安住紳一郎 子供の頃の1人で乗る路線バスの不安な気持ちを語る

安住紳一郎 父の日にプレゼントが届くようになった話 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんが2022年8月7日放送のTBSラジオ『日曜天国』の中で小学校低学年の頃に蓄膿症の治療のため、1人で路線バスに乗って耳鼻科に通っていた際の思いでを紹介。「お金が足りなくなるのではないか?」など不安な思いを抱きながらの通院を話していました。

(安住紳一郎)ちょっと長いですけど、こちら、行ってみましょうね。京都府福知山市の20代女性の方、ありがとうございます。「うちにはゲームや漫画があまりなかったので、小学生の頃は夏休みになると留守番している私が退屈しないようにと、母が職場の近くの図書館で数日おきに本をたくさん借りてきてくれました」。あら、いいお母さんですね。「その中にはいつも漫画もあったのですが、大雑把な性格の母。11巻、12巻、13巻と借りてきてくれたかと思ったら次は5、6、7巻など前後することは当たり前。ひどい時には19、26、28のように1冊も続いていないこともありました。

『意地悪ばあさん』など4コマ漫画なら良いのですが『ドラゴンボール』はどうやって敵を倒したのかわからなかったり、敵がいつの間にか味方になっていたり、抜けている話が多すぎてモヤモヤは募るばかり。そんなある日、母が『昼からちょっと職場、行かなあかんねんけど。留守番しとく? ついてきて退屈になったら、図書館行って本読んで待っててもいいよ』と言ってくれました。私は『これはドラゴンボールを全部、続けて読めるチャンスだ!』と思い、『行く! 図書館で待っている』と即答しました。母は図書館の前で車を止め『仕事、終わったら迎えに来る』からと仕事へ向かいました。

私は図書館に入り、念願の1巻から『ドラゴンボール』を読み始めました。誤算だったのは図書館に来て、貸し出し中の巻は読めないということです。しかし、これまで読んだことのなかった話も読むことができ、少しずつ頭の中でピースが繋がっていくのが楽しく、時間はあっという間に過ぎていきました。夕方になって悲しげなメロディーとともに館内アナウンスが流れました。閉館時間はまだ先のはずですが、よく聞いてみると『保護者と一緒に来ていない子供は帰りましょう』と言っているのです。

純粋すぎた小学生の私は『これ以上、1人で館内にいると図書館の人に怒られてしまう』と思い、慌てて図書館の外に出ました。もちろん、母の迎えはまだ。家へは歩いて帰れる距離ではありませんし、母の職場への道もよくわからないので、図書館の入り口で待っていました。しかし、ずっとここで待っているのも『どうして帰らないのか?』と不審に思われてしまうかもしれないと考えた私は木の陰に隠れてみたり、図書館のトイレの個室に隠れてみたりしましたが、『これじゃ迎えに来た母が気づかないじゃないか』と思い、おとなしく図書館の前で待つことにしました。

1時間もしないうちに母は迎えに来てくれたのですが、入り口に突っ立って待ちぼうけている私を見て『なんで外で待ってんの?』と大変に驚いていたのを覚えています。あれから20年ほど経ちますが、いまだに母は『あの時は悪かったね。あなたがそんなに真面目だと思っていなかったから』とよく言っています」。そうね。1時間、長かったね。

(中澤有美子)長かったですね。あれこれ考えてね。

(安住紳一郎)そうですよね。子供はね、すごく正義感が強いし。決められたルールをきちんと守るっていうことになってるから。

(中澤有美子)そうですね。偉かったね。

(安住紳一郎)そうですよね。まあ、大人になるとね、「そんなの大丈夫だよ」とかね、「適当に時間を潰して。いなかったらこっち、探すから」とかなるんだけど。違うんだよね。先、先に考えてね。わかりますよ。私も幼稚園から小学生ぐらいにかけて、ちょうど蓄膿症だったものですから。そして田舎に住んでたので、耳鼻咽喉科が遠くにしかなかったものですから。1人で路線バスに乗って週に1回とか2回、耳鼻科に通ってたんですけど。路線バスって小学校2年生とかそのへんはやっぱり緊張しますよね。

(中澤有美子)しますよ。

1人で乗る路線バスの緊張

(安住紳一郎)それで、たしかバス賃が320円とかかってたと思うんですけど。離れた町だったんで。そうするとまた、320円ちょうどしか渡してくれないんですよね。それで、こっちは心配なんですよね。なんか「バス賃とかが急に上がってたら、降りられないじゃないか」みたいな。「なんでちょうどなんだ……ちょっと余計にほしい」とか言ってたんだけども。「大丈夫だよ。そんなの。上がってないもん」とか言うんだけど。「もし上がってたらどうするんだ!」とか。

「私がもしバス停をひとつ、ふたつ、乗り過ごしたらどうすんだ?」とか。「そしたら運転手さんに言え」とか言うんだけど。「言ったとしたって一応ルール上はこっちが間違ってるわけで。それはお支払いしないといけないじゃないか」って。ねえ。原理主義になってるから。「なんでちょっと余計に渡しておいてくれないんだ? こっちも心の余裕がほしい! きちんと1人の社会の構成員として、ルールを守りたい!」みたいなことがあるわけじゃん?

