高橋みなみ 前田敦子の誕生日のお祝いを語る

高橋みなみ 前田敦子の誕生日のお祝いを語る 高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと

高橋みなみさんが2020年11月29日放送のニッポン放送『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』の中で、AKB48時代の前田敦子さんの誕生日のお祝いの思い出を話していました。

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(高橋みなみ)じゃあ、ちょっと話していい?

(朝井リョウ)じゃあ、みんなで聞こう。

(高橋みなみ)いやいや、みんなで聞かれると、ちょっと怖いわ(笑)。なんか過去、AKB48時代に前田敦子さんと同世代・同期ということと共に歩んできた7年とかがあったわけですけども。結構、AKBもいい感じになってきた時……ライブの箱も大きくなってきてさ。たとえば東京ドームとか、代々木体育館とかになってきて。スケジュールもかなり詰め詰めになってくるんだけど。結構、私たちはメンバーの誕生日ってすごく大事にしていて。

(朝井リョウ)ああ、そうですよね。板野さんがケーキを倒してしまったりとか。

(高橋みなみ)そうね(笑)。なんでそれ、思い出すんだよ!

(朝井リョウ)あれも大事ゆえのだから。丁寧に運んでいったら段差があったというだけの話ですから。

(高橋みなみ)まあね、そういう風に板野さんも同世代・同期で。結構やっぱり、みんなでお祝いすることもお仕事の合間にあるんだけど。割と同世代でお祝いするみたいなこともあるんですよ。

(朝井リョウ)もうプライベートで集まって?

(高橋みなみ)そうそう。だからともちんとみーちゃんだね。峯岸みなみちゃんとか私とかが集まって。それであっちゃんをどうにかして喜ばせたい。いつも忙しいから。

(朝井リョウ)いいね。いいな! その前田さんが姫の状態の話、大好き。

いつも忙しいあっちゃんを喜ばせたい

(高橋みなみ)そうね。姫の状態だね。主役ですし、誕生日ですから。で、ある場所にお仕事終わり、先にスタンバイをしていて。みんな「ハッピーバースデー♪」って徐々に出てくるみたいなことをやろかってなって、やったんだけど……結果として、めちゃくちゃ失敗したの。全然、私たちの準備は大丈夫だったの。だけど、あまりにあっさんが忙しすぎて。心に「誕生日を祝ってもらう」という隙間がなかったの。

(朝井リョウ)もう余裕もね。精神的な。

(高橋みなみ)それがなくて。もうケーキをフッしたら「ありがとう」って言って帰っていって。ともちんが号泣っていう事件があったりしたのよ。

(朝井リョウ)あら! なんか板野さんは誕生日にまつわるエピソード持ちですね。

(高橋みなみ)でも、板野さんのすごいところは、へこたれない。何度もトライする。で、それのもう1年後も「前田あっちゃんの誕生日をお祝いしたい」ってなって。今度はチームAでお祝いをしようってなって。それもみんなで先にちょっと行って。でも、私はデジャヴだったわけ。

(朝井リョウ)ああ、なんとなく知っているよね(笑)。

(高橋みなみ)そう。「あれ? これ、なんか前の年に失敗してるんだよな?」って思ったんだけども。もちろん1年経っているし。前年と違って、そのチームのメンバーが全員いたから。十何人いたのね。「また環境が違うと、違うかな?」って思って。それで前田あっちゃんの宣材写真のね、チョコみたいな。転写のシートの大きいケーキを用意して。「喜ぶね!」なんて言っていたら……そしたら到着した瞬間にもう、久しぶりに見たんだけど。敦子がもう帰りたくてしょうがないオーラが出ていたの(笑)。

(朝井リョウ)でも人間さ、いっぱいいっぱいの時ってね……わかるよ。

(高橋みなみ)あるじゃん。そうなんだよ。でも、すごい温度差があって。周りは「あっちゃーん!」みたいになっていて。もう結構、修羅場のような空気になったのよ。あっさんは無言で「パチパチパチ……」ってやって。周りは「ハッピバースデー♪」ってやって。それで「フーッ」ってやって、「ありがとう。帰るね」って言って去っていくみたいなのが……(笑)。

(朝井リョウ)ああ、いいね。だから……コスモです。

(高橋みなみ)あ、コスモですか? で、その後ももうちょっとあるんですけども。

(朝井リョウ)ああ、いいじゃない?

