星野源『劇場版SHIROBAKO』を語る

星野源『劇場版SHIROBAKO』を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2021年3月9日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で『劇場版SHIROBAKO』について話していました。

(星野源)それでですね、もう1個、アニメの話をちょっとしたいなと思ったんですけど。あのですね、『SHIROBAKO』っていうアニメがありまして。僕、すごく好きな作品で。で、テレビシリーズが放送してたのがあれ、何年前だ? たしか16年とかかな? 2016年とか17年とかだったように思うんですけども。その頃にリアルタイムで見て、とても感動しまして。

で、それがアニメ制作会社の話で。アニメの制作の女の子が主人公でですね。で、なんだろう? 「アニメを作る」っていうことを2クール、24話ぐらいかけて描くんですけど。もう本当に好きで。終わり……その最終回でもう号泣っていうか(笑)。「なんて素晴らしい終わり方なんだ!」っていう感じだったんですけど。あと、その1話前とかももう本当に号泣だったんですけども。

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星野源 アニメ『SHIROBAKO』を語る
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(星野源)それで、好きで。全部、Blu-rayも買ってっていう感じで。非常に自分の心の中の大事なものとして置いていたというか。すごい好きな作品なんです。で、なんか「アニメとか、面白い作品でおすすめある?」って言われたら、だいたい『SHIROBAKO』をすすめるみたいな。で、自分も音楽を作ったりとか、あとドラマを作ったりとか。そういう、なにか表現を作品にしてお客さんだったり、ファンの人に届けるという仕事の根本、テーマが一緒なので。

で、「何のためにやるのか?」とか「なぜやるのか?」とか。「自分は何がやりたいのか?」とか。そういうことも含めて、そこをすごくデフォルメするところはデフォルトしつつ、そのコアにある楽しさとか、かっこよさとか、面白さみたいなのを本当に素晴らしく描いてるなと思って。大好きで。だから自分が何かものづくりをする時に非常に勇気をもらうし、思い出して胸が熱くなるんですよね。

ものづくりをする時に勇気をもらえる作品

(星野源)で、だから好きなので。主人公は「宮森あおい」っていう女の子なんですけど。だからこの番組にサブ作家の宮森(かわら)が来た時に、「じゃあ、もう『みゃーもり』ね」みたいな(笑)。この作品の中では宮森あおいは「みゃーもり」って呼ばれているんですよ。だからもう、宮森は「みゃーもり」っていう(笑)。「みゃーもりでございます」っていうのはそういう感じでつけさせてもらいましたね。

で、去年、『劇場版』が公開されたんですよ。で、僕はちょうどドラマをガッツリ撮っていた時だったので、『劇場版』を全然見に行く予定が立てられず。で、その中でコロナ禍になってしまうたので、さらに行くことができずっていう感じだったんですよ。去年もずっと忙しかったし、Blu-rayとかが出ても全然見れてなくて。本当にやらなきゃいけいけないことがいっぱいあるのに、「あっ、『SHIROBAKO』を見ていない」って思って。その『呪術廻戦』の流れもあって。アニメを見るスイッチが入っていて。「これは今、『SHIROBAKO劇場版』を見る時じゃないか?」って思って。

で、ちょっと怖かったのは、そのテレビシリーズがあまりに素晴らしかったんで、なんかまた、その同じ涙だったり感動を期待しちゃいけないなと思っていたんですよ。好きすぎるからこそ、その好きすぎる感じを一旦押さえて。フラットに見たいなと。すごい素晴らしい作品なのに、勝手に自分の熱量のせいでがっかりとかしたら、本当に自分が100パーセント悪くて。かつ、何もよくないので。「そうじゃなくて、とりあえず押さえて」っておもって見たんですけども。もうね、あんなにテレビシリーズの感動と同じ熱量で感動する涙を流すとは思わなくて。もう号泣みたいな(笑)。

いやー、すごく素晴らしい作品だったんですよ。本当にものづくりの話を描いていて。だから、全然見てないし、意識してなかったからあれなんだけども。僕の『創造』っていう曲がなんか『SHIROBAKO』を意識して書いてるんじゃないか?っていうような感じにも思えるぐらい。なんか、その『劇場版』の中で『アニメを作ろう』っていう歌が出てくるんですけど。そことなんか、自分のものづくりの、これまでにずっと作ってきた思いみたいなものと、ちょっとおこがましいけども、リンクするような感じがして、とても感動して。

