博多大吉さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で嵐の活動休止についてトーク。プロレスから学んだ「絶対はない」ということと絡めて話していました。
(赤江珠緒)あとはもう大吉先生といえば、嵐さんですよ。
(博多大吉)嵐さん、ねえ。驚きましたね。
(赤江珠緒)びっくりしましたね。2020年で活動を休止というニュースが入ってきましたけども。でも、これについて先生はコメントすることないでしょう? 正直。
(博多大吉)僕は特には。
(赤江珠緒)ないでしょう? いつも「7人目の嵐だ」なんて言うておりましたけども。
(博多大吉)いやいや、僕もファンクラブに入っているぐらいですから、それはものすごくショックというか、驚きの方が上回りましたけども。でも、あれですよね。何事もそうですけども、誰も経験していないから。僕ね、こういう大きな芸能ニュースとかなにかが起こるたびにね、プロレス界のことを思い浮かべるんですよ。
(赤江珠緒)はい。
(博多大吉)プロレス界ってすっごいモヤモヤしたというか、なんか一時ね、いまは落ち着きましたけども一時、もうプロレス自体がなくなるんじゃないか?っていうぐらい団体が乱立して、グチャグチャになった時期があって。で、これは結局なんでこんなことになったんだ?っていうと、日本にプロレスを持ってきた力道山さん。
(赤江珠緒)はい。そこはわかる。力道山さん。
(博多大吉)わかる? 力道山の弟子が馬場さんと猪木さん。
(赤江珠緒)で、馬場派と猪木派ができたっていうのは先生から学びました。
(博多大吉)で、なんで馬場派、猪木派ができたか?っていうと、力道山さんが現役中にまあ刺されて亡くなったんですよ。だからプロレスラーとは引退をした後、こういう風な職について、もしくはこういう風な仕事をして残りの人生を全うするんだ。こういう風に後輩を育てていくんだっていう見本を見せる前に亡くなったから。
(赤江珠緒)ああ、そうか。本当はこれ、もし亡くならなかったら、馬場さんか猪木さんか、どっちかにちゃんと「後継者だ」とか言う可能性もあったっていうことですか?
(博多大吉)たぶんそうだと思いますよ。力道山さんがちゃんと馬場さんなら馬場さんって言ったら、その横に猪木さんがいて。で、そこでいろいろとプロレス界、ジェラシーの塊だからどうのって言いますけど、上にそういう風に抑えれる人がいたら、これは抑止力になるから分離することはまずないから。そうやって、ちゃんとなっていたと思うんですけども。見本を見せることができなかったから、馬場派と猪木派に分かれて。で、猪木さんも途中で参議院選に行ったり。馬場さんもまた結構早めに亡くなっているんですよね。60ちょいで亡くなっているから。
(赤江珠緒)ああ、そうか。
(博多大吉)だから、そういう道筋をあんまり提示できないまま。できたとしても、1パターンだけ。猪木さんの「国会議員になる」っていう。こんなもん、ミラクルじゃない? 誰だってなれるわけじゃないし。そういういい見本がないからみんな、プロレスラーの方って引退してから迷うんだっていう。
(赤江珠緒)みなさん試行錯誤をされて。
(博多大吉)そう。全盛期を過ぎてどうなるんだ?って。で、結局みんな団体を興してグチャグチャになるみたいなね。そういうプロレス界なんですけども。
(赤江珠緒)ああ、そう言われるとなんかわかりやすいですね。
(博多大吉)この後に出てくるプチ鹿島さんがね、『プロレスを見れば世の中がわかる』って。そういう本もあるんですよ。
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(赤江珠緒)ああ、そうなんですか! 人間模様みたいな?
(博多大吉)うん。だからジャニーズさんのこともね、僕が言うのもえらそうでおこがましいですけども、考えたらそうじゃない? グループがどんな風にして解散して、どんな風にして……たとえば40代、50代、60代まで行けば、みなさんのイメージというか、そういうのを保ったままで。そしてみんなも幸せでwin-winの関係で行くっていうのを誰もまだ見せたことがないんじゃない? ジャニーズ事務所のグループで言うと。
(赤江珠緒)ニッキさん。
(博多大吉)ニッキさんはほら、じゃあ少年隊がどうなっているの?っていう話になるじゃない?
