宇多丸 佐久間宣行ANN・横浜アリーナライブを語る

宇多丸 佐久間宣行ANN・横浜アリーナライブを語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2022年10月31日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で横浜アリーナで開催された『佐久間宣行ANN0 presents ドリームエンターテインメントライブin横浜アリーナ』に出演した際の模様を紹介していました。

(宇多丸)土曜日にイベントに出てまいりまして。どんなイベントかといいますと、横浜アリーナですよ。デカい! 佐久間宣行さんの……元テレビ東京。今はもうフリーとなって大活躍されてますが。佐久間宣行さんのオールナイトニッポン0のイベント『ドリームエンターテインメントライブ』ということで。我々、RHYMESTERは音楽グループとして。そしてサンボマスターと花澤香菜さんで音楽ライブをやり、で、佐久間さんのおしゃべりや、その間に森三中の黒沢さんであるとか、三四郎の相田さんもしゅーじまんという歌手として登場されたりして。

あとは『ピラメキーノ』という佐久間さんのやられてた番組の『Onaraはずかしくないよ』をやったりとか。まあ、そんなお笑いとトークと音楽と……来ているのはその佐久間さんの番組ファンの方々で。それで横浜アリーナが埋まっちゃうんですよ? すごいですよね。

熊崎。すごい集客力ですよ。

(宇多丸)まず、その時点ですごいなって。まあ、オールナイトニッポンの55周年っていうこともあって。やっぱり深夜放送の草分けでもあるし。これ、我々もTBSラジオでやってますけど。JUNKとかもあるけど。ラジオの王様TBSだと思ってますよ。覇者だと思っていますけど……でもやっぱりオールナイトニッポンというブランドと、あと今の勢いね。今のオールナイトニッポンはすごくやっぱり、Creepy Nutsとかいろんなメンツも揃って。非常に勢いもあるし。あと、なんというかこういうイベント事とか、外に向けたアピールのうまさ。これはやっぱりニッポン放送だよね。

(熊崎風斗)感じましたか?

(宇多丸)逆に言うと、TBSは下手と言わざるを得ないのが現状。

(熊崎風斗)いやー、TBSの一員としてこれは……。

(宇多丸)まあラジフェスとか、やってましたよね? ちょっとコロナも入っちゃいましたよね。

(熊崎風斗)これは橋本吉史さんが……。

(宇多丸)そうですね。歯噛みしていると思いますが。まあ、橋オールマイティーとしていろいろとやってくれると思いますが。で、横浜アリーナに基本的にはRHYMESTERとしてライブしに行ったんだけど。なんだけど、行って、佐久間さんもこの番組のゲストにも何度か来ていただいておりますし。行ってみたらやっぱり気づいたのは「ああ、一番文脈が薄いのは、俺たちだ」っていう風に思ったんですよ。

花澤さんも番組に何度も出ていて。サンボマスターもなんなら、一緒にライブで歌ったりしてるわけ。で、その芸人さんの皆さんはもちろんのことで。俺らに関しては、佐久間さんがアトロクを聞いてくださっていたり、僕のラジオ映画評とかもファンで。RHYMESTERも好きでとか、そっちなんで。そこだけなんで。言ってみれば、オールナイトニッポンリスナーにとっては「知ったことか」みたいな。

(熊崎風斗)佐久間さん番組に出ているとかっていうことではない?

「一番文脈が薄いのは、俺たちだ」

(宇多丸)出てないんですよ。オールナイトニッポン、クリーピーの方には出ていますけども。しかもクリーピーの方に、これね、ライブが終わってから、ラジオブースみたいになっていて。そこに行って、トークコーナーみたいなのがあるんですけど。そこでJINが言ってましたもん。JINが急に話し出して。「おい、大丈夫か、こいつ? 結構尺を使う感じで話し出したけど、大丈夫か?」って思ったら、クリーピーの話題になって。共通のというか。お客さんも知ってるし、佐久間さんも知っている。俺らも知ってるという共通の話題でクリーピー。すいません。便利に使わせていただきました。

