渡辺志保とAKI IKEJIRI Kanye West『DONDA』リスニングイベントを語る

渡辺志保とAKI IKEJIRI Kanye West『DONDA』リスニングイベントを語る INSIDE OUT

(AKI)そうそう。でも、ファンとかはやっぱりすごい楽しみにしてたみたいで。今まで、ツアーが全部キャンセルされているし。だから、そのカニエフィーバーっていうか。これが全部計算やったらめちゃめちゃ怖いけど。まあまあ、計算じゃないやろうなっていう感じはするし。あと、キム・カーダシアン……。

(渡辺志保)それ、ホンマに今、聞こうと思っていた。

(AKI)キム・カーダシアンとの離婚騒動も全部、このプロモーションに繋がっていたとしたら、めちゃくちゃ怖いなと思って。

(渡辺志保)そうね。自分のリアリティーショーも巻き込んで。

(AKI)だってキム・カーダシアン、カニエと一緒の色の服を着てきて。アメリカって結構カップルで服の色を合わせてどこかに一緒に行くとか、ありがちやから。「えっ、これ、復縁?」みたいな。

(渡辺志保)しかも子供もちゃんと4人連れてスタジアムに現れて。

(AKI)そうそう。「復縁やん!」みたいな。そうなったらさ、『DONDA』のアルバムもちょっと変わってくるやん? その意味が。

(渡辺志保)そう。いろいろとね。だから今もまだ、メイキング中。今もまだ、未完成のまま制作が続けられているという前代未聞のアルバムっていうことになりますけどもね。

(DJ YANATAKE)ちょっと質問を。スタジアムのリスニングイベントの生の様子を聞きたいんですけども。言っても、カニエファンが何万人も集まってるじゃないですか。言わばホームって感じだとは思うんだけど。実際、『DONDA』の曲がどんどん流れていく時に、周りのお客さんの反応とかっていうのはどんな感じだったんでしょうか?

(AKI)あのね、とりあえずやっぱりまだ、教会チックな曲も何曲か入っていて。で、それがかかるとやっぱりみんなすごい神聖な気分になるのか知らないけど。やっぱりこう、シーンってなるわけ。でもちょっと808が効いたのとかがかかるとみんな乗ってくる。「おおっ!」ってなって。だから、そのコントラストがすごかったね。で、それもやっぱりカニエはたぶん計算してるんだと思うんやけど。で、最後にジェイ・Zのバースを持ってきて。しかも、あれもジェイ・Z、その当日の夕方の4時とかに……。

(渡辺志保)レコーディングしたバースだったっていうね。たしかにジェイ・Zのバースが流れた時ってどんな感じだったんですか? 現地は。

(AKI)それはもう「うおおーっ!」ってなっていたよ。

(渡辺志保)マジか! 体感したかったー! そうなんだね。

(AKI)でも、リリックはなにを言っているのか、いまいちわからないみたいな(笑)。現地はね。

(渡辺志保)だってさ、私もAppleMusicでストリーミングで聞いてて。なんか、しかもTwitterも見ながら同時に追っていて。Twitterの方がちょっと早いわけ。たぶん現地にいる人もつぶやいたりしているから。で、もうジェイ・Zが来ることはわかっていてストリーミングの映像も見ているわけなんだけども。「マジか! ジェイ・Z、来た!」って思って。で、フロウが確実に今までのジェイ・Zとは違うフロウでラップしているって思ったから。ここももし、それがカニエのディレクションが入っているんだとしたら、めっちゃアツいなって思って聞いてましたね。あの2人がまた……っていうことになりますからね。本当に。

ジェイ・Zとのコンビ、復活

(渡辺志保)あと、ちなみにこれはカニエを飛び越えてっていう話にもなるんですけども。ここ1年ちょっと、コロナで大変だったと思うんですが。そのメルセデス・ベンツでデカい音楽イベントをやるみたいなのも久しぶりでした? それはそんな感じでもなかった?