で、去年の『うちで踊ろう』を僕がやった時に、その『SHIROBAKO』っていうその宮森あおいさんのイマジナリーフレンドっていうか、心の中で出てくるキャラクターがいるんですよ。2人。ロロとミムジーっていう人形的な……でも、しゃべって。心の中で天使と悪魔みたいな感じで出てくるんだけど。そのロロとミムジーが『うちで踊ろう』をやってくれたんですよ。SNSで。それで俺はその時に気づかなくて。たぶん俺、インスタのストーリー上に上げていないと思うんだけども。気づいてなかったっていう記憶なので。「やってくれていたの!?」って思って(笑)。

ロロ&ミムジー『うちで踊ろう』

(星野源)それで、「ありがとう」と「気づかなくてごめん」っていう気持ちも込めて、この間ストーリーズに上げたんだけども(笑)。なので、お礼じゃないけども。ありがたいなって。その宮森あおいさんの声なんですよ。そのロロとミムジーも同じ声優さんがやられていて。その声優さんがロロとミムジーの役で『うちで踊ろう』を歌ってくれていて。なので、「ありがとう」という気持ちと「気づかなくてすまんです」っていう気持ちも込めて。『SHIROBAKO劇場版』をぜひ見てください。

で、テレビシリーズを見ていない方はぜひ、テレビシリーズから見ていただければと思います。『SHIROBAKO』が好きな方からのメールもお待ちしております。「タローが好き」とか、いろんなのがあると思いますのでね。

いや、本当にね、ものづくりあるあるが本当に詰まっているんですよ。もう。万策尽きる瞬間があるじゃない? 「もう終わりだ」みたいな瞬間、あるじゃない? 「本当にこの時期までに完成させなきゃ」とか「放送が迫ってる」とかあるんだけども。「もう、どう考えても完成しないでしょう? 万策尽きる!」みたいな瞬間があるんだけど、でも乗り越えるみたいな。そういうものづくりのね、楽しさとか素敵さがすごく描かれているので。ぜひ皆さん、見てください。

で、この流れだとそのアニメの主題歌とかだとかだと思うんだけども。そうじゃなくて。新曲が僕、出たばかりなので(笑)。この話の流れで僕の新曲をぜひ聞いてください(笑)。星野源で『創造』。

星野源『創造』

(中略)

(星野源)メールです。「『SHIROBAKO』の話。自分は宮森がはじめてデスクの仕事に就いた時、美術の渥美さんと雲の話をするところがめちゃくちゃ大好きです」。わかるぅー!(笑)。「あのシーンはキャラクターだけでなく、その背景に命をかけている人もいるのだと自覚した瞬間でした。それ以降、ひとつひとつのシーンを目を皿のようにして見るようにしています」。そうだね。『SHIROBAKO』って本当にたくさんの登場人物が出てくるんですよ。アニメを作っているいろんな役割の人が出てくるので。

俺はその第一話を見た時に「これは絶対に全員、覚えられない」って思ったの。1話でスタッフのみんなで会議室みたいなところで作ったアニメの初回放送を見るっていうシーンがあるんだけども。10何人とかで。絶対に無理だと思っていたけども、最終的に全員がくまなく好きになるっていう。もう大好きでしょうがなくなるっていう。本当に人間を描くってすげえなって思いますね。

この美術の方っていうのも雲にすっごいこだわる人で。そのこだわり方も非常に面白いんですよね。そのアニメの背景の美術を……その登場人物の心情を表現する雲だったり、そういうのを描きたいんですっていうような。そういう風に『SHIROBAKO』を見てからアニメを見ると「ここのこの一瞬で……」って。たとえば登場人物が歩いていて階段を降りるところで階段の足のアップが2秒、入ったりする時にさ。「その一瞬にいろんな思いが込められているんだろうな」っていう。その登場人物の心情なのか、季節を表現するのか。その、細かいディテールの中にいろんな思いが入っているっていう。いやー、ぜひ。おすすめでございます。

<書き起こしおわり>

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