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)そういうの、よくあるよね? 定期券を忘れて学校に行かなかったら「そんなの、運転手さんに『定期券、忘れました』って言ったら、もしかしたら見逃してくれるよ」とか言うけど。「いや、ルール上はおかしいでしょう?」みたいな。

(中澤有美子)そう(笑)。この間もね、うちの子とそういうこと、ありましたですよ。

(安住紳一郎)そう。私なんか定期券、忘れたらもう学校に遅刻したとしても1回、家に戻りたいタイプだもん。でもほら、「ちょっと運転手さんに言ってみたら」みたいな人、いるじゃない?

(中澤有美子)そうね。「明日、ちゃんと持ってきます」とかね。「降りるところで母が待ってます」とかね。

(安住紳一郎)そういう臨機応変ができないのね。頑なだから。「ああ、忘れました。今日、休みます。お母さん、すいませんけど学校に連絡してください。私、今日、休みます。定期券を忘れたんでっ!」みたいな。

(中澤有美子)なんで怒ってるの?(笑)。

(安住紳一郎)なんで怒ってるのか、知らないけど。自分のさ、やっぱりあるんだよね。なんかね、きちんとルールを守りたいみたいなところがね。だから「保護者がいない人はすぐに出てください」って言われたから「はい、出ます」っていうね。「外で待ってます」みたいなことですよね。「ちょっと暑いから、中に入ったら?」「いや、外で待っています!」みたいなね。

「保護者がいないから、私は入れません」みたいなね、そういうことだね。わかる。正義感が強いんだよね。だからこそ、その時にね、あった出来事が、その後、大きく影響しますんでね。周りの皆さん、優しく接してあげてください。グッときちゃった。もう、忘れられない。バス賃事件。忘れられない。

(中澤有美子)ああ、もう思い出散歩が止まらない……(笑)。

(安住紳一郎)ねえ。怖いよね! それで俺、「お金、落としたらどうしよう?」とか思ったりするから。もう10円玉とか、ビッチョビチョになるぐらい手にしっかり握ってるでしょう? 「もしこれを落としたら、もう私は一生バスから降りられないんだ」とか思ってるから。

(中澤有美子)思いつめちゃいますよね(笑)。

(安住紳一郎)思いつめちゃうから。うん、わかる。で、またバスがさ、「乗り遅れたらどうしよう?」とかね、そういう恐怖感があるでしょう? また1時間に1本とか2本しかないバスだから。もうすごい、来る方をもうマサイ族か?っていうぐらいに……「あれ? もし行っちゃっていたら、どうしよう? ああ、サイトウ耳鼻科にまた遅れる……」みたいなことになるじゃない?

(中澤有美子)ドキドキポイントがいっぱいすぎてね(笑)。

(安住紳一郎)いっぱいすぎてね。ドキドキするよね。で、「自分の身長が低すぎて、バスがそれを見つけられずに通過したらどうしよう?」とかね。あと、降りる時にボタンを押すじゃない? で、そのボタンに気づかず、たまに停留所を超えちゃうようなトラブルなんかも見聞きしてるからさ。自分が西2条4丁目っていうところで降りるんだけど。「これ、西2条4丁目で止まらなかったらきついな」とか思ってさ。

ものすごいさ、なんか運転者がよく聞こえるタイミングでね。周りの騒音とかも計算しながら。場内アナウンスとかある中で……あれ、またダメなタイミングで押す人、いるじゃない? 「ピンポーン、次は西2条4丁目。お降りの方は……」なんて言っているそのちょうどいいところ。ちょっと空白のポーズが入ったところで「チーン!」って押したりね。もう、大変。

(中澤有美子)繊細な子だった(笑)。

(安住紳一郎)繊細だから。ハイパー・センシティブ・パーソンだから。

(中澤有美子)そうだったね(笑)。小さい頃から。

(安住紳一郎)小さい頃から。そうですよ。センシティブ・チャイルドからのセンシティブ・パーソンだから。

(中澤有美子)そうだったんですね(笑)。

(安住紳一郎)そうですよ。大変です。思春期 to 更年期っていうね。センシティブ・センシティブだから。いまだにドキドキする。

(中澤有美子)つながっちゃているから。

センシティブ・チャイルド

(安住紳一郎)いや、バス大事。路線バス大事。うん。びっくりしちゃうよね。1回ね、同じ停留所から乗ってきた人でね、サングラスかけてる……私ね、サングラスかけてる男の人ってのをね、世の中で初めて見たのかな? サングラスかけてる男の人が怖くて。自分と同じ停留所から乗ってきて、同じ西2条4丁目で降りた瞬間にもう「誘拐犯だ!」と思って。

(中澤有美子)思っちゃって(笑)。

(安住紳一郎)それで通学かばんの中からノートの切れ端に「私はまもなく誘拐されます」みたいなことを走り書きをしてね。こうやってカバンの中に入れて、サイトウ耳鼻科に行きましたよ。懐かしいわー、サイトウ耳鼻科。もう本当、蓄膿症がいけないんだよな。蓄膿症が。

(中澤有美子)頑張った(笑)。

(安住紳一郎)頑張ったね。蓄膿症、本当だよ。漢方薬、苦かったわー。

(中澤有美子)そうでしたね(笑)。その名前も前、教えてもらいました。

(安住紳一郎)そう、ツムラの漢方ね。1番。

(中澤有美子)なんだっけな?

(安住紳一郎)苦いんだよね。あら、長くなっちゃった。すいません。

安住紳一郎 漢方薬・葛根湯加川芎辛夷を語る
安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で漢方薬についてトーク。子供の時に鼻づまりを治すために飲んでいた漢方薬・葛根湯加川芎辛夷について話していました。

<書き起こしおわり>

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