映像監督の関和亮さんが2021年6月29日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』に出演。星野源さんと作ったミュージックビデオ『時よ』『恋』『Family Song』『アイデア』『ドラえもん』などについて話していました。
今夜の #星野源ANN は、映像監督の関和亮さんがゲストに登場!これまで手掛けた星野源MV撮影の裏側などじっくりとお話ししました。
星野ブロードウェイでは、脚本担当の山岸聖太さんも飛び入り参加し、3人で完成度MAXの名演を披露!
関さん、聖太さんありがとうございました!https://t.co/3sQYfpmQYU pic.twitter.com/lI7XUpJuKR— 星野源 Gen Hoshino (@gen_senden) June 29, 2021
(星野源)先に僕と関さんの関わりの話をしましょう。一番最初、映像としては2015年の『SUN』を関さんに監督をお願いしたのが最初なんですけど。実はその前に会っているんですよね。あれは、僕が22とかぐらいの時に『ニンゲン御破産』っていうコクーンでやった松尾スズキさんが作・演出。中村勘三郎さんが主演の演劇で。僕はそのアンサンブルの中の、本当に数多くの中の1人でたまたま呼んでいただけて。で、そのパンフレットのデザインとかをされていたんですよね?
(関和亮)前にいた会社がデザイン会社だったもんですから。そこでそのパンフレットを全部、作っていたんですよ。だから、そのキャストの写真を撮りに行くのに、僕がデザイン側のアシスタントとして現場に行ってて。で、カメラマンに「こうしてください」って言ったりだとか、周りのお世話をしたりとかっていうのをやっていて。その時にパッと「星野源」って出てきて。それで当時、坊主でしたよね?
(星野源)坊主でした。坊主にちょびヒゲが生えてました(笑)。
(関和亮)アハハハハハハハハッ!
(星野源)今とは全然違うんですけども。僕、だから素人の時ですね。ほぼ。フリーで役者はやっていましたけど、事務所には所属してなくて。『ニンゲン御破産』の中日くらいの本番前の……マチネ・ソワレの間の休憩時間に長坂社長に「入れてください」って言って僕、入ったんですよ。
(関和亮)ええーっ! そうなんだ!
(星野源)だから、あの作品がきっかけで僕、役者としては大人計画に所属することになったんですけど。だからあの前までは素人ですね。
(関和亮)そうなんですね。
(星野源)だからその自分を見ているという。
(関和亮)見てます、見てます。
(星野源)でも、最初の『SUN』の時のその話をたしかしてくださったんですよ。「よく覚えていたな」っていう。所属して、大人計画の人としているならまだわかるんですけども。素人なんで。
(関和亮)でも、音楽をやっているということと……。
(星野源)たしかに。SAKEROCKはやっていましたね。
(関和亮)で、「すごいいい子がいる」みたいなことも聞いていて。で、名前もインパクト、ありますよね?
(星野源)たしかに。星野源はたしかに覚えやすいですよね。
(関和亮)キャストの名前とかもちゃんと見ていたんで。で、舞台も見に行って。
(星野源)たしかに。ギターを弾いたりもしていましたしね。そうですね。そうか。
(関和亮)懐かしい(笑)。
(星野源)懐かしいですね。
(関和亮)『SUN』の時にそれ、言いましたっけ?
(星野源)たしかに、その時にも言われた気がしたんですよ。で、その『SUN』の時に僕が関さんと一緒にやってみたいって言って。それで関さんにお願いして。その中で、打ち合わせの時かなんかに「ダンスを入れたい」みたいな話になり、「じゃあMIKIKOさんに電話してみようか」って関さんがその場で電話をして。それでMIKIKOさんとのお付き合いもそこから始まるっていう感じなんですよね。
(関和亮)だからすごい覚えてますよ。「踊りたい」って仰ってましたよね?
(星野源)そうそうそう。僕、「踊りたい」って言ってました(笑)。
(関和亮)「踊りたいんだ」って言われて。「ああ、はい」っていう(笑)。とりあえずはちゃんと全部、聞くんで。
(星野源)そう。だから関さんって僕が最初に意識したのはPerfumeのミュージックビデオだったり、あとはサカナクションだったり。作家性がすごい強いっていうイメージがあったんですよ。だから、なんていうか自分の意見を受け入れてくれる人かどうかがわからなくて。だから、前回山岸聖太さんが来た時にも話しましたけど。なんというか、ニコニコした人だったんですよ(笑)。ニコニコした人で、作家性をまとっているのを言い訳にコミュニケーションを取らない人っているじゃないですか?(笑)。
(関和亮)アハハハハハハハハッ!
