星野源 子供の頃の憧れのパソコンを語る

星野源 子供の頃の憧れのパソコンを語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2022年7月26日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で子供の頃に憧れていたパソコンについてトーク。AppleのMacintosh、NECのPC-9821、シャープのX68000や富士通のFM TOWNSなどについて話していました。

(星野源)どうもこんばんは、星野源です。みんなは昔、ほしかったものとかあるでしょうか? この前、テレビを見てたらバカリズムさんが昔、ほしかったものを今、ヤフオクとかで買っているみたいな話をしてて。昔懐かしい、たとえば当時発売したジャンプとか。漫画雑誌とか、おもちゃとか、そういうもの。子供だったからたくさん買えなかったようなものを大人買いして今、集めているみたいな話をしてて。「ああ、すごいその趣味、素敵だな。すごい楽しそう」と思って。で、「俺、自分だったらなんだろう?」って考えたんですよ。

で、ほしいものっていうのがそんなになくて。日常的にあんまりお金も使わなくて。それこそ今、一番買ってるのはシンセサイザーなんですよね。でも、一応「仕事で使うから」っていう名目でもあるんですけど。アナログシンセを……前はやっぱり高かったからレンタルして使っていたりしたんですね。でもそれを、今は「もう買っちゃおう!」と思って。それで1個買ったら、やっぱり「あれもほしいな、これもほしいな」とか。それで今、海外とかからも買えるので……ただ、円安でとんでもないことになってるんですけど。今。もうクソ高いんですけど。「でも今、これ買って……でも、きっと値段が下がることはないんだろうな」みたいな感じもあるし。ちょっと買っちゃって。

でも、私は仕事に使うのだ。仕事に使うためにもちろん買うし、あと今、新しいシンセサイザーはもういろんなことができちゃうので。で、僕はいろんなことができる状態だと、あんまりそこから学ぶのが下手みたいで。なのでどれをやったらいいか、わかんなくなっちゃうんですよね。でも、それこそシンセサイザーがもう出来たての頃とか、まだ全然デジタルになる前のアナログシンセ……僕の曲でよく使ってますけど。そういうアナログシンセを操作すると、なんかね、理屈がわかるんすよね。

「ああ、なるほど。これがここにこうやって繋がってきて、こういう風にシンセの時代は音が不安定だったり、こういう不便なところがあって。それで今、こういう便利な機能があるのか!」みたいなのがすごいよくわかって。「なんでこんなに機能がいっぱいあるんだろう? 理解しにくいのに……」と思っていたその理由がめちゃめちゃわかるっていう。それで、そこから新しいシンセに手をつけるともの、すごくわかりやすいんですよ。

いろんな人がいろんなことを経て、改良してきたものだから。「ああ、なるほどな!」っていうのもすごい面白くて。それで今、その僕が持ってるヴィンテージアナログシンセをもうほぼ全投入したのが『異世界混合大舞踏会』って曲なんですけど。もう、いろんなシンセサイザーを……今の新しいのもありますし。現行のものもありますし、ものすごい古いのも使っているという。そういうところ、ぜひ音も聞いていただきたいんですけど。

(星野源)ただ、それは「昔からほしかった」っていうよりも、音楽を突き詰めていく上で必要なものであって。子供の時、ほしかったものはなんだろう?って思ってずっと考えてたんすけど。「ああ、俺、パソコンだわ」って思ったんですよ。俺、なんでパソコンが好きになったか?っていうと、親のお友達の人がなんかデザイナーをたしかやってて。で、土曜日の夜は遅くまで起きてていいっていうのが僕の家のルールだったんですよ。夜ふかしをしていいっていう。それで親がちょっと友達の家に夜ふかしっていうか、結構夜から深夜までずっと遊びに連れてってもらっていて。で、そこでMacintoshを見るんですよ。

その頃はね、まだたぶん90年とか、そのぐらいなんですよ。で、その時に置いてあったのはたしかAppleのMacintoshの2とか、なんかそこらへんだったような気がするんですけど。その後、何回か行った時にQuadra とかになってて。どんどん買い換えていったりしてて。その、なんか白い箱の中にめちゃめちゃきれいな映像があって。それこそMacintoshの、なんかかっこよくて。デザインも全てかっこいいし、それこそアイコンとか、その画面の中の文字とかすら、かっこよくて。「ほしい!」と思って。

父親の友人宅で出会ったMacintosh

「いいなー!」とか、もう小学生ですから。9歳とか10歳とかなんで。「いいなー!」とか言っていたら、「じゃあ、これあげるよ。もう読まないから」って言って、その人がマックの雑誌をくれたんですよ。で、「やったー!」とかって言って。でも、その当時の雑誌ってなんていうか半分ぐらい広告なんですけど(笑)。でも、それこそ当時ま出たてのものの機能紹介とかあって。それこそ最後の方にソフマップとか、それこそ中古ショップの中古の値段情報とかがあって。それをほぼ毎日見ながら電卓を片手に、俺のセットを……今はね、モニターもパソコン本体もキーボードもマウスもついてきたりするもんですけども。当時はバラバラで買わなきゃいけなかったので。