で、そのクリーピーの番組に俺、出た。Mummy-Dも出た。JINだけ、呼ばれてないっていう。「ああ、よかった、よかった。出口なしトークが始まったのかとドキドキしたわ」って思って。そうなんですよ。とにかく、話を戻すとちょっと俺らだけ文脈が薄めで、大丈夫かな?って。で、花澤さんはやっぱりラジオマニアとしての信頼が厚いというかさ。そういうところがあるんですよ。で、ライブもかわいらしいし。「ここに出て行くのか、どうしよう?」って。俺としてはすごい……これは記事にもなっていますけども。壇上でも言いましたけど。すごい緊張したというか。アウェイっていう言い方はしたくない。アウェイっていうよりは、皆さんにとっての圧倒的ホームだよね。

だって要するに番組のイベントで、番組のヘビーリスナーたちが集まって、みんなその愛にあふれた場で。なんていうか、そこに対する敬意と畏れがあるっていうか。変な風な出方をしちゃ、本当に申し訳ないから。っていうところで、そういう重圧と言った方が正確かもしれません。「台無しにしないように……」というか。もちろん、RHYMESTERね、キングオブステージ。そりゃ、やることやりましたよ? ああ、メールもね、いただいてるんですもんね。たくさんいただいてありがとうございます。ちょっとこのメールを紹介しながら、行きますね。

(熊崎風斗)はい。こちらのメールです。「10月29日土曜日に行われた『ドリームエンターテインメントライブin横浜アリーナ』、行ってきました。アトロク、佐久間宣行のオールナイトニッポン0のリスナーである私は大好きなRHYMESTER。そして大好きな佐久間さんを生で見たい、聞きたいという思いと、声優さん、芸人さん、ヒップホップ、ロックとジャンルごちゃまぜのイベントに想像ができず、本当に楽しめるのか悩みながらも、せっかくだからという勢いに任せ、見に行きました。結果的にはそんな不安が吹き飛ぶくらい楽しいイベントでした。

特に圧巻だったのは芸人さんパートで大笑いした後、RHYMESTERが登場し『Future Is Born』でそこまでの雰囲気を一変させ、ラストの『The Choice Is Yours』では会場の一体感を最高潮に作り上げる姿に本当に来て良かったと思いましたし、RHYMESTERも佐久間さんも両方好きでよかったと実感し、セロトニンが湯水のごとく湧き出ました。ここで質問です。ああいったヒップホップ以外のアーティストと共演するようイベントでなにか、心がけていることなどはありますか? 特にこのイベントはいい意味で場が荒れていたと思いますので、そのあたりのエピソードもありましたら教えてください」という。

(宇多丸)この「場が荒れていた」という表現。まあイベントが始まりまして。佐久間さんが話します。で、ライブ一発目、花澤香菜さん。素敵で。しかもね、ラジオファンとして、「ラジオの匂いがするところに集まった虫です」とか言ってるんですよ? もう、そのMCの時点で最高じゃないですか。で、その後に芸人さん……特にやっぱり黒沢さんの『キューティーハニー』が、これはもう褒めてますけど。ひどくてですね。リハではそこそこちゃんと歌ってたのに、本番でもう全然、階段でこけたふりして、気を失ったふりして歌わないとか。いい意味でね、ひどくて。

で、私がそのライブ終わった後のトークゾーンで「いいですか? こんな場が荒れたところに出たい人なんか、いないんですよ」みたいなことを言っていて。そこから来た「場が荒れた」という表現なんですけど。そう。よくぞ聞いてくださいました。なので、さっき言った畏怖もありますし。「受け入れられるのかな?」と思ってドキドキはしてたんです。なんですが、「ネクストアーティスト……RHYMESTER!」って出た時に結構ワーッてちゃんと盛り上がっていただいて。ライブもしっかり盛り上がって。これですね、後ほど言いますが。このイベントのキーワードとして「チュロス」っていうのがありまして。

(熊崎風斗)チュロスって、あの長い棒状の? ディズニーランドとかでよく食べるやつですか?

(宇多丸)チュロスというキーワードがありまして。ペンライトみたいなものがチュロス型なんですよ。長細くて、ギザギザしていて。まあ、チュロスです。で、その電気を消すとちくわぶみたいな。チュロスとちくわぶが近い。光らせるとチュロス。消すとちくわぶ。ああ、「ちくわぶ」って言えばよかった……(笑)。終わった後に「ああ、ちくわぶに似てるって今、気づいた! チクショー!」って。で、その明かりをつけて。みんな、声も出せませんから。だからヒップホップの用語で「プチャヘンザ! 手を上げろ!」なんて言いますけども。「プチャチュロスアップ!」って。だって、みんな持っているんだもん。で、そのライトもバカ売れだし、横アリのチュロスも売り切れたらしいからね。

(熊崎風斗)横アリのチュロスっていうのは、本物のチュロスですね?