(AKI)久しぶりやったと思う。ちょこちょこスポーツの試合とかは入ってるんやけども。コンサートは久しぶりやったんちゃうかな?

(渡辺志保)なるほどね。もう完全に、なんかそういう普通のエンタメが戻ってきた感じはありますか? アトランタは。

(AKI)そうね。やっぱり『Rolling Loud』とかも先週末、普通にやっていたし。アメリカはあと、マスクももう着用が必須じゃなくなったから。普通に生活っていう感じで。

(渡辺志保)それもなんか日本からしてみたら、うらやましいポイントのひとつでもあるなと思いながら見てたな。

(AKI)まあ、でもここに来てちょっと、また感染者数が増えてるから。ちょっとね。

(渡辺志保)そうね。LAとかもすごいって言うしね。どうなってしまうのか?っていう感じがしますけども。まあ、なにはともあれ、本当に羨ましい限りです。東京にいる私としては。

(AKI)でも、ホンマにすごいね。何も、一言もしゃべらず去っていって。これだけ人々の心を動かせるって。

(DJ YANATAKE)それで今のところ、リスニングイベントで聞けただけで。結局、仕上げをするのでリリース日が今、8月6日かな? そういうアナウンスが出ていて。本当は今日、リリースされていて全部聞いた上で放送するみたいな予定だったから、ちょっとこっちも戸惑っているところはあるとはいえ、今のところ2人がカニエの新作『DONDA』。リスニングイベントで聞いた感想について、ちょっと聞きたいなと思うんですけども。

(渡辺志保)うんうん。アキさん、印象としてはどうですか? まあ、言うてもリリックが聞き取れなかったとかね、音響がっていうのもあると思いますけども。印象としては?

(AKI)なんか、なんやろう? まだその教会の信仰心を取り入れつつ、ちょっと新しいところに向かっているのかな?っていう気はしたけども。で、いろんなフィーチャリングとかも入れているし。それがホンマに使われるかどうか、わからへんけども。

(渡辺志保)本当、そこなんだよね(笑)。

(AKI)なんやったら私、ジェイ・Zもちょっと怪しいなって思っているからね(笑)。

(渡辺志保)「結局、あのバースってどこに行ったんだ?」ってなるかもしれないしね。本当にそうなのよね。で、私も今日もいろいろ記事とか見てて。「8月6日もわからん」みたいなことも、たしか前にAppleMusicに勤めていたジャーナリストの方だったかな? その人がつぶやいているのを見て。「ホンマにそれよな!」みたいに思って。まだ完成してないし。で、これはマジで前前前作になるのかな?

『The Life of Pablo』っていうアルバムをカニエがリリースした時もマジソン・スクエア・ガーデンでリスニングと、それからあれはカニエのYEEZYのファッションショーも兼ねたリスニングイベントしてましたけども。あの時も、そのマジソン・スクエア・ガーデンでお披露目した後にまた手を加えて発売日がズルズルと延びたっていうことがあったから。マジでデジャヴじゃん、みたいな。あの時と同じことをまたカニエは繰り返しているし、我々リスナーもまた振り回されているじゃないかって思って(笑)。

(AKI)でも、それがカニエやから(笑)。

(渡辺志保)カニエっていうことで。もちろん私も「なんだ、この!」とは思わないし。なんなら、「いいもの、納得するものができるまで、ずっと時間をかけてくださいな」っていう気もあるし。ただ、まあさっきおっしゃったみたいにちゃんとBeatsのCMで使われた曲の『No Child Left Behind』とか、ほぼほぼ完成形に近づいてる曲もあるっていう中で、まあ早めのリリースを待ちたいっていうところもありますし。

あと、ポップ・スモークがフィーチャリングされてる曲なんかも、実はこれ、ポップ・スモークが死後、のこの間発売されたアルバム『Faith』に入っている曲の焼き直しって言ったらへんだけども。『Tell The Vision』っていう曲をまたちょっとアレンジした作りになっている曲として収録されるみたいで。そのへんも、まあ他の人はあんまりしないであろうことでもありますし。カニエならではかなとも思うしね。