(赤江珠緒)ああ、グループとしてはね。そうか。それぞれに個々に活躍はされているけども。
(博多大吉)まあ、ニッキさんは多少面識があるのであえて言うけど。じゃあ、少年隊のいまってベストなの?って言ったらベストじゃないと思うんです。ファンの方に言わせるとね。
(赤江珠緒)ああ、そうか。3人の姿をもっと見たいとか。なるほど。ニッキはたまむすびに1人で来て……みたいな(笑)。思われちゃいますかね? うちとしては大事なニッキさんなんですけども。
(博多大吉)そんな中で言うと、今回のこういう決断。「休止」だから。「解散」じゃなくて。またいつか……櫻井さんも「かならずまた復活する」って言っているから、すごいベストだと思いますけども。うん。でも、言ったらまあ、ねえ。ようよう考えたら、なんか人間社会もさ、戦争とかなくなってこんな感じになったのはたかだか100年もまだないでしょう? だからそういう成功例ってないから。やっぱりずっと延々とみんな試行錯誤をしていくんだろうなと思いますけどね。
(赤江珠緒)ほー。
(博多大吉)どう? この寝起きの?
(赤江珠緒)なんか今日、違います。大吉先生(笑)。
(博多大吉)やっぱり、うん。嵐さんの話題になるとこうなる。でも、僕なりに考えて。でも、いろいろと時代が変わっているじゃないですか。だってラジオだってね、一時期、昭和の始めはいちばんの娯楽だって言われていたのがテレビが出てきてダメになって。でも結局、まだラジオってずっと残っているじゃない?
(赤江珠緒)たしかに、ねえ。で、急になんかまたね、このラジオみたいな距離感がいいって言われだして。雑誌でそれこそどんどん取り上げてくださったりとか。
(博多大吉)で、「どうするんだよ? 電波が入らないところばっかりだよ、こんなビルばっかりできていて」って言っていたら、Radikoが出て。また急に……って。だからそういう風に繰り返していくと思いますよ。だから強引に嵐さんの話題に戻しますけど、プロレスを見ていたら世の中のことは大概わかるって言ったじゃないですか。嵐さん以外のことについてもそうなんですけども。プロレスを見ていてね、いちばんプロレスファンが思っていることって、世の中に「絶対」っていうのはないですよ。
(赤江珠緒)ほう!
世の中に絶対はない
(博多大吉)世の中に、本当に絶対っていうのはないの。
(赤江珠緒)ああ、それはうちの母親のヒロコの口癖でもありましたけども。「絶対っていうのはないからね」って言われていましたけども。
(博多大吉)プロレスってそうなの。もう見ていて「絶対にこの選手とこの選手は戦わないな」とか。「絶対にこの選手、1回この団体をやめちゃったから二度とこの団体には帰ってこないんだ」っていう。そういうのの繰り返しなんですよ。
(赤江珠緒)なのに戻ってきたりするんですか?
(博多大吉)でも絶対に戻ってくるの。絶対に再会するの。
(赤江珠緒)「絶対」があるじゃん!(笑)。
(博多大吉)だから、当時は「絶対」って思われていることなの。たとえばいまね、UWF系の船木誠勝さんってかつてヒクソン・グレイシーと戦った方がいま、大仁田厚さんと戦ったりしているのね。
(赤江珠緒)うんうん。
(博多大吉)で、プロレスを知らない方に言わせると、「同じプロレスラー同士だし、それはやるだろ? やることがなくなったら」って思うかもしれないけど、当時見ていた現役のプロレスファンだった僕らから言わせると、ありえないんですよ!
(赤江珠緒)ほう。
(博多大吉)船木誠勝と大仁田厚が、しかも電流爆破マッチで戦うなんて。もうはっきり言えば、嵐の復活以上にありえない話なの!
(赤江珠緒)ああ、そんなに? そういうことも起きるんだっていうことか。
(博多大吉)世の中はだいたい絶対っていうのはないですから。
(赤江珠緒)じゃあ、その他にも俄然興味がわいてきました。プロレスから学べることっていうのは他にどんなことが?
(博多大吉)えっ、もうプチ鹿島さん、来てるんじゃない? 鹿島さんに聞いた方が早いけども。
(赤江珠緒)先生はそこからそういう風に「絶対はない」ということを学んだ?
(博多大吉)学びました。だからこういう悲しいというか、一見悲しいニュースでも、これでまたほら、次に会える時の喜びってすごいから。それでなんか僕は結構対応できるっていうか。プロレスから学んだこと、いっぱいありますよ。芸人としてね、やっていく上でプロレスラーの方の考え方は参考にしていますね。
(赤江珠緒)と、いいますと?