(宇多丸)そう。それも全部、売り切れたらしいから。会場がもう甘い匂いがするのよ。そんな感じで、つまりだから私はやっぱりその、なんというか一応お客さんと来ているっていう節度を保ちながらも、ちゃんと皆さんの場っていうのにちゃんと乗っていくっていうか。まあ、そういうスタイルでRHYMESTER、ライブをやりましたよ。あんだけデカい会場も久しぶりだったんで。

(熊崎風斗)横アリはそうですよね。

デカいスクリーンで思い出すこと

(宇多丸)そうそう。後ろにでっかいスクリーンがあって。自分たちの姿が映ってるわけ。で、こういうところで映ってる会場に行くとまず、私が第一に思うのは、忘れもしません。あれは『Rock In Japan』でしたかね? 我々の後輩です。RIP SLYME、当時いたPESくんがライブが終わってから、ニヤニヤしながら私のところに寄ってきて。後輩ですよ? 寄ってきて。「士郎さん、士郎さん。あんなに頑張って動かなくても、ああいう大きいところではカメラが撮って後ろに映るから大丈夫なんですよ」って。「ああ、すいませんねえ。そんなに大きい会場でそんなにライブやってなかったもんで……すいません」って。

(熊崎風斗)それはお2人の関係性いかんによってはちょっと大変な状況に……。

(宇多丸)「どーも、すいやせん!」なんていう。あの記憶が毎回、フラッシュバックするんです。でもまあちゃんとね、おじさんたちは右に左に頑張って。それでやりましたよ。『初恋の悪魔』なんかもやって、盛り上がったりしたんですね。で、面白いのは、ここから先はちょっと我々からの視点というか。そこからライブが終わった後、すぐに花道があって。で、その1階のアリーナ席の真ん中に、なんていうか、お客に取り囲まれる格好で段があり。そこにラジオブース的な台が置かれて。オールナイトニッポン0ですから。佐久間さんがいて。しかもオールナイトニッポン0って夜中のさ、深夜も深夜のさ、3時から4時半の番組だから。

これはやっぱり私みたいに、もうすっかり夕方モード。常識人モードからすると、やっぱりかなり場が荒れがちな。お客とかもそういうのを期待してる場の中でやって。それを再現されてるわけ。で、そこに移動するのに結構距離があるんですよ。横浜アリーナ、真ん中だから。で、ライブが終わってこっちは一旦はけました。で、そこから花道の下、皆さん想像つくと思いますが。当然、通り道があるんですが私、これは初めて乗りました。アイドル……AKBとかは乗ってるんでしょうね。トロッコがある。

(熊崎風斗)ああ、たしかに。アイドルライブとかで。

(宇多丸)まあ、トロッコって言っても下に車輪がついていて。安全椅子をくっつけたような。板に安全椅子を乗っけて車輪をつけたような、そういうのがあって。で、花道だから、低いから。頭をぶつけたらもうガーン! だから。もう低くして。トロッコも当然、人力だから。「いきまーす!」ってなってガラガラガラッて。

(熊崎風斗)誰かが押してくださるんですか?

(宇多丸)そうなんですよ。スタッフの方が押していただいて。で、ライブが終わって行くじゃない? 一応ライブ、30分やってるんだよ? 汗ダラダラの中で行って。で、俺もよく他のゲストにはやりがちだったことだけど。こうやってスタンバイして。「はい。着きました。いつでも出れます」っていう状態になっているのに、そこから3分ぐらい、佐久間さんの話が続くわけ。「ああ、いい話してるけど早く……ちょっと暑いし。早く呼んでくれよ……」みたいな。

(熊崎風斗)でもそれ、経験者じゃないと絶対にわからないですよね。

(宇多丸)俺、でも昔、武道館をやった時にKREVAが出てくるなり、「あんた、話が長いんだよ!」って文句を言われた理由がわかりましたよ。俺って本当に後輩からいろんなことを言われるっていう(笑)。で、出ましてね、トークも楽しくやりましたよ。というか、佐久間さんがやっぱりすごくうまく転がしてくださって。アトロクの話をいっぱいしていただいて。すごいですよ。だからたとえば「アトロク、いいですよね。アナウンサーの皆さん、この番組を聞かなかったらここまで人間性とかも知らなかったから。今では皆さん、気になっちゃって」なんて話をしてくださって。そこで例に出されたのが「たとえば宇内さんの月見バーガーの話で」なんて。3年連続で同じ話をしたっていう話をしてくださって。「ありがとうございます」ってね。

