DJ松永 KEN-U『DOKO』を語る

DJ松永 KEN-U『DOKO』を語る サウンドクリエイターズ・ファイル

DJ松永さんが2020年9月6日放送のNHK FM『サウンドクリエイターズ・ファイル』の中で初めて自分のお金で買ったCDについてトーク。そのCDに収録されていたKEN-U『DOKO』について話していました。

(R-指定)じゃあ早速ね、この番組のコーナーにまいりましょうか。マイファーストファイル。初めて購入した音源や思い出の曲を紹介するコーナーです。ということなんですけどね、まずはマイファーストファイル。松永さんのファーストファイルを。

(DJ松永)なるほどね。私、新潟県出身のDJでございます。

(R-指定)新潟県長岡市出身。

(DJ松永)花火の街。

(R-指定)どんな環境? 花火の有名ないいところやな。

(DJ松永)ちょっとうっすらバカにしてる?(笑)。

(R-指定)いや、してない、してない(笑)。

(DJ松永)まるで「花火しかない」みたいな?

(R-指定)いやいや、米! 米!(笑)。

(DJ松永)ああ、よくない(笑)。本当に県外の人は全員、「ああ、新潟? 米? 米だよな?」って。

(R-指定)あと、しょうが醤油のラーメンな。

(DJ松永)ああ、踏み込んできた。自分、いいね! 見どころある!

(R-指定)ラーメン、美味いんよ。松永の地元。ラーメン美味いんすよ。

(DJ松永)ちょっと待って? 「これ、言っておけばあいつ、喜ぶだろう」みたいな?(笑)。

(R-指定)フハハハハハハハハッ! 接待地元褒め?(笑)。

(DJ松永)接待パーソナリティーになっていたよ? よくないねー(笑)。

(R-指定)松永さん、幼少期はどんな環境やったんすか?

(DJ松永)幼少期……なんだろうな?

(R-指定)でも音楽とかさ。ほら、家族がどんな音楽を聞いてたとか。

(DJ松永)家族……私、ちょっと痛いじゃないですか。

(R-指定)まあまあまあ……ちょい痛よ?

(DJ松永)母親が特に大痛で。

(R-指定)ああ、母親が大痛?

(DJ松永)徐々に薄まってきているから期待してほしいんだけど(笑)。純度は薄まってはいるんだけども。うちの親はね、家でずっとエンヤをかけてました。だから「聞く曲でかっこつける」っていうことをずっと親はやっていて。俺はそれを受け継いだわけよ。

(R-指定)フハハハハハハハハッ!

初めて親に買ってもらったCDは洋楽

(DJ松永)だから初めて親に買ってもらったCDは洋楽なんだよね。『ブルース・ブラザーズ』のサウンドトラックなんだけども。

(R-指定)めっちゃかっこいいやん。

(DJ松永)もうずっと洋楽を聞いていて。

(R-指定)じゃあ、映画の前にまずサウンドトラックを聞いたり?

(DJ松永)でも最初は映画ですね。やっぱりRさんも大好きなTSUTAYAさんでVHSを借りてきて。それで映画を見て。「ああ、これはすごいかっこいいな」と思って。それでかかっている音楽もかっこいいからさ。それで、初めて買ってもらうCDは『ブルース・ブラザーズ』のサントラで……っていうことで。最初、洋楽をずっと聞いてたんですよ。だから、聞く曲でかっこつけるみたいな。両親がそういうタイプだったから。

(R-指定)それ、何歳ぐらいで洋楽を聞いてたの?

(DJ松永)小学校3年なんですよ。

(R-指定)いけ好かんなー。しばこうや? そいつ(笑)。デコピンで泣かそうや?

(DJ松永)フハハハハハハハハッ!

(R-指定)クニヒコ少年を。「おい、イキんな、お前?」って。

(DJ松永)俺、デロリアンに乗ってボコボコに殴りにいくからな? 腹が立つわ、そいつ。

(R-指定)ドクと一緒に?(笑)。

(DJ松永)しかも、ちゃんと誇ったような顔をしていたから。ちゃんとかっこつけていて。それでさ、洋楽を聞いていて。だから最初、洋楽を聞いていたんですよ。そのマイファーストファイルって……俺、もう曲を決めたんだけどさ。初めて自分で買ったCDっていうのを選んじゃったんだよね。

(R-指定)でもいいんちゃう? 親に買ってもらったやつは洋楽やったけど、自分で目覚めた音楽、能動的に取りに行った音楽は?