(高橋みなみ)その後、前田あっさん、卒業しました。で、徐々に何だろう? 彼女が人間を取り戻していく感じもさ、見ていたわけよ。

(朝井リョウ)いや、本当に。あと、最近テレビに出ていたのを見たけど、なんかすごい雰囲気が柔らかくなった。びっくりした。

(高橋みなみ)そうなんですよ。すごい柔らかくなって。あれが本来の姿なんですけど。人ってやっぱり過酷になってくるとね、どんどん気持ちが切羽詰まってくるというか。それで卒業した次の年の誕生日の前々日ぐらい連絡がきて。それまで、あんまり連絡ってお互いにしていなかったの。そしたら、ファッと連絡がきて。「たかみな。お誕生日、お祝いしてほしい」って言われたの。

(朝井リョウ)ええっ!

(高橋みなみ)私は衝撃で。「あの前田さんが、自分から『お祝いしてほしい』って言うんだ!」みたいになって。で、みんなに連絡して。みーちゃんとか、ともちんとか。「過去、あれだけ失敗したが、今回ついにあちらからオファーが来ました!」って。それでやったら、本当にね、なんかにこやかに喜んでくれて。それでケーキがさ、手配したケーキがなぜか手違いで来なくて。変なおっぱいみたいなケーキになっちゃったのね。なんか。

(朝井リョウ)えっ? なに?

(高橋みなみ)なんかお店側が「あっ! 用意するの、忘れちゃった!」みたいになっちゃって。「ひとまず、お店にあるケーキを出してください! もうすぐカウントダウンなんで!」みたいになっちゃって。

(朝井リョウ)なるほど。お店にあるものを詰め込んだ結果、胸部のようなものが?

(高橋みなみ)なんか白のドーム型の2個のケーキ。ホールが2個あって。しかもちょうど真ん中にイチゴみたいなのがピッとあって。

(朝井リョウ)みんな、頭にはバッと浮かぶけど。

(高橋みなみ)「おっぱいだ」ってなったんだけど。「ヤバい。これ、怒られるかな?」って思ったら敦子が「おっぱいみたーい!」って言って笑って写真を撮ってくれて。その時に思ったのは、なんか前に自分たちが勝手に喜ぶと思ってやってたけど、彼女のその精神バランスを考えてやるべきだったんだなと思って。まさにそれが走馬灯のように過去がブワーッとフラッシュバックしたの。これは?

(朝井リョウ)これは……「青春」ですね(笑)。

(高橋みなみ)「青春」!?(笑)。

(朝井リョウ)なんか今、うん。「青春」が一番当てはまるかな?って。

(高橋みなみ)「宇宙」じゃないの?

(朝井リョウ)いや、なんかいい話でしたよね。みんないい。全員、よかった。

(高橋みなみ)ちょっと私、「宇宙なのかな?」って。宇宙待ちをしていたのよ。でも、青春?

「宇宙」ではなく「青春」

(朝井リョウ)なんか今、すごい勉強になったわ。だから今の話で宇宙……さっきの指定した一文を入れるとしたら、たぶん2年目の誕生日会で前田さんが現れた瞬間。それか3回目の誕生日会で、そのケーキが出てきて。全員の脳に「おっぱい」っていう文字が浮かんだ瞬間だと思うの。そこに、さっきの私の「今、私は宇宙を感じました」が入ると思うんだけども。でも、その後にそれを上回る学びを得たじゃない? あなたが。その、宇宙を感じたことを全然上回るさ、「祝われる人の精神状態を考えてやらないといけないなと思いました」っていう、とんでもない学びを得たから。今のは青春です。

(高橋みなみ)ああ、難しいわ!

(朝井リョウ)青春が届いた場合は読みません(笑)。

(高橋みなみ)このような青春の場合は読みません。皆さん、お気をつけください(笑)。

(朝井リョウ)「世にも奇妙ないい・悪い」です(笑)。

(高橋みなみ)「いい・悪い」(笑)。

<書き起こしおわり>

朝井リョウ「宇宙」を感じる瞬間を語る
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