自分なりの、ちゃんとできるセット。最低限のセットを組んでも、どうやっても100万円を超えるんですよ。当時はめちゃめちゃ高かった。中古でも絶対に100万超えちゃうみたいな。どんなに安価なものにしてもダメっていうような感じだったんですよ。で、形もかわいくてね。Macintosh Plusとか、あとSEもかわいいですし。もうQuadra とかのパキッとした、真四角みたいなのも非常に素敵ですし。Performaとかになって、ちょっと丸くなって。ちょっと手が出しやすいっていう、そういうのもいいなとか思いつつも。でもなんかゴツいのがほしいなとか、いろいろ考えて。

(星野源)、でもそれをきっかけに、いわゆる家電量販店に行った時に、パソコンコーナーに行くようになるわけです。埼玉県だったんですけど、近所のラオックスに行きましてね。近所っつっても、川口駅前の方のラオックスに行きまして。それで行くと、Macintoshがないんですよ。なんか、あんまり売ってないんですよ。Macintoshは。それで何があったかっていうと……NECのPC-98シリーズってのがありまして。それで俺、今ね、まあMacintoshもほしいんです。Macintoshもほしいんですけど、今一番ほしいのが、PC-9821なんですよ。すごいほしくて。

近所のラオックス・パソコンコーナーに通う

(星野源)で、その頃ね、いろんなパソコンが出て、各社がしのぎを削ってたわけです。NECはPC-98シリーズで、シャープはX68000っていうのがあって。富士通はFM TOWNSっていうのがあったの覚えてません? 世界初のCD-ROM搭載ドライブ搭載の! 俺、口が開いてふさがらなかったんですから。CD-ROMドライブのパソコンがあるのを見て。川口のラオックスで「なんじゃ、こりゃーっ!」ってなって(笑)。「えっ、何? 音楽とか聞けるの? なんか、作れるの? すげえ!」みたいになって。でも、やっぱりめちゃくちゃ高いわけです。で、小学生だから本当に指をくわえて見てるしかなくて。

(星野源)で、友達の家に行った時に、その友達のお兄ちゃんとかがシャープのX68000を持ってたりするんですよですよ。結構、ゲームがね、その頃はファミコンとかもありましたけど。いわゆるアーケードゲーム……ゲームセンターに行ってゲームをするっていう。で、そのゲームセンターに一番、画面がきれいな、ハイスペックなゲームがいっぱい置いてあるっていう感じで。で、そのX68000はアーケードゲームのゲームが、結構ほぼ、そのまんまやれるみたいなものだったんですよ。で、それが置いてあって「すげえ!」みたいな。

(星野源)で、その頃はフロッピーディスクでして。フロッピーディスク、皆さん覚えてますでしょうか? ねえ。僕の頃は一番、でも思い出深いのは3.5インチの、結構もうちっちゃくて、硬いやつなんです。それでワープロとかね、僕が小さい頃はありましたから。全然使ってましたから、ワープロでちょっと文字を記録したりとか。でも本当に、全然今と比べると全く記録ができないんですけど。

でもそれの前の5インチぐらいのペラペラのやつがあるんですよ。あともう1個、デカいのもあるんですけど。そのペラペラの時代ので、本当に細くてペラペラのをカシャーッて入れて。それでカチャカチャって読み込んで。それを何枚も入れて『信長の野望』とかをやってるお兄ちゃんがいて。「なんじゃ、こりゃーっ!」ってなって。で、それで見た映像がなんていうか、この世でのもので一番きれいなんじゃないかって思うぐらいで。

で、今見ると全然もちろん、今のたとえばPS5とかと比べると、もう全然違うわけです。内容量が。なんかこう、1MBとかだったりするわけ。もっと小さいか? わかんない。ちょっと忘れちゃったけど。その頃のパソコンの内容メモリーの最大限が1MBとかなのかな? だからもう、すごいちっちゃいわけです。でも、そこになんか無限の美しさみたいなのを感じて。『プリンス・オブ・ペルシャ』とかね。「えっ、こんなにリアルに動くゲームがあるんですか?」って思って。なんか知らないけど、全然よくわからない会社のよくわからないパソコン。もらったパソコンみたいなのがあって。

でもよくわからないんだけど、秋葉原に『プリンス・オブ・ペルシャ』を買いに行って。なんか知らないけど、「これはそのパソコンで動くのではないか?」という予想を元に買って帰り。親にねだって買ってもらい、当たり前ですけど全然パソコンの種類が違くて、動かなくて泣くっていう、そういう……(笑)。

『プリンス・オブ・ペルシャ』を買うが動かなくて泣く

(星野源)もう本当にだから知識もないわない上に、お金もないみたいな。だから、もう手の届かないものの象徴だだったです。パソコン。日本製のパソコン。それと、あとMacintoshって。それでMacって今、自分のメインパソコンがMacなんで。なんかある程度、それは満たされてるわけですよ。Mac欲は。一番最初はiBook G4だったかな? それを買って、白いパソコンだった。まだその時、白かったんですよ。白くて、電源入れた時に「デーン!」っていう音で泣くっていう(笑)。それで結構、もう報われたんです。

