Creepy Nutsのお二人が2022年7月24日放送のFM COCORO『Got You OSAKA』にゲスト出演。トータス松本さんと楽曲制作方法について話していました。
/#FmCoCoLo765
【 Got You OSAKA 】in #ジャイガ?
GUEST?Creepy Nuts\
■DJ松永 はネコ?説
■R-指定が語る「ガッツだぜ!!」制作妄想話⁉️
■#CreepyNuts の曲作り法?
■ステージでウルフルズ×R-指定 決定?
■猫は東京へ??#radiko で《 7/31 まで 》聴ける?https://t.co/wBMktUyN51 pic.twitter.com/SljPBGlb1F
— ウルフルズ トータス松本 の ?Got You OSAKA? (@OSAKA765) July 24, 2022
(トータス松本)最近のね、2人のリリースをね、新しいめのやつをYouTubeでバーッと見てんけども。すごいハイペースやん?
(DJ松永)ああ、そうですね。
(トータス松本)すごいペースでやってるやんか。で、曲を作るのも、このペースやと結構急ぐよね? もう次から次へ、作らなあかんやんか?
(DJ松永)そうですね、やっぱり年末から今年にかけて、ずっとバーッて作ってましたね。
(トータス松本)なあ。あれ、トラックっていうのは基本的にリズムと……コード進行とかは誰が作んの?
(DJ松永)コード進行は俺が作って。トラック……たとえばリード曲っぽいやつに関しては、もう結構ガチッと全部決めます。俺が作って、コード進行から構成まで。
(トータス松本)えっ、じゃあギターとかオルガンとかピアノが弾けるの?
(DJ松永)弾けないんですよ。弾けないんで、パソコン上でデモを作って。それでプラグインでそれを再現して。それで後からミュージシャンの方にそのデモに近いものを弾いてもらったりとか。っていうような、生楽器系の音楽はそうしたりしてますね。
(トータス松本)じゃあ、スタジオでギタリストが来てあれ、ギターを弾いてるわけや。なんかギターがちゃんとしてて。「誰が弾いてんやろう?」って。
(DJ松永)磯貝一樹っていう俺と同い年のギタリストがいて。SANABAGUN.っていうバンドに入ったりとかしていて。1人でも結構、いろんなサポートで入ってるようなめっちゃ優秀な人がいるんですけど。だいたいその人にお願いしてて。で、やっぱり俺らの楽曲はちょっと癖がほしいんですよね。なんか普通に爽やかな曲にならないように、なんか取っ掛かりのある癖とかが……。
(トータス松本)わかる、わかる。
癖のある楽器を使いたい
(DJ松永)そういうのがほしくて。で、ギターじゃなくて俺が好きなのが、やっぱりそのエスニックな楽器が好きで。エレキシタールをよく使うんですよね。エレキシタールでバッキングするっていうことをやったりとか。普通はバッキングで使う楽器じゃないんですけど。それで曲を作ったりとかして、他の曲にはない音色のちょっと不思議な塩梅とかをいろんな楽器で……で、打ち込みとその生楽器を、たとえばキックとスネアだけ打ち込みにして。ハイハットだけ生演奏にしたりとか。なんかそういう妙なミックスを……。
(R-指定)これはさっき話していた「遠回りの美学」に通ずるところがあるんのじゃないかなって話を聞いてたりとか、松永さんの作り方を見てたりして思いますね。元々、やっぱりサンプリングで作ったトラックとかも癖のあるネタとかを探してきてやってたのが、たぶんそれを実際にこう弾いてもらってオリジナルの物を作るってなった時に、やっぱりなんか一筋縄でいかん感覚をたぶん、そのいろんな遠回りを……いろんな遠回りをギュッとさすことによって、たぶん松永さんにしかないトラックができるような感じが。
(トータス松本)わかるわかる。なんかつるっと作ったら「うーん、なんかこれ……これはどうなんやろう?」って疑いの目線っていうかね。常にその疑っていくっていう。「これ、一応形はできたけど、これでいいのかな? まだ何か足らんのちゃうかな?」って、できてるものに対して疑っていく感じは、すごいわかる。俺もそれは心がけてた。
(DJ松永)特にヒップホップって、もうコードがループなので。J-POPみたいに、日本の音楽みたいに進行していかないんですよね。
(トータス松本)Aメロ、Bメロ、サビ……みたいなね。
(DJ松永)みたいなものがないんですよ。でも最近、割と俺はコードを進行することを心がけているんですけど。それをやって、癖のない楽器とかで普通にやっていくと本当にJ-POPなっちゃうんで。骨組みはJ-POP全国的な展開をsるうんだけれども、その楽器の使い方とかでいかにそれを隠すか? 進行してるんだけど、めちゃくちゃ土臭かったり、それぞれがヒップホップに聞こえるような、その塩梅をめちゃくちゃ独自に研究はしてますね。すごい。
(トータス松本)ヒップホップやからやろうね。エレキシタールとか、たとえば俺らみたいなロックバンドの形態でやってたら、エレキシタールを入れた瞬間にそういう曲になって。エレキシタール、出番ないのよね。だから買う気にならへんもん、あれ(笑)。
(DJ松永)いや、癖が強すぎますよ。あれは。
(トータス松本)使いたい時はもう、借りてくる。レンタル屋から。買うまでもない楽器みたいな。そこまで出番ないけど、ヒップホップやと結構ガンガン使っても、そんなに変じゃないかもしれないね。