(DJ松永)洋楽じゃなくて日本語の曲なんですよ。小学校の時、ずっと洋楽をブワーッと聞いていて。で、中学校の時から、その俺の音楽を聞く価値観、選び方っていうのは「聞いていてかっこつく音楽」っていう。それが幹になっていて(笑)。

(R-指定)よくないなー(笑)。まあまあ、わかる、わかる。

(DJ松永)それが幹になっていて。で、その時にさ、やっぱり中学生でさ、ストリート雑誌とかで裏原系のファッションが流行っていたじゃないですか。それで雑誌の『Ollie』とか『Samurai magazine』とかを読んでいて。で、地元にもそういうストリートファッションを取り扱うお店みたいなのがあるって調べて。友達とみんなでドキドキしながらそういうところに行ったりしてたのよ。中学生ってそういうもんじゃないんですか。で、その中で、地元のたつまき堂っていうさ、そこはレゲエのお店だったんだよね。当時、レゲエとヒップホップって区別がつかないじゃないですか。昔って。

(R-指定)我々世代でね、ちっちゃい時とか中学生の時に聞き始めた世代はみんな、ごちゃまぜで。ないまぜにして聞いてたんでね。

(DJ松永)それで訳もわからず、友達と……めちゃめちゃスポンテニアみたいなでっかい帽子をかぶった店主の人に(笑)。ラガな帽子をかぶった人に「これ、おすすめだから買いなよ」って。もう言われるがままに友達3人でワリカンして買ったCDっていうのがあって。それは『Escape』っていうワンウェイリディムのアルバムだったんですよ。

(R-指定)これはなんて説明したらいいんやろう?

(DJ松永)レゲエって「ワンウェイ」っていう文化があって。同じバックトラックの上でいろんな人が曲を歌っていくっていう。

(R-指定)それで全部違う曲名になっていたりとかするんですよね。

(DJ松永)そうそう。

(R-指定)じゃあ、『Escape』っていう名前の……それであっちは結構トラック自体に……まあレゲエの場合はトラックのことを「リディム」って言うんですけども。リディム自体に名前がついていて。すごい有名なリディムとかがあるんですけども。

(DJ松永)その『Escape』リディムのアルバムを買って。その中で当時、俺らが一番ピンと来たのがKEN-Uの『DOKO』なんですよ。

(R-指定)そうやねんな、それは。遠く離れた新潟で松永さんが『DOKO』に食らってた同時期、俺も大阪で『DOKO』に食らってんのよ。これ、だから松永さんが1990年生まれ。俺、R-指定は91年生まれ。この平成のど頭から……俺らの3つ上、3つ下ぐらいまでは全員『DOKO』はもう義務教育ですよね。

(DJ松永)義務教育だね。

(R-指定)じゃあ、もう聞いてもらいましょうか。いやー、いいですね。当時はあれしょう? 「クニ」って呼ばれてたんでしょう。松永さんは。

(DJ松永)クニよ。

(R-指定)じゃあ、クニが当時、バチンと中学生時代に食らった曲。聞いていただきましょう。

(DJ松永)KEN-Uで『DOKO』。

KEN-U『DOKO』

(DJ松永)お送りしたのはKEN-Uで『DOKO』でした。最高ですね。その、歌い出しからいいから。

(松永・R)で、あいたーい、My Time Day and Night♪

(R-指定)これやからね。

(松永・R)どっこへ行こう、きーみーとー♪

(R-指定)いや、さっき流たのに下手なクオリティーで歌うってどういうこと?(笑)。

(DJ松永)フフフ、もっと聞いてほしくて!(笑)。俺というフィルターを通した『DOKO』も聞いてほしい(笑)。

(R-指定)レゲエってやっぱり「コマゲン(Come Again)」やからさ。「最高や!」って思ったらやっぱりコマゲンしてもう1回、頭からかけるから。

(DJ松永)そうそう。あの時はさ、「ヤバいブツを手に入れたな」って思ったよ、俺。

(R-指定)正直、俺ら全く不良じゃないやん? 全く不良じゃないのに、悪くなったような気分になれるし。正直、同級生のヤンキーとかがなんか、ガキに見えたな。

(DJ松永)フハハハハハハハハッ! 俺らだけしか知らねえ世界がそこにはあったんだよな(笑)。

(R-指定)そうそうそう(笑)。

<書き起こしおわり>

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