(星野源)で、一番報われてないのが、PC-98なんです。X68000、富士通のFM TOWNSも、もちろん今も中古で売ってたり、オークションとかあるんですけど。なんかやっぱり、ゲームソフトっていうのがその時にすごいやりたくて。『プリンス・オブ・ペルシャ』もそうだし、『イースI・II 』もそうだし、『ウィザードリィ』も『DOOM』も……まあ『DOOM』は年齢的にできなかったですけど。あと『ポリスノーツ』『スナッチャー』ね。そういうのがいうのいろいろあって。

だから、もうなんかあそこに無限の可能性を感じてたあの頃みたいなのを今、体験したらどうなるんだろう?って。それでね、「そういえば1回も調べたことない」と思って。あれ以来、その小学校とかの時に夢中になって。でも諦めて、自分の心に蓋をしたわけです。もう「ほしい」と思わないみたいな。手が届かないから。

で、そこでちょっと調べてみたら、なんかね、直して売ってるサイトみたいなのが結構あって。見つけちゃったんです。買えそうなところを(笑)。「ちょっと待って!」って思って。調べれば調べるほど、名作ゲームがあって。めっちゃ面白そうなんです。だから、もしこれを聞いてる方、おすすめの機種があったら教えてもらえないでしょうか?(笑)。今ね、非常に揺れているんです! PC-98シリーズで買うってのもありますし。

でも、子供の頃、それも買えなかったPCエンジンのCD-ROM2。PCエンジンとCD-ROMも一緒に合わさっているPCエンジンDUO-R。それも、いわゆるPCゲームを移植して、さらにちょっとブラッシュアップしたゲームがいっぱいあるんです。『天外魔境』とか、いろいろありますし。それのどっちがいいの?っていうね。ちょっとゲームに詳しい方いらっしゃいましたら、メールをいただければ(笑)。

(星野源)ただ、僕は非常に後悔してるんですけど。さっきまで、そういうゲームにめちゃめちゃ詳しい人とお話していたんです。杉田智和さんという人なんですけど。その話をするのを忘れていて……でも、今日はたくさんお話したいことがあったので、違うことをお話していました。今日は『ゴーストブック おばけずかん』のおばけたち。図鑑坊役の釘宮理恵さん、一反木綿役の下野紘さん、山彦役の杉田智和さんが来てくれました。先ほど、直前に録りました。めちゃめちゃ素敵な楽しいお話をしてくれたので、ぜひお楽しみにしていてください。

(中略)

(星野源)ちょっとメールも来てます。ありがとう。「X68000、ネットで調べました。記憶容量が16MBしかなくて、思わず笑ってしまいました」。本当にそうなの。でも、その16MBがマジでね、永遠かのように感じるっていうか(笑)。「こんなにすごいの!」っていう。そうそう、それこそ絵を書くだけでもね、楽しかったりとか。あと、その頃のゲームってドット絵でね、イラストとか、アニメーションとかを作ってたりするから。もう本当にその絵が美しいんですよ。

だから今見てもね、本当に美しくて。やっぱりなんかあのゲーム機というとかパソコンで見ると、今でも美しいと思うはずなんだよね。「現在ならスマホで撮影した写真3、4枚で埋まってしまいますが、この記憶量でいかにシステムを動かすかという勝負になっていた時代なのですね」という。そうそう。そうだよね!

続いて。「源さんの言っていたX68000は映画『君の名は。』に登場しています。新海誠監督なら詳しいと思います」って。ああ、写真も? ああ、そうそう。このツインタワーのやつね。

『君の名は。』のX68000

(星野源)いや、俺は知り合いじゃないんだけど。X68000の話を聞くためだけに新海さんをゲストに呼ぶの、ヤバすぎるね。アハハハハハハハハッ! ありえないでしょ? 絶対に来てくれないよ(笑)。いやー、面白いね(笑)。でもそういうゲストの方にただ教えていただくみたいな……「ああ、そうなんですか!」みたいな話を聞くだけでもね、いいかもね。

続いて。「30年くらい前のPC事情、超懐かしい! 僕もX68000を……」。みんなX68000なんだけど(笑)。「めちゃくちゃほしかったです。ゲーセンそのままのゲームが遊べるなんて、夢のような機械でした。PC-98もHなゲームがやってみたくて、ほしかったな」。そうなんですよ。Hなゲームも……「なんじゃ、こりゃ?」の極地ですよね。もう本当に。「なんでこんなきれいな映像なの?」っていうね。

あと、だからさ、本当に奥が深いんですよ。いわゆるアドベンチャーゲームね。そのHなやつじゃなくても、なんかストーリーが奥深くて、みたいな。そういうのをたとえばPCエンジンとか、その後ね、大きくなって買ったプレイステーションとか。アーカイブスとかで、たまにあるじゃないですか。それやって、「やっぱりおもしれえな! 昔のアドベンチャーゲーム!」みたいな。それはよく思ったりしましたね。なんで引き続き、そんなメールをお待ちしております。

<書き起こしおわり>

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