(DJ松永)本当に。ヒップホップは本当にいかに変な楽器を使うか、みたいな勝負だったりするんで。俺、今はサンプリングしてないんですけど。サンプリングで曲を作ってた時期とかは、オーケストラみたいなホーン主体の曲があって。それをめっちゃピッチ上げるんですよ。ピッチ上げて、それでギターアンプのエフェクトをかけるんですよ。そうすると、ギターの曲みたいに聞こえるんですよ。それをループさせて作った曲とかもあるんですけど。
(トータス松本)ああ、そうなんや。
(DJ松永)で、結構サンプリングでそういうことをやり尽くしちゃって。で、サンプリングの手法ってもう、方法は限られてきちゃうから。もうそういうことやるか、チョップ&フリップっていって切り貼りして全く別の曲にしちゃうとか。あと逆再生とか。そうなってきちゃうと限られてきちゃうなと思って、サンプリングの手法を自分に取り入れて。それでちゃんと1から曲を作るみたいなことをメジャーに入ってからやり始めましたね。
サンプリングの作曲をやり尽くした
(トータス松本)やっぱりウルフルズみたいなバンドの場合は、バンドで演奏するっていうのが良くも悪くもひとつの基底があるから。その中で何をやるか、みたいなところが面白かったですけど。なんかヒップポップはやっぱりトラックメイカーやと無限やから。その無限の面白さもあるよな。
(DJ松永)そう。いかに固定観念を外すか。
(トータス松本)ああ、そこは全然バンドと違うんやね。
(DJ松永)で、やっぱり自分でデモを作った時に、スタジオにミュージシャン、入ってもらうじゃないですか。「いっせーのせ!」で演奏してもらうことは避けていて。たとえばギターもホーンもドラムも録らなきゃいけないんだけども。まずはギターだけ、とか。で、その次にベースの人に入ってもらって弾いてもらって、とかにしてますね。「いっせーのせ!」でやっちゃうと、やっぱりその、バンドの曲なっちゃうんで。だからあくまでもDTMを生でやってるっていう感覚で曲を作るんで。
(トータス松本)ああ、なるほど。
(DJ松永)そういう風にギターだけとか。順番順番通りに録ってますね。「いっせーのせ!」ではやらないようにしています。そうすると本当にバンドの曲になっちゃうから。
(トータス松本)で、Rくんはそこを任せて?
(R-指定)そうっすね。で、ビートが来て。トラックをもらって、なんか鼻歌でなんとなくメロディーをそこに載せて。メロディーと歌詞を口ずさんだり、鼻歌だったりとか。スキャットみたいなのを先に作って……みたいなやり方が多いですね。
(トータス松本)それをまた返して、松永が聞いて、みたいな?
(DJ松永)あともう1個あるのが、さっき俺が言った作曲方法は結構、『堕天』みたいなリード的な曲。がっつりそう展開があって歌サビで……みたいな曲の時は今みたいな作り方をするんですけども。
(DJ松永)もう全編ラップで、ゴリゴリのラップを作る時は、もう俺は10分ぐらいのワンループの展開のないビートだけ、送るんですよ。で、Rにそのビートで自由に泳いでもらって、それをアレンジしていくっていう作り方もしていて。4小節ループの曲、10分ぐらいのやつをドン!って渡すんですよ。そうすると、俺の想像もつかない泳ぎ方とかをRがしてくるんで。
(トータス松本)それはもう、なんかフリースタイルでバーッて適当に歌って?
(R-指定)うーん。なかなかフリースタイル、即興でやるラップとが作曲の時の脳みそって全然違うんですけど。なんか、でもやっぱりラッパーって作詞家であり、作曲家なんですよね。フロウって言われているラップの歌い方、歌い回しも結局のところ、メロディーやったりもするんで。なんかそれがバーッてループでもらったりすると、自分のたぶん気持ちいいところで展開していったりするから、規則的じゃなかったりするんで。
(DJ松永)なるべく自由帳みたいなやつを渡すというか。
(R-指定)それが結構、やっぱりラップ力を見せるには楽しいかな、みたいな。なんかフロウで、メロディーで展開していったり。たとえば言葉きっかけでリズムが変わっていったり、みたいな。そういうのはありますね。
(トータス松本)でもたしかにメロディーであり、詞でもあるっていうのはわかるな。
(R-指定)やっぱりトータスさんの感じとかも絶対そうじゃないですか。そのリズムがすごい強いじゃないですか。
(トータス松本)そうなんよ。だからどっちでもないのよ。俺も。なんかその、詞だけ書いたりできへんのよ。
(R-指定)ああ、絶対そうっすよね!
(トータス松本)歌いまわしとかが一緒にならんと気持ち悪い。
歌いまわしと歌詞が一緒にならないと気持ち悪い
(R-指定)やっぱりウルフルズ、トータスさんの歌詞とかって、やっぱり絶対に口気持ち良さって大事じゃないですか。「ガッツだぜ!」って、ちゃんとこの音のハマリみたいな。となってくると、たぶん詞曲別じゃなく、一緒にならんとなかなか難しいっすよね。
(トータス松本)そうだよ。だからそこのせめぎあいやね。意味を尊重して、詞市としても成立せなあかんけど、どうしても「こういう風に歌うの嫌やな」みたいなことが結構あって。それは面白いけどね。作業として。「なんかいい着地、ないかな?」って言っていつもやってるから。
<書き起こしおわり>