(渡辺志保)あと、本当にアキさんが言っていたみたいにいろんなゲストが今回、今のところいて。しかも、たぶん結構初めてカニエのアルバムに参加するようなアーティストがたくさん……それこそリル・ベイビーとかロディ・リッチとか。そのへんも楽しみですね。

(AKI)結構、若手を採用しているのがすごいいいよね。カニエ。

若手ラッパーのフィーチャリング

(渡辺志保)そうそうそう。本当にそこが、なんていうか新陳代謝がいいっていうか。ねえ。毎回毎回もちろん、その同じトニー・ウィリアムスとかコンシークエンスとか。決まったメンバーももちろんいるけれども。こういうフィーチャリングアーティストに積極的に若手を入れるっていうのはいいなって思いますよね。

(AKI)でも、なんか私、たまたまチラッと見たけど。カニエ、なんかめちゃくちゃ同胞のチャンス・ザ・ラッパーに怒ってなかった?

(渡辺志保)えっ、そうなの?

(AKI)めっちゃなんか罵倒してたで?

(DJ YANATAKE)たぶん結構前だけど。たぶん『DONDA』のレコーディングをしているっていう時にめっちゃ怒っているっていうのがネットで結構出回ったんだよね。

(AKI)「同胞やのに!」って思って。チャンス・ザ・ラッパー、めっちゃショックやろうなって思う。

(DJ YANATAKE)今回、入ってなさそうじゃない?

(AKI)入ってないと思う。だからチャンス・ザ・ラッパー、めっちゃかわいそうやなって思って。

(渡辺志保)たしかに。チャンスこそね、ずっとカニエを目標に頑張ってきたラッパーでもあるのにね。こんなところで……っていうところはあるかもしれない。でもアキさん、本当に貴重な生々しいご意見をいただきまして。ありがとうございました。アキさんの周りの方とかはどんな反応だったんですか?

(AKI)うーん、周りはどうかな? まあまあ、「カニエよ」みたいな。「めっちゃ神々しいカニエさま」みたいな感じ。あと、やっぱり私の周りも一発目に流れた『You’re Gonna Be Ok』っていうのが、なんかそこが全てやったような気がする。アルバムを通して。まあ、「今はいろいろあって苦しいけども、絶対に大丈夫やから」みたいな。それが一番そのカニエの心情を表していたんじゃないかなって思った。

(渡辺志保)じゃあ、ヤナタケさん。このへんで1曲だけかけたりします? じゃあ、この曲がアルバムに入るかどうか、わからないし。今、これからかけるバージョンが完成形ではないとはわかっておりつつも、『Praise God』というトラヴィス・スコットとベイビー・キームとやっている曲がありますので。それを一応、かけさせてもらおうかなと思います。

Kanye West『Praise God feat. Travis Scott & Baby Keem』

(渡辺志保)ただ今お届けしましたのはカニエ・ウェストの来るアルバム『DONDA』に収録される予定の『Praise God feat. Travis Scott & Baby Keem』でした。というわけで今日はカニエの最新作になるであろう『DONDA』について、現地アトランタでのリスニングセッションにも足を運んでいたAKI IKEJIRIさんをお迎えしてお届けしておりますが。このへんでアキさんとはお別れの時間になってしまいます。ということでアキさん、他に現地でこんな人が来てましたみたいなの、ありましたか?

(AKI)リック・ロス、T.I.、21サヴェージ、サマーウォーカーちゃんも来ていたし。リル・ヨッティ、JID、アースギャング。あと、面白いところでスミノも来ていたし。今、ガンガンヒットしているロティミも来てたし。ケビン・ゲーツも来てたし。

(渡辺志保)そうなんだ。ヤバッ! じゃあ、そういった第一線のラッパーの方たちもカニエさんを見に?

(AKI)動向が気になるよね。みんな、目標やからね。言うても。

(渡辺志保)たしかに。ケビン・ゲーツも来てたっていうのが個人的にはアツいな。ヤバいね、燃えちゃうね(笑)。

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