R-指定さんが2022年4月11日放送のニッポン放送『Creepy Nutsのオールナイトニッポン』の中で梅田サイファーの仲間tellaさんの『死延』を紹介していました。
(R-指定)じゃあ、ちょっと日本語ラップ紹介さしてもらってもいいですか。
(DJ松永)はい。
(R-指定)今日、紹介するのはですね、これ梅田サイファーの仲間の曲なんですけども。tellaさんっていう。
(DJ松永)ああ、tella。俺と同い年の。
(R-指定)そうそう。松永さんと同い年で。特徴としては基本的にメロディアスなラップがすごい得意で。ものすごい気持ちいいメロディーを独特の高い声で歌い上げるっていうのが結構、tellaさんの武器やったりして。で、自分でトラックメイクとかも全部できたりするし。
(DJ松永)すごい才能あふれる人だよね。tellaは。
(R-指定)結構アーティスト気質というか。もうアートするために生まれてきた、みたいな人なんですよ。で、そのtellaさんが、ちょっとねいろんなことが重なって音楽から離れてた時期もあるんですよね。で、その離れてた時期を経て、今回作ったアルバムがあって。その離れていた時期にやっぱりtellaさん的には、なんやろうな? 自分の中ですごいいろんな決断をしようとして。そんな時に、これはもう詳しくはtellaさんのTwitterとかnoteで読んでほしいんですけど。あの、救われたんことがあって。そこからアルバムタイトルも来てるんですよ。『Boar』っていうのは。これ、「イノシシ」っていう意味なんですけども。そういうタイトルのアルバムで。
全曲、全部その時の心境から今、はい上がってきたtellaさんの心境っていうのが歌われてるんですけど。「ああ、この人はホンマに音楽をフェイマスを得るためとかやってるんじゃなくて、生きるために音楽をやってる人なんやな」っていうのをより感じさせられるアルバムというか。「この人、息を吸って吐くのと同じように音楽で表現することが必要なんやな」っていうのを改めてすごい感じたアルバムで。俺も結構、自分の制作が煮詰まっていたというか、自分のメンタルがグッと落ちてる時にそのtellaさんのこのアルバムを聞いて、結構復活したというか。
(DJ松永)うんうん。
(R-指定)で、今日紹介したい曲はtellaさんのそのメロディアスな魅力ってのはもちろん、アルバムの中に詰め込まれてるんですけど。tellaさんがキレキレのラップをしてる楽曲から始まるんですよ。アルバムが。結構メロウな曲でアルバムが幕開けるっていうのがtellaさんのアルバムでは多いんですけども。今回はキレキレ。ラップのスキルをガーンと出しまくったキレキレの楽曲から始まる。で、それのタイトルがですね、『死延(しのび)』。「忍者」っていうのはヒップホップでいろいろ使われるテーマじゃないですか。でも、このtellaさんの『死延』って「死ぬのが延びる」。
「俺は音楽があって、アーティストとして、人間としての死から生き延びることができた」っていうことで『死延』。そういうタイトルの時点で俺は「この人、音楽を生きるためにやってるんだ」ってより思ったし、その『死延』から始まる『Boar』っていうアルバム。全曲を聞き終わった時に「ああ、やっぱり生きるためにこの人は音楽が必要なんや」っていうのがよりわかる作りになっていて。そのアルバム、丸ごと聞いてほしいんですけど、まずは今日はその冒頭の1曲目だけ聞いてもらおうと思います。tellaで『死延』。
tella『死延』
(R-指定)これね、キレキレのラップの中にも梅田サイファーとしてのバーッと広がっていく中で一種、1人きりで作ったアルバム。だから、tellaさんの中でもすごいがっつり集中して、自分の孤独やったりそういうものと向き合ってできたアルバムなんですけど。そのtellaさんが復活した経緯とかもね、この歌詞の中、リリックを見てもらったら出てくるんすけどね。まあライムな部分で言っても「強がってみる I gotta Skill I gotta ILL ありがたく生きる」っていうこういうライムも含めて、やっぱり音楽をやる、表現するってのいうはたぶん、すごい落ちてる時にはしんどいことなんですけど。
それでも、「強がってみる」。なんとか言葉を吐いてみる。それで「I gotta Skill」。それでスキルが上達していく、でも、「I gotta ILL」でまたさらに病んでいくし、かっこよくもなっていく。そして、「ありがたく生きる」。そういうラインがあったり。で、サビで「I’m a Ninja 忍法 Track Making I’m a Ninja 抜刀スパッとキレるFlow」っていう。忍者の忍法と抜刀。刀を抜くようにスパッと切れるtellaさんのフロウ。
で、「I’m a Ninja 十方 モクモク煙の中へ I’m a Ninja 忍法 Independent I’m a Ninja 秘境の地 GECKO LAB」。この「GECKO LAB」っていうのはtellaさんのスタジオのことを言っているんですね。それが「秘境の地」だと。で、そのGECKO LABで俺たち、Creepy Nutsの『シラフで酔狂』っていうはじめて作った曲もそのGECKO LABで録ったじゃないですか。
(DJ松永)そう。俺らのはじめての曲はtellaが録ってくれたんだよね。
(R-指定)で、そのことをtellaさんが落ちる時に俺らがちょうど制作タイミングで。『土産話』という楽曲の一節に入れて。で、連絡も取られへんかったけど、ちょっとダメ元でtellaさんに「このフレーズ、入れていいですか?」って送って。で、そこから数ヶ月後にライブで再会するんですけど。どうやらその俺のそういう楽曲に入っているのとか、仲間の声とかを聞いてまた音楽やる気になったって言ってくれたから。何か恩返しできたかなということがあるんですね。
(DJ松永)いや、嬉しい。本当に。やっていてよかったってこっちも思えるよね。
(R-指定)やっていてよかったって思いますよね。
tella note
<書き起こしおわり>