博多大吉 ダウンタウン31年ぶりの漫才を語る

パンサー向井とココリコ田中 ダウンタウン31年ぶりの漫才を語る たまむすび

博多大吉さんが2022年4月6日放送のTBSラジオ『たまむすび』の中でダウンタウンのお二人が『伝説の一日』で31年ぶりに漫才を披露したことについてトーク。なんばグランド花月の舞台袖から見たダウンタウンの漫才について話していました。

(赤江珠緒)大吉先生はあれでしょう? 吉本さんは、もう……。

(博多大吉)そうですね。(たまむすび)10年の後に言うのもあれですけども。110周年のイベントがありまして。まあ、山ちゃんもしゃべっていたと思いますけど。もう本当、この時の記憶というか、感じたことが抜けないね。まだ夢見心地というか、ちょっとボーッとしている自分がいますね。

(赤江珠緒)そうですか。4月2日、3日と2日間開催で。

(博多大吉)僕らは3日、千秋楽と言われる回の……2日と3日でね、8公演あったんですけど。1日で4公演ずつ。で、4公演目。つまり両日とも、4公演目は『さんまの駐在さん』なんですよ。さんまさんが主役で座長のお芝居。コメディ。これに今田さんとかナイナイの岡村くんとか、いろんなスターが出てて。それが4回目で。その他の3回ずつが、最初に「口上」っていうね。「110周年、ありがとうございました」という挨拶があって。そこから漫才とかコントが18組ぐらい続くのかな? ブワーッとあって。で、休憩というか、幕前にそれに入りきれなかった芸人さんたちが4組ぐらいバッと来て。1分ネタみたいなのをやってて。

それで最後はオールスターによる吉本新喜劇。このセットが3公演。それで計6公演。それに『さんまの駐在さん』が2公演で計8公演、やったんですね。で、僕ら博多華丸・大吉は千秋楽、4月3日の2回目の公演の口上。「110周年、ありがとうございました」っていう口上と、あとネタ組の一番最後。トリというのを取らせていただいて。

(赤江珠緒)それは栄えあるお役目じゃないですか。

(博多大吉)いや、大変だった。だって僕が口上を一緒にやったのは寛平師匠と大木こだまひびき師匠。それと僕らでやらせていただいたんですけど。

(赤江珠緒)口上ってどんな感じでやるんですか?

(博多大吉)「110周年、ありがとうございました」みたいな。そんな、紋付袴を着てみんなで……っていう感じではないんですよ。まあまあ、うちらの回の口上で言うと寛平師匠が「アメマー!」って言ってましたよ?(笑)。金の扇子を振り回しながら「アメマー!」って言ってました。たぶんこれが吉本なりの、師匠なりに「ずずずい」かもしれませんけども。まあ、そういう挨拶があって、最後にネタもやって……っていうので。ほら、芸人さんも山ほどいるけど、社員さんももうほぼほぼいるから。言ったら課長から、会長から、社長から、もう全てのお偉いさんが見てますから。なかなかプレッシャーだなと思いましたけどね、やらせていただきました。

(赤江珠緒)うんうん。

(博多大吉)10年前に100周年をやったんですよ。『たまむすび』が始まった頃に。

(赤江珠緒)ああ、そうか。ちょうど、そうですよね。同じ頃になるわけですからね。

(博多大吉)10年区切りで言うとね。で、その時に僕らがやったのは、その日は1日で何公演かやったんですけど。1回目の公演の口上のMCやったんですよ。

(赤江珠緒)口上のMC?

