バカリズムさんが2020年10月21日放送のニッポン放送『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』にゲスト出演。佐久間宣行さんと「自分の弱さや隙をなかなか見せられない」という話をしていました。
お聞き頂きありがとうございました!
升野さんとあんなに長く話したことなくて、本当に嬉しい回でした。ラジオのおかげです。
来週はチケット発売です。
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— 佐久間宣行 (@nobrock) October 21, 2020
(佐久間宣行)いや、僕と升野さんの思い出っていうわけじゃないけど。元々、だって俺からするとまずネタの人だから。コンビ時代に……僕、そんな話したことないじゃないですか。やっぱり「ラジオ挫折」っていうネタとかを見て。
(バカリズム)ああ、コンビ時代の。
(佐久間宣行)『オンバト』でラジオ体操の音楽に乗っけて挫折した瞬間を語っていくっていうネタがあって。俺、たぶん『オンバト』で見たと思うんですけども。「死ぬほど面白いな!」と思って。
(佐久間宣行)その後にね、思い出してみたんですけど。「屋上」っていうネタ。
(バカリズム)フフフ、めちゃめちゃブラックなネタですよね(笑)。
(佐久間宣行)めちゃくちゃブラックな。屋上から飛び降りようとしている相方を升野さんが止めようとするんだけども……っていうね。
(バカリズム)そうですね。死のうとしている人に対して「死のうとするな」って言って、「なんで死のうとするんだ?」ってずっと「死のうとするな」ってことで話が進んでいくみたいな。「死ぬな」じゃなくて「死のうとするな」から「俺を止めようとするんじゃない」みたいな。言葉のネタの発展ですよね。
(佐久間宣行)そういうのとかを見て、まずちょっとだけビビっているっていうか、畏敬の念がADの頃にあったから。「こんな面白いネタやってるのに……」って。まあ正直、そんな売れてないんだと思って。それってやっぱりバナナマンとバカリズムには結構そういうのを思っていたんですよ。会った時から……これ、正直に言いますけど。
バナナマンとバカリズムは俺が会う前から完成してる段階の人。要はだから、売れてないだけ。それで東京03とか、何だったら劇団ひとりとかも完成はしてたけど、なんかまだいじり方がある人だと思って。だからバラエティで……おぎやはぎなんて全然固まってなかったし。バラエティに出てきた時はぐじゃぐじゃだったから。
だから最初にお仕事しようと思ったりした時に「完成している人はたぶん……」って思ったから。だからなんというか、「チョイス」って言うとちょっと違うんですよ。巡り合いだから。その時の最初の馬車に乗ったのがおぎやはぎとか劇団ひとりとか東京03だったっていう気がするんですよね。
(バカリズム)これ、すごい大事なところですよね。やっぱりそういう余白がある人の方が、ディレクターさんとがっちり肩を組んでやっていきやすいですよね。
(佐久間宣行)一緒に成長できるというか。もしくは一緒にぐちゃぐちゃになっても面白そうだなって思うんですよね。
(バカリズム)そうですよね。だから、このオールナイトニッポンもそうで。やっぱりオードリーって完成する前からずっとやってるから。ニッポン放送にとってもやっぱり「俺たちが支えていた」っていう自負があるんですよ。
(佐久間宣行)ああ、それはあると思います。あとはやっぱり芸風というわけじゃないけど。若林くんがその時々の変わってきたことをあの人、話すじゃないですか。
(バカリズム)そうですよね。うん……僕、その隙がないもんだから、割とここでやらせてもらうようになった時はある程度、もう仕事も増えている状態で来たから。ニッポン放送からすればなんていうか、育て甲斐もないんですよ。
(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ!
育て甲斐のない人材
(バカリズム)もう頭打ちも頭打ち。ガンガンいってる状態で(笑)。
(佐久間宣行)傭兵みたいな感じですよね?
(バカリズム)そう。僕はすごく長くやりたかったけど、でもそこからたとえば今、長くやってるのって三四郎とかじゃないですか。
(佐久間宣行)ああ、そうだわ。三四郎も何だったらぐちゃぐちゃの状態で来て。
(バカリズム)そうなんですよ。ここに来るならぐちゃぐちゃじゃなきゃいけないんですよ。
(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ!
(バカリズム)それってやっぱり……こういうなんか、ある程度固まってから売れた人間ってなかなか長く続けるのって難しいんですよ。もうこれ以上、伸びしろがないから。そこはだからずっとありますよね。「ああ、俺、そうか……その余白がなかったから育て甲斐がない。佐久間さんにとっても育て甲斐がないんだ」みたいな。
(佐久間宣行)育て甲斐っていうか逆になんか、「俺が関わっても升野さんは升野さんだな」と思っていた時期があるっていう。でも、たぶんですけど、バナナマンとか升野さんがテレビバラエティで時間がかかったのはたぶんそういう風に思われてたんだと思いますよ。まあまあまあまあ、「口を出せないだろうな」ってみんなが勝手に思っていたっていう。ネタの芸風から。
でも、そんなことがないのを先に日村さんが突破して。で、その後に設楽さんも「あれ? 設楽さんってこんなに空気も読んでやってくれるんだ」っていう風になっていって。で、最後にそれに僕らが気付くのが升野さんなんだけども。でも升野さんはなんやかんや言ってテレビバラエティで売れたっていうよりは、ちゃんとネタで売れたじゃないですか。
(バカリズム)まあ、そうですかね。仕事はたしかにネタからですよね。
(佐久間宣行)だからやっぱり「誰が売った」がない人じゃないですか。
(バカリズム)だからそれが……そうなんですよね。誰の手柄にもさせてあげれてないんですよね。俺は。
(佐久間宣行)フフフ、違う、違う。それはすごいことなんですよ!(笑)。
(バカリズム)俺、今の言い方もちょっとなんか聞こえが悪いけど(笑)。なんていうんですかね? そう。だから俺自身はずっとぐちゃぐちゃな状態なんですよ。今でもバラエティとか出ても「ああ……」っていろいろ落ち込んで帰ることも多いし。他の人たちを見ても「ああ、もっとこうやれたな」とか。なんか「いまいちこう、決め手に欠けたな」みたいな。
(佐久間宣行)ああ、あるんですか?
