三遊亭小遊三 5代目・三遊亭圓楽と桂歌丸を語る

三遊亭小遊三と高田文夫 三遊亭円楽を語る ラジオビバリー昼ズ

三遊亭小遊三さんが2022年10月17日放送のニッポン放送『ラジオビバリー昼ズ』に出演。5代目・三遊亭圓楽さんと桂歌丸さんについて話していました。

(松本明子)小遊三師匠、『笑点』の忘れられないあの人ベスト3ということで。

(高田文夫)ああ、『笑点』のいろんな人たちとか仲間、いっぱいいますから。

(松本明子)それでは忘れられないあの人、第3位は?

(三遊亭小遊三)はい。5代目圓楽師匠。

(高田文夫)ということは先代の圓楽師匠ね。

(三遊亭小遊三)先代の。もう豪快な師匠でね。

(高田文夫)体も大きかったし。

(三遊亭小遊三)大雑把というか。顔なんかこのぐらいあったから。

(高田文夫)モアイ像みたいな(笑)。

(三遊亭小遊三)入った時は圓楽師匠も司会で戻って、まだそんな間がなかったから。半年とか。

(高田文夫)最初、『笑点』のスタートでいたんだけど、1回抜けて。それで戻ってきて。

(三遊亭小遊三)そうです。だから気合が入ってるからね、もうオーラが出ていたね。すごいの。ピリピリしてて。で、いっぺん怒鳴られちゃってね。収録が終わって楽屋に帰ってきたら「なんであそこでああいう答えを出すんだ? 場を読め、場を!」って。「なんだかずいぶん怒ってるな」と思って。後ろを向いたら壁だったんだよね。「ああ、俺か」って(笑)。「なんだ、怒られてるのは俺か」って思って(笑)。

(高田文夫)1回、そういうことがあったんだ。それは「収録の時に全体の流れを読め。変な答えを出すな。状況を読め」って?

(三遊亭小遊三)だからそれから、やっぱりこっちもビビるからね。「これ、いいのかな?」とか。それでしばらくの間、すごい緊張してやったんだけど。そのうちだんだんだんだん圓楽師匠がね、これが面白いおじさんになってきてね。しまいには「小遊三くん、ちょいとこっちにおいでよ」「なんでございましょう?」「あのね、人間がね、朝起きて『ジャガイモが空を飛ぶ』なんて言い出したらおしまいだよ?」って。なんて相槌を打っていいのか、わかんないのよ(笑)。

(高田文夫)そっちがもうおしまいだよな(笑)。「ジャガイモが空を飛ぶ」? 「それ、なんですか?」って聞いた?

(三遊亭小遊三)「はあ……」って(笑)。

(高田文夫)「そうですね」みたいな?(笑)。合わせるね、また(笑)。

だんだん面白いおじさんになっていった

(三遊亭小遊三)そういうことばっかりで。あとね、裕ちゃん(石原裕次郎)が歌った『背番号3』っていう曲。どこで手に入れたんだか、そのカセットを持ってきて。それを大きな音でかけながら楽屋に入ってくるんだよ。「小遊三くん、これ知ってるかい?」って(笑)。「知ってますよ、そりゃ。裕ちゃんの」って。そんなことばっかり、とぼけたことばっかり言ってね。

(高田文夫)だから晩年、面白かったね。歳を取ってね。

(三遊亭小遊三)面白かったですよ。穏やかでね、ニコニコ笑って。

(高田文夫)若い頃は本当にピリピリしていたよね。圓楽さん、談志とバーッてライバル関係でやっていた時はね。

(三遊亭小遊三)まだ羽田がね、古い羽田の頃で。羽田に降りて。弟子がね、花もらったやつを飛行機の中に忘れてきちゃって。「バカ野郎!」って怒鳴ってね。もう出ちゃっていて。いっぺん出たやつを弟子が……。

(高田文夫)止めたの?

(三遊亭小遊三)あれ、アメリカだったら撃たれちゃうよね。

(高田文夫)撃たれちゃうって(笑)。アメリカだって花で撃たねえだろ?(笑)。

(三遊亭小遊三)で、花を取りに行って。「バカ野郎!」って。もうそこに仁王立ち。帰ってくるまでね。他の便の人たちも来て。「圓楽さん……あ、圓楽さん?」って。もうバーッと道が2つにわかれちゃう。それぐらい、仁王立ちして。花束ひとつで。

(高田文夫)花束ひとつで仁王立ち?(笑)。

(三遊亭小遊三)それで最後、タクシーに乗って窓開けて。「バカ野郎ーっ!」っつって帰っていったよ(笑)。

(高田文夫)美樹克彦だよ、それじゃ(笑)。「バカ野郎」って(笑)。なんで怒ったんだよ? トンチンカンだね(笑)。

(三遊亭小遊三)なんだかね、地方公録に行くと機嫌が悪いんだよ(笑)。でもね、もうとにかく僕らとは全然違う、やっぱりスケールの大きい師匠だなって思ったね。

(高田文夫)3位がね、5代目の圓楽さん。

(松本明子)もう1人、3位がいらっしゃいます。『笑点』の忘れられないあの人。第3位は?

(三遊亭小遊三)歌丸師匠。これ、やっぱり忘れられないというかね。同じ協会で。入った時にはもう売れっ子さんで。僕はもう本当に、つかず離れずで。

(高田文夫)ずっと関係が濃かったもんね。

(三遊亭小遊三)やっぱり神経の細やかな師匠だから。間違ったことをやったらもうね、生涯ダメだから。関わり合いにならないようにして(笑)。

(高田文夫)関わり合い、間違えないようにして(笑)。もう生涯ダメだからね。1個、間違えたら(笑)。

(三遊亭小遊三)でも最後はすごかったですね。血中濃度がね、80を切ってね。それで『真景累ヶ淵』をやっていたんだよ。

(高田文夫)すごいね。神経いかれちゃうよね(笑)。

(三遊亭小遊三)その神経じゃないんだよ(笑)。

血中濃度80切りで『真景累ヶ淵』

(高田文夫)あれ、もともとは神経から来ているんだよ。おばけを見るの、神経から来てるんじゃない? 元はね。それ、圓朝がそう言っていたんだよ。

(三遊亭小遊三)博識だからね(笑)。

(高田文夫)歌丸師匠ね。なるほど。じゃあ圓楽さん、歌丸さんと来ました。

<書き起こしおわり>

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