(博多大吉)口上の仕切りのMC。口上は師匠方がやられて。今回もそうなんですけども。専属というか、回によってMCがいて。そのMCを僕らはやらせていただいたんで。100周年の幕が上がって第一声は華丸の「皆さん、ようこそいらっしゃいました」っていうのから始まったんですよ。でも10年前って、このラジオも始まったばっかだし。僕ら、何のタイトルも……言ったら『THE MANZAI』とかも取ってないし。もちろん、『あさイチ』なんかも始まってないから。「いや、僕らでいんですか?」みたいなね。それは当然ありましたけど。「100周年の幕開けが僕ら……本気ですか?」っていうのがあって。で、その時もいろいろ、出番もあってね。100周年の時も。だから頑張らなきゃいけないね、とか言ってたんですけどね。

(赤江珠緒)でも、この10年で……今度はもうね。

(博多大吉)あんまり誰も言ってくれないから、自分で言いますね。上り詰めてやりましたよ!(笑)。

(赤江珠緒)いや、そういうの先生、おっしゃらない方が……(笑)。

(博多大吉)いや、誰も言わないから、自分たちで言ってこうよって。

(赤江珠緒)自分たちでは特に言わなくていいような……(笑)。

(博多大吉)いや、でも本当にね、そういう舞台に出していただいて。昨日、山ちゃんが「3分半のネタ」とか言っていたけども。持ち時間が。で、そこを楽しくて5分やったって、まあ当然ですよ。あんな空気やったら。よく5分で収まったなっていう話ですけども。

(赤江珠緒)先生たちは?

(博多大吉)僕らは一番最後なんで、通常通りの10分、もらえるんですよ。なんか、こんなの特別扱いですよ。はっきり言うと。3分半はテレビサイズやけど、10分ありゃ、そらウケまっせ。だってお客さん、みんなテンション高いんだから。それですごく楽しく舞台もやらせていただいて。しかもね、僕らが出た公演の後ろ3組の漫才コンビがね、タカアンドトシ、千鳥、僕らやったんですよ。だから北海道、岡山、福岡の、いわゆる東京・大阪じゃない漫才師で3つ、並べたんですね。これもなんか、華丸と言っていて。

「嬉しいね」って。やっぱり地方から出てきて、なかなか言ったら大阪人、関西人以外の方は成功しないよっていう風に言われている中で僕らは入ってきたんで。僕らの時代は。「ここまで頑張ってよかったね」とか言っていて。で、、その後にBSよしもとっていう局も開局してたんで、またそういう番組にも出て。で、僕らがやった2日目の2公演目の次、3公演目の舞台にダウンタウンさんが登場したんですよ。

で、ダウンタウンさんの出方は口上があって、ネタがあって、新喜劇があるところを全部、ダウンタウンにしたんですよ。だからダウンタウンさんだけで40分ぐらい、持ち時間があって。で、何をするかは全く聞かされてなかったんですね。で、「たぶん漫才じゃないかな。でも今更、漫才とか……作って練習されるかな? だからなんかフリートークみたいな、そんなのかな?」とか言っていて。すごく楽しみにしていたんですね。

で、話は100周年の時に戻りますけど。100周年の時はダウンタウンさんって歌を歌ったんですよ。いわゆる、あの『ごっつええ感じ』メンバーが来られて。みんなで歌を歌って。浜田さんが『WOW WAR TONIGHT』を歌ったんですよ。それで僕、当時ものすごくそれを舞台袖で見たかったんですけど、会社から言われてたんですよ。「関係ない人は来ないでください」って。袖が混むから。

(赤江珠緒)ああ、まあそうですね。皆さん、見たくなってね。芸人さんたちも。

(博多大吉)「見たい気持ちはわかるけど、なるべく来ないでね」って言われて。それで「どうしようかな? 見たいけど……でも、そこまで仲も良くもないし。親交もないから行くのも失礼かな?」と思っていたら、矢野兵動の兵動くんという同期の関西の漫才師がいるんですけど。その子も同じ気持ちで。「行きたいけど行けないよね」って。それで結局、2人で飲みに行っちゃったんですよ。僕ら。で、「全体の打ち上げだけ行けばいいや」って。一方、その頃、うちの相方の華丸は「来るなって言われたけど、こんな機会は二度とないから」っていうことで、行ってるんですよ。