(星野源)でも、そうじゃないっていうか。そういう人と会うことが多かったら。でも、関さんはそうじゃなくて。そうじゃなくて、こんなにニコニコして、ちゃんと意見も1回、全部受け入れてくれるっていうか。「なるほど、なるほど。わかりました、わかりました。考えますね」なんて言ってくれる人が初めてだったんで。
(関和亮)ああ、そうですか? なるほど。
(星野源)それまでもご一緒した人は何人かいて。なんていうか、優しい人はいっぱいいて。意見を聞いてくれる人もいたし。あとは作家性が強い人ももちろんいたんですけど。そのニコニコ具合が一番強かったんですよ、関さんが(笑)。
(関和亮)そんな笑ってましたかね?(笑)。
(星野源)笑っていたっていうか、優しいっていう。なんか、楽しい。あとは場を盛り上げてくれるっていうか。話していて楽しい人っていうか。「ああ、珍しい!」と思って。それがすごい印象に残っていますね。
(関和亮)そうですか。
(星野源)で、今見たんですけども。その同じ年に『時よ』を撮っているんですね。
(関和亮)連続で。そうですね。すごい覚えてますよ。「あ、また来た!」っていう感じで。
(星野源)そうですか。あの時も俺、爆笑したのを覚えているんですよ。もう言っちゃいますけども……MIKIKOさんが踊ってくれて(笑)。
(関和亮)あっ、言っちゃった! 何年越しかで……(笑)。
(星野源)これ、結構いろんなところで言っていますけども(笑)。
(関和亮)じゃあ、よかったです(笑)。
(星野源)とある、素晴らしいダンサーの方。普段は絶対に踊らないダンサーの方が踊ってくださっていて。で、それのフリーのシーンがあって。それを回転しながらカメラで撮るっていう時に関さんが「俺がやる!」って言って。関さんが回転しながら最後のラスサビをずーっと撮っていて。
『時よ』の回転撮影シーン
(星野源)その後、もう……あそこって地下鉄だったじゃないですか。で、両端に線路があって。結構狭い場所なのに縦横無尽にやってくださって。ずっと回転しているから終わった瞬間に「目がまわる!」って言って。すごい蛇行をしながら。もうカメラを落とすんじゃないか?っていう勢いで黄色いラインのところでズシャーッ!って転がり込んで(笑)。「うおーっ! 目がまわる!」とか言いながら。もう爆笑して(笑)。「大丈夫っすかーっ!」って(笑)。
(関和亮)爆笑しながらめっちゃ撮られていた記憶がある(笑)。
(星野源)そうそう。携帯で撮られて(笑)。そんな……肉体派っていうか。「やったるで!」みたいな感じがかっこよかったですよ。
(関和亮)あれは本当に地下鉄だったから。始発までの時間だけで撮らなきゃいけなくて。
(星野源)終電から始発までだったんですよね。
(関和亮)その間で撮ってくださいってなって。で、あれ、やっぱりカメラも重いし。ずっと1分も2分の走り回っているとカメラマンさんも乳酸がたまっちゃうから。でもカットして「もう1回、行こう!」って時に「ちょっと……」ってなったから。「じゃあ、もう俺が行く!」って言って。もう本当に体育会系ですね。
(星野源)だからそういうスピーディーな……5時間もなかったぐらいの感じですよね。ミュージックビデオって、皆さんあんまり想像がつかないかもしれないですけど。基本的に30時間ぐらいかかるんですよ。準備も含め。出る人も20時間ぐらいはかかったりするというか。で、予算がなかなか出してもらえない時とかはやっぱり基本的には1日で収めないといけないから。僕はもう最近、なんかありがたいことに2日とかかけていいようになったけども。でも、昔はそうじゃないから。でも、その終電から始発までってなると本当に短いから。俺、たぶん史上初の短さだと思いますよ、あれ。すごい短かったですもんね。
(関和亮)もう本当に5時間ぐらいで全部やり切るっていう。でも、みんなある種、一致団結して。
(星野源)そうですね。ダンスもあったし。だからパパパパッて集中して撮ってましたね。
(関和亮)でも、あれはすごい覚えていますね。
(星野源)あの作品もすごい大好きですけども。で、次がもう『恋』なんですね。
(関和亮)そうか。
(星野源)『時よ』があってから次が『恋』なんですね。
(関和亮)大ヒットの。
(星野源)あれですね。たしかこの時は僕が「テーマ的にモータウンコアなんです」って。モータウンの33回転のレコードを45回転にしたみたいな早いR&Bみたいなイメージがあったんで。それを伝えて、なんか回転するターンテーブルみたいな舞台を思いついてくださったんですよね。
(関和亮)そうですね。最初は本当にレコードのイメージ……レコードの上でみんなが演奏しているみたいなビジュアルを最初に提案して。そうでしたよね。でもちょっとたぶん、レコードのまんまだとかわいくなっちゃうかな、みたいな。たしかそういうのがあって。で、ユニちゃんにいろいろとアートワークをお願いして。
(星野源)ユニさんがやってくれたのは、ミュージックビデオはあそこからですもんね。
(関和亮)で、なかなか珍しい……アートディレクターがミュージックビデオに参加してもらうっていうのもなかなか実は珍しいと思うんですよ。日本のスタイルで言うと。だからそれはすごくいいな、面白いなと思って。世界観も統一されるし。
(星野源)あの、ちょっとソファーみたいなセットとかも諸々、配置とかも。
(関和亮)とか、リアルなやつよりも、作って。ちょっと不思議な世界をやろうみたいなのもあって。わざわざ作って。
(星野源)そうでしたね。
『恋』の不思議な世界観
(関和亮)でも、あれも撮影は短かったかもしれない。
(星野源)懐かしいですね。あれ、2016年。そうか。もう5年も前なんですね。
(関和亮)でも、「まだ5年か」って今、思いましたけど。
(星野源)で、次は『Family Song』。翌年、2017年。もう、ここから『アイデア』『ドラえもん』も全部、ユニちゃんが参加してくれて。