星野源さんが2022年8月23日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で6年目を迎えた『おげんさんといっしょ』を振り返り。番組の気になるスタッフ、大道具のフクダさんについて、話していました。
(星野源)この間、木曜日に『おげんさんといっしょ』を放送しましたけども。6年目、6回目だったんですよね。だからあの番組がですね、こんな6年間も続くとは……っていうか。基本的には1年に1回しかやってない番組ではあるんですけど。今回もなんと、世界トレンド1位を獲得ということで。ありがとうございます! すごいよね。毎年、取っているんだよ。たしか去年も……去年はなんかね、正式な発表はあんまりしてないらしいけど。実際にはしていたらしいね。
だから、もう毎年しているということで。こんなにね、盛り上がるっていうか。あとNHKの中でもね、こんなにちゃんとしたコンテンツになるとは思ってなかったですね。元々、僕がアイデアを出さしてもらったりとか。「番組、やりましょう」なんて言ってた時には、なんとなくもっと深夜のイメージだったんですよ。1時過ぎとかさ、『眠いいね!』とかがやってるような時間で。なんかのんびり、なんとなく音楽番組みたいなイメージを勝手にポワーッと思っていたんですけど。もう本当、戦場のような……ものすごい緊張感と、ものすごい音楽と、ものすごいダンスとね。あと、ものすごいふざけるっていうですね、いろんなものをミックスした番組になっていきましたね。
いや、こんな長く続くとは思わなかったんですけど。あと『SONGS』とか、いろんな音楽番組で、NHKに出させてもらっていた時に、なんかよく見る人がいるなと思って。で、なんとなくなんですけど。「たぶんこの人、僕が好きなタイプだな」と思って。スタッフさんだったんですけど。僕、そのドラマの現場とかでも、なんとなく好きになるタイプっていうか。「ああ、この人、興味あるな」って思うタイプの人がいて。だいたいそういう人って、ちょっと強面なんですよ。強面なんですけど、シャイで無口みたいな。
好きになるタイプの人
(星野源)でも、おそらく中身はそれだけじゃないだろうなっていう感じで。あと、情熱がすごいあるタイプなんだろうけど、それを全く出さないみたいな。そういうタイプの人が好きで。「この人、そんな感じじゃないのか?」って、なんとなく思っていたんですよ。で、毎回その自分が出る音楽番組とか、それこそ『おげんさん』でもご一緒してて。だから挨拶を自分からするになったんですよ。「おはようございます。今回もよろしくお願いします」って。
でもその時も、なんていうか、「ああ、おはようございます。よろしくお願いします」とかじゃなくて「ああ……」みたいな。今、僕は声を「ああ……」って言ったけど、実際には声を出さないんだけど、目でちょっと伏せて、ちょっとペコリってするぐらいのシャイな方っていうか。「たぶん俺、好きなタイプ」って思いながらあいさつをしていて。でも、強面だからぱっと見、怖いんですよ。で、その中で2回目かな? 2回目か、3回目。2年目か3年目の『おげんさんといっしょ』を見て、その人はね、大道具さんだったんですよ。
それで大道具さんって、すごいセット、あるじゃない? おげんさんの家だったり。今回だったら、祭りの会場のセットだったりとか。そのセットを建てる人ね。で、そのリーダー的な人だということがわかって。「本当にこんなすごいセットを毎回、建ててくれてありがたいな」なんて思いながら本番をやって。で、その後に家に帰って、その録画を見たの。そしたら、その僕があいさつをしても目を伏せていたあのおじさんがね、番組でカメラがスタッフ側も映すみたいな画角に最後の方でなったりするじゃない?