(赤江珠緒)怯まずに。

(博多大吉)怯まずに行って。そしたら、ほとんどの芸人が怯んでなかったの。9割9分の芸人、見に行ってて。「ついでに後ろ、出てこい!」っつって浜田さんと一緒に『WOW WAR TONIGHT』を歌ったんですよ。で、そのまま打ち上げに行ってるんです。一方、僕ら怯んだ組はさ、なんかわけわからん。兵動くんが紹介する大阪の地下アイドルを応援するパブみたいなところに連れて行かれて。1個1000円する紙テープを買って、その子に投げたりとかしていて。

で、「全体の打ち上げに行こうか」ってなったら兵動くん、変なところが真面目で。「もう俺ら、酔っぱらってるで。こんな状態で宴会とか、打ち上げに合流したらあかんのちゃう?」って言っていて。それで結局、行かなくて。数日後、100周年。この宴会の時に撮った全員の集合写真。さんまさんだの、文枝師匠だの、ダウンタウンさんだの、みんな入ってる写真の中に僕と兵動くんはいないんです。なぜなら、地下アイドルに紙テープを投げていたから。

(赤江珠緒)まあまあ、そっちはそっちで楽しかったのかもしれません(笑)。

10年間ずっと悔やんでること

(博多大吉)これが僕、10年間ずっと悔やんでることで。実は。もう本人にも言ったけど。「あの時、遠慮せんでおけばよかったね。今度あったら絶対に行くよ」って。それで今回、もちろん全体の打ち上げはなかったんです。コロナ禍なので。で、ダウンタウンさんの時も「来るな」と。「『若手の皆さん、来ないでください』っていう通達がありました」って若手芸人さん、言ってたけど。でも、行ってやろうと。だってもう、32年やっているんだもん。口上もやったし、トリも務めたし。「これは俺、行っていいでしょ?」って。

(赤江珠緒)親交もおありだしね。

(博多大吉)で、フッと横を向いたらNON STYLEの石田くんがモジモジしてて。「行かんの?」って聞いたら「いや、行っていいんですかね……」って。もう10年前の僕ですよ。だから「石田くん、俺は君が行かないとダメだと思うよ。NON STYLEはもう若手じゃないし、もうこんな機会もないかもしれないから行こう、行こう。千鳥のノブくんは絶対に行くって言っていたから。みんなで行こう」って行ったんですよ。それで、ある程度本当に若手の皆さんはストップがかかっていて「来るな」って言われていたんですけど。それでも来たベテラン勢とかは袖で見させていもらえました。

(赤江珠緒)10年越しに。

(博多大吉)10年越しに。で、ダウンタウンさんがなにをするのか、わかんないから。僕ら、浜田さん側の袖から見ていたんですよ。ノブくんと石田くんと僕と。キム兄も後ろにいて。あと、いっぱいたくさんいましたけどね。もちろん。で、曲が流れて。EPOさんの『DOWN TOWN』っていう曲なんですよ。これ、『ひょうきん族』のエンディングテーマなんです。で、この曲の歌詞に「ダウンタウン」って出てくるんですけども。もう一瞬でフラッシュバックして。「子供の頃、『ひょうきん族』が好きで見てたな」とか。で、「とんねるずさんを見て、ドリフも見て、欽ちゃんも見ていたけど、ダウンタウンさんを見てこの世界に入ってきたんだな」とか思ってて。で、結構長かったんですよ。ダウンタウンさんが登場するまで。で、舞台には何にもないんですよ。何にも置いてないの。小道具とかセットとか何もないの。

(赤江珠緒)マイクは?

