スー)眉毛も整えてなかったですよ。
(宇多丸)ああ、そうですか。
(しまおまほ)そうですね。私たちのころはギャル、コギャルブームみたいなのがあって、でも友だちとかは4Bとかで描いてましたけどね。5Bとか。鉛筆で眉毛。
(宇多丸)鉛筆で描けるものなの?
(ジェーン・スー)描けますね。5B・4Bで描いている人、いましたね。
(宇多丸)描いてもいいんだ。すぐ落ちそうな感じしますけどね。
(しまおまほ)いいっていうか、良くないと思うけど、まあ描いてる人はいました。
(ジェーン・スー)安いしね。お金ない時とか。プチプラコスメとか今、充実してるんですけど、それこそしまおさんが高校生、私が大学生ぐらいの時ってそんななかったですもんね。安い化粧品なんて。
(宇多丸)でもなんか、自意識カバーが一個化粧で出来るのも、ちょっと羨ましい感じがしますけどね。野郎的に考えるとね。
(しまおまほ)でも宇多丸さんのそのスキンヘッドの話聞いて、結構『あー!』って思いました。
(宇多丸)近いものがそこなんでしょうね、多分ね。まあ、ハゲ問題っていうね、いい例を出していただきまして。
(しまおまほ)ハゲハゲハゲハゲ、もう・・・何か気まずかったな。
(宇多丸)でもそんぐらい気まずい話なんだぞ、お前らっていうことですよ。
(しまおまほ)そうですよね。言われたくない、触れられたくないですよね。
(宇多丸)そう。こんぐらいの話なんだって
(ジェーン・スー)あの、同性間で盛り上がっていたい話なんですよ。
(しまおまほ)そう!
(宇多丸)あー・・・
(ジェーン・スー)だからそれこそ、「あれ?毛穴今日ないね。ファンデ変えた?」って言えるのは・・・
(しまおまほ)あー!男の人に言われたら絶対ヤダ!
(ジェーン・スー)ね!絶対嫌ですよね。
(宇多丸)あの、僕がよく例に出す化粧品のコマーシャルで、魔娑斗さんが出てるコマーシャルでね、キスしようとしたら一瞬魔娑斗さんが怯むんですよ。で、女の子側が『えっ?もしかして、毛穴!?』っつって、で、毛穴を埋めちゃうようなお化粧して・・・でもさ、俺はそれを見た時に、そんな毛穴でね、しかもキスしようとしてる時に毛穴気にしてる男なんかいるかい!と思ったんだけど、あそこは寧ろ女の子の心の声であることが大事なんですね。
(しまおまほ)そうですね。
(宇多丸)でもさ、あれ多分こうやって(キスしようと)来て、ふっと男が引いたらそれは毛穴じゃなくて口臭とかさ、もっと気をつけた方がいいことが他にあるぞってことかもしれないですね。
(しまおまほ)うーん・・・でも「今日、塗ってるね」とか、「今日、お化粧してるね」って言われるのも・・・
(ジェーン・スー)結構キツいですよね。でも宇多丸さん、一度ありますよ。私、一回ジムの帰りに会って、その時は普通にしゃべってたんですよ。で、その翌週かなんかにどっかまた別のところで化粧してる・・・まあ、ジムの帰りはスッピンですから。スッピンで帰って、翌週かなんかにクラブだかどっかで会った時に、「あ、ちゃんとしてるといいよ!」みたいな。
(しまおまほ)(笑)
(宇多丸)あー!
(ジェーン・スー)『あっそう・・・ちゃんとしてないとダメってことだ』ってやっぱりそういう風になりますからね。
(宇多丸)まあね、そりゃあ僕・・・ね、ホント野暮天ですね、これね。
(しまおまほ)『かわいいね』って言われるのは、うれしいですよね。
(ジェーン・スー)そうですね。
(宇多丸)僕は、それはすごく褒めたつもりだったんですよ。ちゃんと気合・・・だから打点、『ここまで記録出せるじゃん、お前!』みたいな。
(ジェーン・スー)言われたくないですよ、そんなこと!全然言われたくないですよ!