(博多大吉)いちばん参考にしているのは鈴木みのる選手。リングに入ってくる入場テーマが中村あゆみさんの『風になれ』っていう歌で。
(赤江珠緒)へー! はいはい。
(博多大吉)「かっぜっにっなれー!」っていうメインのところでちゃんとロープをまたいでリングインしてくるっていう。ビッグマッチの時にはすっごい独特の髪型をしてくるんです。渦巻きみたいな。で、インタビューで聞いたのは「これはワンピースの悪魔の実をイメージしている」って。
ワンピース王楽しい〜鈴木みのる髪型すげ〜 pic.twitter.com/gTnEoLNzWT
— ちー (@tie_tdys) 2014年9月1日
(赤江珠緒)ああーっ!
(博多大吉)そういう髪型をやってくることでおなじみの。で、鈴木みのるさんの言葉は僕はすごい参考にしていますね。「誰もがアカレンジャーになれるわけではない」っていう。
(赤江珠緒)?
(博多大吉)これ、解説しますね。こういう仕事をやっているぐらいですから、僕にだってほら、人前で何かをしたい。もしくは何かをやらなきゃいけないっていう義務感があるわけですね。
(赤江珠緒)そりゃそうですよ。スポットライトが当たる場所です。先生。
(博多大吉)でも、たとえばヒーロー物で考えると、全員が全員、アカレンジャーになれるわけないし。赤。中心ね。で、全員が全員、赤だったら誰もこれは見ない。
(赤江珠緒)赤ばっかりいてどうする?っていう。
(博多大吉)そう。「赤がいて、その横には青がいて。その横に緑がいて。向こうを見たら黄色がいて、ピンクがいるから面白いんだっていう。これを自分の持ち場に照らし合わせてみなさい」っていう。たとえば、このたまむすびでアカレンジャーは誰ですか? 誰だと思います?
(赤江珠緒)やっぱり、赤江ですからね。
(博多大吉)もちろんですよ。あなた以外いないですよ。赤じゃないですか。
(赤江珠緒)ああ、よかった(笑)。
(博多大吉)でも自分がね……。
(赤江珠緒)でも、ピンクでいいと思うんですけど。
(博多大吉)ん?
(赤江珠緒)ピンク……。
(博多大吉)赤江さん、そこを言い出したらこの話、ブレるから。黙っておいてもらえる? 僕が「はい」って言うまで。
(赤江珠緒)かわいい女子はだいたいピンクだったと……。
(博多大吉)リスナーの方にわからないようにサインを出すまで口を挟まないでくれる? いま、大事なところだから。
(赤江珠緒)キューが出たらしゃべります、はい(笑)。
(博多大吉)でも、たぶんこれわからないやつは、たとえば赤江さんと2人きりのラジオで、作家の方はいるけども。まあ、基本はしゃべらないから2人きりの中で肩を張ってというか、ここでチャンスだとばかりにワーワーしゃべるのは違うじゃない? だってアカレンジャーは赤江さんなんだから、「お前、なにを赤を気取っているんだよ? お前は青に徹しろよ」っていう話じゃない?
(赤江珠緒)大吉先生が?
(博多大吉)うん。だから僕は青、もしくは緑のつもりでやっているんですね。でもこれ、自分の番組になると違うじゃない? 自分の番組だと、自分が赤にならないと他の人たちも……っていう。だからいろいろと番組によって自分は何色なのかな?っていうのを考えたりしますね。
(赤江珠緒)そうですね。わかる!
(博多大吉)わかってもらえます?
(赤江珠緒)「何色の、何?」(笑)。
(博多大吉)それは三色ショッピング。うん。でも、あのコーナーもたとえば担当をしている山ちゃんがゲストの方よりも目立とう、目立とうとしてさ、いつも以上に山ちゃんらしいキラーフレーズで突っ込んだりしたら、それはそれでたぶん面白くないと思うんですよ。見せるのはファッションだから。っていうことだと思いますけどね。
(赤江珠緒)うんうん。わかりますよ。それは本当にね、その場その場での役割ね。わかりますね。ええ。
(博多大吉)……終わり? えらいなんか、手ぶらな赤だな?
(赤江珠緒)いやいや、そういうことね。でも、いろんなところからいろんなものを学べるもんですね。たしかに。
(博多大吉)学べますね。プロレスからは。
(赤江珠緒)ほー、そうですか。
(博多大吉)まあまあ、また思いつき次第、じゃあ。
(赤江珠緒)わかりました。ふーん(笑)。じゃあ、行きますかね。ちょっとね、もう時間も来ているんで、あれですけどね。
(博多大吉)なんだろう? 最終的に「聞かなきゃよかった」みたいな空気に……。
(赤江珠緒)フフフ、とんでもない。そんなことないですよ。今日の1曲目、沢田研二で『カサブランカダンディ』。
<書き起こしおわり>