(熊崎風斗)お忙しい中、本当にいろんなラジオを聞かれて。

(宇多丸)でですね、いろんな方が……メールでも書いていただいてるし。ネット上とかでも結構書いてる人がいるんですけど。皆さん、ぜひ「宇多丸 チュロス」でね、検索するとね、いろんなあれが出てくると思います。まあ、さっきから言っているチュロスっていうのがこのイベントのキーワードで。っていうのは今回、音楽ライブというのは初めてなんですけど。この番組、佐久間さんのオールナイトニッポン0のイベントで「チュロ上げ」っていうゲームが……要するに「赤上げて、白上げて……」みたいなのがあるじゃない? そういうので「チュロ上げて、チュロ下げて、チュロ上げないで、チュロ食べる」みたいな。「上げる」「下げる」「食べる」があって。

というのを、なんの説明もなく……だからそこはさすが、『ゴッドタン』的なというか。ダーン!って抜いて。そうしたら、チュロスを持って真剣な顔をした佐久間さんが立っていて。「チュロ上げて、チュロ食べる」みたいな。これがあって。「レベル2!」とかってなると、どんどん早くなっていくみたいな。それだけみたいな。なんの説明もなし。そういうくだりがイベントで盛り上がって……みたいな。で、それを今回もやるってなって。

でですね、私は事前にオファーを受けておりまして。「チュロスも食べてください」って。で、私は知らなかったから。「えっ、なになに? なにすんの?」「チュロスを上げたり下げたり食べたりするんです」「うーん……」って。で、絵面を見たら理解しましたよ。「ああ、なるほど、なるほど」って。で、まず佐久間さんが食べる。で、「チャレンジャー登場!」ってスマブラ風の映像が出て。あ、時間がないか。尺が詠めない。あと、バカが作ったタイムテーブルの話とかもあるから。すいません。今日、特番がほしかったかもしれない。

(熊崎風斗)チュロスの話、途中で気になるんですけども。

(宇多丸)チュロスの話は後でするわ。

(中略)

(宇多丸)すいません。佐久間宣行さんのオールナイトニッポン0のイベントの話。チュロスを食べる手前の話。ここからいろいろとあるんですけども。こちら、時間がかかりますので、後ほどに取っておきます。で、まずはこの話。これを言い忘れていた。まあ、会場に入りました。で、リハをやって、だいたい何時ぐらいとかあるじゃないですか。で、そのタイムテーブルみたいなのがあるわけ。で、パッと見て。「あっ!」って思ったんですよ。これ、言いましたから。壇上でも言ったんで別にいいんですけども。「出た! バカが作ったタイムテーブル、来た!」って思ったんですよ。

(熊崎風斗)ほう。

「バカが作ったタイムテーブル、来た!」

(宇多丸)「バカが作ったタイムテーブル」とはなにか? 17時34分スタートとか、37分終了とか。要するに1分刻み。

(熊崎風斗)だいぶ細かめに設定されて。

(宇多丸)そうです。あの、ライブイベントでは絶対にうまくいきません。ライブイベントは5分単位が基本ですっていうね。だからテレビ局とか放送局の方が作ったりすると、そういう風になりがちなんですね。終わった後、非常に有名な方ですけども。ニッポン放送の石井玄さんから「私が作りました。どうも申し訳ありませんでした」っていうね。でもとにかく、もう開始から5分押していたんで。すでに破綻しているんですよ(笑)。

(熊崎風斗)なるほど(笑)。

(宇多丸)ダメなんです。バカが作ったタイムテーブル(笑)。

<書き起こしおわり>

宇多丸 佐久間ANNイベント・チュロ上げゲーム参戦を語る
宇多丸さんが2022年10月31日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で横浜アリーナで開催された『佐久間宣行ANN0 presents ドリームエンターテインメントライブin横浜アリーナ』に出演した際にチャレンジしたチュロ上げゲームの模様を紹介していました。

タイトルとURLをコピーしました