(バカリズム)あります、あります。
(佐久間宣行)反省、するんですか?
(バカリズム)落ち込みっぱなしですよ。「今日もバレた。俺のダメなところがバレた。これでまた1個、仕事が減る」とか。そういうことを思いながら帰りますよ。だけどそれをでも、あんまり仕事帰りにそんな顔しちゃいけないから、「一生懸命やりました」っていうやり切った顔をして帰りますよ(笑)。
(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ!
(バカリズム)だから今、やっぱり弱音を吐く人の方が好かれるじゃないですか。
(佐久間宣行)まあまあ、分かります、分かります。そうですね。特に結構世の中的にみんなつらいから、「共感できる」っていう風に思ってもらえるっていう。
(バカリズム)そういうのを吐く場所がラジオであったりとか。そうですよね。みんな、そういう隙をちゃんと出せてるんですけど、俺はたとえば自分がラジオをやってる時とかもそんなのを出さないから。
(佐久間宣行)升野さんのラジオは本当に完璧にネタメールとがっちり用意したものの戦いみたいな感じだもんね。
(バカリズム)そう。リスナーとの大喜利合戦みたいになっちゃうから。
(佐久間宣行)「なっちゃうから」っていうのはやっぱり生来の性格からそうなっちゃうんですね。きっとね。
(バカリズム)そうなんですかね?
(佐久間宣行)あと、まあもちろん美学っていうのはあると思うけど。俺、だからやっぱり升野さんが……たとえば『ゴッドタン』はおぎやはぎとか劇団ひとりがホームグラウンドで始まって、自分がぐちゃぐちゃの状態から一緒に付き合ってたとするならば、升野さんはそれ、『アイドリング!!!』だと思うんですよね。
(バカリズム)そうですね。
(佐久間宣行)俺たちがまだ升野さんを……要はああいうことができる人で知る前に使って。それでなんかおもしろやっていきながら。だから、アイドリング!!!は朝日奈央もそうだし、あとは門澤さんっていう演出の方。フジテレビにいるんだけども。プロデューサーの方。そういった人たちと一緒にいる時の升野さんが一番、少年の升野さんなんだと思う(笑)。
(バカリズム)終わったなー!(笑)。
(佐久間宣行)フフフ、だからたぶん……だと思います。ちょっと想像していたトークと全く違うけど(笑)。でも面白いけど(笑)。この後もよろしくお願いします。
(バカリズム)お願いします(笑)。
(中略)
(佐久間宣行)今日はゲストにバカリズムさんが来てくれています。CM中も話していたんですよ。升野さんをみんな、なんていうか「絡みづらい」とはちょっと違うんだよな。なんか、升野さんは心を開いていろんな人を呼んでいるんだけど、その人から呼ばれてないっていうので。最近、気になっているのは?
(バカリズム)オードリー。
(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ!
オードリーに呼ばれない
(バカリズム)僕、オードリーがすごい大好きで。もちろんプライベートでも若林さん、僕の作業場に来たりとか。僕、『住住』を一緒にやったりとかしているんですけども。でも、よくよく考えたら基本、全部呼んでいるの、僕なんですよ。「やりましょう」って誘っているの。で、僕はだいたい若林さんにしても山里さんにしても、そんなに歳も違わないし。キャリア的に僕の方が先輩だけど、なんか同世代っていう感覚で。一緒に番組もやったりして。友達なんですけども。
(佐久間宣行)そのイメージ、ありますよ。だって元々、日テレで特番やっていましたよね? 「心の闇4」って……。
(バカリズム)そうそう。やっていたりもして。僕はすごく好きな2人なんですけども。でも、やっぱりなんとなく2人からすれば俺、先輩なのかなって。まあ、実は先輩だけども、それがやっぱりあるんだなっていうのがあって。
(佐久間宣行)だってよく考えたら「たりないふたり」は山里&若林でやっていて。たりないふたりには升野さん、いないですもんね。
(バカリズム)そうそうそう! あれ、「楽しそうにやってんな!」ってすごい思うんですよ。だからなんか……(笑)。俺は2人とはすごくしゃべりやすいけど、俺が思っているほど2人は俺のことをしゃべりやすくないのかな、みたいな(笑)。なんだろう? それ。プライベートでもLINEも一緒にやってるし。
(佐久間宣行)そうですよね。若林くんの、なんだったら別に「これ、どうなんですか?」とかっていうネタの相談とかも升野さんに来るんですもんね?
(バカリズム)そうそう。そうなんですよ。だから俺はすごく仲がいいつもりだったけど。「あれ?」みたいな。「俺、あんまりあっちに呼ばれていないな」みたいな。
(佐久間宣行)ああいう若林くんみたいな、たとえばその悩んでいることもちゃんと話した上で、そういう変わっていくことも厭わないのをドキュメント的に話していったりしてくれるじゃないですか。ああいう人のことが羨ましいんですか? ちょっと。
(バカリズム)羨ましいですよ。ああしておけばよかった!(笑)。
(佐久間宣行)フハハハハハハハハッ!