(博多大吉)マイクはNGKってエレベーター式なんですよ。ボタン1個で上がってくるんですけど。普通、漫才師が出てくる時ってもう出ているんですよ。だから素の舞台やったから。「これ、なにをされるんやろう?」って思って。で、サビに入って。「ダウンタウン♪」っていう単語と同時に明転になってお二人が出てきて。それと同時にマイクが上がってきたんですよ。ウィーン……って。で、この瞬間に「漫才や!」って袖でなって。もうそれだけで鳥肌が止まらないというか。「やるんだ!」って。で、軽いトークから始めて。「久しぶりの漫才やな。じゃあ、クイズのネタでもやるか」みたいな。

「昔、やったな。誘拐ネタとかいろいろあったけど」「じゃあ、肩慣らし程度にクイズでもやろうか」みたいな流れになって。それで「あの名作が見られるんだ!」って。「太郎くんが花屋さんに花を買いに行きました。さて、何でしょう?」っていう、あの一言で僕ら、芸人になろうって決めたような。僕ら世代のビートルズの曲とか、たけしさんのオールナイトみたいな存在やったから。「それを袖で生で聞けるんだ!」と思って。それで見てたら……全く違う新ネタをやりだしたんですよ。

(赤江珠緒)ええーっ!

ダウンタウンが全く違う新ネタを披露

(博多大吉)クイズはクイズでも。めちゃめちゃ面白いの。震えたわー。袖で。さっきまでの自分がめっちゃめちゃ恥ずかしくなってきて。嬉しい、なんかわけがわからん。涙が出そうになって。みんな、そうだったの。僕の近くの芸人さん。石田くんとかノブくんとかも。「なんやろう、この感情は?」と思って。で、最後まで見届けさせてもらって。終わって、みんなでもう呆然としてて。で、僕個人なんですけど……いい? たまに真面目な話、していい?

(赤江珠緒)ああ、もうどうぞ、どうぞ。

(博多大吉)口上をやってさ、トリをやってさ、32年やって。ダウンタウンさんに憧れて入ってきて。足元にも及ばない芸人だけど。でも「足元には及んだ」と思っていたの。それまで。「俺、足首ぐらいは掴めている」って思ってたの。全く違った。フロアが違った。

(赤江珠緒)フロアが違った(笑)。その足首は違う人の足首だった?

(博多大吉)うん。とんでもないものを見せられました。そう言いながら、ノブくんと帰りながら。「もう、すごかったね」って。で、いろいろとノブくんとしゃべって。結局僕らが叩き出した結論は「あの日、浜田さんが履いていたスニーカーを買おう」っていうことになって。この初心に帰るという気持ちを忘れないように。で、もうかまいたちの山内くんに発注しました。2足。7と7.5。

(赤江珠緒)そうですか(笑)。

(博多大吉)すいません。ちょっと興奮して。

(赤江珠緒)じゃあ春、新しい気持ちでね。

(博多大吉)この歌で出てきたのよ。

(赤江珠緒)1曲目。EPOで『DOWN TOWN』です。

(赤江珠緒)今日の1曲目。EPOで『DOWN TOWN』でした。

(博多大吉)公演の見逃し配信というのを今、やってるんですよ。なのでまだ見てないという方はぜひ見てほしいな。『伝説の一日』。

(赤江珠緒)うん。この話を聞いたら「見たい」という方もいらっしゃると思うので。まだ間に合うということでございますね。詳しくは『伝説の一日』で検索してみてください。

(博多大吉)ちょっとチケット、高いですけども。損はしないと思いますし。あと、ダウンタウンさんのことばっかり言うとさんまさんが怒るかもしれないんで。さんまさんもすごいのよ。初日ね、『さんまの駐在さん』、2時間のところを3時間やったんだって。盛り上がりすぎて。

(赤江珠緒)へー! 3時間?

(博多大吉)で、さんまさん、ずっと出っぱなしなんだって。1回も引っ込まないんやって。で、さすがに長いから。「今日はちょっとあんまり長くならないようにしてください」って会社のお偉いさんが言いに行ったら、「だったら他の3公演、巻いて終われ」って言ったらしいですよ。「昨日より俺、長くやるからな!」って。で、実際に長くやったらしいの。もうバケモン! バケモンしかいないのよ、吉本は。もう嫌になりましたよ。『伝説の一日』、ぜひこちらの方もご覧ください。

『伝説の一日』配信チケット

<書き起こしおわり>

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