(一同)(爆笑)
(宇多丸)『カモーン!来いよ、お前よ!オーイ!』っていう(笑)。
(ジェーン・スー)「ハゲ、隠せるじゃん!」って言われたくないじゃないですか。
(しまおまほ)(笑)
(宇多丸)まあね。ちょっとそれは不躾でございました。
(しまおまほ)「地肌見えてないじゃん!」みたいな感じでね。
(宇多丸)そうですすね。分かりました。今日、この場所・瞬間からとにかくハゲ・化粧というものはこの世に存在しない体(てい)で・・・体でね。
(しまおまほ)そう!そう!
(宇多丸)世の中には必要な欺瞞もあるってことだよね。
(ジェーン・スー)欺瞞じゃない。自己満足かもしれないけど、欺瞞じゃない!
(宇多丸)その人にとっては切実なんだもんね。
(ジェーン・スー)そうです。『欺瞞』って言っちゃったら、後ろがなくなっちゃいますもんね。
(宇多丸)そうか。さすが・・・『後ろがなくなっちゃう』っていうね、要所要所に切実なフレーズが出てきますね。
(しまおまほ)いろいろ、ちょいちょい物騒で良かったですね。
(宇多丸)やっぱりね、パンチラインの密度が濃いんですよ。ジェーン・スーさんはやっぱりね。『毎朝、自分を世間に釈放してあげる』ですよ?釈放感、ありますか?釈放感。
(しまおまほ)(笑)いや、でもたしかに起きた時は『なんじゃこりゃー!』ってなりますよね。
(ジェーン・スー)思いますよね。毎朝、自分にガッカリするんですよ。
(宇多丸)まあね。
(しまおまほ)口臭も含めてだけど・・・
(宇多丸)お化粧とかじゃなくても、さっき言ったコンビニの身も蓋もない照明と鏡の前で愕然とすることありますよね。
(ジェーン・スー)そう。だから男性は結構知らないですけど、高級レストランとかいいレストランになると、トイレのライティングとかが完璧なんですよ!
(しまおまほ)分かるぅ~!
(ジェーン・スー)ありますよね。女子トイレのライティングが、不細工に見えないライティングになってるんです。
(宇多丸)アガるように。つまり、自分がアガるようにね。
(ジェーン・スー)そうですそうです。
(宇多丸)私、今日イケるわ!と。こう、パンパン!ストーン!っていう。
(ジェーン・スー)『YOU!採用!』みたいな。
(宇多丸)たしかにたしかに。どっちらけるとね、途端に「私、帰る!」ってことになりかねないよね。本当にね。
(しまおまほ)でも、(化粧を)直したい時に良い感じすぎると、ちょっとね・・・
(古川耕)実用に耐えない的な。
(宇多丸)『この状況、よし!』と思うと。
(しまおまほ)だって、それでお店を出た後に、エレベーターとかで・・・
(ジェーン・スー)そうそう!エレベーター、最悪ですよね!飲み屋の帰りのエレベーターほどキツいものはない・・・
(宇多丸)何というか身も蓋もない照明がね。クラブなんかもそうですよね。表に出るとね、身も蓋もないなー!っていうね。
(しまおまほ)朝のあの光とかね。超KYって思う。
(宇多丸)そこでね、女の子に「化粧、いま割れてるよ!」とかそういうの、絶対にダメ・・・
(しまおまほ)ヒー!
(ジェーン・スー)イヤ!もう・・・殺人行為ですよ。
(一同)(爆笑)
(宇多丸)殺人にも等しい。
(ジェーン・スー)はい。心を殺してます。
(宇多丸)絶対にダメだよね。
(古川耕)精神的な死だね。
(宇多丸)でもね、そういう軽口を叩きがちかもしれないから、そこにちょっと警告をね、楔を刺すという意味でも良かったんじゃないですか。
(しまおまほ)そうですね。なるべくはそこには踏み込まないでいてほしいというのは。
(ジェーン・スー)そうですね。
(宇多丸)はい、じゃあ今日、こっからナシ!その話、ナシ!
<書き起こしおわり>
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