で、ちょっと紙吹雪が降るみたいな。そこで、モニターの目の前でそのおじさんが踊っていたの! 「踊ってるぅーっ! 嬉しい!」と思って。あの無口でシャイな方が、もうなんか手を上げて踊ってて。それになんか、すごい感動をしてしまって。そこからさらにまた、好きになり。「今回もよろしくお願いします」なんて言っていて。で、そういうタイプが好きになったきっかけがもうひとつあって。
それはTBSでドラマに出させてもらう時に、割とよく一緒になるチーフカメラマンの純一さんっていう方がいるんですけど。チーフカメラマンの純一さんっていう方がいるんですけども。そのカメラマンさん、『逃げ恥』で一緒だったりとかして。『逃げ恥』のNG集みたいなので、僕がとぐろターボっていう精力剤を隠すってシーンがあるんですけど。そこで隠そうとして、落としてしまったとぐろターボに飛びつくっていうシーンがあったんですけども。そのとぐろターボを落としてしまった場所がテーブルの角っこのあたりで。「これに飛び込んでしまったら、頭を割ってしまう」みたいな。それで、ちょっとやめて。
そこでNGになっちゃうんだけど。「そうだよね。飛び込んだら怪我しちゃうよね」っていう声が入ってるんですけど。それは、その純一さんというカメラマンさんの声で。すごい優しい人で。でも、もうめっちゃ強面なんですよ(笑)。なんとなく……いつも格好としては『スト2』のガイルみたいな。もう、めっちゃ筋肉があって。『スト2』のガイルで角刈りの人なんですよ。で、めっちゃ怖い人なのかな?って思ったんですけど。めっちゃめちゃシャイで、でもすごい仕事への情熱があって、優しいんですよ。だから「すげえ好き!」って思って。今でもすごい大好きなカメラマンさんなんですけど。
なんともかっこいい後ろ姿は、チーフカメラマンの小林純一さん。コウノドリのチーフでもあるんです。スタッフの共通点を探すのも、ドラマの新しい楽しさに繋がるかもしれません!それにしても「スリーアイ」綺麗でオシャレな空間です。#逃げ恥 pic.twitter.com/u660Z6ed1T
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(星野源)で、その『おげんさん』の大道具さんはフクダさんっていうんですけども。すごい好きなタイプだなと思っていて。で、そこからもう、また毎回、「今日もよろしくお願いします」なんて言っていて。「よろしくお願いします」って。でも、その後の『おげんさん』でもたまにスタッフさんとかが映る時に結構ノリノリで動いてくれたりとかして。僕の見てるフクダさんではないわけですよ。それがすげえ嬉しくて。
そしたら、今回の『おげんさん』でリハーサルというか、もう本当にとりあえず全体の流れを簡単にやりますっていう通しみたいなのを一応、やったんですよ。でも各VTRとか、あとそれこそ飯尾さんのギャグとか、そういうのは端折ったりとか、違うのをやって。本番とは違う感じなんだけど、段取りだけ確認して。変な方向に行かないようにするっていう。
で、オープニングをやろうとしたら、その大道具のフクダさんが横に座ってて。もう屋台のおじさんとして出演してたんですよ。「ついに出演!?」って思って(笑)。で、「これはリハで、とりあえずトラっていうか。代役としてこのフクダさん座ってんのかな?」ってまず思って。でも、その見た目がもうあまりにもモノホンすぎて(笑)。「本物じゃん! 超面白い!」と思って。「リハ、最高だな! これ、本番でもあればいいのに……」と思って、それで本番になって。パッと本番中、そっちの方を向いたら、フクダさんがいて。金髪のフクダさんが。
そしたらそこでね、めちゃめちゃ焼きそばを食ってたの。で、めっちゃ焼きそばを食ってて。「うわっ! めちゃめちゃ焼きそば食ってる!」と思って。それで……「うわっ、もうモノホンじゃないですか。モノホンがここにいますけども……」みたいな。初めて見た視聴者の人には全く意味がわからない、でも僕、フクダさんはとりあえず大好きだからフューチャーするっていうのがあって。そして後から聞いたらその焼きそばはフクダさんが自分で持ち込んだ役作りのひとつで。オリジナルの役作りだったらしくて(笑)。誰にも言わないで、「焼きそば、食ってたらこの役、いいな」ってすごい思っていたらしくて。フクダさんがもうテキヤさんとしての役作りを完璧に。もう、出店のおじさんとしての。
完璧なフクダさんの役作り
(星野源)でさ、なんか6年も番組やってるとこういうことがあるんだっていう(笑)。もう訳のわからないことになってるんですけど。でも、それはやっぱり、この6年間……もっと言えば6年間以上育んでいる……ずっと同じスタッフさんだしね。あと、パペットを動かす方々もずっと一緒だし。あとはね、サトウくんっていうね、初年度フロアにいたディレクターの子がもう『おげんさん』を超情熱的に……何て言えばいいんだろう? 本当に『キテレツ大百科』のキテレツみたいな人なんですけど。見た目はね。見た目はなんかキテレツくんみたいな人なんですよ。
すごい好きなんだけど。そのサトウくんがもう超情熱的に「おげんさん、最高ですね! これ、やりましょう! やりましょう! うわーっ!」ってやっていて。そしたら、『おげんさん』が終わった直後に飛ばされましてね。あ、飛ばされたわけじゃない。出世ね。NHKは結構、地方局に出世として行くんだよね(笑)。で、今年の『おげんさん』で、また東京の渋谷局に戻ってきて。それで本当に初めての『おげんさん』だったの。だからもう、またそれも気合がめっちゃ入ってて。
だからこういう風に積み重ねていく中で、いろんな番組っていうのはできていくんだなと思いました。
「おげんさんといっしょ」第6弾、放送終了!
そして #おげんさん が世界トレンド1位獲得?
皆様ご覧いただきありがとうございました!夏の夜におげんさんたちが奏でた音楽とトーク、初めて披露した #異世界混合大舞踏会、いかがでしたか?
ご感想などは引き続きハッシュタグ #おげんさん まで! pic.twitter.com/IBZ0nCk8hW— 星野源 Gen Hoshino (@gen_senden) August 18, 2022
<書き起こしおわり>